『魅惑の人』13話・14話・15話・16話(最終回)のあらすじと感想 *ネタバレあり

出典:Netflix

『魅惑の人』、いよいよ佳境を迎えました!!王様の本当の敵は誰で、王様の本当の望みは何なのか?大君の安全は守られるのか?そして王様とモンウ(ヒス)はハッピーエンドを迎えられるのか?

13話・14話・15話・16話(最終回)のあらすじと感想を紹介します。

*ネタバレあり

「魅惑の人」4話までのあらすじと感想 こちらをご参照ください。

「魅惑の人」第5話・第6話・第7話・第8話のあらすじと感想 こちらをご参照ください

「魅惑の人」第9話・第10話・第11話・第12話のあらすじと感想 こちらをご参照ください

「魅惑の人」第13話 あらすじと感想 

モンウは王様に「お入りになっては、なりません、、」と震えながら言った。

その時、チュ・ダラが王様を斬ろうとやってきた。モンウは王をかばって斬られた。倒れるモンウを王は抱きかかえ、ダラは「お嬢様、、」と泣きながら膝をついた、それをサンファが聞いた。

王様はモンウを屋敷に入れ寝かし、「御医と医女を呼べ」とサンファに命じた。

トン尚宮は、大妃に呼ばれて退いた時、宮中を出ていく御医と医女たちを見た。

御医の指示で、医女がモンウを診た。

御医は王様に「今夜が山となるでしょう」と報告し、土下座した。「罰をお下しに。忌辰祭の時、棋待令を治療したと偽りを申したのは、恩人に棋待令のことを頼まれたからです。その方が大司憲になるとは思いませんでした。棋待令は兄弟同然の友の肉親だそうです」と言った。

王様はすぐにキム・ジェナムを呼び事情を聞いた。

ジェナムは経緯を説明した。「棋待令は3年前死にかけの身で訪ねてきて、反逆の意があると言った。私に協力を求めたが、私にはそんな気概はなかった。私は疑われて当然。私も王様を疑っていたが、疑念は王様に拝謁するや消え去り、この国と民のために私にできることがあると考えた。棋待令に私の意思を伝え、その後は連絡していない。死を覚悟しているが、棋待令の意識が戻ったなら、真意に耳をおかたむけください」と涙を流して頭を下げた。

王様はパクを立ち上がらせ、「そなたを信じる。余も棋待令の胸中を知りたい」と。

パクは「この家の主もあの世で喜ぶはず。唯一の肉親が死罪にならずに済んで、、」と。

「モンウは先生の肉親なのか?」と王様とサンファは、驚いて顔を見合わせた。

王様はキムをモンウが寝ている部屋に連れてきた。

王様は宮中へ戻った。

サンファの部下たちが、チャグンニョン、セドン、チョム・イネをカン・ハンスン邸に連れて来た。チャグンニョンは斬られて横たわっているモンウを見て激しく泣いた。


翌日 王様は世子が大妃の挨拶に行ったと聞き、大妃の屋敷にいくと、世子は庭で待たされていた。王様は世子と共に大妃の部屋に入った。

大妃が「喪服姿の世子を見るのが辛いから」と、世子を長く待たせる理由を言ったので、王は「お心が楽になるまで、内官に挨拶させます」と言った。

外に出た世子は、王様の意を分かりながらも「大妃様への挨拶は孫としての務め」と言った。「望むものは?」と聞かれ、世子は「棋待令に会いたいです」と言ったが、王は何も答えられなかった。


重鎮たちの会議の席に、キム・ミョンハが王命を伝えに来た。

何人かの重鎮が、ミョンハの肩を叩いたり「桃の木の跡地の檀香梅は良い」などとおべんちゃらを言った。彼が世子の外戚になったから。

ミョンハはモンウが何も言わずに参内しなくなったと聞き、夜、モンウの下宿に行ったが誰もいなかった。ユ・ヒョンボが尾行して来て「そなたと懇意にしたい」と言った。ミョンハは「王妃の座を得られなくなったのか」と図星をついた。


パク領府事は、大妃に「王様の妃候補として、元刑曹判書キム・ネソンの息女は?」と話した。領府事の妻の姪である。王妃は喜んだ。二人は世子とキム・ミョンハを消すつもりである。


トン尚宮は、先日の夜、御医と共に出かけた医女に宝石を与え、どこに行ったのか聞いた。「どこのお宅かわからないが、棋待令がいた。女人でした」と医女は答えた。


モンウは、チャ・グンニョンたちの手厚い看病で、目を覚ました。

サンファが王様に「吉報です」と知らせた。王様はすぐに会いに行きたい気持ちを抑えた。

夜、モンウは髪を棋待令の頭にして風にあたりに竹林に行った。王様が来た。

「私が大逆罪を犯したゆえ、おつらかったでしょう」とモンウ。

「私の罪だ。お前の反逆は私が望むことだった。それゆえ、お前を棋待令に任じ、あえて大君のそばに置いた。公主すり替えの件で罰を与えず追放しなかった。そして府院君らがお前の助言により、大君の世子冊立を上奏した時、罰しなかった」と王様。

「王様は私が初めて映翠亭に上がった時、後ろ盾を作ったら殺すと、、」

「お前が慎重に行動するのを望んだまでだ。だがお前が大妃の懐柔に応じぬのを見て気が変わった。”お前を大君の師にして大妃と領府事の疑念を退け、私が望むことをすればよい”、そう考えた。大君の世子冊立は、私がお前を利用した、私がしたことを隠すため」と王は言った。

「領府事が映翠亭に乗り込んだ時、私は隠れて立ち聞きしました。恋い慕う人が極悪非道な君主だと明確になっても、恋情は消えるどころか痛みを感じるほど強まり、、それで、もっと深い惑い陥る前に、世子様をお守りするため、、」とモンウ。

