『その年、私たちは』11話あらすじと感想【僕らの夜はあなたの昼より美しい】*ネタバレあり

『その年、私たちは』11話のあらすじと感想を書きます。

*ネタバレあり

10話のあらすじは以下でまとめています。

第11話  僕らの夜はあなたの昼より美しい

ウンのインタビュー。

学生の頃、文房具店のおじさんが飼っていた犬 ”チョンチョン”の話をした。

おじさんが散歩の時も抱いていたから、外を歩いたのを見たことがなかった。

ある日、おじさんはその訳を話してくれた。

”捨て犬だった。散歩と見せかけて捨てられたから、外を怖がる。トラウマになっているんだろう”と。

ウンは同時に、絵の勉強の為、海外留学を勧められた時のことを思い出していた。

「何年も一人で行きたくない」と言うと、先生から「それなら友達と一緒にどうだ」と提案された。

ヨンスと一緒に行くために、語学研修、奨学金や生活援助のことを調べた。

一緒に住み、外国でお互いに支え合って勉強することを夢見ていた。

しかしその計画を話す前に、突然ヨンスに捨てられた。理由も告げられず、、、。

子供の頃、大都会のビルの谷間で泣いている夢が、また現れた。

我にかえり、チョンチョンの話の続きをするウン。

時々思い出す、”あの犬が心の傷にどう対処したか” を。

最近 僕も同じことをしている、とウンは思う。

心を隠し、ヨンスに無理に「友達になれる」と言った。

ジウン編集のヨンスの映像を見て、彼の思いが分かった時、お弁当を持って編集室を出た。

耐えられない試練に立ち向かう自信がない、

何もしなければ、何も起こらない、と。


ジウンは家に戻った。

「つまらない話を聞いてくれてありがとう」とヨンスにメッセージを送った。

母のことを話したようだ。

冷蔵庫を開けるとお弁当が入っていた。

ウンは家で絵を描いていた。

ジウンから”ウチに来たか”とメッセージが届いたが、返事をしない。

ヨンスは ”NJとウン熱愛” のネット記事と、二人の写真を見ていた。


NJの事務所は、今回の報道を否定しない方針。

NJは、コオ(ウン)を利用しようとする事務所に抗議するが、彼らは聞く耳を持たない。


ジウンは早朝、公園を思いっきり走った。

ウチに戻り、冷蔵庫に入れてあったお弁当を広げて、一人で食べた。ジウンの好きなものばかり。

ヨンオクに電話して、お弁当のお礼を言った。

ウンの父ホは、ウンとNJの報道を心配していた。

「ウンにはヨンスがいるでしょ」と言うヨンオクに、ホも「ヨンスほどの子はいない」と同意。

二人ともウンとヨンスがヨリを戻すことを願っている。

そして「今週だな」とホ。

「ウンには地方に出かけると言っておく」とヨンオクは意味深に言い、しみじみする二人。


ジウンが会社に行くと、チュランが、昨日、ウンがお弁当を持ってきて、編集室で待っていたと言い、

「昨日、お誕生日だったので、今夜夕食をごちそうさせてください」と言った。

編集室に入ったジウンは、ウンが全ての映像を見たとわかった。


ウンは雑誌のインタビューを受けていた。記者から、

「人を描かないというより、風景から人間を排除しているのでは?

