韓国ドラマ『シュルプ』1話~16話(最終回)までのあらすじと感想 *ネタバレあり

2022年10月15日から配信の韓国ドラマ『シュルプ』。未来の朝鮮王を育てるために日々奮闘する王妃をキム・ヘスさんが演じる!面白くないわけがないですよね。熾烈な女の闘いでしょうか?

*ネタバレあり

概 要

トラブルメーカーの息子たちと、王座を狙うライバルの策略。さまざまな問題に振り回されながら、未来の朝鮮王を育てるために日々奮闘する王妃の姿を描く。 ーNetflix よりー

放送局:Netflix

配信日:2022年10月15日

ジャンル:歴史・時代劇、ヒューマンドラマ

演出:キム・ヒョンシク監督

脚本:パク・バラ


登場人物( )はキャスト

【ファリョンと周辺の人々】

ファリョン役(キム・ヘス):王妃

イ・ホ役(チェ・ウォニョン):王、ファリョンの夫

大王大妃役(キム・へスク):王の母

世子役(ペ・イニョク):ファリョンの長男、皇太子

ソンナム大君(ムン・サンミン):ファリョンの次男

ムアン大君(ユン・サンヒョン):ファリョンの三男

ケソン大君(ユ・ソンホ):ファリョンの四男

イルヨン大君:ファリョンの五男、末っ子

ミン禧嬪役(ハン・ドンヒ):皇太子妃

王孫役(ソ・ウジン):世子とミン禧嬪長男

シン尚宮役(パク・ジュンミョン):ファリョン付きの女官

【後宮1(側室)と関係者】

ファン貴人役(オク・ジャヨン)→ファン淑媛に降格(10話)側室、領議政ファン・ウニョンの娘

ウィソン君役(カン・チャニ):ファンの長男

ファン・ウニョン役(キム・ウィソン):領議政、ファンの父

後宮2と息子】

テ・ソヨン:テ昭容役(キム・ガウン):側室、元中殿付き女官

ポゴム君役(キム・ミンギ):テ・ソヨンの長男

後宮3と息子】

コ貴人役(ウ・ジョンウォン):イ・ホの側室

シムソ君役:コ貴人の長男

後宮4と息子】と関係者】

オク淑媛役:イ・ホの側室、元東宮殿付き女官

ホドン君役:オク淑媛役の長男

その他の人物

ユン・スグァン役(チャン・ヒョンソン):兵曹判書、大王大妃の側近

ユン廃妃役(ソ・イスク):テイン世子の母

ナム尚宮役:大王大妃の女官

用語解説(New)

物語に特別な用語がたくさん出て来ますので解説します。ご視聴のご参考になれば幸いです。

王宮の女性たち

大妃(デビ):王様の母

王妃(おうひ):王様の妻

後宮(フグン):王様の側室

王様の息子たちの呼び名

世子(セジャ):皇太子、次の王様になる者

大君(テグン):王様と王妃の息子

ソンナム大君(次男)、ムアン大君(三男)、ケソン大君(四男)、イルヨン大君(五男、末っ子)

君(グン):王様と後宮の間に生まれた息子 ※下記の後宮の横にそれぞれの名前。

後 宮(フグン)の地位

後宮には階級があり、以下、上から高い順になります。また、正式な手続きを得た後宮と、王様の意思で選ばれた後宮がいます。それぞれの後宮の地位と名前、後ろは王子(息子)の名前です。

揀択後宮(カンテクフグン):正式な手続きを経て選ばれた側室 

1 嬪(ビン):王様が世子の時、ファリョンが世子嬪だった。王様になった時、ファリョンがそのまま王妃になった。

2 貴人(クィイン):ファン貴人〔ウィソン君〕10話で淑媛に降格、コ貴人〔シムソ君

3 昭儀(ソイ):キム昭儀〔ヨンミン君

4 淑儀(スギ):チェ淑儀〔ファピョン君

承恩後宮(スンウンフグン):王様に気に入られ側室になった

5 昭容(ソヨン):テ昭容〔ポゴム君〕👨🏻‍🎓聡明

6 昭媛(ソウォン):ムン昭媛〔ナミョン

7 淑媛(スグォン):オグ淑媛〔ホドン君〕❤️癒やし

8 位がない:パク氏〔まだ子供がいない。産めば淑媛に昇格できる〕

三揀択(サンガンテク):世子の配偶者選びの最終段階

教育機関

宗学(チョンハク):世子以外の大君たち、王子(君)たちが教育を受ける場

侍講院(シガングァン):世子が教育を受ける場

陪童(ぺドン):侍講院で世子と共に学ぶことができる

成 績(5段階評価)

:成績優秀者

:普通

: 不足

: 落第

方外:採点不可

択 賢(テクヒョン)

最も賢明な後継者を選ぶこと       

現国王のイ・ホは後宮(現大妃)の息子だった。正統のテイン世子が亡くなり、択賢が採択され世子に選ばれた。先の王様没後、後を継いで国王となった。そして今、自分とファリョンと長男の世子が亡くなり、世子の座に誰をつかせるか、”択賢”を採択したい家臣、大妃の思惑が渦巻いている。王妃ファリョンは、大君たちと元孫を何があっても守らねばならない。”択賢”は、単なる世子選びではなく、権力闘争である。

その他

拱辰丹:問題が起きるたびに、シン尚宮が王妃の手のひらに置いてくれる飴(?)。王妃の活力、シン尚宮は「1日2粒まで」と制限してますが😁

*新たな用語が出てきたら随時追加していきます。


第1話 あらすじ

今日も王妃ファリョンは、朝から忙しい。外泊したムアン大君を迎えに急いだ。ファリョンには、長男の世子を筆頭に5人の息子がいる。心穏やかに過ごせる日は1日もない。

大王大妃の元に、世子、妃と曾孫があいさつに来て、大妃は機嫌がいい。

王様は、”西村で疫病が発生した”との報告を受けて、「西村に臨時の救済所を設けよ。病人との接触は禁じ食料のみ運び入れる」と毅然と命令した。


宗学”(王子の教育機関)の前には、側室たちが息子のために手配した”席取り係”がいた。門が開くとすごい勢いで走った。ケソン大君は自分で並んでいた。

宗学への道を悠々とやってくる側室たちと、輿に乗った息子たち。ムアン大君は歩いてきた。

今日は王様と大妃(大王大妃)がやってくる大事な日、しかし次男と五男がまだ来ていない。ファリョンは朝寝坊の五男イルヨン大君の手を取って走った。

王様と大妃が到着した時、ファリョンは、五男と共にギリギリセーフ。しかし次男のソンナム大君の姿はない。

学びが始まった。王様が問いを投げかけた。「”氷”が”水”になった。この意を説いてみよ」と。

ウィソン君、ケソン大君、ホゴム君の3人がそれぞれの考えを述べ、皆上出来だと王が褒めた時、次男のソンナム大君が入ってきた。

帰り際ファリョンは、大妃から「世子が優秀でも、いつまでも大君たちの不始末を覆い隠せるとでも」と非難された。

ファリョンは、侍講院(世子の教育機関)へ行き、講師から、世子は今日も全ての講義に”通”(優秀)の成績だったと報告を受け、満面笑顔になった。

母は「大君たちは”聖君の玉にきず”と言われている」と弱音を言ったが、世子の「思慮深い子たちゆえにご心配なく」の言葉に安堵、、、しかしその時、世子が倒れた、、。


ソンナム大君が、ウィソン君を殴った「今度母上を悪く言ったら命はないぞ」と。それを大妃に見られてしまった。訳を聞かれたが、誰も口を開かない。

大妃はウィソン君を帰したが、ソンナム大君と3人の弟たちをその場にひざまずかせ、亥の刻(21時から23時)まで罰だといい、すぐに王妃を呼ぶようにお付きの者に命令した。

雨が激しく降ってきた。

世子はファリョンの屋敷で横になっていた。

医者は「血虚厥(ヒョログォル:血が不足し気絶する病気)のようです」と。1年前から症状があったが、世子が口止めしていた。

治る病気か?と王妃が問うと医者は「恐れながら、テイン世子様の死因は血虚厥、御医のチョ・グギョンと言う者が治療法を覚えているはずです」と答えた。

ファリョンは、雨の中、王様に病気を伝えるために屋敷に行ったが、入り口に女物の履き物が、、引き返した。

大妃が訪ねて来ていたが、ここでお話を、と上には上がらせなかった(世子が伏せっている為)。「ウィソン君を虐げた大君たちに、今罰を与えている」と大妃は言って去ったが、お付きの者に、世子が東宮殿にいるか確かめさせた。

ファリョンは、雨の中で罰を受けている王子たちに、部屋に戻るように言った。

ウィソン君は、母のファン貴人からお仕置きを受けた。息子が「国母は元々母上、世子は私だった」と言うと「学問や品性で世子の実力を超えてから、批判するなり、その座を奪うなりせよ」と母は言った。


侍講院で世子と共に学ぶ陪童(ぺドン)の座が空いた。「陪童を王子から選べ」と王様からのお達しがあった。

宗学でも王子たちに「陪童に志願する者は、明後日の申の刻までに提出すること」と話があった。

王妃ファリョンの呼び出しで、後宮(側室)たちが一堂に介した。新人も加え8人である。

王妃は「王令が下り、宗学の評価により世子の陪童になる機会を与えるとのこと」と言った。

色めく後宮たちだが「大妃様は後宮のお立場で、庶子である息子をどうやって王に、何か秘密が?」

各自、贈り物をもち大妃の元に来たが、すでにテ昭容が大妃に会っていた。大妃は「胎教から始まり、生まれたのちは輔養庁にて教わる帝王の道、即位後の処世術まで、全てがこれに書かれている」と1冊の書を出し、自分に服従させた。

大妃は、その者だけに渡すように装って、”書”をすべての後宮たち渡し、後宮たちを服従させるつもり。但し、ファン貴人から連絡がないことを気にかけていた。


ファリョンは王様に、チョ・グギョンに世子の治療をと申し出たが、その朝、大妃の意向で、叔父上の治療の為に遠方へ出発していた。そして、王子たちから陪童を選ぶのも大妃の提案だと知った。シン尚宮から「テ昭容が、大妃さまから秘本を受け取った、内容は帝王の育成」と聞いた。


屋敷に戻ると、世子の病床に大妃が来ていた。

「血虚厥、テイン世子を思い出した。世子が他界し、その席が空席となっても王妃の子たちの中には、その座に就く器の者がいない。私は我が子の国や宮中のことが案じられる。ご存知か、王妃を大目に見ていたのは、世子がいたから」と冷たく言い放って出て行った。

ファリョンは、大妃を心底 恐ろしいと感じた。

雨の中ファリョンは一人で、亡きテイン世子の母のユン廃妃を訪ねた。ユン廃妃は「私と会っただけでも謀反の疑いをかけられ、私の身も危うくなる、お引き取りを」と言ったが、ファリョンは傘を捨て、雨の中にひざまずき、

「世子や大君たちを守れぬ人生が如何なるものかよくご存知でしょう。当時と同じ身の上の、追い詰められたこの母にご助言を。当時 何があったのかお教えください」と涙ながらに訴えた。

感 想

第1話から、たくさんの情報が入っています。

王妃ファリョンには、5人息子がいる。長男の世子は申し分のない息子、しかし後の4人はトラブルメーカー。世子が健在であれは、4人に少々問題があっても、いずれ宮中を出て行く身と母はそれほど心配していなかったが、世子が病になった。それも、亡くなったテイン世子と同じ血虚厥。テイン世子が亡くなり、後宮の息子が王になった、その王が自分の夫である。

大妃は、世子の病を心配するどころか、彼が亡くなった後、誰を世子にするかの策略を巡らせ、すでに手を打ち始めている。4人の大君(自分の孫でもあるが)を世子の座には就かせない、今までファリョンを大目に見てきたのは、世子がいたからだ、と正面から宣戦布告した、、恐ろしい大妃です。

ファリョンは、後宮の子であった王様はいかに王座に就いたのか、なぜユン王妃は廃されたのかを知るために、ユン廃妃に会いに来た。自分も王妃を追われ、息子たちを守れないかもと恐怖を感じて、、。

始まったばかりですが、ファリョンにとってまず大妃が敵だと分かりました。後宮と息子たち、それぞれのキャラクターも徐々にわかっていくでしょう。

衣装もセットも豪華で、キム・ヘスさんの表情を見ているだけでも魅了されます。


第2話 あらすじ

大妃は、夜分に、ファン貴人を自ら訪問した。

三揀択(サムガンテク:世子の配偶者選びの最終段階)ではそなたに内定していながら、先王が外戚をけん制され、しがない家の娘が選ばれ、そなたは後宮に。妃に選ばれていたなら、ウィソン君の立ち位置も今と違ったはず」と謝り、

「王宮の東に私が愛でてきた大きな木がある、その根が徐々に腐り始め、倒れんばかりの状態に。陪童(ぺドン)には関心がないようですね、ならば世子の座はいかがですか?」大妃は顔を近づけ、”秘伝の書”を出した。


ファリョンは、ユン廃妃から話を聞いた。

「血虚厥がテイン世子を死に至らしめたとは思っていない。御医は、血虚厥は完治したと言った。相手は、世子の死を予見していたように、現国王が世子に即位し、父が反逆者、私が廃妃になるまで全て滞りなく進んだ」

その時人の気配が、、戸を開けたが誰もいない、しかし誰かが隠れていた。

「嫡流の大君たちには、基本的な学問以外に帝王教育はしない。世子の脅威となる人物と見なされるから。それが後宮の子息らとの違いであり、王妃が我が子を守る術の一つであったはず。しかしそれらが、択賢(テクヒョン:最も賢明な後継者を選ぶこと)をあてがる託言(カゴト:口実)となった。択賢と言う制度が庶子に名分を与えてしまう、現国王のように。

知らなかった、相手にとっては我が子たちの生存そのものが脅威となることを。世子ばかりでなく、私は残された大君たちをも失った。未だ死なずにいるのは、たった一人残された我が子の命を守るため。当時に戻れたら、たとえ周りからどれほど後ろ指さされようとも、我が子を守る為なら手段を問いません」と廃妃は言った。

ファリョンは涙を流して廃妃の話を聞いた後、固い決心をして屋敷に戻った。


大妃から”秘伝の書”を受け取った後宮たちは、自分にだけくださったと思い、息子たちに秘書に則って訓練をさせていた。全員同じ訓練、学問が身につく特別な洗顔法を”止息法(150秒間 塩水に顔を浸し、脳を活性化させる呼吸法)”

食事の後は、100煮沸かした白沸湯(ペクビタン)。延命に効果的。完全に冷めてから再度煮沸する(超時間が掛かる!)

