『海街チャチャチャ』15話のあらすじと感想を書きます。本当に心が揺さぶられる回でした。涙がとまりませんでした。
*ネタバレあり
13話14話のあらすじは以下でまとめています。
第15話 あらすじ
撮影アシスタントのドバさんに「父さんはお前のせいで歩けなくなった」と殴られたホン班長は、フラフラと家に向かった。ヘジンが追いかけて来て、ドバさんが誤解を、というと「事実だ、あの写真の家族も俺が壊した、俺が先輩を殺した」と一人で家に向かった。そして彼は家に閉じこもった。
ヘジンは「分からない、全然分からない」と泣き、ミソンはそんな彼女を抱きしめるのだった。
コンジンのみんなは班長のことを心配している。
ガムニさんは、さつまいもと飲み物とキムチを班長の玄関の前に置いて、心配そうに帰って行った。
ファジョンさんの家には、ヨングク洞長がきていた。息子のイジュンが戻ってきた。ソファに息子を座らせ、二人は床に正座し緊張の面持ちで「お父さんとお母さんはまた一緒に暮らすことになった」と話した。「再婚するってこと?そうしていいよ」とイジュンはクールに言って、ボラの家に遊びに行ってきます、と出て行った。
夕方になっても帰ってこないイジュン。ボラに電話すると、昼間来てたけどとっくに別れましたと。驚く2人は懐中電灯を持って探しに出た。ボラと両親も心配して探しにきてくれた。
イジュンは広場で鉄棒をしながら泣いていた。ボラが見つけて、ファジョンさんとヨングク洞長が急いて駆けつけた。ファジョンさんが「さっきの話で泣いているの?また一緒に暮らすのはうれしくない?」と聞くと「ううん、うれしい。すごくうれしくて涙が止まらないんだ。でも僕が泣いたら、2人とも悲しむでしょ」と泣きじゃくった。
「僕は、本当はね、誕生日じゃなくても、賞を取らなくても、お母さんとお父さんと一緒にご飯を食べたかった。ずっと3人で一緒に暮らしたかった」と今まで我慢していた気持ちを初めて口に出して泣きじゃくった。「ごめんね。わかってあげなくてごめんね」と泣くファジョンさん。「家に帰ろう。帰って3人で夕飯を食べよう」と泣くヨングクさん。
それを見てボラは、イジュンが寂しくないように一緒に住む、と泣いた。
ガムニさんはホン班長の家に行った。玄関に置いていた食料に手をつけた気配はなかった。今日はとうもろこしを置いてまた心配そうに帰って行った。
ガムニさんがヘジンの医院に、蒸したとうもろこしを持ってきた。「先生に治療してもらったお陰で、イカを思いっきり食べられる」と喜び「ここに来る前にあの子(ドゥシク)の家にも行ってきたが、置いていく食べ物に何日も手をつけていない」と心配そうに言った。
ヘジンはとうもろこしを持って、班長に家に行った。「何も話さなくていい、ご飯を作って帰るから」と。班長は、話を聞いてくれるか、と話し始めた。
大学の時、寮で同室の先輩がいた。彼の名前はパク・ジョンウ。気が合って兄のように可愛がってくれ、じいちゃんの命日には法事も手伝ってくれた。就職先も同じ「YK資産運用」にした。先輩の「平凡な人々に富裕層になれるという希望を与える仕事」という言葉に動かされた。仕事は面白く性に合っていた。
ドバのお父さんは、会社の警備員で、毎日顔を合わせるうちに親しくなった。彼がある日、投資を始めたいと言った。リスクがあるので最初は引き止めたが、彼は頑なだった。無理しないでと言って、担当者を紹介した。
そんな時事件が起きた。アメリカの金融破綻で、世界金融危機が起き、株価が暴落。おじさんは、僕の勧めたものとは違うリスクの高い投資をしていた。その上、家を担保に入れ融資まで受けていた。「もっといい家に妻を住まわせやりたいし、息子の奨学金を返済して、いいスーツを面接用に買ってやりたかった」と。相談を受けたが、当時は会社も混乱の真っ最中「落ち着けば連絡する」とその場を去った。数日徹夜が続いた。おじさんからから電話が掛かってきたが、出なかった。
