
2024年1月24日から配信の日本ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』、奥が深そうなドラマが始まりました!
タイトルはインド哲学のことわざから来ているそうです。 ”ジャングルの中でクジャクが踊っているのを誰も見ていなければ、それは存在していないのと同じなのか”という深い問い。何の予備知識もなく1話を視聴してワクワクしました。
あらすじを紹介しながら、感想や考察を書いていきたいと思います。
*ネタバレあり
登場人物とキャスト
山下心麦(やました こむぎ):広瀬すず
松風義輝(まつかぜ よしてる):松山ケンイチ
波佐見幸伸(はさみ ゆきのぶ):森崎ウォン
阿南由紀(あなん ゆき):滝内公美
秋貞隆雄(あきさだ たかお):絃瀬聡一
赤沢 守(あかざわ まもる):野村康太
ありさ: 清乃あさ姫
西陣 誠(にしじん まこと):斉藤 優
染田 進(そめだ すすむ):酒井敏哉
遠藤友哉(えんどう ともや):成田 凌
遠藤力郎(えんどう りきろう):坂向 芳
赤沢 正(あかざわ ただし):藤本隆宏
赤沢京子(あかわざ きょうこ):西田尚美
山下静香(やました しずか):仙道敦子
木村夏美(きむら なつみ):原 日出子
山下春生(やました はるお):リリー・フランキー
神井 孝(かみい たかし):磯村勇斗
『クジャクのダンス、誰が見た?』相関図

第1話 最愛の父が遺した秘密ー時代を超えた無上の愛が、今動き出すー
クリスマスイブ、山下心麦は父の山下春生と屋台のラーメンを食べた。心麦は21歳の大学生。
心麦はその後サークルの飲み会に行った。終わったら父が迎えにくると言ったのに、駅に父の姿はない。
心麦は家に向かって歩きだすと、救急車と消防車が家の方向に向かって行った。心麦は走り出した、我が家が燃えていた。
父 春生はその火事で亡くなり、葬儀が営まれた。伯母の木村夏美が親族として心麦の横に座った。
春生は元警察官だった。葬儀には春生の後輩の赤沢正と妻の京子が来ていた。火事の原因は放火で、犯人(容疑者)はすぐに捕まっていた。容疑者は、春生と赤沢が検挙した東賀山事件の犯人の息子だった。
帰りのタクシーの中で、伯母の夏美は、春生の保険金について、しばらく心麦のお金を自分が管理してあげると言った。
心麦はアパートでひとり暮らしを始めていた。
心麦は、春生の放火殺人の容疑者についてネットで調べた。
”遠藤友哉容疑者。22年前、一家6人が殺害された東賀山事件で死刑判決を受けた遠藤力郎 死刑囚の息子”。
心麦はうたた寝し、夜10時過ぎに目覚め、父と通ってた屋台のラーメン屋に行った。
店主は、「心麦ちゃんに渡すものがある、あの夜 山下さんから預かった」と、A4サイズの封筒を心麦に渡した。中には300万円と手紙が入っていた。
手紙には、”私が想定する最悪の事態、私が誰かに殺されたとして、以下に挙げる人物が逮捕されたとしたら、三木田辰雄、津寺井幸太、遠藤友哉、、、その人は冤罪です。”と書かれていた。
翌日、心麦は封筒を持って弁護士の松風義輝を訪ねた。父の手紙の続きに、”以下に挙げる人物が逮捕されたら、松風義輝 弁護士に弁護を依頼してください”とあり、300万円はそのための費用だった。
心麦が松風に、父との関係を聞いたが、彼は、全く春生を知らなかった。松風は、その手紙が、本当に心麦の父が書いた物なのかを疑っていた。心麦は松風に、遠藤友哉の弁護をお願いしたが、松風は依頼を断った。「遠藤が本当に殺していたら?父親を殺したかもしれない人のためにお金を払い、弁護士をつけるなんて異常行為」と。
2人の会話を盗み聞していた波佐見幸伸は、「断ってよかったの?」と松風に聞いた。
心麦は赤沢に呼ばれて警察に行った。赤沢は東賀山事件について話し始めた。