ファン貴人はウィソン君に「陪童に志願を、王様に実力を示すいい機会。志願さえすれば、あとは母がうまくやる。そなたを本来の位置に戻す」と。


王妃は、4人の大君たちを陪童に志願させようとしていた。「全員、受けなさい」と言ったが、1人ケソン大君だけが志願すると。

「他の者も考え直せ。私が勉学に励めと一度でも言ったことが?」反論の余地なしの4大君。”玉にきず”という不名誉を覆そうと思わぬのかと母は息子たちをあおったが、反応が薄い、、。

見込みのある大君を集中育成するのが最善かもしれぬと思い、宗学のミン・スンユン氏に評価を聞きに行くことにした。

その足早に歩く王妃を見て、ウィソン君が「気品が皆無、今にも宙を飛びそうだ」とまた悪口を言った。それを聞いたソンナム大君が非難すると、「世子の座は私のものだった。もしも王位を継ぐ事になれはお前たちを生かしてはおかぬ」と。ソンナム大君は「王位を継ぐのは兄上だ。万が一おまえごときが王になれば、私が滅ぼしてやる」と迫った。

ミン・スンユン氏によると「大君達は最低基準に達していない、宗簿寺に名が上がれは王様にも報告され、劣等生に分類され罰を受ける。どの大君も危うい状態、特にソンナム大君とケソン大君は、あと数回の欠席で出席日数不足となり、宗学を除名になる」。

王妃とシン尚宮は大きなショックを受けた。特にケソン大君は決して問題を起こさない子だったから。その時二人は、ケソン大君が歩いているのを見かけ後をつけた。

彼は一人で入り組んだ道を歩き、屋敷から離れた荒れた空き家に入っていった。

王妃が隙間から目を凝らして中を見た、、驚きのあまり両手で口をおさえ走って部屋を出た。シン尚宮も続いて中をのぞき、両手で口を押さえた、、。

シン尚宮が、小さな物置で泣いている王妃を見つけた。声を上げて泣くことができる場所はここだけ、「どうしよう、誰かに見られたケソン大君はおしまい」と王妃は尚宮に助けを求めた。


宗学に、陪童の志願者が次々に自分の名札を持ってきていた。

ムアン大君、ポゴム君、ウィソン君、シムソ君、ヨンミン大君、ホドン君

ソンナム大君は世子に呼ばれた。二人は、西村で初めて会って一緒に遊んだ幼い頃の思い出を語った。世子は「あの頃が一番良かった」といい、ソンナム大君も「私もあの頃が恋しいです」と。

世子は「弟たちのこと、元孫のこともよろしく頼むぞ、問題を起こしたら叱ってやってくれ、父親や友のように見守ってほしい」と。「遠くにいくような言い方ですね」といぶかしむソンナム大君に、「陪童になって私のそばにいてくれ」と世子は言った。

ソムナム大君は走って戻り、名札を持って宗学へ、陪童に志願した。

王妃は、大君たちが皆志願した知らせを受け、喜び安堵した。


陪童の試験のために、後宮たちは、優秀な家庭教師を雇い、スパルタ教育を行っていた。

王妃は、宗学侍講院の全教材を用意させた。王妃は後宮のように巨擘(コビョク:現代の入試コーディネーター)を雇い、講師を引き抜くことはできない。夜遅くまで、自分で全てを読み ”出題予想”の箇所に付箋を貼っていた。

「なぜ私が妃に選ばれたかわかるか?皆裏で、先王が外戚をけん制し、しがない家の娘を選んだと言っている。そうではない。私が周りを打ち負かしたのだ。負けたら眠れなくなる」と愛嬌たっぷりにシン尚宮に言った。


クォン医が王妃に、テイン世子の血虚厥と治療について、内医院の記録を調べた結果を報告に来た。

テイン世子の死因が血虚厥であること以外、記録がない。当時、内医院で火事があり全て消失、当時を覚えている者も1人もいなかった。火事で死亡した者以外は皆 王宮を離れた、御医のチョ・グギョンを除いて。

チョ医の他にテイン世子を担当した御医はユ・サンウク、王妃は、その者を捜し出すように命じた。


大君たちが集められた。王妃が付箋をつけた書物が山のように並べられている。「抜粋した予想問題から解いてみよ。試験は明後日、とにかくやってみるのだ」と王妃は息子たちに言った。

「我々から”陪童”を出す必要が?」とケソン君が聞いた。

ユン廃妃の”備えねばなりません、さもなくば大君の命も” の声が王妃の脳裏に蘇った。

「そうとも。今後は、宗学でも最低基準以上の成績を収めよ。私は負けたくない。私は王妃なのだ。王宮ではいつ何が起こるかわからぬ。私はお前たちにも望みを託したい」と。

ソンナム大君が、母の側にきて「弟たちに無駄な希望を与えないでください」と。母は小さな声で「誤解するでない。今は話せぬがお前たちを守るための私の選択なのだ」と言った。


ケソン大君はまた例の家に来ていた。

コ貴人が入ってきた。貴人は、王妃が密かに ”巨擘”を雇ったと思い、誰なのか確かめに来たのだ。使用人にケソン大君が出入りしている場所と時間を探らせていた。

しかし、、、ケソン大君はそこで、自分で白粉や紅を調合して、きれいにお化粧をしていた、、

コ貴人は隙間からのぞいていた。

感 想

2話の初頭で、早速、大妃の陰謀が明らかになっています。ファン貴人の屋敷を訪問し、世子の病のことをそれとなく話して、ウィソン君を世子の座にと、話しました。

ユン廃妃がファリョンに語った悲しい話。ユン廃妃を追い出し、テイン世子だけでなく三人の大君をも殺害したのは、大妃とファン貴人の父による陰謀だと分かりました。

大妃は、自分の望み(権力を拡大すること?)のためなら、孫でさえ殺す、、王妃は備えなくてはならない。

一番問題を起こさないと思っていたケソン大君の秘密を知ってしまい、それがコ貴人に知られてしまいました、、どうなるでしょうか。

ファリョン王妃は、いつも宮中を忙しく走っているので、誰よりも足が早いようですね。必死でついてくる女官たちが、王妃が急に止まるとぶつかる、、という細かいコメディー(ハハハ、、)。

キム・ヘスさんの、目力とコロコロと変わる表情が面白いし、シン尚宮がすごくいい人だわ。

問題が起きるたびに、シン尚宮が王妃の手のひらに置いてくれる ”拱辰丹”、健康に良いようですが、成分は何のでしょう?ちょっと気になります😆


第3話 あらすじ

ケソン大君の秘密を見たコ貴人は、大妃に報告した。

大妃から「今の話が誠ならあの子が死ぬが、偽りならコ貴人の命が危うくなる。しかと見た、とおっしゃったが」と確認されると「確かではないが、間違いなくケソン大君が、、」としどろもどろなコ貴人。「確かでないのに信じろと」と一喝され、王子の教育に専念するように叱責された。

大妃はこっそりその空き家に行き、女物の着物、化粧の道具や鏡がそこに置かれているのを確認した。

ファリョン王妃は、ケソン大君に陪童の試験が終わるまでは散策は禁止、王宮ではいつ何が起こるかわからぬ。私はお前たちにも望みを託したい」と再度言った。


世子の容態が良くない。失神する頻度が増え、失神している時間が長くなった。中宮殿(王妃の屋敷)に移された世子はまだ目覚めない。

世子のお付きの者が王妃に、”日誌”を差し出した。それは、世子自らつけている”病気に関する記録”だった。いつから気を失うようになり、その頻度、時間が詳しく記録されていた。明らかに症状は悪化していた。

世子が目覚めた。彼は侍講院の講義を受けに行こうとしたが、王妃が止めた。せめて半月、治療に専念してほしいと世子に頼んだ。


陪童の第1次試験が始まった。算術と作文と、もう一つ、王様がとっぴな問題を出した。

それは「楕円形の図面に線を1本引いて、半月を2つ作れ」というものだった。どんな発想ができるかを試す問題。

試験が終わり、試験管(大臣たち)が採点を行なっていた。王様もいた。”とっぴな問題”へのソンナム大君の回答に、王様は「優れた発想」と大満足していた。彼は、楕円形の真ん中に太い線を一本引き、2つの半月に分けたのだ。

第1次試験の結果が発表された。以下の4名が合格、二次試験『履試』を受ける権利が与えられた。

ポゴム君、ケソン大君、ソンナム大君、ウィソン君

王様と大臣たちが、次の履試について話し合っている席にファリョン王妃が来た。

「医者の勧めで、世子を温泉で養生させたい。皮膚病の悪化を防ぐため。大臣たちも陪童の選抜で多忙ゆえ、今が適期かと存じます」と王様と大臣たちに提案した。世子を乗せた輿が、お供の者たちと温泉に向かった。これは、世子が重篤な病に侵されているとの宮中と世間での噂を打ち消すためのウソだった。

世子は中宮殿で集中的に治療を受けていた。しかし、容態は一向に良くならない、、。


王妃は、ユ・サンウク御医(テイン世子を担当したもう一人の医師)と息子が火事で亡くなった、と報告を受けた。また火事、これで、当時のテイン世子についての治療や記録を知るものは誰もいなくなった。


大妃は、テ昭容を屋敷に呼んだ。「ポゴム君が首位通過だった、優秀な王子、後ろ盾がないのなら、かわいい孫のために私が後ろ盾になり、それ相応の座につけましょう。”秘伝の書”を渡したときの約束、大妃の命令に従う、命をも差し出すをお忘れでないですね」と念を押した。


シン尚宮役は、大妃に呼ばれていた。

世子のこと聞かれ「回復に向かっておられます」とウソの報告をした。意外だという反応をする大妃。

「ところでケソン大君のよからぬ噂をご存知か?」と聞かれ、驚いたが、知らないフリをした。急いで戻り、王妃にそのことを報告した。

王妃が外に出ると、王様と一緒に歩いてくる大妃と出くわし「面白い場所に行くので、王妃もご一緒に」と誘われた。ケソン大君の秘密の屋敷に連れて行くつもりである。断り切れずに一緒に歩いたが、シン尚宮が急用だと呼びに来て、その場を離れた。

ケソン大君はまた秘密の空き家に向かって歩いていたが、、、

その屋敷は火に包まれていた。そこに、王様と大妃たちがきたが、危険だとすぐに引き返した。

大妃は、ファリョン王妃の屋敷に来て 「先手を打たれたが、必ずケソン大君の忌まわしき行状を知らしめる」と。「火事で全て消えて何も残っていない、誰が信じるでしょう」と応酬する王妃。

「大君らが我が子の足を引っ張る前に、有能な孫たちをその座に据える」と宣言する大妃に、「正妃の子を引きずりおろし、後宮の子を王座に据えるのがご特技のようですね」と王妃が言うと

「はい、そのとおり。一度やっとことは容易くできるもの」と大妃は顔色一つ変えずに応えた(迫力!


ケソン大君は、大切な場所が火事で消失してしまったことにショックを受け、その上、火事が母の仕業だと分かった。

屋敷に戻ると母がいた。「母上は私の全てを消し去った。私の真の姿をご存知なのでしょ。見て見ぬふりをなさるべきでした」と涙を流した。

母は「あの場所を燃やした理由を教えるから東門へ来い」と言い、雨の中、ケソン大君は王妃の後を歩いた。

ある建物に入ると、シン尚宮から美しい紅い着物とかんざしを渡された。

それを着て綺麗に化粧をしたケソン大君を、絵師が描いた。

王妃は大雨が降る中、外で待っていた。シン尚宮に教えてもらった近道を走りに走って、(大妃たちよりも早く)秘密の屋敷に向かったことを思い出しながら、、。

シン尚宮が来て、大丈夫ですかと聞いた。「大丈夫なわけない、息子を一人失くしたのだ。だが、あの子の思いを想像した、受け入れざるを得なかった時、どれほど怖かったことか。私は目を背けられなかった」と王妃は言った。

肖像画が出来上がった。ケソン大君が、絵師から受け取った軸を開くと、そこには、紅い着物を着て髪飾りをつけた美しい女性(自分)が描かれていた。

ケソン大君は、それを抱きしめて外に出た。待っていた母が彼を抱きしめて言った、「いつでも真の己の姿を見たければ、その絵を見よ。お前がどんな姿であれ、私の子だ」と。そして王妃は、母からの形見だと、美しいかんざしをケソン大君に与えた。

雨の中、王妃が傘をさし、ケソン大君は、絵の巻物とかんざしを抱きしめて横を歩いた。

”いずれ 他人と異なるものを抱えていても、隠す必要のない日が訪れるはずだ” 王妃は心の中でつぶやいた。

感 想

ケソン大君を、母が守りましたね、、、この母、賢くて、愛情深くて、行動力あって、すごいです。

絵師が描いた、紅い着物を着てかんざしをさしたケソン大君の絵の美しいこと、、。

傘をさして王妃と歩く後ろ姿の最後の場面が絵に変わり、ケソン大君は、紅い着物に形見のかんざしを刺した後ろ姿に変わっていました、、、。

3話は、母の愛の深さと、ケソン大君の美しさで、胸がいっぱいでした。


第4話 あらすじ

ソンナム大君は、火事が鎮火した後の屋敷に入った。火が出る前にそこから出てきた母を見たのだ。事情を聞く為、中宮殿に行ったが、そこには、兄の世子が伏せっていた。驚く大君に、母は

「世子は血虚厥。テイン世子と同じ病気。治療について内医院の記録を捜したが、火事で焼失、当時の関係者も1人もいない。下手に動くと世子を危険にさらす恐れがある。全ては話せぬがこれが最善の方法」と言った。

「火事もケソン大君を守る最善の方法だった?」と聞かれ「さよう」と答えた。「私が宮外で寂しく育ったのも?」更に聞かれ、「当時の私は未熟で、お前を生かしておく術がそれしかないと思ったのだ」と母は答えた。

ケソン大君は、履試(二次試験)を棄権した。


ソンナム大君は町に行き、血虚厥を直せる医者を2日以内に捜すようにと人捜しの専門家に頼んだ。

御医のチョが戻ってきたが、王妃は、テイン世子の担当医でただ一人生き残り出世しているチョ御医に危険を感じ、会うは控えることにした。しかし王様から、チョ御医が戻ったから世子を温泉から戻すようにと言われた。


王様は大臣たちに「陪童の履試は討論形式で行い、初試と履試の合計点で総点を算出する」と宣言した。

領議政のファン・ウニョン(ファン貴人の父)が、大妃に「20年前、後宮の頼みで ”択賢”を採用し、王子を世子にする為力を貸した。今回はウィソン君を後押ししていただきたい」と頼みに来た。

テ昭容は、息子のポゴム君のために、巨擘を用意したが「兵曹参判様は、世子に治道を説くご任務なのでは?汚れた地道を説くために夜分遅くお越しに?」と言われて、そそくさと退出、、。母に「陪審が目的ではなく、己の実力を確かめたいだけです」と言った。


履試は『侍講院』で行われた。世子だけが講義を受けられる建物である。

受けるのは、ポゴム君、ウィソン君、ソンナム大君の3人。

王様は「今、争点となっている西村(ソチョン)の疫病問題について、王子たちと議論したい」と課題を話した。

「疫病を終息される方法は、村ごと焼き払う」と訴えるウィソン君に対し「疫病に対する誤った情報とう無知が、不安と恐怖を生み、それが村への嫌悪と差別を生む。何よりもこの病について知ること。救療と調査を並行すべきだ」とソンナム大君とポゴム君は訴えた。

その頃、一次試験で落ちたムアン大君、イルヨン大君、シムソ君(コ貴人の息子)は、内緒で町に繰り出していた。


試験後、ソンナム大君は、町の人捜し屋に行き、血虚厥を直せる医者は一人だけいるが、疫病が蔓延している西村で病人たちを診てると言われた。大君は隠れて村に入った。医者の名はトジ先生、ソンナム大君は、世子の症状を書いた紙を見せ、今の治療を説明した。医者は、衰弱した体に鍼治療は厳禁と言い、薬の処方箋を書いてくれた。薬房でトジ先生からと言って受け取れと。処方箋の代金として、財布ごと取られ、薬の費用込みと言われたが、、。

薬房では、薬の代金15両を請求された。その時、その薬房の常連と思われるどこかの姫が、私が代わりに担保をと”銀製”の小物を差し出した。ソンナム大君は「10日後、この時間に直接お返しします」と約束した。


3人の王子たちが夜暗くに塀を乗り越えて宮中に戻った、、母が鬼の形相で待っていた(笑)

王妃は2人の大君にお仕置きした。そしてシムソ君に「お母上には”ムアン大君にそそのかされて、やむを得ず行った’と」と助言したが、シムソ君は「王妃様、生まれて初めて自分の意思で決めたこと、最も楽しい1日でした」と言った。


ソンナム大君は、トジ先生からの処方箋と薬をクォン医に出し、これで治療をと頼んだ。しかし「民間療法はできない、王様の目を忍んで治療をしているだけでも命が危ないのに」と断った。