王様はモンウを抱き、「二度とお前を手放さぬ、お前を守る」と言った。


王様は、キム・ジェナムとモンウを呼んだ。

「2人に話がある。私の師、カン・ハンソン様は生きておられる。北京で清と明の情勢をうかがっておる」

「ハンスンは王様の間者だと?」とキムが聞いた。

「さよう、瀋陽から北京に移された時、放免されたが、帰国せず清に留まる決心をなさった」

「王様が何度も帰国を促したが、拒んだのです」とサンファが言った。

「王様、先日、公主様をお世話する者がとおっしゃったのは、、」とモンウがきくと

「そうだ、先生のことだ。先生の頼みでお前を捜し回ったが見つからなかった。近くにいるとは知らず」と王様は答えた。

「父の消息が分かり誠に幸いです」とモンウは涙を流した。


王様は、閉じ込めているチュ・ダラに会った。

「私が計画してやったこと、お嬢様は関係ありません。私を死罪に。王座に目がくらみ、清の間者になるのも厭わぬ奸悪な罪人を罰せぬまま死ぬのは無念ですが」とダラは言った。

「余が誠に お前のことを清に密告したと思っておるのだな。信じなくても良い。お前は義がある、よって2つの道を与えよう。

1つ目、罪を隠し、生きる道を探すこと

2つ目、罪を明かし、死を受け入れ、恨みを晴らすこと」と王様は言った。

チュ・ダラは別軍職に連れて行かれた。草庵がモンウたちに「義禁府へ押送せよと王命が下った」と言った。


王様は王宮に戻り、都承旨を呼び「重臣たちを招集せよ、逆賊を尋問する」と王命を下した。

ユ・チョンボが領府事に「チュ・ダラをご存知で?3年前明に行き捕えられた間者で、カン・モンウの一味」と告げ口した。

領府事は他の重臣たちが集まる前に王様に謁見した。

「チュ・ダラは棋待令を後ろ盾にしている賎民で、3年前の件で王様を恨むカン・モンウとキム・ミョンハがそそのかしたのです。直ちに義禁府へ押送し尋問します」と力んだが、

王様は「この度の尋問はチュの罪を明かす狙いではない。あの者はすでに自白した。チュが告発した、”国と民を危険にさらした間者の罪を明らかにしてほしい”と。清と通じて、国と民を危険にさらした逆賊、その卑劣な間者を捜し出し大逆罪に問うつもりだ」と王様は言った。

感 想

13話も最高に面白かったです!

モンウが斬られた時の王様の狼狽えよう、尋常ではなかったです。(「愛の不時着」で、ユン・セリが撃たれた時のリさんを思い出しました)。

やはり王様は、大君の世子冊立を望んでいたんですね。でも自分からは動けないので、モンウを大君の囲碁の先生にして利用した。公主のすり替えも、結果的には、公主を清に送りたくなかった王様の望み通りになったと言えます。二人とも本心を隠しながら、チームワークバッチリでした!(公主すり替えは、薄氷を踏むような離れ業でしたが、、)。

モンウの愛の表現が、すごくストレートで情熱的です❤️

それから、御医とキム・ジェナムが繋がっていて、キム・ジェナムに話を聞いたことで、王様とサンファは、モンウが カン・ハンスン様の娘だと知りました。

王様が森の中で手紙を受け取ったり、サンファに「必ず見つけ出せ」と命じている場面がだいぶ前にありましたが、まさか、カン・ハンスンが娘を捜しているとは予想もしていませんでした。

カンが生きていただけでなく、王様のために3年間 清で働いていたことが分かり、もう、モンウ(ヒス)と王様の信頼関係が揺るぐことはありませんね。サンファもモンウを二度と疑うことはありません。

一方、領府事は、まだ王様に「カン・モンウを逆賊」だと訴えている。王様が彼の言うことに耳を傾けないことを全く分かっていない。ラストシーンで、領府事が力んでいるのを適当に聞き流しながら、最後に彼に圧をかける王様がカッコよかったです!

「魅惑の人」第14話(神回)あらすじと感想 

「清と通じて、国と民を危険にさらした逆賊を捜し出し大逆罪に問うつもりだ。チュ・ダラが尋問の席で罪人の名を明かすであろう」と王様が言った。

領府事は、「清の間者を罰するための尋問だと睿親王が知れば、激怒し、両国間に亀裂がしょうじかねない。王様のご治世を危うくする」と反発。

王様は激怒し「重臣は尋問に関与できぬ、退散を伝えよ」と内官に命令した。

キム・ジェナムと都承旨を呼び、”尋問官史から重鎮を除外せよ”の他、詳細な指示を出した。

都承旨が下がった後、キム・ジョナムが、チュ・ダラの告発を受け入れた理由を聞くと、「余の志と一致するからだ」王様は答えた。

清と通じた間者が重臣らの中にいると?もしやパク領府事?」キムが聞いたが、王様は無言。しかしキムは王様が ”朝廷を刷新する策を講じよ”と命じた理由を理解した。


セドンがチュ・ダラについて「王様が自ら罪を問うらしく、それまでは獄につながれている」とモンウに報告した。


王様は、御医に、先王を死なせた毒を調べさせているが、また見つからなかった。


朝会で重臣たちは王様に、”逆賊チュ・ダラの告発による尋問の命” を取り下げるようにと口々に申し出た。

王様は「そなたらの己の安全と利だけを追求する魂胆は見苦しい。命を賭け、間者のこと告げたチュはよほど忠臣。今度このことで異議を申し立てたら、間者を匿う行為と見なし大逆罪に問う」と激怒した。