2002年7月7日、被害者の林川さん一家6人は、手足を縛られ らせん階段につるされていた。当時生後半年の次女は、別の部屋にいて奇跡的に助かった。逮捕されたのは遠藤力郎 当時40歳、事件の第一発見者だった。逮捕の決め手は、犯人しか知り得ないことを力郎が供述したから。息子の友哉は身寄りがなく養護施設に入れられた。施設でひどいいじめに遭っていたらしい、そのストレスか、施設に火をつけようとしてボヤ騒ぎを起こした。その後施設を出て二度目の放火、職場の上司の家に火をつけた。つい最近まで服役していて出所した。友哉は、自分が理不尽な目に遭うのは、父親の罪をでっち上げた警察のせいと思い、捜査の中心にいた山下さんに怒りの矛先が向いたんだろう、と言った。
心麦は、「遠藤が黙秘しているのはやってないからなのでは?」と聞いたが、赤沢は「間違いなく犯人だ」と断言した。
松風義輝は遠藤友哉の面会に来た。
心麦はどうしていいか分からず、川辺のベンチに座っていた。子供の頃のことを思い出した。
「友だちがお母さんからもらったスカーフを学校に持ってきた。昼休みのあとスカーフが切られてボロボロにされていた。それを私のせいにされた、お母さんがいないから」と泣いて父に話した時、
「心麦のこと信じるよ。今、スカーフを切った子は逃げおおせたって思ってるかもな。その子はスカーフを切っちゃった事実といずれ向き合わなきゃいけない。”クジャクのダンス 誰が見た?”って言葉があるんだよ」と父が話してくれたことを。
心麦は父の手紙をくしゃくしゃにして川に投げようとしたが、そこに松風が現れ、止められた。彼は、「遠藤友哉に会ってきた」と言った。
「”クジャクのダンス 誰が見た?“って言葉知ってますか?」と心麦が聞くと、松風は驚いた。
「昔 父に教えてもらった話、ジャングルの中でクジャクが踊っているのを誰も見ていなければ、それは存在していないのと同じなのかという問い。本当のことを知ってるのはクジャクだけだと。クジャク自身が自分にウソをついたとしても、踊っていたという事実からは逃れられない。あの言葉は父自身にも向けていたのかなって」と心麦は言った。
松風は、「遠藤は何も言わなかった。最後に、沈黙の理由を聞いた時、”理由を知ってるのはクジャクだけです”と彼が言った」と心麦に話した。
松風に、なぜその手紙が信じられるのかと聞かれて、心麦は「父が書いたから、ずっと一緒にいて私のこと信じてくれた父だから、私は信じる」と答えた。
松風は依頼を引き受けた。
心麦は、夜、まだ立ち入り禁止のテープが貼ってある焼け残った自宅に来た。
宝物の缶が残っていた。中には思い出の小物、親子3人の写真などがあった。父の字は同じ字だった。
誰かが入って来た。心麦は隠れたが見つかってしまった。男は、「週刊ジダイ」の記者で神井と名乗ったが、心麦は必死で逃げた。そして赤沢に電話して、男の名前を言った。
翌日、心麦は松風の事務所に行った。松風と同じ弁護士の波佐見幸伸から挨拶を受けた。
心麦は、「”週刊ジダイ”の神井孝をネットで検索したら、東賀山事件の記事書いた人。出版社に電話したら、今日の4時に空いているそうだ」と話した。
波佐見は、心麦にコーヒーとプリンを出した。
松風は、近々もう一度遠藤に面接にいく。本当にこのまま進めるか?と念を押した。「もし遠藤さんがあなたの父親を殺してたとしても、僕は刑事弁護人、彼がやってないと言うのならそう主張する。1人の無実の人が苦しむ可能性があるなら、10人の真犯人を逃す方がはるかにマシ。真犯人を取り逃す不正義と冤罪被害者を処罰する不正義は質が違う」と言った。
「冤罪は悲惨だ、一度でも疑いを浴びたら、たとえその罪が晴れたとしてもずっと残る。汚れじゃないどす黒いものが自分の中に染み込むんだよ」と言って、松風はコーヒーをプリンにかけた。プリンの表面を黒いコーヒーが覆った。「こうなっても、これはプリンと呼べるか?あなたがしようとしている行為はもっと残酷だ。自分の父親を殺したかもしれない犯人を野に放とうとしてるのかも」と言った。