王妃も「ならぬ、むやみに外部の薬材と処方を試みるわけにはいかぬ」と許さなかった。

「ならば鍼治療だけでも中断を」とソンナム大君はお願いした。隣で寝ていた世子が「数日だけでもそうしてください」と言い、王妃は鍼治療の中断を決定した。


履試の結果は試験官の投票で行われた。ポゴム君 4票、ウィソン君 4票、ソンナム大君 3票。

初試と合わせて、ポドムが首位、陪童に選ばれた

領議政のファンが血相を変えて大妃を訪れ、ウィソン君を後押しをすると約束されたはず、と詰め寄った。王妃は「後押しはできるが、公平な投票でなければ王様は認めない。この度の陪童選びで、王様は、後宮の子息たちがより有能だと悟られた、時を待つのです」と言った。

その時、呼んでいた王妃が訪ねてきた。

大妃は「大君たちの実力では、陪童にもなれなかった。万が一の際に大君たちが世子の座を継ぐのは当然ではない。世子の回復の兆しは? 世子の病気が知れ渡ったら、領議政たちは黙っていない。世子嬪のお産までに世子が健やかな姿を見せねば、王位を守ためにも私が動くしかない、彼らが動く前に」と脅した。


”世子が重篤だと知られたら、廃世子もあり得る、大君たちが後を継げぬ場合、皆 死ぬかもしれない。世子が健やかな姿を見せねばならない”。他に方法がない、王妃はソンナム大君が調達したドジ先生の薬を試すことを決心した。

世子嬪のお産が始まり、娘を産んだ。

後宮たちが集まっていた。王妃が姿が見せたが、世子の姿が見えないため、あれこれと噂話を。

そこに王様と大妃も現れた。「世子が戻れぬ状況なのか」と大妃が聞いた時、表の門が開き、健やかな世子が颯爽と現れた、、、喜ぶ王様、満足気な王妃、不愉快な顔になる大妃、こうべを垂れる後宮たち。

王妃は子供たち全員と食事をと言い、豪華な食事が用意された。世子と4人の大君と母が揃う食卓に笑い声が広がった。

世子は、薬を調達してくれたソンナム大君にお礼を言い、幼い時に西村に連れて行き、お前に合わせたのは母上だと言った。


侍講院での世子への講義が再開され、隣には、陪童のポゴム君が座っている。王様、王妃、大臣たち、テ昭容もいた。

講義は穏やかに進んでいたが、、世子が苦しそうな表情になったかと思うと、、突然、多量に吐血した、、

驚愕する王様、大臣たち、、王妃が駆け寄り世子を抱きしめた、、、

感 想

一次試験で落ちたムアン大君、イルヨン大君、シムソ君(コ貴人の息子)の3人の場面が、ほっこりと可愛らしかったです。特に、シムソ君が「生まれて初めて自分の意思で決めて、最も楽しい1日だった」と答えたのは、”よかったね”とちょっと泣きそうになりました。

ムアン君の憎めないキャラも、このドラマの救いですね、王子たちがとても可愛らしいです。

ボドム君は落ち着いた聡明な王子で、テ昭容はそりゃぁ、鼻高々だわ。

ソムナム大君、世子の病気を治したい一心で、行動を起こし、危険を顧みず薬を調達してきました。しかし、医者の見立てもなく、口で説明しただけで処方された薬、簡単に使えないですよね。そして西村に行っても大丈夫なのか?

世子嬪の出産、大妃や後宮たちが、世子はやはり病気なのかと思っている時に、、門から颯爽と現れた健やかな世子、思わず拍手でした👏👏👏。

しかし平穏はすぐに消え、最後の場面は大量の吐血、、王様、大臣たちの前で、、もう隠せないです、、


第5話 あらすじ

血を吐いて倒れた世子は、東宮殿で横になった。

王様は、チョ医の見立てで、”世子が血虚厥で、発病してから時間が経っている上、重篤” と聞き驚愕した。そして、自分を欺き、中宮殿で治療をしていたことに激怒した。

「今後 王の指示なく、世子の体を害する者は、その責を問う」と言い、クォン医は投獄、王妃は全ての任務を解かれて、中宮殿に幽閉された。今後は王の許可がなければ、世子に会うこともできない。

世子が倒れたことで、大臣、そして後宮たちの思惑が動き出した。

4人の大君たちは、長兄に会おうと東宮殿を訪れたが、見張りの者に拒絶された。母上の屋敷に入ることも、父の王様に面会することも許されなかった。

中宮殿では、王妃が、罰として命じられた「道徳経」の筆写を、一睡もせずに一晩で終えた。筆写を渡すためと、尚膳(王様のお付き)を呼び、世子の容態を聞いた。世子は存命だが意識は戻っていない、との情報だけを得た。

ソンナム大君はウィソン君から「助からぬようだ、血の塊を吐いたそうだ、万が一の時、自分が世子になれると勘違いしてないだろうな」と言われ激怒した。


ソンナム大君は中宮殿に忍び込み、母と壁越しに話した。自分が持ってきた薬で悪化したのではと懸念していたが、母は「心配するな、しかし外部の薬材と処方については口外してはならぬ」と口止めした。

彼は次に投獄されているクォン医の元に忍び込んだ。「外部の薬を使った事実が知られれば命がない、私は口をつぐみます」と医者は言った。その後で、大妃の部下がクォン医を捕まえ、誰の指示かと拷問した。王妃様と答えたが外部の薬のことは吐かなかった。

ソンナム大君は夜遅く、西村の処方箋を書いてくれた医者のところに行き、剣を突きつけた。「お前の処方が世子様の体を害した。世子様は今危篤だ」と言うと、医者は「因果応報」と言った。大君は、世子が血の塊を吐いたことについて説明を求めたが、医者は「薬を処方しただけ、世子の体に一切治療を施してしない、むしろ鍼治療をやめるように言った」と。大君は世子を救う手だてを聞いたが、医者は無言、、。


王妃は再び尚膳を呼び、世子の状態を聞いたが、何も存じませんと言うばかりだった。「王様は一番重い罰を私にお与えになった」と王妃は嘆いたが、、。

一度嘆いた後は、できることをする王妃。世子が倒れてから着替えもしていなかった。衣装を着替え、髪も綺麗に結って、気分を引き締めた。そして王妃は宮中の至る所に潜ませた手の者を動かした。屋敷の奥深くに入り込める者たちのネットワークを駆使して、世子は存命だが、意識は戻っていない、大臣たちに不穏な動きがあるとの情報を得た。

王妃は屋敷から出る算段を練った。宮中では、王妃の顔を知らぬ者がほとんど、身なりで見分けている。王妃は、使用人の着物を着て、外に出た。


ファン領議政は、ユン兵曹判書と廃世子の議論を進めるための密談をした。

王様に廃世子の嘆願書が出された。ユン兵曹判書が口火をきり、世子を廃してくださいと言うと、次々に賛同者が現れた。そこでファン領議政は「廃世子を議論するのは次期尚早」と密談と反対のことを述べた。

王様は「廃世子は許可できぬ、2度と話題に出すな」と宣言した。

ユン兵曹判書はファン領議政に「話が違う」と怒ったが、これはファンの策だった、王を引き立てた術で、引きずり下ろすための。

王様は、テ昭容とポゴム君の屋敷に来た。そして廃世子についてポゴム君に考えを聞いた。

「病弱な世子は、国を衰退させる故、廃世子の議論は妥当かと。しかしこの議論は、父上のけん制に利用されているようです。過程も大事では?大臣らの意をくむにせよ、その策にはまらぬように」とボゴム君は言った。

感心する王様、、そこに「大事です」との知らせた来た。


大臣たちが、協議を行う建物の前の庭にひざまずき、「廃世子」を訴えていた。

王妃は門からその様子を見た、そして町に行き、ある場所にユン廃妃を呼んだ。

王妃は「テイン世子が死因が病ではないという証があるのですか。テイン世子も倒れた時、血を吐きましたか」と聞いたが、ユン廃妃は「正直、あなたの息子が亡くなることを望んでいる、報いです、今の王朝は私の子を粛清しその血で得たもの。今の王は”血の君主”なのです」と。

「誠に報いなら、謙虚に受け入れましょう、しかし人が介入したのであれば、必ず突き止めこの手で殺します」と王妃は言った。

ユン廃妃は「1つ条件がある、後日私がお願いしたら、それを必ず聞き入れてください」と言い、王妃が承諾してから、「テイン世子が血を吐いたことはない、体に原因の分からぬ傷があっただけ、今の世子と息子とは違います。息子は間違いなく殺されました。殺した者は知っています、本人が私に話してくれましたから」と言った。

今の大妃が、牢屋に入れられたユン廃妃に「私がお前の子どもたちを殺した」と言ったのだ。


庭にひざまずいた家臣たちの「王様、世子を廃してください」の声が最高潮に高まって来ていた。王様は、王座に座り憤っていたが、部屋の中には誰もいない。

大妃が入ってきた。「王様はあの者たちが据えた王、正統性を問題にされればいつでも失脚し得る庶子の出の王です。大臣らの支持がなければ決して守れぬものがあの王座。ここまで導いたこの母の苦労を思うなら、たかが世子一人のことで揺らいではならない、王座を守りたいなら、大臣を刺激せずに、その意を聞き入れるのです」と言った。

門の外から、王妃が大股でやって来た!!!

「何が廃世子だ!」

「世子の死を望んでいるのですか? 廃世子がどれほど不当な要求かご存知で? 何の罪を犯したと言うのですか?

王と王室のためと言いながら、見苦しい、王に圧力をかけ、欲しいものを取る盗賊に見える

世子を救うはずの大臣たちがここに集まり騒ぎを起こし、世子を救うためですか? 死なせるためですか?」

と大臣たちに詰め寄った。

ファン領議政が「王妃様は幽閉を命じられたはず」と言うと、王様が

「幽閉は解いた。王妃の言葉は余の意でもある。今後も廃世子は論ぜぬ。王令に叛き廃世子を言い立てる者は、謀反の罪に問う、下がれ」と宣言した。

そこに「王妃様、王妃様、、」と使いの者がやって来た。

「お目覚めになり王妃様をお呼びです。伝えたい言葉があり、必ずご返答が欲しいそうです」

王妃は走った、、走りに走った、、、、。

以前、中宮殿で治療をしていた時、世子が言った言葉にまだ返事をしていない。

母上、お約束ください、”屈せぬ”と。さすれば安らかに眠れそうです、どうか元孫と弟たちをお守りください

その返事を世子は待っている、、、

しかし、屋敷に着いた時には、世子は、亡くなっていた、、

「我が子よ、そなたに約束しよう”屈せぬ”と、守り抜く、、安らかに眠れ」王妃は泣きながら世子を抱きしめた。

感 想

今回は感想や推察を箇条書きにしてみます。

1、王様は明君のようですね。ユン廃妃も”聖君と讃えられる当代の王”と言ってました。母親の大妃に押し切られそうになったけれど、王妃の世子を思う強い心に動かされて「王妃の言葉は世の意でもある」と言いました。今後の大臣と母とどのように戦っていくのでしょうか。

2. ポゴム君が聡明なのが、この回でもわかりました。冷静に俯瞰的に物事を見ることができる王子のようです。

3、西村の医者は、テイン世子の治療に関与していた?世子の病気を聞いて「因果応報」といい、治療している医者の名前を聞いたので、関係あるのでは?と思いました。

4、王妃とユン廃妃の会話の緊張感が好きです。廃妃にすれば、我が息子たちを殺した上で成り立っている今の王朝を憎んで当然ですよね。母としての頼みとは何でしょうか?

5、テイン世子は吐血しなかったそうなので、世子の吐血は病気からきたものだったのでしょうか?

6、王妃が、大臣たちに「何が廃世子だ」と大股で歩いて大声で言う場面のカッコよかったこと!パク・ヘスさんの真骨頂ですね!

7、そして、世子の伝言を聞いて、走りに走る場面、、世子が「母上、約束してください」と自分の死を覚悟して王妃に言った時、王妃はその心情を思うと「できない、治癒に専念しよ」と言うほかなかった。しかしもう世子に時間がもうない、「約束する」と今度こそ返事をしなくてはと、、、走りに走る、その心情を思うと、そして、悲しい対面、、涙なしでは見られませんでした。


第6話 あらすじ

世子が亡くなり、喪に伏してる王妃を気遣い、王様は毎夜、王妃が眠りにつくまで外から中宮殿の様子を見て、屋敷に戻った。

大臣たちは、王様に、すぐに新しい世子を決めるべきだと択賢を勧めた。同時に、ファン領議政は、世子が毒殺された可能性があると王様に進言した。王様は、世子の死因を徹底究明せよ、世子の件はその後だと言った。

領議政は、世子毒殺に王妃が関わっているとの噂を流し、噂を本当のことにし、王妃を廃することを目論んでいた。

王妃は、家臣たちの択賢の動きを聞き、大君たちに世子の教育を始めた。王位の順位では、元孫(世子の息子)が次の世子になるが、幼いことを理由に択賢が適応された場合、大君たちにその資格をつけるためだ。

しかし世子の死後、ソンナム大君は、食事も摂らずに部屋に篭っていた。王妃は、食事を持って彼の部屋に入り、カーテンと窓を開けた。大君は、王宮を出たいと訴えた。母は「そなたを王宮に呼んだのは世子だ。そのために彼は自分の地位もかけた。世子が何を望んでいるかをよく考えてみよ」と言って部屋を出た。

王妃たちが歩いていると、世子嬪が元孫の手を引き、生まれたばかりの赤ちゃんを抱き、「この者たちに殺される、どうかお助けください」と王妃にすがってきた。世子嬪の尚宮たちは「世子様を亡くされ、世子嬪様は被害妄想になっておられる」と説明したが、王妃に一喝された。王妃は、世子嬪と元孫たちを中宮殿にかくまった。

領議政は、毒殺の疑いでクォン医を拷問にかけ、黒幕は誰だと詰問したが、彼は口を割らない。次は、ナム尚宮までもが尋問を受けていた。それを知った王妃は、領議政の無礼を叱責したが、彼は反対に、手続きを踏めば王妃様も尋問しても?と聞いた。王妃は、確かな証拠があったなら受けるが、なかった場合、命はないと思えと言い放った。

王妃が尚宮たちに、外の薬材を使ったことは絶対に知られはならぬと話しているのを、テ昭容が聞いていた。

テ昭容は、王妃に択賢について聞いた。ポゴム君は聡明ゆえ可能性はあるが、択賢は単なる世子選びではない、権力争い、そこに巻き込まれたら2人は危険になるやも知れないと警告した。

”王妃が毒をもって世子を殺害した” という噂が至るところで囁かれ始めた。

ファン貴人を中心とする後宮たちもその噂で持ちきり、王妃が黒幕なら、廃妃されると。しかし、ファン貴人はその噂話を遮断した。

その夜、ファン貴人は隠れて父ファン領議政の屋敷に行った。そしてクォン医への拷問をやめる様に哀願した、このまま続ければ、医者は私の名前を言うからと。なんとファン貴人がクォン医に頼み、毒をもったのだ。貴人は、弱らせることが目的で、まさか死に至るとは思わなかったと言ったが、、。驚愕する父は、クォン医を殺さねばと言ったが、貴人は、彼は決して口外しない、彼をこちらの味方につければいいと殺害しない様に父に頼んだ。ファン貴人はクォン医を誘惑していた。

領議政は、突然、毒殺の件の取り調べを中断した。


宗学では、王子たちの講義が再開された。世子は自分だと思っているウィソン君はいつにも増して尊大な態度を取っていたが、ソンナム大君にたしなめられ、ポゴム君の教養についていけなかった。

講義の後、ウィソン君はポゴム君を「お前は世子を夢見ることすらできぬ。王妃の元待女の子だからな」とバカにした。ポゴム君は刀を抜いて戦おうとして、追い詰められ、ソンナム大君が助けた。ウィソン君に剣を構えた時「お前の母親が殺したって噂を聞いたか?」と言われ、大君は逆上、、切りそうになった時、講師のミン・スンユンに止められた。