オ府院君がミョンハに、「3年前、キム・ジョンべ様はなぜ王様が間者と確信を?」と聞いた。

ミョンハは、ユ・ヒョンボが「チナン大君とチュ・ダラが妓楼で会うのを見た」と、父と自分に告げた事を思い出し、ヒョンボを問い詰めたが、彼は「父上の望む事を言っただけ」と。

ミョンハは彼に、「チュ・ダラはお前が間者だと告げるかもな」と脅した。


領府事は大妃とまた密談。「王様は、一番の功績者のこの伯父を切り捨てるおつもり。私が “先王が明に間者を送った”と清の睿親王に密告しました」

「なぜそのようなことを?」と聞く大妃に、領府事は大声で笑い、

「気づいていなかったと?チナン大君が窮地の時、清の兵が義州に侵入したことや先王が突然崩御されたのも、偶然だったとお考えで?私の功をさげすむまれては困る。ご心配なく、王様は私を切り捨てることはできない」と言った。


モンウは、キム・ジェナムから、「王様がせいておられるようで心配」と聞き、王様に会いに映翠亭に来た。

王様はまだ回復していないモンウを心配した。

モンウは「私の罪だと知りながら、私を守るためにチュ・ダラを押送したならをお考え違い」と言うと、王様は「お前がそうくるだろうから、先手を打った。余の女人だから」と。

尋問は3年前に清と通じた間者を捕えるため。私が望んできたことだ。心苦しいだろうが、これはチュ・ダラの意でもある」と王様。

清と通じた間者とは領府事ですか?忌辰祭に大君を帯同したこと、公主をすり替えたこと、世子の冊立にいたるまで、全ては領府事との力比べだった。3年前、父が清に連れて行かれ、ホンジャンが死に、私も死の危機に瀕した時、権力に惑わされている王へ復讐を誓った。でも惑わされていたのは私だった。領府事を討てば治世が危うくなるのに、何故危険を冒すのですか?」とモンウは聞いた。

恥じていたから犯した罪を隠し、生きてきたことがつらくてたまらぬ。3年前に始まった余の罪を知れば、お前は余に背をむけるであろう、、これ以上は隠せぬ。先王が崩御される際、遺教を残された。”私を害した者を捜し出し罰するのだ。そして元子に王位を継がせよ”。余は兄上の遺教に逆らい王になった。王位を簒奪した罪人だ」と涙を流した。

モンウは王を抱きしめ、「王様は先王の遺教を守るために王位に就かれた、大君と公主を守るために自ら罪人に。王様は地獄におられます。私がおそばにいてお力に」と言った。王様もモンウを抱き泣いた。


キム・ミョンハは、モンウが王に通じていて、謀反のことを話したのでは?と疑った。モンウは「チュ・ダラが王殺害に失敗した。私が王の真意を見抜けなかった。尋問は世子を守るためと確信している」と言ったが、、。


モンウとセドンたちは、チュ・ダラが投獄されている牢屋に来た。ダラはハン尚宮にプニョンの件で賄賂を渡した時、領府事の使用人のマクトンから「以前どこかで会わなかったか?」と声を掛けられたことを思い出した。「3年前、清の兵に私の行方を知らせた者は、マクトンなのでは?」とダラは言った。

モンウが王様にこの件を話した。

サンファがマクトンに会いに領府事の屋敷に来たが、いなかった。領府事はマクトンに金銀を与えひまを取らせた。サンファたちが彼を追ったが、領府事の配下に殺害された

領府事は暗殺者に金銀を与え、「この書状を持って義州へ。ひと月後、世子を認める書状を届けにチョン・ジェピョが参る。チョンに私からだとこれを届けるのだ」と命じた。


翌日、マクトンが暗殺されたと知った王様は、領府事を呼んだ。

「領府事、罪を告白し罰を受ければ尋問はせぬ」と言ったが、領府事はしらばっくれた。

「清と通じた罪を隠し通せると思うか!尋問に至れば、マントン殺害だけではなく、先王を毒殺した罪も暴く」と王様は気色ばんだが、領府事は「私が毒殺を指示したとしても、王様が私を罰すれば、民は王様の罪だと考える、”謀反の口実”となり王座を守れなくなる」と。

「民は、余が兄上と義姉上を毒殺して王座に就き、外戚の領府事が朝廷を掌握し横暴をきわめるのを座視、のんきに碁を打ち男色にふける情けない王だとさげすんでいる。これらは全て”謀反の口実”になり得た。行動に出ねば、王が権力をふりかざす外戚を処断することほど、民の心を動かすことはなかろう。最後の警告だ」と。

領府事は、時間をくださいと言い、王様は1日だけ猶予を与えた。


ユ・ヒョンボが、領府事に「近くで見てきて、3年前のことは、すべては領府事様がなさったことだと気づいた、王様のために清と内通までしたのに。忠心を分かってくれぬ君主に未練を持つ必要はない。キム・ミョンハにお会いになりませんか?私が橋渡しを」と言った。

