
2023年11月3日から配信のNetflix 韓国ドラマ『今日もあなたに太陽を』。素敵なタイトルです。副題、”精神課ナースダイアリー” の通り、精神科で働きはじめた看護師が日々、患者たちを明るく照らすために奮闘する物語。どんなヒューマンドラマが描かれるのか楽しみです!
*ネタバレあり
予告と基本情報
精神科で働き始めた心やさしい看護師が、さまざまな困難にも負けず、受け持ちの患者たちの毎日を明るく照らすために全力で仕事に取り組み姿を描く。ーーNetflix よりーー
配信:Netflix
配信日:2023年11月3日から配信、全12話
ジャンル:ヒューマンドラマ
原作:ウェブトゥーン
演出:イ・ジェギュ監督
脚本:イ・ナムギュ:『ヒップタッチの女王』
登場人物()はキャスト
〔主要人物〕
チョン・ダウン(パク・ボヨン):精神健康医学科に移った看護師

トン・ゴユン(ヨン・ウジン):肛門外科医

〔出演作〕:『39歳』『内省的なボス』他
ソン・ユチャン(チャン・ドンユン):ダウンの親友

ソン・ヒョシン(イ・ジョンウン):ベテラン看護師、精神病棟の看護師の精神支え

〔周辺人物〕
ファン・ヨファン(チャン・ユル):精神健康医学科医師
パク・スヨン(イ・サンヒ):精神健康医学科の主任看護師、ワーキングマザー
ホン・ジョンラン(パク・ジヨン):精神健康医学科の看護師、ダウンの大学の同期
ミン・ドゥルレ(イ・イダム):精神健康医学科の看護師
ユン・マンチョン(チョン・ベス):精神病棟の介護士
イム・ヒョクス(キム・ジョンテ):精神健康医学科の教授
チャ・ミンソ(コ・ソンハ):精神健康医学科医
第1話 夜が明ける前が一番暗い
チョン・ダウンは、3年目の看護師で、内科から精神科に移ってきた。
初日の朝、ソン・ヒョシン看護師長から、看護師たちを紹介された。看護師たちはダウンが3年目でなぜ精神科に移って来たのか不思議に思っていたが、、。
施設には卓球台があり入院患者達がプレーしていた。卓球のベテランは、介護士のユン・マンチョンさん。
教授と医師たちの回診がはじまり、ダウンはイム教授以下、医師たちを紹介された。その中の一人、ファン・ヨファン医師と面識があった。ファン医師はダウンが高校生の時の家庭教師だったのだ。
ダウンは、早速、個室のオ・リナさんの担当になったが、オさんは「私は病気ではない、退院したい」と訴えた。
ファン医師がオさんの母親と面接していた。「恐らく双極性障害、保護入院の手続きの為、お母さんとオさんのご主人の署名が必要」と書面を出したが、夫は病気のことを知らない。
母親は差し入れに高級なブドウを持って来ていた。ダウンがそれを持って病室に行くと、オさんは涙を流し「夫以外に愛してる人がいる」と訴えた。
ファン医師が母親に確認すると、実はオさんの一方的な感情、ストーカー行為で裁判所から”接近禁止命令”が出ていた。
オさんは「彼が連絡を待っている」と主張、ダウンが「お母さんからオさんの片思いだと聞いた」と言うと、オさんはダウンの頬を叩き、走って病室を出た。廊下で全裸になって、踊りだし、そして倒れた、、。
ダウンは呆然と立ち尽くした。看護師たちが大きなタオルで彼女を包んで連れて行った。
パク主任から「妄想のある患者には否定的な言葉は禁物」と注意された。
翌日、ダウンがオさんの病室に行くと、彼女は昨日と打って変わって沈んでいた。
病院に母親と夫が来た。ファン医師は「リナさんは自尊心が低く、それを隠す為に仮面をかぶっている」と話した。夫は保護入院同意書に署名した後、何も言わずに出て行った。
お母さんはまた高級ブドウを持って来た。ダウンが病室に持っていくと、オさんは冷蔵庫に入れてと頼んだ。今までも差し入れもそのままだった。実は彼女は子供の時にのどにつめてから、ブドウが嫌いだったのだ。
「嫌いと言っても、いい物だから好きになれと母から言われた、服もバッグも、夫も」と彼女は話した。
ダウンは幼なじみで親友のユチャンに、遠回しな例え方で相談した。
「アヒルが1羽いる。でもママがその子の幸せを願い、白鳥のように着飾らせ、白鳥の男とも結婚させた。でもその子は苦しくて不幸」と話した。ユチャンは「本人の意思じゃないから。幸せとは自分の思うように生きること」と言った。