ソンナム大君は、罰として、毎日1冊ずつ暗唱する様にと書物を渡された。大君は、教え子が罪を犯した罰として、師の指導を仰いだ。


大君たちは中宮殿に呼ばれた。女官たちが氷を削っていて、大きな桶が備え付けてある。

王妃は、四神修練法(王室の身体強化方法)をすると、氷水の中に衣服を脱がせた大君たちを入れた。ソンナム大君も後から、参加、、、寒くて4人が体を寄せ合っているのを、王妃とナム尚宮はニンマリ笑って見ていた(笑)

その後「話法の習得のため」王妃は課題を与えて、4人で話し会いをさせた。

古くから王妃にだけ伝わる教育法がある、択賢を避ける方法は資質の証明、今から備えればいいと王妃は考えていた。


ポゴム君は、母に「択賢が採用されようとも、卑しい家の生まれの自分はどうあがこうとも世子にはなれない。母上にできるのは、何もしないこと」と悔しい胸の内を打ち明けた。

テ昭容は夜半に、ユン・スグァン兵曹判書宅を訪ね、ポゴム君の後ろ盾になってくださいとお願いし、ここで約束してくだされば、王妃に関する情報を渡すと言った。

ファン領議政はユン兵曹判書から、王妃が世子の治療に外の薬材を使ったと言う手紙を受け取った。


大妃は、王妃がユン廃妃と会っていたことを知った。

大妃は、ファリョンが世子嬪に選ばれた時の屈辱を思い出した。ファリョンを選んだのは、当時のユン王妃だった。王様は、王妃の意思が自分の意思だと言い、世子は貴人(大妃)の子ではない、貴人は世子を産んだ後宮にすぎないと言ったのだ。そして世子嬪のファリョンは、ユン王妃だけを慕った。

大妃は王様に「早く世継ぎを決める様に、王妃の子どもである必要はない。世子が中宮殿で息を引き取った、王妃は必ず報いを受けねば」と迫った。


鞠問(キクモン)が開かれ、王様の他に、大妃も王妃も参加するよう要請された。

クォン医が真ん中に縛って座らされている。ファン領議政は王様に、世子の治療に外部の薬材が使われた疑いがあると言った。そして、クォン医にそれを与えた者が、世子様を殺害した犯人だと、王妃を見て言った。

王妃は王様に「領議政は世子存命中に廃世子を論じた者、世子の死を望むのは領議政のはず、世子を殺めた者が国母まで陥れようとしています」と言った。

「世子が毒殺でもされたとでも?」と大妃が気色ばむと「ええ、世子の急死は初めてではありません」と王妃は答えた。大臣たちがざわついた。

王様が「やめよ。鞠問は明日続開に」と中止させた。

大妃が王妃に近づき「逆賊の廃妃ユン氏に会ったことを知っている。明日全てを認めぬなら、ここで暴露する。私はお前が王妃でいるのが嫌なのだ」と憎々しげに言った。


王妃は、世子嬪と子供たちのいる部屋に笑顔で入った。元孫の御膳が用意された。王妃はお箸で味見をしてから、スプーンで一口、肉を食べさせた。

元孫が ”保母尚宮と秘密の遊び”の絵を描いていたが、絵の中で針が元孫の足に向かっていた、王妃は急いで、彼の袴を脱がせると、腿に針を刺した後が、、そして王妃はスプーンに毒が付いているのに気づき、「吐くのだ」と元孫を下に向かせて吐かせようとした、、。

感 想

王妃様には、世子の死を悲しむ間もないほど、次から次へと難題が押し寄せてきます。

ファン領議政は、露骨に、王妃下ろしを企てています。しかしファン貴人が毒をもったことは、隠されたまま過ぎていくのでしょうか?貴人がクォン医を操作していたとは、驚きでした。

ポゴム君、世子が存命の時には、自分の生まれに関係なく、学問を追求すればいいと思っていたのでしょうが、状況が変わってきた、いくら優秀でも、自分の生まれでは”世子”になれないと、初めて感情を出し悔しがる姿がありました。母が、ユン兵曹判書に後ろ盾を頼みました。大妃もポゴム君推しかもしれないので、可能性はあるかもです。

4人の大君が、氷水に入って身を寄せ合うシーンだけは、ほっこりしました。

大妃が、ファリョン王妃を憎む理由がわかりました。大妃は、自分の子供を世子にはしたが、王妃にはなれず、王様に「ただ世子を産んだ後宮だ」とはっきり言われた。王様が亡くなった後で、ファン領議政と組んで、ユン王妃を廃妃にしたのでしょう。ファリョンが、自分には懐かず、ユン王妃に懐いていた。その恨み、全てが気に入らないようです。

元孫ちゃんにも毒矢が迫って来ていた、、全く油断できません。

王妃はどんなことがあっても、世子との約束を 守っていくでしょうが、多難です、、。

第7話 あらすじ(神回)

王妃は、元孫に毒針を刺した保母尚宮から黒幕を聞き出そうとしたが、口外すれば家族が殺されると自害してしまった。元孫の食事に毒を指示した人物を突き止めることもできなかった。

そして中宮殿でボヤ騒ぎがあった。元孫の身の危険を感じた世子嬪は、王宮を出たいと王妃に訴えた。元孫と娘を守るために、王宮にとどまるべきと説得しようとした王妃だったが、、、

大妃は王様に、択賢を受け入れ、王妃を廃妃にするように迫っていた。「世子になりたいと最初に望んだのはそなただった、母はそなたの望みを叶えるために全てやった」と言うのだった。

王妃を案じたムアン大君、ケソン大君、イルヨン大君の3人の息子は、中宮殿に食事を持ってきた。母が無事で安心したが、択賢テクヒョンを行うと自分たちは殺されるのかと心配した。母は「心配するな。お前たちと会って恐れはなくなった、必ずお前たちを守る」と息子に約束した。

この親子の場面はとてもなごみました。息子はお母さん大好き、ホントに可愛い!ケソン大君の小指の爪に少しだけ紅い色が残っているのを王妃が気づきます。細かい演出ですね。


鞠問で、王妃が追い詰められていることを知ったソンナム大君は、王様に直接会い、薬を外部から用意したのは自分、危険な薬ではなかった、それを証明する人物を捜し出してくると言った。「兄を殺した弟にはなりたくない」と。その言葉に苦悩する王様。

王様は、テイン世子の死に母親(大妃)が関係しているのことに気づいているのかも、、テイン世子は王様にとって兄でもあった(母親は違うが)、その兄の死により自分が世子、そして王になったが、常に”正統の王”ではないという弱みがあり、恐れているようです。

王様は鞠問までに、証人を連れてくるようにソンナム大君に王令として命じた。

しかし西村にトジ医者の姿はなく、大君は薬市場でそれらしき人物’を見かけたが、見失ってしまった。


鞠問の再開を前に、王妃はシン尚宮に大妃の出方を探らせた。大妃は ”王妃がユン廃妃と会ったこと”を報告しなかったとシン尚宮を「野良犬を拾ってやった恩も忘れて」とののしったった。シン尚宮は「野良犬でも、心を許した主人にだけ尽くす」と主人は王妃だと宣言した。そして大妃は鞠問で、王妃が廃妃と会ったことを暴くつもりがないことを耳にした。

大妃にとって、ユン廃妃のことを持ち出すことは、双刃の剣である。王妃を追い詰めることもできるが、テイン世子の死に触れることになり自分を危険な領域に入れることでもあった。

ファン貴人は、父の領議政に、王妃がクォン医に会いに行くのではと恐れていたが、父は決して面会させないと言った。

王妃はシン尚宮を連れて、夜遅くに、クォン医が投獄されている屋敷に行ったが、門番に止められた。そこにファン領議政が現れ、王令で誰も面会できないと得意げに言った。焦る王妃、、、と見せかけ、実はファン領議政を油断させるためだった。

ファン貴人が牢屋にいるクォン医に面会に行き、隙間から手を差し伸べて「苦労をおかけする」と彼の頬を触り、その手にクォン医の手が重なった、、、

*クォン医とファン貴人は一体どう言う関係?クォン医は貴人を好きなのでしょうが、貴人は?気になります。


鞠問が再開された。

椅子にくくり付けられたクォン医の横に、王妃が座っていた。

ファン領議政が、外部からの薬材を渡した人物を聞くと、クォン医は「王妃様」と答えた。

王妃は王様から、事実かと聞かれ「はい、しかしその薬が死因ではない。それはある者から受け取った、最も世子の身を案じ、私も信頼している者だった」と言い、”世子嬪”と言ったのだ!

そこにいた全員が驚愕した、、、。

早速、世子嬪の屋敷が調べられ、薬が発見された。世子嬪が呼ばれて尋問を受けた。彼女は「薬は宮中にあったもの、外部からのものではない」と言ったが、チョ御医が内部の薬ではないと断言し、薬帳にも記載がなかった。

世子嬪は「私は無実です。なぜ私にこのような仕打ちを」と王妃を責めたが、王妃は「その薬で世子が亡くなったようだから」と冷たく言うのだった。

しかしこれは全て、王妃と世子嬪との間で前もって仕組まれた”2人の芝居”だったと思います。ソンナム大君が持ってきた薬を、世子嬪の屋敷に置いたのでしょう。王様、大妃、大臣たちの目の前で、王妃と世子嬪が敵対関係だと思わせることが目的だったのだ思います。

領議政は王様に、王妃が外部の薬を使った責任を正すべき、王妃を廃して、元孫に死を命じるように進言した。王様は、幼い元孫の死を望むファンに怒りをあらわにした。


王妃は、夜遅くに大妃の屋敷を訪ね「廃妃と何を話したのか気になりませぬか、テイン世子を殺したと自ら打ち明けたとか」と挑発した。そこに王妃が呼んでいたファン領議政が来た。

王妃は「択賢を受け入れる。私と元孫に死を命じるのは無理だとわかっているはず、世子嬪と元孫を庶民に降格することで終わらせる。択賢で大君から世子が選ばれなければ、王妃の座を退く。王様は私が説得する」と王妃の座を賭けた提案をした。

この場面、迫力満点でした。王妃は、大妃と領議政を完璧に騙しました、”王妃が保身のために、世子嬪と元孫を王宮の外に追い出した”と思わせたのです。王妃、ほんとに強くてカッコイイです!

ファン貴人は、廃妃もできず、元孫も生きていることに不満爆発、父は王宮を離れたら即刻、元孫を殺すと娘に言った。

ファン貴人は、だんだんと本性が出てきている、そして焦っています


王様は家臣たちに「世子を死に至らしめた世子嬪を庶民に降格する。元孫も庶民に降格し、イバラの垣で家を囲い幽閉する。元孫に近づく者は、王に擁立しようとする勢力とみなし、謀反の罪に問う」と宣言した。

白い粗末な着物を着せられ、赤い紐で縛られた世子嬪と元孫が王宮から出てきた。

ソンナム大君が来て、元孫の紐を解き「待ってろ、必ず迎えに行く」と励ました。

世子嬪と2人の子供は荷台の上の木の檻に入れられ馬に引かれた。「世子様を殺した」と人々から後ろ指を指されながら、、王妃が顔を隠し彼らを見つめていた。荷台にむしろが被せられた。

町を離れ、人気が無くなった流刑地に着いたら殺せ、との領議政の命令だったが、着いた時には3人の姿が消えていた、、、。

3人が着いた屋敷には、王妃とナム尚宮とソンナム大君が待っていた。王妃が、世子嬪の王宮を出たいという望みを叶え、安全な場所を用意したのだ。

〔回 想〕

全ては、王妃の計画だった。

ソンナム大君は、王妃の座を守るため、世子嬪と元孫を王宮から追い出したと母に怒ったが「彼らを守るためだ、王妃の座に居てこそ、彼らと大君たちを守れるのだ」と母は言った、そして

「王宮に呼び戻す、そしてお前も私と共に。兄の代わりになれるか?お前が世子になるのだ」とソンナム大君に言った。

「はい、そうします。全てを懸けて、世子の座に就きます」と彼は宣言した。亡き兄の部屋、世子の着物の前で。

よかったです!でも、どうやってあの檻から出てこられたのか?王妃側の人間がいたのでしょうね。

王様は王妃の意図は全く知らないのだろうか?元孫を幽閉し近づいた者は謀反の罪、と宣言したのは、元孫を守るためだろうと思うのですが、、。


その頃、クォン医も王令で、王宮を追放されていた。彼は王妃に謝りの手紙を残し、その中に”外材の薬が死因ではない”と記していた。王妃は、お付きの者にクォン医について調べるように指示した。

クォン医が王宮を出て会った相手は、ソンナム大君が探していたトジ医者だった。

クォン医は、トジ医の弟子だったのか?トジ医も王宮で働いていた? トジ医がテイン世子の死の真相を握る鍵かも。


王妃は王様に「択賢」を説得した。「択賢の本来の意味は ”最も賢い者を選ぶこと”、大臣らに好都合な者を選ぶことではない」と言い、20年前の王様の言葉「私は臣下ではなく、民を恐る王になりたい」に感動したことを話した。王妃の座をかけたのは、大君以外の者が世子になった場合、王妃の座など私には何の意味もないからだと。

実力のある、ふさわしい王子を世子にしてください」と王様にお願いした。

王様は大臣たちの前で「世子を択賢で選ぶ。全ての王子を候補とする。但し、選抜方式は私が決める」と宣言した。

* 王妃、”択賢が避けられない”と悟ったら、さっとその波に乗って戦い方を考える、臨機応変!見習いたいです(笑)


ポゴム君が大妃に”秘書”を返した。そして父上が王様になれた真の理由は、資質と実力を備えた王子だったからと言い、私にも父上と同じことをしてください、お祖母様に頼んだ。

つまり、自分は父と同じように資質と実力がある。しかし自分の母には力がない。だから大妃に直談判して、世子になるために同じようにしてくださいと頼んだのですね。ボゴム君、政治的手腕も備えているかもです。


王妃が後宮たちを呼び「択賢で世子が決まる、その方法は”競い合い”」と言った。それはもう始まっていた。

第1競技、王子たちは山奥に連れて行かれ、まず、山道を走ってかける競争。早く目的地に着いたものから点数が加算される。脱落したものは、名札を自ら回収。

いくつかの競技を行い、最後まで名札が残った王子が、東宮殿の主(世子)になる。

択賢の方法が競い合いと聞き「原則ではない」と文句を言うファン貴人、コ貴人に「原則を貫くなら嫡流の王子から世子になる」と後宮で一番身分が低いパク氏がガツンと言うのが面白い!彼女は知識があり、忖度なしで、要所要所で的確なことを言います😄

第一競技『山道のかけっこ』、女人大好きのムアン君の足が速い!意外でーす😄

ホドン君、スタート遅れ、転んでるし、離されてるぅ、がんばれ!!不動の癒しキャラ❤️

感 想

7話、私的には神回でした。

勢力争いが加熱してきていますが、王妃が、臨機応変に挑んでいく姿がほんとにかっこいいです!

  • 世子嬪と元孫たちを守るために打つ大芝居
  • ソンナム君が「世子になります」と宣言するところ
  • 王妃が、大妃と領議政を相手に駆け引きするところ
  • 王様に択賢を受け入れるように説得するところ

王様は自分が”択賢”で世子となり王様になった、そこには母親と大臣の力が関与していることにコンプレックスがあるようですが、元々、資質があり聡明だったのです。性格も母親には似ていないし、王妃のことも理解している、”立派な世子”を選ぶために、良い課題が出されることでしょう。

次回から、それぞれの王子たちの個性や秘めた特技などが見られるかなと楽しみです。

今回から、よりドラマを理解し楽しむために、あらすじの中に感想や考察を緑色で入れてみました。

第8話 あらすじ

択賢が始まっている。

第1課題:山道を走り、弓場に到着し、時間内に的に5発命中すれば、第2段階に上がれる。

第2課題

4日で、課題の人物を捜し出し、王宮へお連れすること。選抜の期間中、王子たちは ”御史(オサ)”の身分となる。

ポゴム君・ムアン大君・ソンナム大君が捜す人:”パク・ギョンウ”氏

ウィソン君・ケソン君・シムソ君が捜す人:”ソ・ハムドク”氏(大罪人として指名手配中?)