そんな時ある社員から、警備員さんが自殺未遂をしたと聞いた。すぐに車でおじさんの自宅に向かおうとした。その時先輩が来て、運転は無理(何日も徹夜)と代わりに運転し「大丈夫だ。お前のせいではない。今はおじさんの無事を祈ろう」と言ってくれた。その夜は雨、別の車と接触しそうになり避けた時、大型トラックが突進してきた、、、先輩はその事故で亡くなった、、、。
ヘジンは「泣いていいのよ。辛いのをずっと我慢して、心に重しを抱えて生きてきたのよね。私には、悲しい、苦しいと言っていいのよ」と班長を抱きしめた。
ーソウルー
チPDたちは、コンジンでの番組の編集をしていた。
ドバさんが、チPDを別の所に呼び「すみません、僕のせいで打ち上げが台無しに」と謝った。お父さんの事情を初めて聞き、慰めるチPD。ドバさんは、あいつの犠牲者は他にもいる、上司だった人が交通事故で亡くなったとか、と。
その時、チPDには思い当たることがあった。ソナさんの夫が交通事故で亡くなったこと、その人がホン班長の先輩だったのだ。(14話のあらすじで、ソナさんをチPDのお姉さんだと書いたが間違いで、いとこでした。)
後日チPDは、まだ画が足りないからもう一度コンジンで撮影すると言い、ドバさんが一緒に行った。
PDは運転しながら「コンジンに行ったのは運命だった。僕も関係者だ、亡くなった上司は、いとこの夫だ。僕は当事者ではないから、君の気持ちは計り知れない、だけどホン班長も楽に眠れたことはないはずだ。事故にあったのはお父さんの所に行く道だった」と。
コンジンに着いた時「心のささくれをとってこい」とドバさんに言った。
彼は班長の家の前の床几に腰掛けていた。そこに班長が出てきた。「何万回も想像した、ホン・ドゥシクは今も誰かを傷つけているはずだと思ってた。父があんなことになり俺の家は崩壊して当然なのに、良い家に引っ越し、奨学金は返済、治療費も心配なかった。あんたなのか?貧乏人だと哀れんで」と。「それは絶対に違う。おじさんは家族のことをいつも考えていた。だからできることをしたかったんだ。本当に悪かった」と言った。班長は、ドバさんのお父さんが入院中に、奥さんに土下座して、全財産を処分したとお金を渡したのだった。
ドバさんが「恨む対象が必要だった。あと1回でも声をかけてくれていたら」と泣いた。「すまない、本当にすまない」と班長も涙を流した。
ホン班長とヘジンは花を持って家を出た。班長は、先輩と奥さんが就職祝いに買ってくれたスーツを着ていた。先輩のお墓に行くつもりだったが、目の前に、奥さんのソナさんと息子が現れた。大きくなった息子、ハランは班長に大きな声で挨拶して、好きな恐竜の名前を言ってあげた。涙を流す班長。
4人は海岸で話した。ヘジンがハランと砂遊びをした。
セナさんと班長はベンチに座って話した。
「チPDからここにいると聞いた、私のいとこよ、世間は狭いわ。大きくなったでしょう、ジョンウさんにそっくりなの」と息子を見ながら言う。
「あの時、あなたに言ったこと謝らないわ。あの時はジョンウさんがいない世界で生きていたくなかった。でも生きていられた、息をしてご飯を食べて水を飲んで、、、ハランの口元に着いたご飯粒を見て笑う日もあった。そうしているうちに生きたくなった。ドゥシク、もうあなたを恨んでなんかない。だからあなたももう、、自分を許してあげて」と。
その時、ハランがお母さんと呼び、ソナさんは息子の所に行った。
一人ベンチに残る班長。そこに先輩がやってきて横に座った。「泣いているのか?」と。「ジョンウさん、ずっと会いたかった」と班長は言った。「僕もだ。お前のせいじゃない。お前は生きている。これからも生きろ。自分自身の人生を。そして満足したらまた会おう。その時は一緒に釣りをしよう」と言って先輩はいなくなった。(もちろん、幻想です。)
夕暮れ、班長とヘジンは灯台の近くで座って話した。
俺は死のうと思った。先輩が亡くなり、自分だけ助かったとわかった時、病院から抜け出して、橋の真ん中に来て、川に飛び込もうとした、、その時、携帯が落ちて、ガム二さんからメッセージが来た。「ドゥシク、ソウルに来たが会えないか?お前の好きなおかずを持って来た」と分け目も改行もない誤字だらけの文字で、、橋の真ん中でうずくまって泣いた。救われたんだ、ガムニさんとコンジンに。