肛門外科医のトン・ゴユンは、一日中、指をならしていないと落ち着かない。脅迫性障害なのか、と精神科のコン・チョル医師の診察を受けた。
コン医師は「好きな物は?夢中になれば紛れる。衝動が抑えられればそれが好きな物」とアドバイスした。
ダウンはソン師長に、オさんの力になりたいと相談し、師長と一緒に、オさんが何を望んでいるか聞くことにした。
オさんは「状況が変わらないから症状が改善しても、きっと再発する」と言った。師長は「夜が明ける前が一番暗いものです。朝は来ます。私たちは患者さんの心に波を起こすだけ、その波がどこに届くかは患者さんにかかってます」と言った。
リナの母がまたブドウを持って来た。リナは「好きじゃない、嫌いだと言い続けたのに、なぜ私を苦しめるの?何でもお母さんに従った、友達も結婚も、みんなが羨む生活なのに、私は不幸。裸で踊ってる時だけが自由だった」と初めて母に自分の気持ちを話した。
その夜、リナは冷蔵庫のブドウを全て捨てた。
翌日、母の面会を拒んだ。母は興奮して「退院させる」と言ったが、ダウンは「母との時間で一番好きなのは、娘を信じて見守ってくれる時です。お母様もオさんを信じては?」と話した。
またリナの母親が面会に来た、ブドウ以外の果物を持って。リナと母は笑顔で一緒に果物を食べた。
その様子を見て、ダウンは「投げた石が波を起こし、向こうの岸の誰かに届くこともある」と上機嫌、クォン先生に「私は石になることにしました」と言い、トン・ゴユンがそんなダウンを見た。
ダウンは、キム・ソワンさんを連れて肛門科へ行った。
ソワンさんは「屋上にドラゴンがいましたか?」とダウンに話かけ、ダウンは話を聞いた。彼女は彼の中で”仲裁者様”になった。
ゴユンは、ダウンを見てると”指鳴らし”をしないことに気づいた。
病院の食堂で、内科師長と精神科のソン師長が一緒に食事をしていた。
内科師長が「チョン・ダウンは順調?」と話してる声がダウンに聞こえた。「私の荷物を押し付けちゃって申し訳なく思ってた。彼女は優しすぎて、仕事が遅いせいで、他の看護師たちに迷惑をかけてたから」と、、、ダウンはとても傷ついた。
感 想
1話、とても面白かったです。すんなりと物語に入り込めました。
痔を患っているコン先生と、肛門外科医のトン・ゴユン医師の場面が、シリアスな内容の中の笑いでした。
ダウンが、オさんと母親の和解を見て、「私は石になる」と上機嫌でファン先生に報告した後で、食堂で内科師長がソン師長に話している会話を聞き、ショックを受ける、、という流れ、、
人の心って、ちょっとしたことで幸せになったと思ったら、ちょっとしたことでとても傷つく、あやうく、不安定なもの、ですね。
第2話 仕事に行くのが嫌な時
ダウンは、内科師長が「ダウンさんは仕事が遅くて、他の看護師に迷惑をかけてた。看護師は向いていないと思う」と話してたのを聞き、ひどく傷ついた。精神科に異動したのは、内科師長の勧めだったのだ。
翌朝は、母が手作りの”ヨモギ餅”を無理やり持たせた。バスで餅の入った大きな包をもってると、乗り合わせたトン・ゴユンが、匂いを嗅ぎつけ、やたら”ヨモギ餅”に興味を示した。
ダウンは、看護師のホン・ジョンランとミン・ドゥルレの悪口を聞き、自分のことだと思い身を隠したが、ソン師長から、医師の陰口はやめなさい、と注意されていた。
今日は、”キム・ソンシクさん”の転院の日。転院の準備はダウンの担当だった。彼女は、イム教授の診療所見書を読んだ。
〔キム・ソンシク、40歳、男性〕
睡眠欲の減少を訴え来院。職場で新任の上司にいじめられていたが、彼は大事なプロジェクトに取り組む為に、眠れるように薬を要求した。
典型的な”ガスライティング”。名前の由来は『ガス塔』という演劇。男は女を利用する為に、家の明かりをわざと暗くし、女が”暗い”と言いうと”違う”と言って責めた。女は認知能力に自信を失い、判断力も鈍り、その男に頼らないと生きられなくなった。
ソンシクさんは、上司から精神的な屈辱を受け続け、心理的に支配された。社会不安障害の症状が更に悪化、うつ病は中等度を超えた。
「トイレに行くと殺す」と脅され、常にトイレに行きたいが、行っても出ないという脅迫症状も表れはじめた。