御史たちは、それぞれ馬を調達して、課題の人物を捜し出すために遠方に向かった。

王様はこの2人の者たちに高い官職を与え、呼び戻すつもりである。王様に背を向けたとしても世子の臣下にはなりえる、王様は王子に己の臣下を連れてくる機会を与えたいと考えていた。

パク・ギョンウには戸曹判書(ポジョパンソ):国家財政をつかさどる官職

ソ・ハムドクには御営大将(オヨンテジャン):首都を守る御営庁(オヨンチョン)の首長

この王様の課題に大臣たちは激怒した。なぜなら2人は王朝を非難し官職を放棄した者たちで、特に、ソ・ハムドクは逆賊と呼ばれているのだ。

しかし、領議政が押すウィソン君はソ・ハムドク氏を、ユン兵曹判書が押すポゴム君はパク・ギョンウ氏を連れ戻さなくては、世子になれる可能性がなくなる。大臣たちはジレンマに陥っていた。

これは中々面白い。通常なら、王様の決定に真っ向から反対を述べたいところだが、択賢の条件が王様の選抜方法で、大臣たちは自分の推しを世子にするためには、王様に従わざるを得ないから。

パク・ギョンウ氏ソ・ハムドク氏、どんな人物なのでしょう?今後の展開に大きく関連してくるのでしょうか?


後宮たちの動きも活発である。

”王妃は、大君が世子に選ばれなかった場合、その座を退く”と知った後宮たち、今後の有利な立ち位置を模索していた。

息子を世子にしたい後宮は、息子が有利になるように裏工作をしていた。

キム昭儀とチェ淑儀は、ファン貴人のウィソン君が次期世子と予想し、貴人への忠誠心の証の為、息子のヨンミン君とファピョン君を早々に棄権させた。

後宮の動きを牽制するために、王妃は後宮たちを中宮殿に呼び、刺しゅうをさせた。しかしコ貴人の姿が見えなかった。

コ貴人は息子のシムソ君を町で捕まえ、ソ・ハムドクに関する資料と一番近道で行く方法を教示し、「全てを賭けた、母を失望させるな」と強いストレスをかけた。


最年少、1日5食のホドン君❤️もなんと第1課題をクリアーして、第2課題に入っていた。

母は「大志を抱いていて驚きました」と誇らしそうに話していたが、当のホドン君は串団子を頬張りながら、イルヨン大君(王妃の五男)とゆっくり馬に乗り、「ただ好きなだけ食べて帰ろうかと」とのんきなホドン君です😄

イルヨン大君は、朝鮮一の天文学者のムン・ピル先生に会いに海西に行くつもり、ホドン君を誘った。興味がなさそう、しかし「饅頭が美味しい」と聞いて、すっかり行く気になりました🤣

ハハハハハ、、なごみます。


事件が起きた!

山道でソンナム大君が、山賊から弓矢と剣で命を狙われた。幸い、王宮の警護の者に助けられ事なきを得て、道中を急いだ。盗賊イ・オックン一味の仕業だったが、、。

ソンナム大君は、馬で山を越え、海を渡った、、、

ウィソン君、ケソン君もそれぞれの馬で野を越えていた、、

ポゴム君は馬で海を渡っていた、、、

この風景が雄大で美しいーー。韓国の俳優さんたちにとって、乗馬は必須ですね。

シムソ君も一人で、近道と言われた山奥の道を馬で急いでいたが、、、途中で馬が全く動かなくなってしまった。そこに盗賊が現れ、馬も御史の身分証も全財産も奪われてしまった、、。

シムソ君、ピンチ!生まれてからずっと母のプレッシャーに押されて生きてきた可哀想なシムソ君、たった一人で山奥で何もかも取られて、無事に帰れるのでしょうか?

ムアン大君は、まだ馬にも乗らず、馴染みのチョウォルに会いに来たが、彼女が妓生(キーセン)になると聞いて驚いた。

占い師に、運命の女性に会うと言われていたが、それがチョウォルなのでしょうか?1話の最初の場面で、添い寝していた女性ですね。


離れ小島で、ポゴム君は、パク・ギョンウ氏を見つけ、王様からのお達し、”パク・ギョンウを戸曹判書(ポジョパンソ)に任命する。王令に従い、直ちに王宮に参れ”を読み上げた。

パク氏は、王令に従うつもりはないが、ポゴム君は、任務を終えるまでは帰らないと彼の後をついて歩いた。ソンナム大君も島に着き、彼を説得したがパク氏は「私は目が見えぬので、小役人にさえなれないと王様に伝えろ」と断った。

パク氏は王様の無二の親友だったらしいが、王様が庶子であるため即位に反対したらしい。

ソンナム大君は、目が不自由でないと実証をできれば、私に3日間の猶予をとお願いして、急に剣を彼のの眉間に構えたが、パク氏はピクリともしない。「私の負けです」と大君は崖から飛び降りた、その時、パク氏は焦って目を剥いて崖の下を見た。ソンナム大君は、崖の木にぶら下がっていた。大君は、パク氏が目が見えることを実証し、3日もらった。

「とんでもない者が来た」パク氏は怒って帰り、ポゴム君はソンナム大君を助けずにその後を追った。

ソンナム大君、機転が効きます!危険も顧みずだけど、さすが王妃の息子!ポゴム君は自分の利にならないことはしない主義のようです。

翌日、島の浅瀬で島人たちが白ハマグリを獲っていた。そこに薬房で薬代の担保を出してくれたユン・チョンハがいた。彼女は、ソンナム大君の人相書を書いてもらい、ずっと彼を捜していた。ついに彼を見つけた彼女は、走って大君に抱きついた。

チョンハさんは、多分、ムアン大君から兄上の行き先を聞いて待っていたのでしょう。天真爛漫、彼女の存在もドラマの1つの清涼剤かな。


王様は、ソンナム大君が盗賊に命を狙われたとの報告と証拠の赤い矢じりを受け取った。

王妃も同じ報告を受け、ただの盗賊の仕業ではないと確信した。

王様は、領議政を呼び、矢を見せ「大君の命を狙った者を必ず暴いてみせる」と言ったが、領議政から「真実は明かされなければならない、テイン世子の死のように謎のままではならない」と意味深に言われた。

王様は思い出していた。王子の時、母がテイン世子に何かをして、世子が崩れ落ちて亡くなるのを扉の隙間から見ていた、そしてその扉をそっと閉めたことを。その様子を領議政が見ていたのだ。

つまり王様は、テイン世子を殺したのが、自分の母であることを知っているということですよね。それをずっと心の奥底に隠して、世子となり王様として生きていた、闇は深そうです。

領議政は、慇懃なフリをして、王様の弱みを握っているのは自分だとチラつかせ、ソンナム大君襲撃を明らかにすることは、競い合いに影響を与える意図と見られるかもしれないと、王様を牽制した。王様は、その言葉で引き下がってしまった。

襲撃事件の捜査を中断したと聞いた王妃は、自分の息子の命より、首謀者かもしれない者たちの思惑を気にする王様に「私は我が子を傷つけようとした者を決して許さない。これは王妃としてではなく母としてやること」と王様の前にある矢じりを持ち毅然と出て行った。

後に残された王様の背中に孤独と苦悩を感じました、、自分の息子さえ守れないで民を守ことなどできない、と王妃に言われても何も言い返すことができない王様、、


王妃は、赤い矢じりを持って、ソンナム大君を狙った盗賊の死体置き場に来た。

首領のイ・オックンの遺体の喉が腫れていた。医者が口を開け、喉に詰まった物を取り出した。開けると、血に染まったソンナム大君の人相書に大きく”必殺’の文字が。

領議政に手下が「副頭領が行方をくらました、ソンナム大君の命を狙ったのは確か」と報告した。領議政は第三者が介入したと察し、自分が濡れ衣をかけられると、手下に副頭領を捜し出せと命令した。

領議政も副頭領を捜していると聞いた王妃は、部下に領議政の手下どもを追わせた。そして先に副頭領を捕らえた。

王妃は、副頭領を逆さ釣りにし拷問にかけ、自白させた。

「ある者が訪ねてきて”金も馬も全てを奪うのだ、だがケガを負わせてはならぬ”と言った」

王妃は、ソンナム大君の人相書を見せて「これをくれたのは誰だ」と聞いた。

「すぐ後に他の者が訪ねてきた、女人だった。女人は、その人相書を出し追加の指示をした。カエルの髪飾りをつけた女人で、芍薬(シャクヤク)の香りがした」と言った。


王妃はナム尚宮を従えて、大妃の屋敷に来た。芍薬が焚かれている。

王妃は神妙な顔をして「大妃様これまでの無礼をお許しください」と贈り物を出した。大妃のナム尚宮が開けた。中に天南星てんなんしょう(毒草)が入っていた。

王妃が「天寿を全うしていただきたいのです。薬となるか毒となるかは王妃様次第。もう一度 大君らを手にかけようものならこの天南星を私が煎じて差し上げます」と言い、血に染まったソムナム大君の人相書を出した。

芍薬の香りがする女人を遣わせ、必ず息の根を止めろと指示した。盗賊どもは私の手の中にある。それゆえここでおやめください。あと一歩でも進むと、大妃様の非道を全て暴き、その報いを受けさせます」と王妃は大妃を睨んだ。

感 想

最後の場面、大女優二人の睨み合い、すごい迫力で、緊張感バリバリでした。

大妃、予想を上回る大悪です。自分の孫の人相書に「必殺」と書き、「必ず息の根を止めろ」なんて、、怖すぎです。

王妃の怒りは頂点でしょう。しかし非常に丁寧に”毒草”を大妃に贈り、これ以上、大君たちに何かをするなら『あなたを殺します』と警告したのです。王妃、本当にすごいです!

大妃、王妃の本気を恐れたでしょうか?王妃は、短時間で首謀者の大妃を暴き出した、、いつかはセイン世子の死の真相も暴かれるかもしれないと、、。

王妃は王様に、首謀者が大妃だったとは報告しないのではと思います。

王様ではこの襲撃事件の真相を暴くことはできなかったでしょう。セイン世子の死の真相を封印したように、もしこれも母の仕業だと知ったら、王様は耐えられないではと思います。

第9話 あらすじ 神回)

王妃は王様に、領議政と大妃が同じ盗賊にソンナム大君を襲うように命令したが、人相書を渡し命を狙うよう命じたのは大妃だったと報告した。王様は、事実なら明らかにすると言ったが、王妃は、これが表沙汰になれば競い合いに影響する、王様は誠に母親を罰することができますか?と問い、念のためお耳に入れただけ、再びこのようなことが起きれば、誰であれ容赦はしませんと言った。

王妃は王様に報告しました。先週の感想で、王様には言わないだろうと予想しましたが、ハズレでした。

王様は、大妃の屋敷に行き真相を正そうとしたが、母は、王妃から贈られた”天南星”で危険な目に遭って、伏せっているフリをした。

王妃と廊下ですれ違った王様は「堪えるべきだった、母上に逃げ道を与えてしまった、母上は孫を殺めようとし、王妃は姑を殺めようとした、この件は誰にも話せない」と言った。

王様との対面で、大妃が白い着物を着て、弱々しそうに”芝居”をするのには笑えましたが、ソンナム大君について「王様もあの子がどのように生まれたかご存知でしょ」と意味深に言ったことが気になりました。

王妃が大妃に「猿芝居はおやめになり床払いをし、我が子が世子になる姿を見届けるべきでしょう」と言うと、大妃は「世子は私が決めます」と応戦した。王妃は、自信満々の大妃が不可解、何かあるはずと探ることにした。


王妃はテ昭容を呼び、大妃が体調を崩しているので訪ねてはと、彼女を行かせた。

そして王妃は、領議政を訪ね、盗賊の副統領を出し、領議政がソンナム君 襲撃を命じた事を知っていると言った上で、ソンナム大君の殺害を命じ、領議政に罪を被せようとした人物は大妃だと話した。大妃の意図は?ポゴム君を世子に据えたいのか?と、彼を疑心暗鬼にさせた。


ケソン大君は、ソ・ハムドクが、へアム和尚と名を変えて、山の上の寺に住んでいること突き止め、寺に行った。本人は留守だったが、多くの僧侶たちが、剣を使って武術の訓練をしていた。ケソン大君は僧侶の部屋で、経典の中に兵法書が隠されているのを見つけた。壁紙を剥がすと、王宮の詳細な見取り図に、赤で進路が描かれた地図があった。裏面には、周辺の山々が描かれ、赤い点が2つ描かれた山があった。

一方、同じくソ・ハムドクを捜しているウィソン君は、彼が僧侶となっているが、町では金を勘定し、町人の女房を寝取って、その男とケンカになり、彼に小刀を突きつけたのを見た、そして策略を思い付いた。


テ昭容はお粥を作り大妃を見舞った。大妃は彼女に自分の翠の指輪をあげ、ポゴム君が世子になるためには、母親が情報を握るのが大事と、何か耳打ちした、驚くテ昭容、、。

ファン貴人と領議政は、大妃がウィソン君かポゴム君か態度をはっきりさせないことに不満を漏らした。大妃は「世子の座は私が決める、指示通りに」と上から目線で言った。領議政は「それで私に罪を被せようと?私は大妃の部下ではない。年寄りが欲をかくのは醜いもの」と言った。大妃は無言で、お茶の湯を台にぶちまけた、、、

これで、大妃と領議政・ファン貴人は決別でしょうか?!


王妃は、ユン・スグァンを屋敷に呼び、「ユン王妃が廃されたから唯一の残ったユン一族ならば、信義を守るより重要なのは、命を守ことだと誰よりもよくご存知のはず。大妃様と領議政様の間で中立を保ってくださるなら、大君が世子になった時機会を与えましょう」と言った。


王宮に風が吹いた、、、若い2人の王子が帰ってきたのだ!!

肩にケモノの毛皮をかけたイルヨン君と、干し柿の竿を背負ったホドン君!

「私はこたびの旅で、真の男になれたようです」とホドン君❤️

「おまえと共にしたことを決して忘れぬ」とイルヨン君💚

2人は名札をはずした。

👏👏👏 2人の若い王子たち、よくがんばりました!!毎回、2人の癒しの場面が楽しみ!