ヒョンボはミョンハに「チュ・ダラが、我々の名を挙げるかもしれない。領府事と組むしかない。世子様を王座に就かせ、父上の恨みをはらそう。明朝までに返事を」と言った。


翌朝、ヒョンボは領府事に「ミョンハが志を共にする」と言ったが、領府事は証がほしいと。

ミョンハは、モンウと碁の勉強を終えた世子を屋敷に送った。そこに領府事が待っていて、世子に挨拶した。「今後は世子様をお守りいたします」と。

世子は「礼を言う」と言ったが、すぐ屋敷に入った。


領府事は約束通り、王様に謁見に来た。

王様が「告白せよ」と言ったが、領府事は「告白すべき罪がございません」と言って、出て行った。

王様は「明日罪人を召喚し尋問を行う、準備せよ」と都承旨に命じた。


トン尚宮は、ハン尚宮に呼び出されて出向いたが、待っていたのは領府事だった。トン内宮はおののいた。

領府事は四角い小さな箱をトン内宮に差し出し、、彼女は後ずさった、、。

「これで自決せよと?」と聞いたが、「お前を殺すのにこんなものは必要ない」と領府事。

トン内宮は領府事の意図を察した。

「拒めば、尋問の場で王様に告げる、”トン尚宮が王様のために先王を毒殺した”と。王様はお前を決して許さぬだろう。お前を許せば王様は天倫に背いた暴君となるからな」

トン内宮は箱を受け取った。


トン尚宮は箱を開け、中の陶器の紅入れの蓋を開け、、紅いベニを唇に塗った。

王様の屋敷に行った。

王様はトン尚宮に「お前は兄上を毒殺した証であり、パク・ジョンファンが間者であることを知る証人だ

(トン尚宮は、3年前、先王がカン領議政だけを呼び「明に間者を送る」と命じたのを盗み聞きし、領府事に密告したことを思い出した。

明日尋問の場で罪を告白せよ。お前と領府事の罪を告げれば、その功を認め、命だけは助けてやる」と言った。

トン尚宮は「はい、王命に従います。その代わり、私の最後のお願いをお聞きに、、」と言い、王様に近寄り、自分の唇を王様の唇に重ねようとした、、。

感 想

14話は、私的には”神回”でした。というのは、いろいろな謎が一気に明らかになったからです。整理してみたいと思います。

パク領府事

一番の悪人はパク領府事でした。

1. 2話で、先王がカン領議政に「明に間者を送れ」と命じた。カン領議政は、チュ・ダラを明に送った。しかし領府事睿親王にこの件を密告した。

  • 睿親王は清の兵士を国境に送り、一部が義州に侵入、国と民が脅かされた
  • カン領議政が全責任をとり、罪人となり清に行った。この件で領府事は、朝廷で一番実力を持っていたカン領議政を追い出すことができた。
  • チュ・ダラは清に捕まり激しい拷問を受け、左目をくり抜かれた。ダラは、権力に目がくらんだ王、イ・インが間者だと思い、モンウと共に彼への復讐を誓っていた。

2. 領府事はトン尚宮に先王の毒殺を指示した。毒は”口紅”の中に入っていた。(食べ物や汁物から出ないはずです)

3. イ・インが王座に就いてから、領府事は外戚として朝廷を掌握し、自分の思いのままに権力を操ってきた。”王様が清の間者”と思われていることは、領府事には好都合だったでしょう。

4. 睿親王が、公主との婚姻の勅令をチョン・ジェピョに託したのも、領議政が絡んでいたはず。(モンウにすり替えられましたが)。

5. 現在、王様に追い詰められ、トン尚宮を使って王様を毒殺しようとしている。そして、キム・ミョンハに接近し、世子を王座に就かせると持ちかけた。そしてチョン・ジェピョ宛ての書状を配下に持たせた。用意周到というか、悪知恵が働くというか、、。

領府事は生き残るために、今度は、あれほど排斥しようとした世子を利用しようとしている、、ほんとに汚いヤツですね。


王様の状況

1. 王様は王位についてから、領府事の言いなりだったのでしょう。しかしモンウを棋待令に据えてからは、ある意味、モンウの反逆を利用して、領府事と対決した。忌辰祭に大君を帯同公主をすり替え世子の冊立、領府事との力比べに全て勝利した。領府事があれ程までにモンウを敵視したのは、棋待令が来てから、王様が自分が反対することばかりして、意のままにならなくなったからでしょうね。

2. 王様は、3年間ずっと自分を恥じてきた。”兄上の遺教に逆らい王になった罪人”と罪悪感を持ってきました。自分が背負ったきた苦しみをモンウに打ち明けることができてよかったです。モンウの言う通り、大君と公主を守るために、王様になったと言えると思いますが。

3. 今だに、清と通じた間者との汚名を背負ったままである。

疑問:

王様は王位についた途端、捕えられたモンウとホンジャンに非情で(4話)、拷問で体が弱っていたホンジャンは遠方に連れて行かれる途中で亡くなった。これは王様の罪なのでは?と思うけれど、王座を守るために仕方がないことだったのか?


〔パク・ミョンハ〕

モンウに誘われて王様への反逆に加わったが、モンウと王様が通じているのでは疑っている。チュ・ダラは捕まったがモンウは捕まらないし、彼がモンウに不信感を持っても当然だと思います。

ずる賢いユ・チョンボに「領府事と同じ船に乗るしかない」と誘われた。領府事に、世子と挨拶する機会を与えたのが、”志を共にする証”なのでしょうか?

世子は明らかに領府事を嫌ってますよね。まだ幼いけれど、とても賢くて情も厚い世子は、人を見る目があるので、領府事が信用できない人間だと見抜いているはずです。

パク・ミョンハ、領府事とユ・ヒョンボに加わることはないと思う。世子を守って!