コンジンに戻り、電気も通じていない家に自分を閉じこめた。町のみんながただ様子を見にきてくれた。ひとりぼっちの野良猫を世話するように、そっと温かく。そのうち”電球が切れた” ”洗濯機が壊れた” ”店番をして”、、と用事を言われるようになって、、わざとだったんだと思う。
ヘジンは黙って聞き、班長がコンジンが好きな理由がわかった、と言った。
ガムニさんが、撮影が終わった自宅に荷物を持って戻って来た。
そこに、おばあさん3人組の2人、マジさんとスクチャさんが来て一緒に掃除を手伝った。”アリラン、アリラン”と歌いながら。
マジさんとスクチャさんは、今日は一緒に寝ると、ガムニさんの家に泊まった。一番若いスクチャさんは中々眠れない、二人に話しかける。
スクチャさん「70歳を超えたなんて自分でも信じらないない。気持ちは水車小屋で逢瀬を重ねた少女のままよ(かわいい!)2人ともこんなことはない?老いていく体に気持ちがついていかないの」
マジさん「いつもそうよ。何も思うようにいかない。歳月人を待たずね。ガムニさんもそう思う時はない?」
ガムニさん「あるに決まってるでしょ。だけどね 私は今がいい。長く生きている分、おいしい物もたくさん食べて、いい景色をたくさん見て たくさんの人に出会った。これ以上の幸せはない。テレビにも出たし、のど自慢大会の舞台で歌も歌った、あんたたちとこうしておしゃべりするのも楽しいわ。(それを聞いて嬉しそうな二人)。それにね、今日は夕日のなんと美しかったことか、夕飯に食べたイカも本当においしかった。よく見てみるとたくさんの尊いものに囲まれている。私には毎日が遠足の前日みたいよ」
スクチャさん「ほほほほほ、、、遠足だなんて楽しそう。明日は何して遊ぶ?」
3人は笑いながら眠りについた。
ーーコンジンに夜が明けたーー
マジさんはスクチャさんの寝相が悪くて目が覚めた。「隣で眠れたもんじゃない、布団は取られるわ、手足は飛び出すわ。ガムニさん聞いてる?すぐ起きる人が珍しわね、ガムニさーん」と振り返ってみてはっとした、、、顔を口元に持っていった、、。
「1人で遊びに行ったの?せっかちなんだから」とガムニさんの両手を布団の中に入れあげた。
「どうか安らかに、楽しい遠足に。先に行って待っててね」と安らかなガムニさんの寝顔に嗚咽しながら囁いた。
開け放した縁側からは、赤い灯台とコンジンの夜明けの海が見えた、、、
感 想
15話、本当にいい話でした。
ホン班長が、長い年月、心の重しになっていた苦しみをヘジンに話すことができたこと。
その後、ドバさんが班長に会いに来て、彼自身も思いを吐露することで、長年抱えてきたわだかまりや心の重みを手放すことができたこと。
そして、ホン班長が亡くなった先輩の奥さんのソナさんと話せたこと。「私はもうあなたを恨んでいない。あなたも自分を許してあげて」と言われ、亡くなった先輩が現れて「お前の人生を生きろ」と言ってもらえたこと、、全て本当によかったです。
私がもっとも心を揺さぶれらたのは、
ファジョンさんとヨングクさんの息子、イジュン君が初めて自分の感情を表したところ。「3人でご飯を食べたかった。3人でずっと暮らしたかった」と泣きじゃくった場面。
そして、最後のガムニさんが眠る前に目を閉じて、二人に話している場面。
”これってガムニさんが亡くなってしまうってこと?やめて、、、”と思いながら、泣きながら見ていたら、、そうだった。
ドラマの出来事で、実在の人物でも身内でもないのに、ガムニさんが亡くなることに涙が止まりませんでした。
『海街チャチャチャ』この物語にこれほど惹かれるのは、ガムニさんを含むおばあさん3人組の愛らしさ、町のみんなの温かさがベースにあって、二人の主人公がいたからだと思います。
ガムニさんの言葉がいつも心に残りました。
亡くなった母に会いたくてたまらなくなりました。
お読みいただきありがとうございました。
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