波佐見は、「心麦ちゃんがこれから見たくないものを見て、知りたくないことを知ることになるかもしれない、お父さんのことだって、、それを心配しているんだ」と松風を代弁した。
心麦はコーヒーがかけられた黒いプリンを食べた。そして「これは、、プリンです。父も冤罪を恐れていたから、私にこの手紙を残したんだと思う」と言った。
松風も黒いプリンを一気に食べて、「お父さんを信じる君を信じるよ」と言った。
心麦は帰り、週刊ジダイの事務所に来て神井孝に会った。「なんで私の家に?」と聞くと、「あなた、山下さんの本当の娘じゃないですよね?」と神井は言った。
「何 言ってるんですか?」と心麦。
「今の話、詳しく聞かせてもらいましょうか」と松風が現れて言った。
感 想
最初の映像から引き込まれました!脚本もすばらしいと思いました。
奥が深そうなドラマで、一体これから何が起きるのだろうという期待でいっぱいです。
1話目から印象的な場面がたくさんありましたし、俳優さんもすごくいいと思いました。
”クジャクのダンス 誰が見た?”について、心麦が父に聞いた話を松風にする場面、深い話ですね。
また、「真犯人を取り逃す不正義と冤罪被害者を処罰する不正義は質が違う」と言う松風のセリフは重く、心麦がコーヒーがかかったプリンを食べた後で、「これはプリンです」と言った後、秋風がそのブリンを食べたシーンに、秋風の覚悟が現れていると思いました。「これはプリンです」は、「黒いものが染み込んだとしても、無実は変わらない」と言う意味かなと思いました。
22年前の一家6人が殺害された事件で、1人奇跡的に助かった生後6ヶ月の次女が心麦で、山下春生と奥さんで彼女を育てたのでしょうね。
伯母の木村夏美の冷たい感じも合点がいきました。この伯母さん、信じられません、、。
次回からの展開がすごく楽しみです。
第2話 地獄に堕ちても知りたい秘密ー死刑囚父子が掴んだ光
神井は心麦に「あなた、山下さんの本当の娘じゃないですよね?」と言ったが、理由を聞かれると、「似てない。勘です、でも僕こういう時の勘、外さないんです」と言った。
神井は心麦と取り引きを持ちかけた。彼女がインタビューに応じてくれれば、その対価に山下春生の秘密を渡すと言い、心麦は動揺した。
松風は、心麦が危なっかしいのを心配し、自分の事務所でバイトをオファーし、心麦は引き受けた。彼女は、明日は赤沢に会いに行くが、父の手紙を見せてもいいかと松風に了承を取った。
遠藤友哉は刑務所の中で子供の頃のことを思い出していた。
父は腕のいい植木職人だった。その頃は母と3人で暮らし、一番幸せな時間だった。しかしある日、母は父と幼い友哉を置いて家を出て行ってしまった。それから友哉は父と二人で暮らした。数年後、東賀山の住宅で林川さん一家6人が殺害されるという事件が起きた。
友哉はノートに何かを書き、松風弁護士を呼んでほしいと看守に頼んだ。
心麦は赤沢の家に行った。
赤沢に父の手紙を見せたが、赤沢は、「犯人は遠藤友哉で間違いない。事件の数日前、遠藤が山下さんと会っていた、この手紙は遠藤が山下さんを脅して書かせた可能性がある」と言った。心麦は、「それでも私は父を信じる、遠藤友哉は犯人ではないと思う」と言った。赤沢は手紙を預かった。
京子が懐かしい写真を心麦に見せた。子供の頃、心麦の家族と赤沢の家族で月見をした時の写真だった。
松風は遠藤友哉の面接に行った。
遠藤は「私が山下春生を殺した、、、と言っても、弁護士料を払ってくれるかな、山下心麦さんは?」と言った。松風は遠藤が心麦の名前を知ってることに驚いた。「なぜその名前を?」と聞いたが、彼は答えず、「ノートにやってもらいたいことを書いたんで読んでください」と言って面接を終えた。