ソンシクさんが猫好きと知り、保護猫を飼うことを勧めた。片目が失明した猫 ”フック船長”がソンシクさんに懐いた。彼はその猫の里親になった。
会社の親睦会の席でも、ソンシクさんは上司から酷い罵声をあびせられた。長期にわたる虐待で心が限界に、みんなが自分を軽蔑してる気がした。ビルから飛び降りようとしたができなかった。
ダウンは読み終えて涙ぐんだ。コン医師に「(ソンシクさんは)まるで透明な檻の中にいて、知らない人に見物されているような気分で、緊張や圧迫や羞恥心にさいなまれたと思います」と話した。
それは、内科師長の言葉を聞いてからの彼女の不安そのものだった。
医師は「不安障害の三大特徴、1つ目が”心配”、2つ目は心配のせいで緊張状態が続くこと、3つ目は緊張のせいで体調不良が生じること」と話した。
午後、ダウンは転院の前に鎮静剤を打つために、ヨンシクさんのベッドまで来た。
彼は震えていた。「転院したくない。家から遠くなるし、猫が心配、もう一度だけ会わせてください」と訴えた。
ダウンは、彼の保護者から”フック船長”の動画が入ったタブレットを借りて、ヨンシクさんに見せた。元気そうな猫を見て喜んだが、ダウンが「ご飯をねだるそうです。よく懐いているとか」と言うと「フック船長は私にしかなつかないはず、私の特権だったのに。私はまた用無しに、家に帰る」と暴れ出し、転院ができなくなり、空きベッドも失った。
ダウンは、パク主任から「転院先のベッドを逃し、結局、看護師が探すハメになった」と叱られた。
その日は、チームの食事会だったので、この件は夜勤チームに申し送りとなった。食事会は、ダウンの歓迎会だった。
ダウンは、チャ医師から「初歩的なミスすぎ、ダウンさんはもう一度新人研修を」ときついことを言われたが、看護師たちがかばった。
ファン医師は、ミン・ドゥルレ看護師を呼びだした。昼間は敵対しているように見えたが、ファン医師はドゥルレに、以前に告白していて、その返事を聞く為に。ドゥレルは「先生は医者のご家族、そんな家の末息子と私は不釣り合い」と断った。
ダウンはパク主任に、ソンシクさんの転院先を見つけたいので病院に戻る、と申し出た。
パク主任はソン師長に、ダウンが空きベッドを探す為に病院にもどったと話した。師長は「彼女見てると昔の自分たちを思い出す、病院の規則より患者の心を大事にしてた頃を」と言った。
ダウンが電話してると、パク主任が手伝いに病院に戻って来て「精神科が合いそうよ」と言ってくれた。そこにジョンランとドゥルレも手伝いに戻って来た。
ダウンは、看護師達に母のヨモギ餅を出すと、みんな美味しそうに食べた。
ソンシクさんの転院先が見つかり、翌日、彼は無事転院した。
ユチャンの両親のチキン店に、同じビルの611号室のトン・ゴユンから、また配達の注文が入った。彼はユチャンの大学の先輩。ユチャンが届けたが、もも肉が1つ足りず、ゴユンは怒って1階に降りて来た。
チキン店に、ユチャンが勤めてた会社の元同期がやって来た。ユチャンは胸が苦しくなった。
ゴユンは荒い息をしながら胸を押さえているユチャンを見て、驚いた。
感 想
2話もとてもいい話でした。
患者は、”不安障害”を患っているキム・ソンシクさんでした。彼が上司にいじめられ、精神的に追いつめられていく過程は、すごく辛かったです。彼の心情を、内科師長に言われた言葉で傷ついたダウンが、理解し、彼女も同じように”不安”を抱えていることと重ねたシナリオに説得力がありました。
ソンシクさんが、フック船長が他の人にも懐いている聞き「私はまた用無しに」と叫んで暴れる場面もリアルでした。
人は、多かれ少なかれ、誰しも”不安”を持って生活している、そんな中で、自分が価値がある存在だ認めてほしいと思っている。その気持ち分かるなぁ、思いながら視聴してました。
ヨモギ餅や、看護師の共同財産のお菓子、などの小ネタも味がありました。
精神科の看護師さんたちが、食事会の後、ダウンを助けに病院に戻る場面、夜間チームの”助け合うのはお互い様”という言葉も良かったです。こんな職場なら、頑張っていけそうですね😊
第3話 心の癒やし
トン・ゴユンは胸を押さえているユチャンに、水を飲ませ、大丈夫かと聞いた。
ゴウンは ”パニック障害、社会不安障害”をPCで調べた。