新情報:王子たちが、人を探しに行っている場所名が分かりました。

満月島(マヌォルド)パク・ギョンウ

鶏龍山(ケリョンサン)ソ・ハムドク


満月島にいるソンナム大君は、島民たちが、”ハマグリ”の販売で、パク・ギョンウに2割も口銭(手数料)を払っていることを知った。パク氏が決めたことなのに、島民たちは満足し、彼に感謝していることを不思議に思った。

ソンナム、ポゴム君、そしてユン・チョンハが、パク氏の後をついて、白ハマグリの取引場所に来た。パク氏は、他の地域の品質をチェックしていた。

その午後、満月島の白ハマグリは1貫あたり7両の高値で売れたと島人たちがパク氏に報告した。午前中は1貫3両まで下がっていたので、ポゴム君は驚いた。

いかなる仕組みが当ててみよと言われ、ソンナム大君は「質の劣る白ハマグリが多い中で、満月島の物だけが上物だった。上物を求める者は高くても買うので、時間が経てば経つほど値が上がるのでは?」と見事正解した。

ユン・チョンハは、ソンナム大君が ”算木の箱”を探しているのを知った。

舟の出る時間が迫っていたが、チョンハがまだ来ない。大君は後1人と待ってもらい、彼女が走ってきて間に合った。彼女は、算木を箱を大君に渡し、髪飾りを売って買ったと言った。大君は感謝した。

大君は ”算木を箱”を失くした島の少女にあげた。その様子をパク氏が見ていた。

夜、チョンハが、泊めてくださいとパク氏の家に来た。呆れるパク氏、ソンナム大君とポゴム君になんとかしろ、と部屋に入ったが、男子2人がパク氏の部屋に来て3人で雑魚寝に。


町に怪しい貼り紙が、町民たちが「王様の実の子じゃないの?」と噂していた。

王妃が、テ昭容に耳打ちしていた秘密のようだ。王妃は、テ昭容の単純さを利用し、借刀殺人(他人の刀で人を殺すこと)を目論んでいた。


ムアン大君は、チョウォルが妓生になるのが心配で、琴を演奏している酒席に現れ、彼女を別の部屋に連れ出した。

「お帰りください」という彼女に、大君は「母上が知れば気絶するだろう。今 重大事に臨んでいるが、お前のもとへ来た、”妓生にはならぬ”と言え。お前が好きだ。ところでこんなにきれいだったか?」「はい」と笑顔で言うチョンウル、笑顔になるムアン大君。

この2人の場面が愛らしくて、思わず笑顔に。ムアン大君、いい子ね。世子にならなくていいから、素直で明るいままでいてください


ボロボロのシムソ君が、荷台に乗せられて都に戻った。しかし、身分を証明するものがないため、王宮に入れない。彼が中の様子を話したら、コ貴人が出て来た。

彼女は、シムソ君を門から遠ざけた。1食も食べずお腹が空いて、体の具合が悪いと言う息子に「引き返して競い合いに臨め、体が粉々になり息絶えても王宮に戻ってきてはならなかった」と、着物の飾りを引きちぎり彼に渡して、背を向けた。シムソ君は門番に払われて、外に倒れた。

夜遅く、シン尚宮が倒れているシムソ君を見つけた。

王妃の屋敷に連れていき、ご飯を食べさせた。飲まず食わずだったシムソ君は、すごい勢いで食べた、左手には母からもらった飾りを握りしめて。それは、生まれて初めての母からの贈り物だった。

そこにコ貴人が突然入ってきて、シムソ君の食べている円台をひっくり返した、、、

怯えて後ずさるシムソ君、、コ貴人は、王宮に息子を入れた王妃が許せない、それは競い合いからの脱落を意味するから。「今日は私の全てが崩れ去った日です」と王妃に言い、

息子に向かって「お前のせいで母と一族の名誉が傷ついた。いっそ死ねばよかった。お前を産んだことを悔やんでいる」と言って出て行った、、、震えながら、飾りを握りしめているシムソ君、、、

コ貴人は王妃への怒りが治らない、そして、ある事を思い出した、ケソン大君の秘密。彼女は、ケソン大君の部屋に行き、彼の女装や化粧の証拠物を探した、、、。ついに机の奥深くしまっていた、女装した肖像画の軸を見つけた。

翌朝、コ貴人はその軸を持ってファン貴人を訪れた。彼女は驚いた。

「ケソン大君の秘密を王妃は隠してきた。大妃様も秘密を知っている。大君の弱みは王妃の弱み、ファン貴人が王妃になるのに役立つはず。私の望みが叶ったらお渡しします。王妃の目から血の涙が流れる姿を私に見せてください」とコ貴人は言った。

王妃とシン尚宮が、シムソ君の部屋の前に来た。まだ眠っていると聞いたが、王妃は自分で確かめると襖を開けた、シムソ君は首を吊っていた、、驚いた王妃たちはすぐに彼を下ろし、中宮殿に運ばせて手当を受けさせた、、、彼の脈が戻った、、。

聞きつけたコ貴人が走って中宮殿の部屋の前に来た時、王妃の「よく聞け、こたびの件が噂になったら、この場にいる者は皆罰せられる。旅の疲れを取るため治療を受けているだけ」と言う声が聞こえた。

コ貴人が入ってきた。「シムソ君が目覚めたら知らせる。今日のことがそなたに知られれば、シムソ君は耐えられぬ。何を手に持っていたと思う?」と王妃は言い、袖口からコ貴人の飾りを出した。貴人は、崩れ落ちて泣いた、ただただ泣いた、、。靴も履かず走ってきた足袋が汚れていた。

「あまり自分を責めるな。そなたは大罪を犯したが、すでに大きな罰を受けた」と王妃は慰めた。

コ貴人は屋敷に戻り、大事にしまっているシムソ君が生まれた時の産着を出して、胸に抱き締めた。

目覚めたシムソ君に、王妃は、飲めるか?とお酒を誘った、私が教えてあげようと。

不思議な容器、お酒を7分目以上注いだら、穴から全てが落ちてしまう容器にお酒を注ぎ「完璧な者はいない。国母の私にもあちこち穴が空いている。己がそれでいいなら、幸せに生きられる。世子になりたいのか?なりたくないなら、なれぬのではなくて、ならぬのだ。お前も己が望むことをやり、やりたくないことは突っぱねれば良い」と王妃は優しく話し、酒を注いだ。

シムソ君は、名札を外した。そこにコ貴人が現れた。シムソ君の後を母は何も言わずに歩いた。


ケソン大君は翌日、ソ・ハムドクに王様からのお達しを読み上げた。しかし、丁寧にお連れする気はないと言って、彼が作っていた王宮を地図を見せ、経典に兵法書を隠していたことに言及した。

そこに警察が来て、ソ・ハムドクは、昨日ケンカをした男の殺害の容疑で捕らえられた。

証拠の小刀には、彼の名前と血がついていた。そこにウィソン君が現れ、証人を捜し出し再考を求めた。

ウィソン君は、牢屋に入っているソに「死罪は免れない、私の罠にかかったんだ(彼が殺した)」と言い、王令を出し「受けるなら濡れ衣を晴らしてやる」と迫った。

ケソン君は、地図の、赤い点が2つある場所を村人に案内してもらった。そこは、山奥の洞窟の奥に隠された武器庫だった。彼はソ・ハムドクの謀反の証拠を見つけた。

ケソン君、すごくです!!勇敢です!!


ファン貴人は、クォン医から「ようやく果たせそうです。すぐ王宮に戻ります」と言う手紙を受け取った。

その頃、クォン医はトジ医と一緒に、牢屋に入っているソ・ハムドクに会いに来ていた。

王妃は、クォン医がファン貴人を担当したことがあり、クォン医を世子の担当に推薦したのがファン貴人だったとの報告を受けた。

感 想

9話も盛りだくさんだったのですが、私のハイライトは、シムソ君とコ貴人の物語でした。

死ぬ思いで王宮に戻ってきたシムソ君に「粉々に砕けても戻ってくるべきではなかった」と言い、やっとご飯にありつけた息子の円台をひっくり返して、コ貴人が言うセリフに、、それは絶対に言ってはいけないこと、、と胸が苦しくなりました。シムソ君の胸は粉々に壊れてしまったでしょう、、それでも彼は、母上からもらった飾りをずっと握りしめていて、、泣けます。

怒りが収まらないコ貴人は、ケソン大君の部屋に忍び込み、彼の大切な大切なものを取り出し、ファン貴人に見せた、、これ、許せないです。

シムソ君が死のうとして、コ貴人もやっと気づいたようですが、、王妃がケソン大君を守ろうとしたように、シムソ君も守ろうとしてくれたことが、コ貴人にわかったことでしょう。

ケソン大君の秘密、肖像画が、政治的に利用されるのは耐えられません。

王妃の強さと優しさは、自分の息子だけでなく、シムソ君にも十分むけられました。

シムソ君にはとても辛い体験だっただろうけれど、これで彼も変わることができるでしょう。ホドン君のように、真の男になれたのでは?😆

他にも色々と動いていますが、それはまた次回に。


シムソ君役のムン・ソンヒョンさん、『還魂』で、ソ・ユルの少年時代を演じていたのですね💙

第10話 あらすじ

牢屋にいるソ・ハムドクは、クォン医の勧めで、王様からのお達しを受けることにし、ウィソン君を呼び、王宮に行くが条件があると言った。

ケソン大君が、ソは僧兵と武器を隠し、謀反を企てている、王宮には連れて行ってはならないとウィソン君を止めたが、彼は聞かない。大君は先に王様知らせるために馬を走らせた。ウィソン君は、部下に手紙をもたせ大君より先に着くように命じた。


王妃は、ムアン大君とチョウォルが添い寝してる現場に乗り込んだが、黙って帰った。

ムアンは王妃に呼ばれ「失格だ、名札をはずせ」と叱られた。「あの娘はどうするつもりだ?」と聞かれて「真剣です。側妻そばめに迎えさせてください」というムアン君に、王妃の怒りはマックスに😡

王妃はチョンウォルに会い「ムアン大君へ思いを断ち切れ」と言った。

彼女は「私は大君と知音(心の通じ合った友)で十分。関係を絶てと言われるならそうしますが、思いを絶つことまでは約束できない、自分で決めます。”卑しい身分であれ女人であれ、皆平等であるべきだ” 王妃様からそう教わったと、ゆえに恵月閣へウォルガクも建てられたはず」と言った。

王妃は「私を憎め。我が子の問題になると、自分本意にならざるを得ない」と言った。

王妃は若い頃、主人に辱めを受け身籠った女を助けた。その女を連れて行ったのが、厳しい生活をしている女たちと子供たちを守る場所だった、それが恵月閣の始まり。その女が身籠っていたのがチョンウォルで、同時期に、王妃もムアン大君を身籠っていた。

ムアン大君は、チョンウォルを正妻に迎えることはできないので、側妻にと言ったのでは?王妃は、チョンウォルが立派に育ったと認めている。彼女を身分のある者の養女にし、ムアン大君の正妻に迎えるのではないか?王妃はそれぞれの大君の個性を尊重し、幸せを一番に考えているから。


満月島のソンナム大君とポゴム君。

2人は、白ハマグリの収益の内、島民が手にするのはその半分、2割は口銭だとしても、3割はどこに消えたのか?パク・ギョンウが不当な利益を得ているのではないかと思い、パク氏の家を調べた。ソンナム大君は、”満月島 置簿冊(金品の入出を記した書)”、ポゴム君は ”組合規則”を見つけ、面白いことに気がついた。

二人は、島人たちと食事をしているパク氏の元に行き、島民から没収した2割の口銭と3割の不明の金の行方が明らかになったと言った。

「2割の口銭で、村人たちの義倉(非常時に民に穀物を貸与する機関)への穀物返納、返納は今日で終わる。追加で徴収した3割で、先生は組合を作り、白ハマグリの非収穫期にも生計を維持させた。3割で島民の経済的自立の基盤作りをした。先生がいなくとも、もう問題はない」と。

「王様のためでなく、民のために働いてほしい。先生が編み出した理を民のために実践できるよう、我々がお手伝いする」と2人は力強く言った。

パク氏は、明朝、航路が開けたら出発すると王令を承諾した。

実はパク氏は王様から”次期の世子候補を遣わす、そなたの目で世子を選んで、世子の師になってくれ” との手紙を受け取っていたのだ。

その夜、ソンナム大君とユン・チョンハは、パク氏の家から、美しい日没の空、そして、明けていく朝の空を並んで見た。

ソンナム大君とポゴム君は、立派な働きをしましたね。短期間で、パク氏が島民の経済的自立を実現させた事を突き止め、彼に、王様でなく民のために働いてほしいと頼んだ。王様は2人の内、どちらかを世子にしたい心づもりで、2人をパク氏に遣わしたのでしょうか?

大君とチョンハが並んで見る日没の空と朝焼けの空の美しかったこと、、あんなに美しいものを一緒に見た2人には恋が芽生えますよね💕


”ソンナム大君が、王様の実の子ではない”という張り紙が、都中に出回っていた。報告を受けた王様は、怒りに震え、全て回収せよ、と命令した。

王妃は、生まれたばかりのソンナム大君を、大妃が”不吉な王子、産まなかったことに”と取り上げ連れて行った日の苦しみを思い出し、これが大妃の自信満々の正体だったのかと怒りを新たにした。


領議政が受取ったウィソン君の手紙には、「ソを連れて城に向かう。ソを懐柔するために良民を殺害した。ソが同行している”御史(ケソン大君)”を殺してくれと条件を出した」とあった。

ファン貴人は「ウィソン君の人殺しをケソン大君に結びつけ、王妃を引きずり下ろす。ケソン大君を生け捕りにしたら、後はお任せを」と父に言った。

貴人の部下が、ケソン大君を襲い、己の秘密を明かした偽の遺書を用意し、自殺に見せかけ木に吊るした、、。

そしてファン貴人は、王様に「ケソン大君には汚らわしい本性がある」とコ貴人の部屋に案内し、あの絵を見せるようにコ貴人に言った。

巻物を出した時、王妃が入って来て「ケソン大君の私物を取りに来た」と巻物を渡すよう迫った。

ファン貴人が王様に「女人姿のケソン大君の肖像画、大君は男の皮を被った女人。ケソン大君も、これを隠した王妃も罪に問うべき」と。

王様がその巻物を広げて見た、、、そしてファン貴人に見せ、この絵とケソン大君に何の関係が?それは虎の絵だった。

王様はこの件は決して見過ごせないと怒り、王妃は「王様、ファン貴人の罪を内命婦の規則にのっとり裁きます」と言った。

ファン貴人とコ貴人が残った。「あの絵、どこに隠したのだ」とわめくファン貴人に、コ貴人は「一体なんの話ですか。私も貴人です、礼をお尽くしください」と毅然と言った(コ貴人、カッコいい!)。

〔回 想〕

ファン貴人の陰謀を知ったコ貴人が、王妃のところに来て、「ケソン大君の身に危険が、ファン貴人に大君の秘密を暴露しました」と謝った。王妃は、コ貴人に差し替える絵を渡し、部下にすぐにケソン大君を救いに行くよう命じた。

助けられたケソン大君は、中宮殿で目覚め、自分の身に何が起きたのかと聞いた。

王妃は大君の肖像画を出し、大妃、領議政が知っていることを話し「死ぬまで隠し通さねばならない。回復するまでここに身をひそめていなさい」と言ったが、大君は「ソの謀反むほんの企てを父上に知らさねば」と、「既に知っておられる」と母は言った。


ウィソン君は、王様の前にソ・ハムドクを連れて来たが「王令をお取り下げに、この者は謀反を企てている逆賊です」と言い、ソは王様の命令で捕らえられた。

ウィソン君が「逆賊だとわかっていたが、王宮に連れてくる務めを果たすため隠していた」と言ったが、王様は「逆賊だと知ったなら、余の前に連れてくるべきではなかった」といさめた。


ソンナム大君、ポゴム君が、パク・ギョンウと王様の前に立っていた。

王様は2人を慰労し、パク氏に「どちらの王令を受け取ったのだ」と尋ねたが、、沈黙。

多分、両方から受け取ったのだと思います。

王妃は、ケソン大君の名札を外した。

ソンナム大君が、王妃に、戻ったことを報告に来た。ねぎらう母に、大君は「全てが終わってからに」と優しく言った。


王妃の逆襲1

王妃が、内命婦(王妃と全後宮)を召集した。

「本日をもって、ファン家 チョヨンの品格を 従一品 貴人から、従四品 淑媛(後宮の最下位の品階)に降格する」と言った。「ファン淑媛」になった。


王妃の逆襲2

王妃は、大妃の女官ナム尚宮を呼び「ケソン大君の自決を装った現場で見つかった偽の遺書の筆跡が、ナム尚宮のものだそうだ、誰の差し金で遺書を偽造したのか」と迫った。

大妃がすごい剣幕で入ってきた。王妃は尚宮たちを退出させて、大妃と2人になった。

王妃は「私が遺書をすり替えました。大妃様の姑息なやり方を習って。ソンナム大君をあやめようとした罪を領議政に着せようとしたように、領議政の蛮行を大妃様の仕業にしただけ。あのような誹謗書を作成するなら、覚悟の上だったはず。私の提案をお聞きになりますか?」と迫った。


世子候補には、ソンナム大君、ウィソン君、ポゴム君の3人が残った。

王様は大臣たちを集め「択賢の最終審査は、成均館ソンギュングァンの儒生たちが行う」と言った。反対する大臣たちを前に、領議政は「王様の仰せのとおりにすべき」と述べた。

王様は、事前に領議政に根回しをしていた。ソンナム大君を襲撃した盗賊の赤い矢と、ケソン大君の偽遺書を領議政の目の前に置き、何もかも知っていることを示し「そなただけをとがめない。儒生たちに任せようではないか」と。

この審査に決めたのは、王様は”儒生たちは、既得権や政治色にとらわれない者たちだから”、王妃は”彼らは次の王の臣下になる者たち、己の主君を直に選ばせる”という理由。

儒生たちが部屋に入った。世子が決まるまでは、誰もそこから出られない。

感 想

10話も、色々な話が入っていました。

ファン貴人が、ファン淑媛に降格されたのは、胸がスゥーとしました、、でもよく考えれば、王妃の処置は優しいです。ファン(呼び捨て!)はケソン大君の名誉を傷つけ、殺そうとしたのだから、もっともっと重い罪でもいいはず。

コ貴人が王妃の側になって嬉しかったです。9話で王妃がシムソ君を助け守ってくれ、コ貴人に息子がいるだけ幸せだと思い出させてくれた。今後、コ貴人は王妃を助ける人になると思う。9話のエピソードが10話へと繋がりました。

ケソン大君は、秘密を利用され命を狙われたのに、父上に逆賊のことを知らせなくてはと思っていた、勇敢で立派な王子です。王妃はケソン大君の名札を外し、胸に抱きしめました。決して知られてはならない秘密を持っている息子を思うと、抱きしめずにはいられなかったように思いました。

世子最終審査、儒生たちが行うようですが、どんな方式で行われるのでしょう。大人たちはどんな手を使って懐柔を図るのでしょうか?