そのノートには、こう書かれていた。
- 父親との面接
- 週刊ジダイの神井さん(信頼できる)と連絡をとって、あなたを弁護人にしていいかどうか聞いてください。
- 神井さんへ、この人が信頼できそうなら、あの資りょうを渡して下さい。
翌日、心麦は松風の事務所に来て、遠藤と神井が繋がっていたことを知った。
松風は一刻も早く遠藤の弁護を引き受けたいが、そのためには神井に連絡しなくてはならない。しかし、そうなれば、神井が心麦にインタビューをさせろと取引を持ちかけてくるのを懸念していた。が心麦は「平気です。松風が横にいて、クジャクのいるジャングルまで連れて行ってくれるんでしょ」と言った。
松風は神井に連絡、午後9時に彼が事務所に来ることになった。
心麦は松風を誘って屋台のラーメン屋に行き、父の手紙とお金をラーメン屋の店主が預かってくれていたことを話した。松風はラーメンに満足した。
遠藤は刑務所で、東賀山の事件当時のことを思い出した。
友哉がニュースで東賀山のニュースを見た日、父は友哉に、「俺が通報した、林川さんの家に庭の手入れに行ったらひどいありさまで」と話した。
翌朝、遠藤のアパートの前に記者たちがたくさん集まった。
力郎は、「第一発見者として当時の様子を聞きたい」と言う女性の記者を家に入れてインタビューに答えたが、出た記事には、『第一発見者の男性が事故現場で窃盗か?』という見出しの共に、力郎と林家の間に金銭トラブルがあったという内容になっていた。
その後、力郎は”強盗殺人の容疑”で逮捕された。
友哉も記者にインタビューされ、「父をかばう必要はない、同情しているよ、あんな父親のもとに生まれてかわいそうだ」と言われた。
それからすぐ、力郎は自白した。
友哉はいじめにあった。知らない女性が呼び止め、お母さんからよと手紙を出した。そこには、「今は無理だが、必ず迎えに行く」と書いてあった。
その後、友哉のインタビュー記事も出たが、「父はギャンブル狂いで、毎日は地獄でした」と友哉の話とは全く違う記事になっていた。
友哉は母の手紙にあった番号に電話したが、通じなかった。友哉は手紙をライターで燃やした、それが地面に落ちてボヤ騒ぎになった。
遠藤力郎に死刑が言い渡され、友哉は”死刑囚の息子”になった。
大人になり就職したが、会社に、”東賀山事件の犯人の息子”と匿名の電話があり友哉はクビになった。
友哉は、職場の上司の家に火をつけて警察に捕まった。
警察は、「事件の3日前に近くの倉庫を燃やしたのもお前だな」と言った。友哉は「知らない」と否定したが、警察は友哉がやったと決めつけた。「調書にサインさえすれば悪いようにはしない」と。
「あの時、わかったんだよ、親父のことが。親父はきっと、、罪を犯してない、ただ、疲れたんだ。親父悔しかったよな」
友哉は刑務所の窓から見える満月に手かざした。が、”俺には差し込む光などない”と思った。
同じ頃、心麦はラーメン屋から帰り道で、空に見えた満月に手をかざした。
神井が事務所に来た。松風は、神井と心麦を接触させないようにした。
松風は神井に遠藤友哉から受け取ったノートを見せた。
神井は松風に「依頼して来た人間が誰なのか?」と聞いたが、松風は守秘義務で言えないと。
神井は、「東賀山の件で友哉と数回あっている」と言った。そして心麦に、「プレゼントです。受け取ってくれたら、”あの資りょう”を渡す」と封筒を差し出した。
心麦は受け取った。中には、”私的DNA型叔母姪鑑定書”が入っていた。
“鑑定結果、疑叔母「木村夏美」は擬姪「山下心麦」の生物的叔母である可能性は極めて低い。肯定確率:0.054201%” とあった。
心麦は、自分と叔母の血が繋がっていないことを知った。
神井は、「やっぱりあなたはお父様の子供じゃない。東賀山事件で生き残った当時0歳の林川歌さん、この子とあなたが同年代というのは、偶然ですかねぇ?」と言った。