精神科に実習生が3名来た、女子2名と男子1名。
ダウンが病棟の案内をしたが、少しすると、男性実習生のスンジェが休憩を要求したので、ダウンは少し驚いた。
次はドゥルレに代わり、実務の説明。彼女が説明している時に、スンジェが「トイレに行きたい」と言ったが、ドゥレルは「後で」と答えた。
その後、パク主任が患者の記録をPCに残す方法を説明している時も、スンジェはいなかった。
ダウンが研修生を食事に連れて行こうとした時に彼は現れ、食堂に行った。
その後3人の実習生とカフェに。ダウンたちはアイスアメリカーノを注文したが、スンジェだけ「ホットカモミール」と注文し「少し時間がかかる」と言われた。
ダウンたちは先に病棟に戻ったが、スンジェはなかなか現れず、電話にも出なかった。
”パニック障害のためのTMS治療”の会議が始まり、看護師も研修生も参加、そこにゴユン先生も参加していた。
〔ファン医師からの説明〕
最近の精神科の外来で最も多く診察された疾患は”パニック障害”。
死の恐怖、それがパニック障害の核となる感情。問題は、パニック障害だと言う自覚がない点。
パニック障害の人たちが最も恐るのは、
- 発作自体の苦しみより、また発作が起こるかもと感じてしまう瞬間
- 頼れる人がいない状況に身を置くこと、暗い映画館や飛行機でもよく発作が起きる
”恐怖心”、本当の死ではないと分かっていても、恐怖心に勝てないので、発作を恐れ続ける。
ここで、2人一組になって、”恐怖の擬似体験”をすることに。ダウンは研修生のスンジェと組んだ。
両手で自分の鼻の穴を強く塞ぐ。相手は耳の穴を塞いであげる。そしてストローだけで呼吸をする。60秒続ける。
ダウンは14秒で苦しくなり、大きく息を吐いて口から手を離した。交代してスンジェの番に、同じように始めたが、、
スンジェは顔を真っ赤にして、すぐに息苦しそうになった。ダウンは耳から手を離し彼の名前を呼んだ。彼は気を取り直して再度挑戦したが、耐え切れず、立ち上がり会議室を出た。彼は階段の踊り場の窓を少し開け、苦しそうに呼吸していた。ダウンはそんな彼を見ていた。
ゴユンが家に戻ると、チキン店の前に救急車が止まっていた。ユチャンが「大丈夫です」と隊員に話していた。ユチャンが息苦しくしてたのを見て、両親が心配し救急車を呼んだのだ。
ユチャンは大学を卒業して大企業に勤めていたが、ある日辞めた。その理由は、両親にも親友のダウンにも話していなかった。
翌日、ゴユンは、ファン医師にパニック障害の知識を授けてくれと頼んだ。
「パニック障害は孤独な病、恐怖は本人にしか分からないから。1人で乗り越えようと必死に耐えて過ごすが、まずは受診」と話した。
ダウンはゴユンからユチャンのことを聞いた。「ユチャンは先生には従うと思う。自分が患者なら先生に診てほしい、諦めず治療してくれると思うと言ってたら」と話すと、「必ず受診させます」とゴユンは約束した。
翌日、ゴユンはユチャンを誘って、2人でスワンボートに乗った。
「パニック障害なんだろ?だから会社を辞めた?」とゴユンは聞いた。「俺が重圧に負けたんだ」とユチャンは言った。
会社時代、次から次に仕事を依頼され、一人で抱え込んだ。家族からは弟への資金援助も頼まれた。仕事ができると褒められ、全員の期待に応えようとした。携帯は鳴り止まず、ある日トイレで息ができなくなった、水浸しになるように、10秒後に死ぬんじゃないかと思った。それ依頼、出社するたびに水浸しになった。頻繁に発作が起きて、席をはずした。会社では”偉そうなやつ”と言われるように。退職したら治ると思ったが違った。
ゴユンが「なぜ家族にも友達にも相談しなかった」と聞くと「恥だから。”自分のコントロールできないヤツ”と思われる」とユチャンは言った。ゴユンは「治療を受けて、周りの人を頼れ。頼れる人をたくさん作っておけ、誰かがいれば恐怖は消える」と言った。
ダウンはスンジェと2人で会議室で話した。
「パニック障害でしょう?頻繁に席をはずして息抜きしてるし、コーヒーも飲まない、常に不安そう」と言った。
スンジェは認めたが、理由は分からなかったと苦しそうに言い、「僕は看護師になれないですよね」と聞いた。