逆賊のソと通じているクォン医とトジ医は何者なのか?

第11話 あらすじ

王様は、択賢の最終審査に残った ウィソン君、ソンナム大君、ポゴム君ねぎらい「もし王なら、人材登用に当たり、いかなる策問チェンムン(王の質問に答える論述試験)を下すか」と質問した。

ウィソン君:パク・ギョンウとソ・ハムドクを王宮に連れて来させた理由を答えさせる

ポゴム君:徳と能力のどちらを重んじるかを問う

ソンナム君:王宮の外で耳にした民の王への不満を聞く。王を恐れながらも不満が出るのは民の苦しみが極限に達したということ。義倉は貧民を救うために置かれたのに、本来の趣旨をなくしている。

*義倉:非常時に民に穀物を貸与する機関

王様はこの後、”義倉の問題点と改善策”について3人に聞き、その評価資料を、最終審査を行う儒生たちに渡した。

現在、ソンナム君が1位だと、コ貴人が王妃に報告した。


コ貴人の叔父の大臣から王妃に、大妃陣営(ポゴム君推し)と領議政陣営(ウィソン君推し)が、一方は土地と官職で抱き込み、もう一方は不正の暴露で脅して、攻防を繰り広げていると報告があった。

王妃はこのまま戦わせるのがソンナム大君に有利との考えだが、大臣は、儒生たちが親と連絡を取り合っており、評価に影響が出ると警告をした。

コ貴人と貴人の叔父さん(これまでは領議政についていた)が、王妃の味方なのが嬉しい!

親たちは、儒生に食事を運ぶお膳の中に紙を忍ばせて連絡しあっていた。


ポゴム君が最下位と知ったテ昭容は、宗簿寺の記録を儒生たちに渡した。そこには”ウィソン君の暴力の記録と隠蔽の事実” が記されていた。

スパイ儒生から情報を得たファン淑媛と領議政は、局面打破のためには大妃にお願いするしかないとウィソン君の後押しを懇願した。大妃は、見返りは何かと尋ねた。

領議政は、自分の人事権を渡し全ての大臣を大妃の味方にすると言い、ファン淑媛は、王妃にはならないので、王妃が持つ内命婦の権限全てを大妃に差し上げると言った。

大妃は、ポゴム君とテ昭容を呼び、ポゴム君の名札を回収し、競い合いを放棄するように命じた。「それだけはできない」と泣いてお願いするテ昭容に「なんでもすると約束したはず」と大妃。

ポゴム君が、なぜ残るべきなのはウィソン君なのかと聞くと、「お前は他の競走馬を早く走らすために先頭を走る競走馬にすぎない、世子の器ではない、母親が卑しい身分なのに世子になれると思ったか」と冷たく言った。

ポゴム君は自ら、名札を回収した。

大妃は、自分の陣営の者たちを呼び、ウィソン君を支持すると伝えた。

大妃は、テ昭容とポゴム君を利用しただけでした、、ポゴム君は本当に傷ついた事でしょう。


大妃の強引なやり方で、ウィソン君が有利になったと知った王妃は動いた。

儒生たちに食事を運ぶ女官たちを呼び止め、お膳を調べた。蓋の後ろに紙が貼り付けてあったが、そのまま戻した。

王妃は王様に「不正があったとの報告があり、証を見つけるため中に入るお許しを」と頼み入った。

王妃は、数人の儒生たちのお膳から、紙を取り上げた。”あの方を選べば、特別の職につける” ”一等地を得る”などと書かれた紙だった。

王妃は「今まで黙認してきたのは、そなたたちを信じ、揺るがぬ信念を期待していたから。将来この国を率いていく儒生、なのになぜこの機会を無にするのか?不正に関わった者が将来官吏として何をなし得ましょう。これらが誰から誰に届けられたか追及しません。これが己を守れる最後の機会になるやも」と言い、紙を火に燃やして部屋を出た。王様には、何も見つかりませんでしたと報告した。

王様は王妃が何か見つけたことが分かったが、王妃の行動を信じたようでした。

儒生たちは、自分が受け取った紙を次々に火に燃やした。そして、今後一切外部と接触しない、結果が出るまで食事も取らない、と大臣に言って自ら部屋に入った。


ウィソン君とソンナム君が儒生たちに呼ばれた。

心中で妻と子供を殺そうとした夫へどのような判決を下すか』との問い。

ウィソン君:厳罰に処すべきだが、妻も心中に同意していた。残されてた子を養えるよう刑を減じるべき。

ソンナム君:人殺しの罪で罰するべき。重要なのは子供の命。親は子の意を尋ねていない、親に子の生殺与奪の権はない。子を殺そうとした罪で厳罰に処すべき、また子は国で保護すべき、と答えた。


王妃は放心状態のテ昭容を呼び、「今日付けで中宮殿の内人に降格する。私を欺き、情報を漏らし、私を誹謗する文書を流布した」と言って、寝殿の掃除を命じた。

テソヨンは懸命に掃除をし、体を動かして働いた。誰も彼女を助けてはならぬ、との王妃のお達しだった。

ソヨンは、布団を縫うことまで申しつけられ、王妃が戻ると、彼女は王妃の布団の上で熟睡していた。

目覚めたソヨンに王妃は「体が疲労して、熟睡し、正気に戻ったか。昭容になったのは、王子を育てる責務も与えられたのだ。子が険しい道を行かないように導くのもつとめ。そなたの欲のせいでポゴム君は利用され深く傷ついた。目が覚めたらなら、母親としてすることを考えるのだ」と諭し、顔を洗って普段通りの身なりに整えるように言った。

〔回 想〕

王妃は、ポゴム君を呼び、お前の母を罰するつもりだと言った。

「ポゴム君、この競い合いで何を得た?単に身分の壁のせいだと思っているのか?過ちはなかったか、誤った方式を選ばなかったか、省みてほしい。世子になることだけが能力を証す道ではない。私は、ポゴム君が世子の側で支えてほしいと思っている」と王妃。

「はい」とポゴム君は言い「母を罰しないでください。全ては自分の欲から始まったこと、母は自分を責めているはず」と頼んだ。

王妃は、母の身を案じている彼の手を取って「お前は大丈夫なのか?つらければ、つらそうにしてもいい、そうすれば平気でないと察してもらえる」と優しく言った。

身なりを整えたテ昭容は、ポゴム君の部屋に入り「母が悪かった」と抱き締めた。ポゴム君は、母の腕の中で、大きな声をあげて泣いた、、、。

王妃は本当に愛情深い人。テ昭容にわざと労働をさせて体を疲労させ、熟睡させました。彼女はやっと生き返ったようです。そしてまたポゴム君にかける言葉も本当に愛がありました。大妃の言葉に深く傷ついた彼は、王妃の言葉にどれだけ救われたことでしょう。そして母の腕の中で声を上げて泣くことができました。


儒生たちの評価が終わり、結果が王様に届けられた。

領議政が「ソンナム大君が王様の実子ではないという噂が、本当ならソンナム大君は世子にはなれない、真相を明らかに」と言い出した。

王様は、王妃とソンナム大君をよんだ。

検証方法は、王様とソンナム大君の血を同じ器に入れて、混じるかどうかを調べる。親子なら混じる、そうでなければ混じらない。

茶色の器に水が用意されていたが、王妃が、見やすい白磁の器に変えさせた。

水が張られた器に、王様と血とソンナム大君の血入れられたが、それぞれ固まってしまい混じらなかった、、。

またまた、ファン淑媛の策略だった。マムシの毒を血に混ぜると血が固まる。水にマムシの毒を溶かしても誰も気づかない。そんな小細工がなされた水が使用されたのだ。

王妃は「水に異物が混入していた可能性が。領議政とファン淑媛の血を同じ水を使い確認してください」と言い、2人の血で確認したが、この2人も混じらなかった。

正な水が使用された事を、小細工した本人たちを使って証明した、スマートですね!

王妃が別の方法を提案し、ムアン大君、ウィソン君、ポゴム君、シムソ君、大妃が呼ばれた。

「王様の耳の裏に突起のような独特な骨がある、王様の子たちのほとんどが、その特徴を受け継いでいる。大妃様が孫たちの耳をご確認ください」と言った。

大妃が一人ずつ確認していった。ソンナム君にも骨があった。

しかし最後、ウィソン君の番、耳を触った大妃の手が止まり、彼の顔をのぞきこんだ、、怯えた目のファン淑媛が目を伏せたが、、、「すべての王子に王様と同じ骨がありました」と大妃は言った。

「先代の王の喪中に身籠った不吉な子、そう言われソンナム大君は王宮の外へ、しかし国葬中にはすでに身ごもっていた。当時反論できず、今になって論争を呼び起こした」と王妃が言い、

「ソンナム大君は余の子だ。確認を許可したのは、この論争を終わらせるため。今後、大君の出生に対して何か言うものは極刑に処する」と王様は宣言した。

王妃は、ソンナム大君と二人になった時、「己の愚かさを恥じて、お前にさえ今まで打ち明けられなかった、すまない」と謝った。大君は「謝らないでください。頻繁に様子を見に来てくださった。兄上に会わせてくださっておかげで、学問や武芸を習うことができました。王宮で世間知らずに育った王子より立派に育ったでしょう」と微笑み、王妃も涙を浮かべ微笑んだ。


王様が大臣たちの前で「この度の競い合いで、世子に選ばれたのはソンナム大君だ」と宣言した。

しかし、敗れたウィソン君は「まだ機会がある、王になればいい、ソンナム大君を引きずり下ろし、人殺しだと知っているソ・ハムドクを殺してください」と母と祖父に頼んでいた。

その頃、ソ・ハムドクは腹痛だと騒ぎ、それをクォン医師が見にきた。

王妃は、そのままにしていた東宮殿に行き、亡き世子を偲んでから、東宮殿を片付けさせた。そして、東宮殿の新主人あるじのソンナム大君が、正式なに世子の装いを身につけた。

感 想

ソンナム大君が、競い合いを制して世子になれました。良かったです!

王妃の肝が据わり、人の心を掌握する言動に、惚れ惚れします、本当に愛が深い人ですね。

儒生たちの不正を見つけても、それを責めたり追及したりしない。本人たちにどう行動するのが正しいのかを考えさせました。儒生たちに王妃の思いが届いて良かったです。

コ貴人とシムソ君 親子を救ったように、今回は、テ昭容とポゴム君 親子を救いました。今後はこの2人も王妃の側で、ポゴム君は、ソンナム世子をサポートをしてくれることでしょう。


一方、本当に懲りないファン淑媛ですが、今回、すごい秘密が大妃にバレてしまったようです、、。ウィソン君の耳には骨がなかった、王様の実子ではない、多分。領議政も、本人のウィソン君も知らないですね。それを隠し、今度は王にさせようとしているファンの悪人ぶり相当です。

そして大妃はどう出るのか?ソンナム大君が世子に決まり悔しくて仕方ないでしょうが、ウィソン君が王様の子供でないと知ってしまった。王妃を引き摺り下ろすために、これ以上、何のコマも策略もない気がしますが、、。

世子に危険が迫らないことを祈ります。

第12話 あらすじ

世子として歩み出す朝、廊下で待っていた王妃は、立派な世子の姿に微笑んだ。王妃は、膝当てを渡し「これから膝をつくことが多くなるだろう。世子は師にも王にも民にも仕えなければならぬゆえ」と言った。世子は「はい、常に謙虚であり続けます」と答えた。

王妃は、我が子でも世子には敬語を使うのですね。最初の2人の場面良かったです。

次に世子は大妃に挨拶に行き「見聞きしたことを決して忘れず、言いたいことをしかと言う世子になります」と王宮に戻ってきた当時、大妃から注意されたことと全く反対をことを堂々と述べた。

堂々とした世子がカッコイイです。

ウィソン君は、王宮を出て暮らすことになり大妃に挨拶に来た。「この祖母がずっと見守っていますよ」と大妃は、彼の耳に骨がなかった事を思い出しながら言った、、怯えるファン淑媛、、。

大妃は何を企んでいるのでしょう?