感 想
2話のあらすじ遅くなりました。3話が配信されてますが、その前に書きました。
ぞくぞくするほど面白いです。
東賀山で逮捕された遠藤力郎は冤罪なのでしょうね。山下春生は、遠藤力郎を誤認逮捕したことを分かっていたと思うのですが。だから自分が誰かに殺害されるかもしれないと予想してた。でも、そうだとしたら遠藤友哉が山下春生を殺害している可能性はある気がしますが、、、。
週刊誌、インタビューで聞いたこととは全然違った記事を書くって、酷すぎ。その記事によって、その後のその人の人生がどんなことになろうが、全く責任も取らない。どんな事件も世間の興味本位で読まれて、そして忘れられていく。しかし記事によって損なわれた人たちの人生は元には戻らない、、。
第3話 逆転ー溢れ出す裏切り者の欲望…私の知らない父の顔
心麦が、”私的DNA型叔母姪鑑定書”を受け取ったので、神井は「明日、”あの資りょう”送ります」と言って帰った。
翌日、警察の赤沢が部下の秋貞に、山下春生の手紙を預かっていた染田(ラーメン屋の店主)を見張り、前科がないか洗うように指示した。
心麦は事務所に行ったが心ここに在らず状態。松風は「今日はまっすぐ家に帰って休むように、誰かに会いに行ったりしないように」と念を押して心麦を帰したが、、。
心麦は鑑定書にショックを受け、河辺でぼんやりしていていた。赤沢京子に声をかけられ、二人でカフェに入った。心麦が京子に、自分は母に似ているかと確認すると、京子は「そっくりよ、心配性なところも静香さんにそっくり。芯があってしっかりしてるところは春生さんに似てる」と言った。心麦はほっとした。
しかし彼女の足は、伯母の木村夏美の家に向かった。心麦から電話を受けた夏美は、神井に電話した。
夏美は心麦が来た理由を、「DNA鑑定に協力したから?」と言い、「やっぱりあなたは春生の子じゃないのね」と言った。そして「腑に落ちたわ。静香さんは子供は難しいと言われてたのに急に妊娠し、それから1回も顔を合わせないままあなたが生まれてた。山下家の血が入っていない以上は、春生のお金は私に任せて」と言った。
心麦が外に出ると、神井が近づいてきた。「山下春生さんはあなたにとってはいい父親だったんでしょうね、ただ他の人から見たらいい人ではなかったかも」と言った。心麦は反発したが、「あなたはお父様の何を知ってるんですか?」と神井が言った。
神井は夏美の家に行き、花瓶に仕掛けておいた盗聴器を回収し謝礼を渡した。DNA鑑定の時も謝礼をしていた。
神井から松風に資りょうが送られてきた、それは音声だった。
「ごめんなさい、友哉君にはホントに申し訳ないことをしたと思ってます」と男が言った。
「何に対しての謝罪なわけ?」その声は、遠藤友哉だった。
「林川さんにも力郎さんにも、とんでもないことをしたと思ってる。神井さんの力をお借りしてすべてをお話ししようと思う」と男が言った。
松風たちは、会話の内容から遠藤に謝罪している男は山下春生だと推察した。会話はそこで終わった。
松風は、屋台のラーメン屋に行き、店主の染田に山下春生を手紙について聞いたが、特に目新しい情報はなかった。しかし東賀山事件のあと、奥さんの病気が分かり、心麦がまだ幼かったので、山下は自ら異動願をだし交番勤務になっていた。松風は帰り間際、染田から心麦のことを頼まれた。
松風はラーメン屋の帰りに心麦を見かけて、どこに行ってたのかと問い詰めた。心麦は、叔母さんに会いに行き、神井と遭遇したと話した。
心麦は、自分が誰のかわからなくなってきた、と混乱していることを打ち明けた。
ネットで東賀山事件の生き残りの林川歌について調べたが、林川歌の生年月日は自分とは違っていた。
赤沢は部下の秋貞から、ラーメン屋の染田と話し込んでいる男がいた、それは遠藤友哉の接見にきていた弁護士だったと報告した。