ダウンは「普通の看護師にはなれない。これからは”パニック障害の看護師”にならないと。発作の間隔を長くすることはできる。スンジェさん、治療を受けて薬をのんで」と優しく言った。
夜、ダウンの家の外で、ユチャンの呼ぶ声がした。彼女が出ていくと「俺、、パニック障害だ」と。ダウンは「それで」とわざとそっけなく言い、「明日、病院へ来な、予約したから」と言った。
翌日、ユチャンとスンジェの2人は、精神科の診察を受けた。
”不安を消す方法は1つ、”つらい” ”助けて” と言える安全装置をみつけること、心の癒やしを何かみつけること。この人が心の癒やしだった”とユチャンはダウンを見て思った。
夜、ゴユンはチキン店に来た。ユチャンが「ダウンが予約してくれた」と話すと、「ダウンさん、いい人だな、恋しても?」とゴユンが聞いた。
感 想
3話もすごく良かったです。
”パニック障害”についてすごく勉強になりました。本人はつらいですよね。
研修生のスンジェの態度に、”生意気”と、私も他の看護師と同じ目線で見てました。でも、ダウンは「事情があるはず」と見守っていました。そして「パニック障害の看護師に」と彼に助言してあげたのに感動しました。
ゴユン先生が、ユチャンの話を聞いて助言してあげたのも良かったです。
”パニック障害”にしても、2話の”社会不安障害”にしても、遠いところの話ではなく、誰にでも起きうることだと思いました。
精神疾患を”恥”と思う風潮がまだあると思いますが、精神疾患への理解を深めるのに貢献しているドラマだと思います。
第4話 希望の光をさがして
精神科へ新規のチョン・ハラムさんが入院してきた、症状は”偏った妄想”がある。
ダウンが始めて彼女を担当した日に、”持ち物検査”が行われた。ハラムさんのベッドや棚を調べたが、持ち物は何もなかった。
ダウンは、ハラムさんから突然「お金を返して」と言われた。彼女は「3000万ウォン盗んだ、返して」と叫んだ。ダウンは「盗んでない」と強く否定してしまった。パク主任から「妄想の患者に否定すると妄想が強くなる、猛省しなさい」と注意された。
夜勤の間もハラムさんから「お金を返せ」と責められた。介護士のユンさん、ダウンを激励するために、夜勤の2人にジャージャー麺を注文、駐車場で受け取り持ち込んでくれた(出前禁止)。しかしパク主任に見つかり、大目玉を食った。
朝になり、ダウンたちは、ドゥルレたちと交代した。
ハサミを持ち暴れている患者を抑えようとして、ドゥルレは右手首を切りケガをした。処置を受けた後、いつもと同じように働いた。
ファン先生は、ドゥルレのことを諦めきれないが、彼女は家庭の問題を抱えている。また妹から、お金の無心の電話がかかって来た。
ダウンは休みで、ユチャンの様子を見に行くと、ゴユン先生も同じことをしていた。ダウンはヘアーカットに行き、ゴユンはその後を追って、自分もカットしてもらった。
ダウンは32万ウォン、ゴユンは24万ウォン請求され、”ぼったくられた”と意気消沈し、二人で食事に行った。
ダウンは先生に”肛門科”を選んだ理由を聞いた。「勉強に忙しくて、痔を放置してたら、大変なことに。脳や心臓だけでなく肛門も人の命に関わると分かったから」と彼は答えた。
彼は、ダウンと会ってから、指を鳴らさずにはいられない症状が治っていた。
翌朝ダウンが出勤すると、”3000万ウォン返せ” ”チョン看護師を許さない”という大きな落書きが、病棟の壁中に書かれていた。ダウンがショックを受けながら消していると、ハラムさんが後ろから彼女の髪の毛を掴んできた。
ダウンは30分だけ休みたかった。「全ての道はユンさんに通じる」とジュンランに教えてもらって、ユンさんに相談した。彼は倉庫の奥の”秘密の部屋”にダウンを連れて行った。
「壁の焼けた跡は、パク主任が昔肉を焼いた跡😆、床の3つの穴は涙の跡、師長がいつもここで泣いてたから。30年もいれば自然といろいろなことが分かります」とユンは言った。
ファン先生が、ダウンに声をかけてくれた。
「その金は患者の全てだったんだ、全てを失った者は絶望の底に突き落とされ、憎む対象をつくる、誰かを憎んでやっと生きていける」とハラムさんの症状について話した。
ダウンは理解しようと思った、、しかしハラムさんが更衣室の自分のロッカーを漁っていた。