余談ですが、、。パク・ミョンハ役のイ・シニョンさんと、ユ・ヒョンボ役のヤン・ギョンウォンさんは2人とも『愛の不時着』で、北朝鮮のリ中尉の部下のでしたね!あの時もイケメンでしたが、まだ青年だったイ・シニョンさん、大人の男性になってますます素敵です❤️。ヤン・ギョンウォンさんは『愛の不時着』でも目立ってましたが、今回も目立ってる。時々に応じて権力者にすりよる狡猾な悪役、憎らしくなります。ほんとに上手ですね👏


〔トン内宮〕

可哀想な人、、。大妃の命令で、イヤイヤ先王の知蜜尚宮(愛人ですよね?)になったが、領府事の命令で先王を毒殺。恋慕していたイ・インが王様になった時も知蜜尚宮になり、一切の身の回りのお世話をしているが、寵愛は受けていない。

今回また領府事に、王の毒殺を命じられた。当の王からは「尋問の場で罪を告白すれば命だけは助ける」と言われ、、。毒が入った口紅を塗って、王様に口づけしようとしている、、。唇に毒を塗って、トン内宮の命の方が危険なのでは?


来週2話で終了ですが、どんな結末になるのか、すごく楽しみです!

「魅惑の人」第15話 あらすじと感想 

トン尚宮は、王様に近寄り口づけしようとしたが、王様は拒否した。

尚宮は「最後の望みを拒まれることは分かっていた」と言うと、口から血を吐いた、、尚宮は毒を飲んでいたのだ。

「王様を殺めるよう命じられた。私の一生の望みは、王様のご寵愛を受けること、ですが更に望んでいたのは、この命が尽きるまで王様をお守りすることでした」と言って、息絶えた。

王様はトン尚宮の血がついたまま、大妃の屋敷に行き、「トン尚宮が死んだ。兄上の時と同じように毒殺を命じられたが、従えず、自ら毒を飲み、死ぬ前に全て白状した。伯父上が清と通じている間者兄上を毒殺した罪を問おうとしたゆえ、私も毒殺しようとした。領府事を尋問する」と言った。大妃は王の決意をひるがえそうと必死で訴えたが、王は拒否した。


映翠亭にモンウは呼ばれた。

王は「領府事がキム・ミョンハに謀反を提案したと聞いた時、すぐ捕えて尋問すべきだった」とモンウに言った。

ミョンハは、領府事から謀反を提案されたことをモンウに話し、王様に告発しようとしたが、モンウが止めた、ミョンハを守るために。そしてモンウが謀反の件を王に話した。王は、モンウに「領府事を油断させるために、提案に応じるようにミョンハに伝えよ」と言ったのだ。

王様は「私がトン尚宮を死なせた。私の罪を知る唯一の者だった、己のために罪を犯させておいて、母上と伯父上の間者だと疑って憎んだ」と自分を責めた。モンウは「トン尚宮は、王様の秘密を知るゆえ、王様を守るために自害したのです」と言った。

モンウは「トン尚宮が死んで証人がいないが、それで尋問を?」と心配したが、王の決意は変わらなかった。


領府事は、ユ・ヒョンボに、「トン尚宮が死んだゆえ、王様は私を罪人として呼び立てる名分がない。尋問はできない」と言った。

「王様が尋問を命じたら?またキム・ミョンハが告発したら?」とヒョンボは恐れた。

「”キム・ミョンハとユ・ヒョンボが手を組み、私に謀反を提案した”と告発すればいい。私が死ねばそなたも死ぬ、よいな?」と領府事はヒョンボを脅した。

夜、ヒョンボは手下たちを連れ都から逃げようとしたが、サンファに捕まった。ミョンハが、ヒョンボの謀反の企てを告発したのだ。


ミョンハがモンウを訪ねて「先王の遺教は大君を世子に立てよとの内容で、王様はその遺教を守ろうとなさっている、ちがうか? 領府事の提案を受けて気づいた。私が尋問の場に行き、領府事が謀反を企てたと告発する」と言ったが、モンウは「世子様が危険にさらされる」と彼を止めた。


翌日、王様は「尋問をする」と家臣に言った。

王は、キム・ジェナムの提案を受け、ミン・ジファンに委官を委ねた。

王の命で、罪人”領府事 パク・ジョンファン” が連れて来られたが、パクは官服を着て現れた。

王様が、官服を脱がせるように指示したが、領府事は「尋問を受けるためではなく、釈明をしにきた。ご下問に奉答できなれければ官服をぬぎ、処罰を待ちます」と言った。

王が「領府事は清と通じて、清軍を攻め込ませた死んだトン尚宮をそそのかし、先王を殺害した罪を認めるか?トン尚宮に毒を渡し余を殺すよに命じたか?」と下問した。

領府事は、全て否定し「私が関わったという証しや証人は?」とふてぶてしく王に言った。

サンファが「王様、証人が名乗り出ました」と言うと、ユ・ヒョンボが現れ、

「領府事が言った、3年前、清と通じ清軍を攻め込ませたことも、トン尚宮に先王を殺害させたことも、自分がやったことだと。また王様が罪を明らかになさろうとしたため、トン尚宮に王様を殺害させると言った。領府事が私に逆心を打ち明けたのは、領府事と私が共に謀反を企てたからです」と証言した。

領府事は、ヒョンボの証言は全て偽りだと反発したが、官服を脱がされ、椅子に縛り付けられ、拷問を受けた。

拷問は夜まで続いた。王様は全員をその場から下がらせ、領府事と二人になった。

「3年前、兄上が亡くなった夜、”宿命を受け入れる”と申し上げた。私が王座に就いたのは、この日のため、この尋問のためでした」と王様は言った。

「これが王様への私の忠義への見返りですか?」と領府事。

「敵国と通じ、王を殺害したことが忠義だと?伯父上は、王の権勢を富貴栄華を極めるのに利利用する奸臣。この3年間、逆徒の力で王座についた私に、王の資格はあるのかと悩んだ。しかし伯父上の罪を罰することが王である私の務めだと悟った。伯父上の罪を許さない」と王は言った。