作品の中に孤独と虚無感が感じられるのも、それが理由かと。

意図的なものなのか、それとも先生の気持ちの表れ?」

との鋭い質問が投げられた。

「見る人によって解釈が違いますから、深く考えていません」

と当たりさわりのない回答をするウンに、

「何度インタビューしても、深い話はできませんね」と記者はインタビューを終えた。


ヨンスは、行く先々で『NJとコオ氏熱愛』の話題が聞こえるのにうんざりしていた。

帰り道、路上で ”ナツメ” が売られていたのを、大量に買い込んだ。

そして、ウンの家の前に立っていた。

ウノが出てきて、中で待って、とヨンスを家の中に入れた。

なつめの袋が破れて、床にナツメが転がった。


チュランとジウンは居酒屋に食事に行った。

運悪く、先輩のパクPD、ドキュメンタリーの女性作家とインターンの3人が飲んでいた。

二人は仕方なく合流した。

作家は、早速ジウンに「今回は駄作」と直球のダメ出しを。

さらに「クク・ヨンスが好き?」とド直球。

ジウンは「後輩の前で言わなくても」とうつむく。

「映像が物語ってる。観察者を装っているくせに、一番主観的に撮っている。

見直して編集し直しなさい。出演者の視線を追うのよ」と彼女はアドバイスした。


ウンの家で待つヨンス。

玄関のチャイムが鳴り開けるとNJがいた。

NJは「私が二人の関係を邪魔しているの?」とヨンスに訊いた。

「いえ」とヨンス。NJは、

「邪魔者じゃないなら、あとは私が頑張ります」と言った。


ウンは、帰り道、ナツメを踏んだ。

家の前にも落ちていた。

玄関の前には、NJからワインとカードが。

部屋の中に、またナツメが落ちていた。

ウンは、ナツメをスケッチした。

ドアベルが鳴り、、、酔ったジウンがいた。

ジウンは、弁当のお礼を言った後、

「ある人が ”映像に気持ちが表れている”と。隠そうとしてもすぐわかる、と。

全部、映像を見ただろう?」とウンに言った。

ウンは「さあな、分からない」と。

「何も言うな、知りたくないから、黙ってろってことか?