染田は30年ほど前に野球選手のサインを偽造したユニフォームを販売して逮捕され、シャブも見つかり、2年の実刑判決を受けていた。
秋貞は、’山下春生の手紙は、遠藤友哉が染田に書かせたもの”との見解を述べた。
その時、赤沢は阿南検事から呼び出された。
「遠藤友哉を起訴するために、殺人で再逮捕。弁護人がつく前に割るように(自白を取れ)」と阿南は言った。公判に持ちこたえられる証拠がないから、自白を取れと言うことらしい。
赤沢はしぶしぶ了承した。その後、山下春生が心麦に残した手紙のコピーを検事に渡し、山下が書いたものだとは思わないと見解を述べた。
赤沢は車で待っていた秋貞に、「この仕事長くは務まらん、女には」と阿南検事への不満を漏らした。
一方、阿南検事は、「東賀山の件で山下春生の例の手紙出てきました」と誰かに電話していた。その相手は、染田の屋台でラーメンを食べていた。
翌日、警察官が染田の自宅に来た。染田は警察に行く前に誰かに電話し、警察が来たことを知らせた。
松風たちは事務所でカレーを作っていた。
心麦が役所で、自分の戸籍抄本を取ってきた。一人で見るのが怖いので、松風たちのいるところで見たかったのだ。
父と母の名前の下に、〔続柄〕長女とあった。
心麦は安堵した。もし自分が林川歌なら、”養子”と記載されているはず。あのDNA鑑定書は偽造だと彼女は言ったが、松風は同意しなかった。
彼は、ラーメン屋の染田が前科持ちだったと彼女に話した。お父さんが言ってないことがあると。心麦は、叔母からも神井からも、あなたは父親のことを全て知っているわけじゃないと言われ不安に駆られていた。
3人は屋上で、松風が作ったちくわ入りカレーを食べた。染田が松風に頼んだのだ。
心麦は、母が亡くなった時、何を食べても味がしなくなった。心配したお父さんは、心麦が好きなカレーとちくわを一緒にしたちくわカレーを作ってくれたと、松風たちに話した。
「誰がなんと言おうと、私は父のことも、父が書いた手紙も全部信じる」と涙ぐんで言った。
「それを聞いて安心した。クジャクを見に行くのを付き合うと言ったことを忘れないで」と松風は言った。
染田は警察で、「山下さんの手紙 偽造したな?誰に頼まれたんだ」と赤沢から詰め寄られた。
その時、遠藤友哉が廊下を歩いていた。染田は、取り調べ室の窓から遠藤を見た。2人は視線を交わした。
そして染田は、「山下さんの手紙を偽造したのは俺です」と言った。
男(阿南検事と電話した)が、街頭で「片付いた、ラーメン屋の件は問題ない」と誰かに電話していた。
感 想
3話はすごく難しかったです。いくつかの疑問点を以下に挙げておきます。
- 神井から、松風に送られてきた”資りょう”が一番の衝撃でした。山下春生が遠藤友哉に謝罪し、「神井さんの力をお借りしてすべてをお話ししようと思う」と春生が言っているのが。つまり、遠藤力郎は誤認逮捕、冤罪だということなのでしょうか?
- 阿南検事、ここで女性の検事登場ですが、女性ということに意味があるのでしょうか?彼女は、赤沢刑事との会話後、誰かに電話して、「山下春生の例の手紙が出てきた」と言ってました。
- 彼女が電話していた相手は、初回から度々 後ろ姿が出てきた人物で、3話の最後も電話で話していました。この人物も謎です。
- 遠藤友哉と染田が警察で視線を交わして合図していました。2人は面識があるわけですね。
山下春生を殺害したのでは、東賀山事件の真相をマスコミ(神井)にバラされたは困る国家権力が関係しているのかもしれないと思いましたが。
登場人物の関係や事件も複雑で、今後どのように展開していくのかまったく見当がつきません。
ーー4話に続きますーー
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