「お金を返して」と叫んだと思えば、「返してください、美容院代も靴も服も私が払ったことにするので、残りのお金だけでも」と土下座した。
ハラムさんは、監視カメラで看護師たちが観察できる個室に入れられた。
ダウンは秘密の部屋に戻り、一人で泣いた。ユンさんが気づいて来てくれた。
「患者を嫌いたくないのに憎いです、でも患者を嫌ってる自分の方が嫌い。肯定も否定もするなって、どうすれば?」と言って泣いた。
「話を聞けば十分。物語を聞くんです」とユンさんは言った。
ダウンは仕事に戻った。ハラムさんは、昼も夜も食事をしていなかった。彼女はカップ麺を2つ持って、彼女の病室に入り、一緒に食べましょう、と言った。
「贅沢ね、私は麺を割って2日に分けて食べてた」と彼女は言った。
半地下の部屋で暮らし、就職が決まらずバイトで生活していた。何社も受けたが合格しない。親からはお金をせびられ、就職しろと責められた。
そんな時、ある会社から「追加合格になった。入館証の作成に、通帳のコピーやID等が必要」と言われてすぐに情報を送った。母に喜んで電話し、生活費を送ろうとATMに、しかし残高0になっていた、電話詐欺だった。自殺しようとして止められ、病院にきた。
「だから私のお金返して」と、泣きながら彼女はカップ麺を食べた。
ドゥルレは、日勤に続き夜勤もして、仕事を終えた。バスを待っていると、ファン先生の車が止まり、家まで送ると。
以前彼女が先生に「お湯が出ない家は?」と聞いた時、彼は「そんな家はない」と即否定した。ドゥルレは「家に来ます?」と言った。彼女の家は、車ではいけなかった。途中から急な階段を何段もあがった、先生には厳しそうだった。
家に着き「ここがお湯が出ない家です。坂道もうんざりなはず。今諦めてください」と彼女は言った。
ファンは突然外に出て、頭からバケツの水をかぶった。「お湯が出ない生活を味わった。あなたが大好きなんです」と言って彼女にキスをした。
翌朝、ハルムさんは相部屋に戻っていた。
ダウンに「私の通報に入金してくれますか?」とお金と通帳を出した。ダウンは「入金はできないが、銀行に付き添えます」と、彼女を銀行に連れて行った。
ハルムさんは、3万ウォン入金された通帳をじっと見つめた。
ユチャンは、ダウンの家の前に来た。幼稚園に行く前から、数えきれないほど「ダウン」と呼んだ家。彼は病院に行き、緊急でゴユンを呼び出し、「ダウンに恋しないで」と言った。
感 想
4話もいいお話でした。すごく丁寧に作られていると思います。
詐欺に全財産を取られた若い女性の絶望、それで精神疾患を患ってしまった。しかし「お金を取った」と責められるダウン、患者を理解しようと思うけれど、あまりの理不尽さに、患者を憎む自分がもっと嫌いと苦しむ彼女。
ヘアーカットが34万ウォンもしてショックを受けたこと、誰も気づかないのにハラムさんだけが気づいたこと、そう言う細かいエピソードがとても効いています。
ジャージャー麺を叱咤したパク主任が、秘密の部屋で焼肉をしてた武勇伝とか、師長の涙の3つの穴、精神科の介護士30年のユンさんの存在、「物語を聞くんです」という助言、、みんないいです。
1話のオ・リナさんがお母さんと一緒に退院した様子もさりげなく入っていました。
みんな、希望の光を探して、生きているんですね。
第5話 心の黄色信号
クォン・ジュヨン(ハユンの母)は、娘が学校でいじめられケガをして帰ったことにショックを受け、学校に抗議に行った。いじめた生徒と母親が謝ろうとしたが拒絶した。娘が震えていた。
パク・スヨン看護師は小学3年の息子と幼稚園の娘がいる。今日もバタバタと出勤して来たが、幼稚園から、娘のウヌが熱を出したと電話があり、夫も母も頼れず、ソジュンのママに迎えをお願いした。その切羽詰まった会話を、チャ・ミンソ医師が聞いていた。
ドゥルレは、母親が自分の名前で借金して、預金を凍結されてしまった。完済しない限り生活費を引き出すこともできない。
ジュヨンは娘を連れ、精神科のチャ医師に診察を受けた。医師は、娘さんは通院で大丈夫だと言ったが、母親の集中力のなさや、自分との会話の内容をすぐ忘れることを懸念、一緒に受診を勧めた。