領府事は刑が決まるまで自宅で幽閉された。


王様は刑を確定した。

チュ・ダラには、間者を告発して、大逆罪を明らかにした功で、杖刑80打と重労働3年に減刑した。

ユ・ヒョンボは、謀反を企てたが、それを告発、謀反を未然に防いだ功で、遠方への流刑に処された。


キム・ミョンハは、王様に謁見し、「領府事とヒョンボからの謀反の誘いに心が揺らいだ。罰をお与えください」と罪を告白した。

王様は「領府事の刑罰を決めた。毒薬による自害を命じる。お前が毒薬を渡すのだ。領府事の最期を見届けるのが罰だ」と命令した。

領府事の処刑の日。ミョンハが立ち会い、領府事の前に毒が入った茶碗が置かれた。領府事がそれを飲み干し、「実に、よい味だ」と叫び、苦しみ、倒れ、息絶えた。


清の使臣、チョン・ジェピョが、世子冊封の誥命を携え義州についた。

王様はチョン・ジェピョと会談した。

チョンは「領府事パク・ジョンファンの件で苦労した。睿親王に一部終始を伝えた。睿親王も朝鮮のことは朝鮮の王が決めるべきだと言った」といい、一枚の書状を「贈り物」だと王様に渡した。それは領府事が睿親王に当てた手紙で、”私が清と通じていることが朝鮮の王に知られ、断罪されそうだ。清の干渉を防ぐのが狙いゆえ、朝鮮の王を清に呼び警告すべきかと。世継ぎの世子がいるので、後事案ずる必要はない”とあった。

皇帝の勅書と共に、睿親王が託した親書に、”チョン・ジェピョを朝鮮に送り返す、重臣として受け入れろ”とあった。堂々と間者を送り込んできた。王様はそれを知りながら、受け入れると返事した。

親書にはもう一つ要求が。皇帝が棋待令と碁を打ちたいと、棋待令を清に送るように命じていた。


モンウは、ミン・サンヒョから、睿親王が自分を北京に送れと命じたことを聞いた。


領府事が処刑されてから、大妃は、食を絶っていた。王様が見舞いに来ないことで大妃は意地になっていた。

ハン尚宮は、大妃が大ごとにならないか心配して医官に相談した。その帰り、棋待令を診察した女医に遭遇し、棋待令の秘密を知った。ハン尚宮は女医を大妃の前に連れてきて、棋待令が女人だと打ち明けさせた。大妃の目に生気が満ちた。

モンウは世子に碁を教えに行く途中で、ハン尚宮に、大妃様がお呼びだと言われてついて行った。その様子を世子が見た。

世子がひとりで碁盤に向かっている時、王様が来て、「棋待令は?」と声をかけた。世子は「大妃様に呼ばれたようです」と答えた。

モンウは大妃と対面した。大妃は「誰が見ても女人なのに」とモンウに言い、モンウは驚いた。大妃は宮女に衣装を運びこませて、着替えさせるように宮女たちに命じた。

モンウが数人に捕まっている時、王様が入ってきた。

感 想

トン尚宮、自分が毒を飲んで自決しました。王様を殺害する気はなかったので、唇に毒は塗っていなかったのでしょうね。彼女は望み通り、王様の秘密を知っている自分が自害することで王様を守ったのです。哀れな人だと思いますが、それが彼女の愛の形で、王様の腕に抱かれて息絶えたのは、最後の最大の幸せだったようにも思えます。


領府事は、トン尚宮が死んだことで、自分の罪を知っている者はいないと油断した。また、ミョンハとチョンボが告発したら、彼らがそそのかしたと告発返しをすればいいとタカをくくっていた。そして尋問の場に証人として出てきたユ・チョンボの告発で、罪人となり厳しい拷問を受けた。

自分が生き延びるためなら誰にでも擦り寄り寝返る、ユ・ヒョンボの本性をキム・ジョンべ(ドラマの前半で王様に殺害されたミョンハの父)も領府事も甘くみてたようです。

領府事は最後まで王様を理解することはできませんでした。


王様は、先王の遺教 ”私を害した者を捜し出し罰せよ”を、3年間ずっと心に抱いていた。この遺教を果たすために、王の座に就いたのでした。もう一つはすでに大君を世子に冊立しています。王様は、ずっと先王への忠義心を持ち続けていたということですね。


キム・ミョンハは、王様が世子を守ってくれることを理解しました。ミョンハは、父親のように外戚として権力を振るうことを考えていないようで、王もそれが分かり、彼を生かしたのだろうと思います。


15話で、最大の悪人の領府事が亡くなりましたが、、、亡くなる時は、あっけないものですね。

また清から使臣が来て、今度は、睿親王の”棋待令を清に送れ”という要望が王様を悩ませているようですが、それについては、ドキドキもハラハラもしません、、。

最終回に続きます。

「魅惑の人」第16話 (最終回)あらすじと感想 (アップしました)

大妃に、モンウが女人だとバレていた。大妃は宮女に、モンウを捕まえさせた。そして女性の衣装に着替えさせるよう命じた。そこに王様が現れた。宮女たちはモンウを放した。

大妃は「清の皇帝が棋待令との対局を望んでいるとか。棋待令を後宮に、清の皇帝といえど、国王の妻を連れてはいけない」と王に提案したが、王は「棋待令を清に送らないし、後宮にもしない」と言った。「息子をもうけねば」と言いつのる大妃に、王は「息子はいる。二度と棋待令を呼ばぬように」と母に忠告し、モンウと共に屋敷を出た。

王様はモンウに「母のことばに心が揺らいだが、お前を王宮に閉じ込め独り占めしたいという欲心を母に見透かされそうで我に返った。皇帝にお前が呼ばれた事は、お前を清に送りはせぬゆえ話さぬつもりだった。もう決めたことだ」と言った。