予想はしてたけど、寂しいもんだな」とジウンは寂しそうに言い、

その言葉を背中で聞いたウンは、アトリエへに仕事に向かった。


撮影最後の日

ヨンスはカレンダーを見て、今日が何かの日だったことを思い出す。

ウンは朝から、外出していた。

ウノから「今日が最後の撮影」と確認の電話が入った。

両親の店の前に来ると”臨時休業”の貼り紙があった。

ウンの家の前では、ジウンたちが撮影の準備をして待っているが、ウンが来ない。

チュランは「友達だから甘く見ているのでは?これが初めてではない」とひどく怒っていた。

ジウンがチュランに謝り「今日は撤収して」と言った。

ヨンスとウノが、ウンを捜しに行った。


その頃、ウンは、数年ぶりに文房具屋に来ていた。

おじさんに”チョンチョンは”と聞いていると、高校生の女の子が散歩から連れて帰ってきた。

ウンは驚き「昔は外に出るのを嫌がっていましたね?」と言うと、

「それは大昔の話、今では外に出せと大騒ぎ、、、自分で克服した」とおじさん。

ウンは小さな声で「裏切り者」とチョンチョンに言った。

ヨンスが捜し来たが、二人はすれ違った。

会社に戻ったジウン、作家の「出演者の視線を追うのよ」の助言を思い出し、再編集を始めた。


ウンは、市場で買い物をしていたヨンスのおばあさんに会った。

ぎこちない二人だが、ウンはおばあさんの荷物を持って、一緒に家に戻った。

たくさんのナツメがむしろの上に干してある。

「なぜナツメが?」と聞くウンに

「ヨンスがたくさん買ってきて干した。あんなにたくさんナツメ茶を作ってどうするのか」とおばあさん。

ウンは、家に帰る道すがら、ナツメが落ちていたことを思い出す。

おばあさんは言いにくそうに

「ヨンスがあなたを傷つけたらとしたら、全部私のせいなの。

憎たらしい口を利くのも、短気なところも私に似た。

だからあの子に怒っているなら、私にぶつけて。あの子を憎まないで」

と言うと

「ヨンスはそんな人じゃありません。本当にいい人です。僕にはもったいないほど」

「そんなにわかってるなら、何しているの」

「そうですね。今日は本当に自分が情けないです」

とウンは言った。


ヨンスは夜までウンを捜してクタクタになっていた。

映像会社では、チュランが、ジウンが再編集した映像を見た。

そこには、ヨンスがウンをみる映像が、、隠しきれないヨンスの思いが映っていた。


ウンは一人で食堂で食事をしていた。鍋とお酒。

ヨンスは、店の外からウンを見つけ中に入り

「今回はてこずったわ」と言い、彼の前に座った。

「町中を捜し回った。今日思い出したの、毎年この時期に姿を消した、あなたのご両親も。

ちょうど、あなたと向かい合ってお酒を飲みたかった」

とヨンスは食べる準備をした。

二人は無言で食べて飲んだ。

ヨンスが話し始めた。

「また口を閉ざすのね、それなら私が話す。

その、、、”友達になろう”って言ったよね。

考えたけど、私には無理

友達がイヤというより、私は、私はあなたが、、、」

ヨンスの言葉が終わらないうちに、

会いたかった」とウンがヨンスを見て、静かにはっきり言った。

ヨンスも、ウンをしっかり見て聞いた。

「今までずっと。

君が戻って来た時、目の前にいる君になぜか腹が立って、憎かった。

でも分かった気がする。

僕はーーー

君に愛されたいんだ

僕だけを愛してくれる君に会いたかった

何も言わず、真っ直ぐウンを見るヨンスの目に涙が光る。

「ヨンス」との呼びかけに、

「うん」と声にならない声を出すヨンス。

僕を愛してほしい

二度と離さずに

ずっと

離さずに

愛してくれ、、、

ヨンスは涙を流しながら、何度も頷いた。

お互いに涙を流しながら、二人は見つめ合っていた。


エピローグ

ウンとヨンスは酔っ払って、高いビルが立ち並ぶ夜の街に来た。

ウンが1つのビルを見上げて

「ヨンス、このビルの屋上を見るには?」と言い、突然、地面に寝転がった。

笑うヨンス、ウンも笑い

「寝転ぶんだって、父さんが」

「さすがね」と言いながら、ヨンスもウンの横に寝転がった。

「見えない」と言うヨンスに「僕もそう言った」とウン。

「何歳ぐらいの時?」

「5歳?6歳だったな」

「おじさんが悪ふざけを」と笑顔で言うヨンス

「父さんじゃない」

「?」と驚くヨンス

「実の父親だ、、

悪ふざけがすぎるよな

幼い子供を地面に寝転ばせて

屋上まで数えてみろだなんて

大きい数字がわからず

1、2、1、2、と数えて

起き上がったら

父さんはいなくなってた」

驚き半身を起こし「ウン」と名前を呼ぶヨンス。

「笑えるだろ

そんなふうに

子供を捨てるなんて」

ウンは左手を目に当てて声を出して泣いた。

ヨンスは、その手をとって

ウンの唇に静かにキスをした。

感 想

11話、神回でした!

ジウンのヨンスへの思い、親友の彼女への片思い。

高校生の時からずーっと隠してきたのに、彼の映像が全て物語っていた。

作家の先生に見抜かれ、チュランも分かっている。

映像を見たウンにも、彼の思いが分かった。が、気づいていないふりをした。

知らないふりをされるのも辛いジウン。

再編集し、ヨンスの視線を追うとそこにウンがいる、彼女の思いは明らか。

ジウン、辛いです、、。


ウン、すごく優しい両親に愛情一杯に育てられたのに、なぜ ”孤独感”が感じられるのだろう、とずーっと不思議に思っていた。

まさか実の両親ではなく、幼い時に、親に捨てられたとは、、、衝撃でした。

”二度と誰かに捨てられるのは、ごめんです” と彼が心の中で言った時、ヨンスのことだと思ったが、幼い頃にも同じ思いをしていたのだ。

この回に、記者の鋭いインタビューが入っているは、秀逸です。

ウンは、心の奥を誰にも見せない、そう簡単には。


そして、なんと言っても、今回の一番の見どころは、ウンとヨンスが二人でお酒を飲みながら静かに話す場面。

僕を愛してほしい」が最高の愛の告白のセリフになるなんて、、。

この二人にとって、これ以上の愛の告白はありません。

ウンとヨンス、二人の会話の間、声のトーン、表情、、、

俳優さんの表現力がすごすぎて、見入ってしまいます。

そして、ウンは、初めて、ヨンスにだけ、自分の心の奥の苦しみ、幼い頃に親に捨てられたことを話すことができました。

切なく美しい物語ですね。


第12話のあらすじと感想は以下にまとめています。

お読みいただきありがとうございました。

Drama
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