その後、母娘は夫と合流した。ハユンをいじめた生徒の母に会ったが、ジュヨンは「成績優秀者ママのトークルームに入りたい」と笑顔で話しかけた。夫が大きな声で妻を呼び「なぜ、娘をいじめた子の母親と笑顔で話すんだ」と怒った。
ジュヨンは、いじめた生徒の親だと忘れていた、、。
病院では、ソワンさんが肛門科の診察日なのに行方不明になっていた。看護師たちが総出で捜し、雨の中ダウンとゴユン先生が屋上にいる彼を見つけた。
ユチャンは、ダウンに告白しようと花束を持って病院に行ったが、またタイミングが悪く、告白できなかった。
ソワンさんの騒動でパク主任は半休が取れず、就業後、急いでソジュンママの家に娘を迎えに行った。家で寝かせると、娘は「お母さんは看護師でしょう、私のことも看病して」と言った。
家の中は荒れ放題。夫が帰って来て、息子の家庭教師のために、母親のトークルームに入れてもらえと要求してきた。スヨンは「これ以上の気苦労はできない」と怒った。子育てと仕事、子供の世話をしてくれる人の手配、彼女は限界だった。
翌日、ジュヨンが精神科でチャ医師の診察を受けた。
症状を聞き、医師は「仮性認知症、脳の病変がない機能性障害で、記憶力も集中力も下がり、本当の認知症より進行も速い。原因はうつ病」と言った。
ジュヨンは、うつ病をすぐに否定したが、「忙しすぎて自覚がない人もいる。放置すると娘まで忘れる」と言った。
ジュヨンは入院治療することになり、チャ医師は、担当にパク・スヨン主任を指名した。
ジュヨンはずっと携帯で話していた。チャ医師は、治療のため携帯の使用制限をスヨンに指示した。
チャ先生は、ジュヨンに「治療目的で自叙伝を書いてもらいたい」とノートを鉛筆を出した。”過去の重要な記憶や出来事を、感情に重点を置き、自分が抱いた感情を細かく記録すること”。
ジュヨンは、書き進めるうちに、感情が高まり涙が出て来た。
次の診察では、先生が「否定的な感情を書いた部分に色を塗りましょう」と黄色のマーカーを出した。”悲しかった、怖かった、申し訳ない、疎外感、つらかった”、マーカーがつけられた。パク看護師はその様子を見ていた。
感想を聞くと、ジュヨンは「出産後多くなっている。自分がこんなに苦労していたなんて」と言った。
「常に家族や仕事を優先して、自分の感情に無関心だったのでは?”メタ認知”、書くと自分がなぜそう思ったかを客観的に見ることができる。”感情の筋肉”を鍛えましょう。黄色を失くせるようにがんばりましょう」と医師は激励した。横でスヨンが医師の話を聞いていた。
ジュヨンは、スヨンが電話しているのを聞き、彼女も働くママで苦労していることを知った。
二人は子供のことを話した。二人とも仕事が忙しくて、子育てが十分できていないと自分を責め、罪悪感を抱いていた。スヨンの話しを聞きながら、ジュヨンは昔の自分に言ってあげたかった言葉を言った「自分が不幸なのに人を幸せにできる?」と。
チャ医師はスヨンに「自叙伝を書いては?危ないので」と言った。スヨンは自宅で書いてみた。黄色いマーカーで埋まった。
彼女は荷物を詰めた。翌日の子供の世話を夫にお願いして、母親と一緒に、豪華なホテルに1泊した。明日1日、2人でゆっくりの過ごすために。
感 想
5話は、働く母親が、自分の黄色信号に気づかずに無理をして、心を病むストーリーでした。
パク看護師もほんとにギリギリです、2人の子供と仕事。患者さんが目の前にいるし、日々何がおきるかわからない職場で、子供の緊急でも半休を取るのが難しい、それが現実でしょう。
クォン・ジュヨン患者の苦しみと、パク看護師の大変さの2つのドラマが並行して語られて、すごくリアリティーがありました。ジュヨンさんが、パク看護師の話が昔の自分にと思えて、泣きながら声をかける場面には、涙が溢れました。
チャ医師は、わざとスヨンにジュヨンを担当させて、患者を治療しながら、スヨンも治療していました。一見、犬猿の仲に見せながら、チャ先生とスヨンの関係を描く演出も素晴らしいと思いました。
第6話 魔術師の1日
キム・ソワンはゲームの世界の妄想の中で生きていた。
しかしある日、目覚めると景色が違うと感じた。薬が効き、現実世界を認識できるようになっていた。
イム教授に「自分は魔法使いだと思っているか?」聞かれ、首を横に振り「公務員試験を7回落ちた受験生です」と答えた。