しかしキム・ジェナムは「棋待令を清に送らねば、領府事の処刑を口実に教鞭手段に出るはず。民が王様を信じるために、棋待令を清に送り、王妃をお迎えください」と王様に諫言した。ジェナムの申し入れは、モンウからのお願いでもあった。


モンウは王と碁を打ちながら、「領府事を罰したことは清への宣戦布告も同然なのに、清が兵を送る代わりに私を求めたのは和平の提案。このことを利用して、利を得る方法を考えては?私が清に参り、あちらの状況を探ります」と言った。王様は「何ゆえお前は危険を冒そうと?」と聞くと、モンウは、「私は碁を打ちに行き、相手は皇帝だから。私が好意を得られれば王様と民の力になれる」と言った。

それでも承諾しない王に、モンウは「北京にいる父に会いたい」と言った。

王様は「3年前もお前を守れなかった、王なのに、なぜ守れぬ」と苦悩しながらも、「認める」と承諾した。


王様は、モンウの清への護衛として、チュ・ダラを行かせることにした。

サンファがダラに会い、モンウの護衛を任せるため、赦免になった由伝えた。

ダラは「ケリをつけたいことがある。数日いただきたい」と言った。サンファは、ユ・ヒョンボだと分かり、「3日だけ」と猶予を与えた。

チュ・ダラは、ユ・ヒョンボの流刑地の一軒家を見つけていた。ヒョンボには、監視人の男が付いていたが、彼はその男を殺し逃亡した。しかし、林の中で待ち伏せしていたダラに殺された。


モンウは清に発つ前にミョンハに会った。彼から「ユ・ヒョンボが、監視人を殺し逃亡中に山賊に殺されたようだ」と聞いた。ミョンハはモンウに「無事を祈る」と惜別の言葉を述べた。

モンウは、世子に挨拶に行った。世子はモンウに抱きつき、「先生から学んだことは忘れません。北京の姉上によろしくお伝えください」と涙を流した。

モンウが下宿に戻ると、チュ・ダラが戻っていた。「清に行くお嬢様をお守りせよと王様が赦免を」と言った。セドンたちは、ダラの晴れやかな顔に驚いていた。モンウは、彼がユ・ヒョンボを殺害し、ホンジャンの敵をとったことを悟った。


翌日、モンウの下宿にサンファが来た。「王様がお呼びです」と言い、王様が下賜された衣を持ってきた。

河岸で王様は待っていた。王様から贈られた美しい衣装に着替えたモンウ(女人)が出てきた。

「今日だけはお前とごく平凡な男女として過ごしたい」と王は言い、モンウの手をとった。

ススキ野を歩き、川で水切りをして、二人は用意された家で共に過ごした。

王様は「どこにいようと私の棋待令であることを忘れるな」と言った。

モンウが「何ゆえ、私の名を聞かぬのですか?」と言うと、王は「”勝てば名を教える”、それが賭碁の原則、お前に勝てぬのに聞けるか?」と。モンウは「必ず無事に戻り、王様に雪辱の機会をお約束します」と言った。


翌日、映翠亭に入った王様、しばらくしてサンファを呼び、「モンウが戻るまで映翠亭には立ち入らぬ。命を下すまで門を閉じよ」と命じた。


ーーモンウが発って9ヶ月が過ぎたーー

王様は、民が憂える不正を正すように命じた。

  • 貢納と軍役の弊害を正し、両班にも税を課すことに。
  • 王宮と朝廷の綱紀を正した。

しかし、判府事チョン・ジェピョが清を盾に欲を満たすのを、王は座視していた。


睿親王が急死し、公主が朝鮮に戻ることになった。

清の使臣が慕華館に着いた。チョン・ジェピョは王様に「私は使臣とも親しく言葉も通じるので、迎えにいくのがよいかと。明日王様が出向かれる際、ご不便がないようにします」と言うと、王は「よかろう、チャンニョン公主も迎えるゆえ、キム・ミョンハも帯同せよ」と命じた。王は、チョンが清の使臣と通じて利を得ることが目的と知っていて、あえて許可した。

キム・ミョンハは、チョンに帯同して慕華館に向かったが、町でモンウを見かけた。

夜、セドンの家に行くと、モンウが戻っていた。誰にも知らせずにひとりで戻ったようだ。モンウの父とチュ・ダラはまだ北京にいる。モンウは王様に戻ったことを知らせるつもりはないようだった。

「今後は?」とミョンハが聞くと、「公主様とプニョンが無事に戻るのを見届けて、また発つつもりです」とモンウは言った。


公主の身代わりになって北京に行っていたプニョンが戻り、王様に挨拶した。

王様は彼女をいたわった。間者としても立派に働いたようである。

王様がプニョンに”褒美を”と言ったが、プニョンは、公主様の身代わりになったことをお許しくださり、すでにご恩を受けたゆえ希望はない、と返事をした。


王は清の使徒たちに会い「”公主を無事に戻してくださり感謝している”と皇帝に伝えてくれ」と伝言した。

使徒が「次は、皇帝に罪を犯した者を引き渡してください」と言うと、王は「今引き渡す」と言い、使徒団がチョン・ジェピョを捕まえた。罪名は”睿親王が急死する前、反逆を試みた証がある”。チョンは「私は朝鮮の民です」と王に訴えたが、王は「お前は随分前から朝鮮の民ではなく、清の民だった」と彼を冷たく突き放した。(1話で、チョンが清の役人としてチナン大君と朝鮮民を人質として清に連れて行った時、彼らを侮辱し、自ら「自分はもう清の民だ」と言った。)


キム・ミョンハが、プニョンをモンウの下宿に連れて来て、みんなで感動の対面をした。王様が褒美を与える、とミョンハが言ったが、誰も褒美はいらないようだ。

彼はモンウにこれからのことを聞いた。「明日発ちます、ひとまず草庵先生宅に。その後のことはまだわからない」と彼女は答えた。


翌日、モンウはチャグンニョンと共に出発した。

山の中腹で休んだ。チャグンニョンが水を汲みに行った。

雲一つない空、、モンウは雨が降りそうにないのを悲しんだ。

どこからか碁石を置く音が、、モンウは音のほうへ歩いて行った。

王様が木の影に碁盤を置き、石を置いていた。

「遅いではないか、ずっと待ってたのに」と王は言った。「お前がここを通るだろうとミョンハが知らせてくれた」と。

「王様はなぜまだ独りなのですか?」モンウは聞いた。

「私は独りだったことはない。胸中には常にお前がいた」と王は言った。

「実は濛雨が降ればお会いできるのではと期待を」とモンウ、、。

「空を見上げてただ待つのは二度とせぬ」と王は言い、モンウに口づけした。

二人は対局した。

王様が「覚悟せよ、今日こそお前に勝ち、名を教えてもらう」と言うと、

カン・ヒスです」とモンウが言った。

「”カン・ヒス”、探し求めていた名だ。ヒス、私はもうお前を離さぬ。生涯を共にしよう」と王様が優しい目をして言った。ヒスは、涙ぐみ穏やかな目で王様を見つめた、、。

ーー完ーー

最終回まで見た感想 (アップしました)

『魅惑の人』、全16話、完走しました。ハッピーエンドでした!感想を書きます。

16話の概要

16話(最終回)は、ドラマのまとめ、布石の回収でした。

清の皇帝の ”棋待令を清に送れ”との要求を王様は断固拒むつもりでしたが、モンウがキム・ジェナムに王様への諫言を頼み、彼女自身も対局をしながら、王様を説得しました、「これを利用して私が皇帝を探る。民と王様のためになること」と。この辺りは ”モンウ、ちょっとやりすぎ、何でも分かりすぎなのでは?”って思ってしまいましたが、、。

”睿親王が急死”というのも、とても都合よしでした。

しかし、公主の身代わりのプニョンが朝鮮に戻れて良かったです。これで本物の公主も宮中に戻れ、堂々と世子と一緒に過ごせますね。世子は幼い時に実母が亡くなり、たった一人の姉の公主と別れ、慕った王妃が病死、モンウが清へと心を許せる人との別ればかりで辛かったでしょう。公主が戻ってきて本当に良かったです。

チュ・ダラは、モンウの護衛で清に付いていくことで赦免され、ユ・ヒョンボを打って、ホンジャンの敵をとりました。

もう一人の小悪人、チョン・ジェピョも反逆の罪で、清に連れ戻されました。

悪人たちは全て報いを受けました。

王様は次々と新しい改革を行い、王宮と朝廷の綱紀を正し、民に信頼される王になっていることも、サラリと語られました。

王様から”褒美を”と言われても、セドンたちは何もいらないようでした。プニョンが無事戻ってくれたことが一番の褒美で、それ以上の尊いことはないとわかっている人たちでしたね。そこも良かったです。

王様の腹心、サンファ

ドラマの最初から、ずっと王様に仕えている右腕 ”サンファ”、本当に素晴らしい腹心でした。目立つたず、でしゃばらず、王様の意図を素早く察して、すぐに行動する。王様への進言があっても、王が拒否すればすぐに引っ込める、理想の部下でした。王様は、サンファのような信頼できる腹心がいて幸運です。サンファを見るとすごく安心しました。

大きなモチーフ “囲碁”

このドラマの一番の特徴は、王様とモンウが”囲碁”で繋がっているということだったと思います。対局している時は、1人 対 1人、囲碁を通じて会話する。囲碁を通じて、2人だけが理解しあえるものがあったのでしょう。だから、ただの男女の関係より、もっと深い絆が2人にはあるような気がします。囲碁を打つ2人は、どちらも政治的な局面でも、常に先手を読んでいました。

最後の場面は、王様のプロポーズですよね。

カン・ヒスが王妃になるのでしょうか?そうすれば、世子の母になるから、世子も嬉しいでしょうね。

ヒスが王妃になったとしても、王宮に閉じ込められる王妃ではなく、ましてや、大妃の言う通りの王妃にはなりませんね。

ドラマでは、王妃に言及されなかったのも、良かったと思いました。

1話で、カン・ヒスが父と碁を打ちながら、「嫁がないのか?」と心配する父に、「嫁ぎます、相手があらわれたら」と言い、それは自分より碁が強い相手という意味でしたが、最終回でそれも回収されました。

まとめ

王朝の権力争い、陰謀、心理戦、男装の棋待令、病弱な王妃と大君の絆、、どうなっていくんだろうと、久々に夢中で見たドラマでした。前半で散りばめら得た布石が、最後には全て回収されました。

領府事が処刑されるまでのストリーが、緊張感がありとてもスリリングで、本当に面白かったです。

モンウが、女人とバレないはずがない思いながらも、それについてはあまり気にもならず、、。

シン・セギョンさんの目の演技、低めの声が素敵でした。

チョ・ジョンソクさんの王様の演技も、ほんと素晴らしいかったです。優しさと迫力の両方が素敵でした。

『魅惑の人』、あらすじを書きながら、推理していくのがとても楽しかったです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


「魅惑の人」4話までのあらすじと感想 こちらをご参照ください。

「魅惑の人」第5話・第6話・第7話・第8話のあらすじと感想 こちらをご参照ください

「魅惑の人」第9話・第10話・第11話・第12話のあらすじと感想 こちらをご参照ください

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