ダウンはソワンと信頼関係が築けていたので、常に彼のことが気になっていた。彼からもらった3000万Gの支援金カードを大切に持っていた。
ソワンはカレンダーを見て「試験が近いのに入院中で勉強ができなかった」と泣いていた。ダウンはまだ時間があると彼を励ました。公務員試験の参考書を頼まれ、古書店でやっと見つけた。
彼はとても喜んだ。参考書の全てのページの端にイラストがあり、早送りするとアニメになっていた。ダウンが激励に描いたのだった。
イム教授はソワンの両親と面接して「勉強の意欲も戻った。退院する前に1泊、外泊させましょう」と話した。両親は、息子は勉強で心が病んだので、続けさせたくないと思っていたが。
外泊の日、ソワンは迎えに来た両親と家に戻らず、塾に行った。何年も塾に通い、後から入学した後輩たちが受かるのを何度も経験した。その頃、隣のネットカフェのゲームに夢中になったのだ。
塾の後輩に会い、彼らも「もう少し」と思い、何年も塾に通っているのを見て気が滅入った。ビルの上におおきな怪獣が現れる幻想を見た。
ダウンは、外泊を終えて病院に戻ったソワンさんが、紙吹雪を投げ、またゲームの世界に戻ったことに驚いた。話しかけたが、彼は妄想の世界にいた。
夜、ユチャンと花火をしている時、ソワンさんが最後に「看護師さん」と言ったことを思い出した、妄想状態なら「仲裁者様」と呼ぶはずなのに、、、。翌朝、ダウンは師長に「ソワンさんが妄想のフリをしているのでは?」と報告した。
イム教授と師長がソワンと面接した。彼は「自信がない」と泣いたが、教授たちは退院させると決めた。師長は「妄想の世界に隠れ続けるのは良くない、治療は外来で続ける」とダウンに話した。
ダウンは退院するソワンさんに何度も薬の服用について話し、「何かあったら私に連絡してください」と携帯番号を書類に書いた。
翌日は、ユチャンに誘われて遊びにいく予定だったが、バイクの調子が悪く、ゴユン先生の車で3人で遊びに行った。ユチャンは望んでいなかったが。
ダウンが携帯を川に投げてしまい、ユチャンが川に入り見つけ、タオルを借りに行った。
ダウンは「”ソワンさんは治っていないフリをしている”と師長に報告したことは正しかったのか?ソワンさんは退院を望んでいなかったのに」とゴユンに胸のつかえを話していた。
ユチャンは2人を見て、これまでダウンに告白しなかったを、タイミングのせいにしていたが、告白する勇気がなかったことに気づいた。
ソワンは受験生寮に入り、公務員試験を受けたが、また”1問差”で落ちてしまった。
イム教授の診察を受けに来た。ダウンが外来で待っていて、彼の元気そうな様子を見て喜んだ。”塾生の3000万ウォンのカード”を返し「助けが必要な時はいつでも私に連絡を。では次の外来の日に」と言うと、ソワンは「教授と相談してもう来ないことに。遠いので勉強時間が奪われる、近くの病院に通います」と言った、2人は笑顔で別れた。
ダウンがバス停に行くと、ゴユン先生が待っていて、一緒に歩きましょうと言った。「なぜ待っていたの?」と聞くと、ゴユンは「会いたかったから」と。ダウンにとって幸せな1日だった。
その時、ソワンから電話があった。「看護師さん、今日お茶でもいかがですか?」と。「少し時間をくれますか?」とダウンが言うと、「いつかドラゴンを捕まえにいきましょう」と彼は言って、電話は切れた。
ソワンは震えながらビルの上に立っていた、、その時、街の風景がゲームの世界に変わり、自分の前に大きなドラゴンが現れた、彼はドラゴンを捕まるために飛んだ、、、。
塾の部屋に”ごめんなさい’のメモだけが貼られていた。
感 想
、、、、、
言葉が出ません。胸が苦しいです。
ソワンさんが可哀想すぎで、、妄想がなくなったとしても、病気がなくなったとは限らない。彼は公務員だけが生きる道、と思い込んで病気になり、またその環境に戻ってしまった、、。
ダウンは「助けが必要な時はいつでも連絡して」と携帯番号をあげたけど、多分、ほとんどの人は「助けて」と直接は言えない、電話それ自体が、SOSだったんだ、と後で気が付く、、。
みんないい人なのに、なぜこんなにつらいことが起きるのでしょう、、。
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