パク・ギョンウは、王様から戸曹判書ポジョパンソの職につき、経済を立て直してくれと言われたが、書筵官ソヨングァン世子の教育を担当する官吏)に就きたいと交渉した。王様は戸曹判書を兼ねるなら任ずると許可した。

世子の侍護院シガンウォンでの朝講が始まった。領議政は難題を課し世子のあら探しをしようとしたが、世子は見事に答えた。全員が”通”の札を出し、領議政も”通”と認めた。

世子の横には、ポゴム君が陪童として座っています。11話の王妃の言葉通り、隣で世子の支えとなっていますね☺️


早速、世子の嫁、世子嬪選びが始まった。

大妃は、自分の息のかかった世子嬪を選び、世子を倒そうと目論んでいる(執念ですね

すでに3人を候補に選び、そこにユン兵曹判書の次女の名前があった。

王妃は、大妃側の者が世子嬪に選ばれるのを阻止するため、独自の候補を立てることにした。

大妃と無縁の候補者名簿を作らせ、コ貴人、テ昭容と、候補の娘たちが行く布屋で様子を観察した。

その時、店の外から「このかんざしに見合う額をください」と言う声が聞こえた。王妃たちは気になり外に出て様子を見た。

ユン・チョンハが、金のかんざしを売りたい女人に対して、店主が言った買い値が低すぎる、詐欺まがいの行為を見て見ぬ振りはできないと、店の前で声をあげていたのだ。そのやりとりを興味深く見ていた王妃が、私が30両出すので売っていただけますか?というと、店主は急いで女人に35両を出しそれを買った。

王妃は、その娘がユン兵曹判書の長女だと聞き、彼女を呼び止め話をした。

王妃は彼女のことが気に入った。「処女単子(世子嬪選びの応募書類)を提出しないのか」と聞くと、チョンハは「思い寄せている人がいる。男前の上に、心が温かくて真っ直ぐな人」と言い、ソンナム大君の人相書を王妃に見せた。

王妃が、この方が世子様だと言ったが、チョンハは、先日島で務めを果たしておられたと御史だと言って信じない。王妃は、自分は王宮の者、世子様を知らないはずがないと説明した。

彼女は、処女単子を提出しなくてはと、急に帰ろうとした。王妃が「世子様と私的に会った事は誰にも話してはならない」と忠告した。

大妃ユン兵曹判書の家を訪問し、世子嬪候補として次女と三女を面接していた。

慌てて帰ってきたチョンハが、大妃に気づかず「私、世子嬪になる。私でないとダメなんです」と父に訴えた。

大妃は急きょ、チョンハを面接し「私の協力者になるように、隠し事をしてはいけない」と彼女に言い、彼女に決めた。

ユン兵曹判書は、大妃が長女を世子嬪候補に決めたのは、彼女を利用し、世子を引きずり下す意図なのではと大妃に迫ったが、、、否定しない大妃である。


世子は、世子嬪選びが進んでいると知っていたが、意見を言えることではないと分かっていた。

彼は、満月島で夕日を一緒に見たチョンハを思い、彼女からもらった貝殻の半分を取り出し「その半分と合うのが私の手元にある。もし私たちが再会したら運命です」と言ったことを思い出していた。


王妃は、クォン医が漢城ハンソンにいるとの情報を得て、彼の行動を調べさせた。

その頃、牢屋にいるソ・ハムドクが毒殺された。クォン医が来た時、尋問が始まるまでにここを抜け出さねば、1時的に呼吸困難になるが、内医院に運ばれ次第救出する、と言われもらった薬を飲んだ、それは毒薬だったのだ。

王様はこの事態に、緊迫感を強めた。ソのアジトと山寺にはなんの形跡も残されていない、廃妃ユン母子に訪ねてきた者もいないとの報告を受けたが、信じない。宮内にも密通者がいるかもしれない、警戒を怠るなと王様は命令した。

トジ医は、仲間たちに「ソ・ハムドク先生が全てを背負って自決された。王を討つためには名分が必要、そのためには、テイン世子が殺害されたと証せなば」と話した。クォン医もそこにいる。

クォン医は、ファン淑媛に会い「王宮に戻るため力を貸してくれ」と頼み、「私もそなたの助けが必要、あの時世子に何の毒を?」彼女は聞いた。


王妃は、大妃がユン兵曹判書の長女を世子嬪に選んだ理由は、世子に刃をむけるためだと分かっていた。

世子嬪候補が、王宮に来た。王様、王妃、大妃が面接した。

世子に「兵曹判書の長女が世子嬪に選ばれた」との知らせがきた。世子は、結局大妃側の者が選ばれたかと静かに言った。

世子嬪は、婚礼までの数ヶ月を過ごす別宮に案内された。そこには王妃が待っていた。

〔回 想〕

王妃は、世子嬪が決まる前に兵曹判書の家を訪れていたのだ。

「ご長女を世子嬪に考えている。私はご長女を犠牲にはしない、最も優れているゆえ世子嬪にえたい。ご長女に会う機会があった、弱者に寄り添い、労ることを知っている。問題なのは兵曹判書殿の娘ということ、私は大妃様の力を利用して世子嬪にしてみせ、彼らを守り抜きます。兵曹判書殿は世子の盾となってください、私はご息女の盾となります」と話したのだった。

世子嬪は王宮教育を受けた。

そして、いよいよ、婚礼の日を迎えた。

初めて、世子嬪の顔を見た世子は驚いた、、、満月島で会ったユン・チョンハだったから、、。

しかし、兵曹判書様のご長女は、大妃様側の者だと聞いていた世子の顔は堅いまま。

婚礼が終わり、床に入って2人きりになったが、、、世子は部屋を出て行ってしまった、、、


そして、王宮の入り口には、赤ん坊を抱えたチョンウォルが「子の父親を捜しに来ました」と立っていた。王妃は、飛び起きた、、。

感 想

12話は、新世子の始動と、世子嬪選びの巻でした。

聡明で、何よりも人民のことを考える、素晴らしい世子の誕生ですね。

世子嬪、満月島で出会った、明るくて真っ直ぐな運命の人、ユン・チョンハに決まったと言うのに、世子は、”大妃側の人間”と思ってしまっていて、堅い表情、婚礼の夜に部屋を出て行ってしまった、、何も事情を知らない世子嬪にすれば、どうして??ですよね。

婚礼の様子、衣装や装備が豪華でしたね。大妃、王妃の髪型をセットするのが大変だっただろうなと思ってみました😄

回を重ねる毎に、大妃側だった人物が、王妃側になってきています。今回は、ユン兵曹判書が、完全に王妃側になったと思います。王妃の誠の言葉に動かされたと思います。人を利用することしか考えていない大妃の元からは、誰もいなくなるでしょう。

大妃、世子を潰そうとまだ執念を燃やしているけれど、次、誰を世子にするつもりなの?ウィソン君は自分の孫ではないし、ポゴム君は二度と大妃を信じない、誰もいないですよ。

ウィソン君、もしやクォン医の子ども?予告でクォン医、王様を倒したら?とウィソン君をそそのかしてました。大妃とファン淑媛の対決もありそうです。

第13話 あらすじ

王妃は赤子を抱いたチョウォルを王宮に入れた。

彼女は「この子をお引き取りに。母親の顔がわからないうちに」と言った。

ムアン大君の部屋に、王妃と赤子を抱いたシン尚宮が入ってきた。自分の子供だと分かった大君は、チョウォルはどこにいるかのかと聞いたが、子を託して発ったと言われた。

王妃は「これが知られるとどんなに危険か」と苛立ったが、ムアン大君は「幼子を見捨てられない、私が責任を持って育てます」宣言し、赤子は大君に預けられた。

赤子はすぐに泣き出し、一晩中泣いていた、一生懸命あやすムアン大君だが、、。


世子嬪は、世子がなぜ新婚初夜の部屋から出て行ったのか分からない。ひとり酒をして、寝てしまった(この嬪、一晩中泣いたりしません😄)。

翌朝、2人は大妃にあいさつに行き「昨晩、世子が嬪宮殿を出たと聞き心配していた」と言われたが、世子嬪は「しばし離れられたが、すぐにお戻りになった」とその場を取り繕った。


世子嬪が、王妃を訪れ「世子様が昨晩 嬪宮殿を出て行かれた、何かご存知ですか」と聞いた。そして、「世継ぎを得ることが肝要な王室では、国母の王妃様が世子に房中術を教えるべきでは?」と言った。王妃は「私にも責任がありますね、床入りの日を決めます」と返事した。


一晩中寝ないで赤子のお守りをしてフラフラのムアン大君、やっと眠ってくれたので、そっと寝床に寝かすとすぐに起きて、また泣き出した、、。

困った大君は、王妃に助けを求め赤子を預けて、急いで厠へ走った、、。

赤子は王妃の腕の中で機嫌良く眠っていた。後ろから嬉しそうに顔を覗き込むムアン大君。よく眠ったと思った時に、王妃が静かにゆっくりと赤子を寝床に寝かせるともう泣かなかった。

大君が秘訣を聞くと「泣き止むまで抱いてやりなだめる、寝かせるとすぐに目を覚ますのを見るとお前の子だな。お前はこれ以上だった、抱きしめないと眠らなかった」と王妃は言った。それを聞いた大君は「母なしで育つと思うと、、誠に不憫です」と悲しそうに言った。

いい場面でした。王妃は、赤子を抱きながら、ムアン大君の赤子の時のことを話し、大君は、母の愛を受けて育った幸せを噛み締めると同時に、母親がいない赤子を不憫に思ってしまう、、大君の優しさ、素直さがあふれています。


王様は家臣たちに「本来は貧民を救うために設けられた義倉が、今や高利貸しと化し、民が恩恵を受けられなくなった。世子に義倉を任せようと思う」と言った。

いつもの通り、領議政が「世子には時期尚早」と反対した。しかし、彼に追随すると思っていた大臣(コ貴人の叔父)、ユン兵曹判書、他の家臣たちも王様に賛成。パク戸曹判書が、自分の経験と世子様の新たな視点で解決できるはずですというと、王様は、そうせよと言った。

領議政、すっかり孤立彼につく大臣たちは誰もいなくなったようです。


世子は、中宮殿に王妃を訪ねた時、「2人きりの時は、今まで通りの話し方を」と頼んだ。

王妃は、わかったと言い「世子嬪は私が選んだ者、偶然、世子嬪に会い、聡明で堂々としていて気に入った。だが一番の理由は世子を恋慕していたから。お前を慕い宮中に入った娘、お前が守ってやらねば」と優しく言い、世子は納得した。

世子は、1枚の紙を王妃に見せた。それは故世子の”病床日誌”の破られたページだった。

クォン医官が、期門穴に鍼を打ったのち、吐血が始まった”と書かれていた。

「クォン医官の治療により吐血が始まった、毒殺されたとすると、最も疑わしいのはクォン医官。黒幕がいるはず」と王妃は言った。


ウィソン君は、クォン医とトジ医の隠れ家に呼ばれた。2人から、王への謀反の計画を打ち明けられ、加担するように要請された。

ウィソン君は、聞かなかったことにすると帰ろうとしたが、

「王座を譲ってくれぬ父ならば、踏み台にすれば?今の王は、謀反により王座に就いたも同然、取り戻すだけ。ウィソン君に機会を差し上げる。お母様の指示で、世子を殺したのは私です」とクォン医は言い、領議政に会う場を設けてほしいと頼んだ。


王妃は、クォン医を宮中に戻した。そして「世子は毒殺されたようだ。世子は、いかに何ゆえ死んだのか、一緒に明らかにせぬか」とクォン医に言い、「協力します」と彼は答えた。

クォン医の仕業だと証する為に、王妃は彼を宮中に戻した。彼を動かし、殺害に使った毒を持って来させるのが目的である。

クォン医とトジ医も、王宮への復帰は罠かもしれないと思っていたが、王妃に毒殺を知られた以上、逃げられない。それを利用して、得られるものを探そうとしていた。

得られるものとは、テイン世子が毒殺された証拠ですよね?


こちら、世子となかなか会えない世子嬪。

世子が毎朝、水あめを2さじ召し上がると聞き、持っていくことにした。

いきなり部屋を開けると、世子は着替え中、、焦った世子嬪が転びそうになり、それを世子が受け止め、彼の裸の胸に世子嬪が手を置いた、、というベタな展開でした、、、。

可愛い二人なので、許すとします。


ムアン君、腰の後ろに赤子を巻いて、お洗濯中?

そこに、ケソン大君とイルヨン大君が入ってきて、赤子を見てびっくり。でも2人とも赤子が可愛くて仕方ない。

ムアン君は一生懸命、孫の育児日記を読み、自分も”アラ育児日記”を書くと宣言。

子供の名前は”アラ”ちゃんに決まったようです!女の子なの?

ナム尚宮が、赤子を授乳の為、乳母の元に連れていった。王妃は、目覚めるまで乳母のそばに、と指示した。


王妃は、世子に、部下が入手した御医ユ・サンウクが書いた処方箋を見せ、亡き世子に使ったトジ先生の外部の薬材の処方箋と比べた。同じ薬名があり、筆跡も似ていた。

クォン医官は、宮中の誰もいないところで、ファン淑媛とすれ違いざまに、毒薬(検視の道具にも反応しない液体)を渡した。

王妃は、クォン医官に、ユ・サンウクを見つけたと話した。


ウィソン君は、祖父の領議政に、謀反に加担し王様を撃つ計画を話したが、祖父は激しく反対、「連中が擁立を図っているのはイ・イクヒョン、テイン世子の弟だ。あの兄弟を殺し、現王を立てたのは私だ」と言うと、ウィソン君は「お祖父様は、廃妃とその子も殺すべきだった、自分が殺し、王座を狙う」と言った。


ムアン大君の元に戻った赤子、よく眠ているのを確かめてから、王妃がしたように、そっと自分がおおいかぶさるように赤子を布団に横にした。その様子を見た王妃は、静かに戸を閉めた。

翌朝、ムアン大君が、赤子の様子がおかしいと王妃のところにやってきた。

王妃は赤子を抱き、夜泣きを続ける症状のようだと言った。大君はしょんぼりしてに「私は父親失格。問題が起きても解決できず母上に頼ってばかり。チョウォルを捜してください。アラには母親が必要です」と頼んだ。

「今後いかなることが起きようと、立ち向かえるか?」と王妃は尋ねた。

「はい、もちろんです」と大君は答えた。王妃は、乳母をよんだ。

「乳母は誠心誠意アラに仕えよ」と王妃が言うと「はい王妃様」その声は、チョウォルだった。

〔回 想〕

赤子を連れてきた日、チョウォルは「この子は賎民として生きる身の上。どうか引き取ってください」と泣きながら頼んだ。

王妃は「その子の親として生きられず、二度と会えぬかも、想像以上につらいはず」と自分も赤子を手放し後悔したことがある、子供にとって最善と思っても違っていることがあると話し、「なんとか策を講じるので、私の言う通りに」と話していたのだ。

王妃は二人に「身をひそめて生きずに済むようにしてやる」と言った。ムアン大君は、赤子を抱いているチョウォルと抱いて、笑顔で見つめ合った。


世子はトジ医師を見つけた。彼がユ・サンウク。世子が、故世子の検死図を見せると、

「毒殺されたテイン世子の姿と酷似している、胸に同じような傷がある。テイン世子の遺体を調べたのは私、先代の王様が一部始終をご覧になっている」と医師は言った。

世子は王妃に報告。

ユ・サンウクとクォン医官は繋がっている。

先王が遺体の調べに立ち会ったのが事実なら、「承政院日記」に記録が残されているはず。その記録さえ探し出せれば、亡き世子の死因を明らかにできる。しかし、その記録がある「承政院」に私的に近づくのは国法で禁じられている、、。


ファン淑媛は、大妃を訪ね、お茶を振る舞った。

大妃が、透明のガラスの湯飲みを持ち上げ、「香りを嗅がずとも、中に何が入っているかわかりました」と言い、台に落とした、ガラスが粉々に砕けた。

「そなたが毒を盛ったのを見るに、私は知るべきでないことを知ったようです。ウィソン君の実の父は誰ですか?」と大妃は尋ねた。


足を引きずりながら、クォン医が歩いていた。その先に一人の女性が立っていた。

母上、お変わりありませんか?」とクォン医は挨拶した、、ユン廃妃に。

感 想

最後、そうきたか!!! 驚きです。

クォン医の正体は、ユン廃妃の息子、テイン世子の弟だったのですね。

1話の最後、王妃がユン廃妃の家を訪ねる場面、息子が出てきます。1話、見返しましたが、イクヒョンは、クォン医ではないようです。テイン世子の弟は2人生き残っていたということ?

もし、ウィソン君がクォン医の息子なら、祖父の領議政が、ユン廃妃の息子を殺して、現王を王にしたのに、自分の孫がテイン世子の系列というなんとも複雑なことになりますね。

故世子の死の真相を暴くことが、テイン世子の死を暴くことにもなるのでしょうか?王妃たちが「承政院日記」記録を探し出すことを、クォン医たちは望んでいる気がします。


ファン淑媛、大妃を毒殺しようなんて、なんと大胆な!すぐにバレると思うけれど、検死の道具にも反応しないようだから、大丈夫なのか?

とにかく、ファン淑媛、回を追うごとに、考えがないというか短絡的というか。ウィソン君がかわいそうになってきました。祖父も母も、人を殺すことが平気な人たちで、彼が良民を罪の意識もなく殺してしまうのも環境からじゃ? 謀反への加担も、彼らに利用されているだけだろうし、本当に彼を思っている人がいませんね。

最後は、王妃がウィソン君も助けるのかなと思います。


ムアン大君と赤ちゃん、2人の大君たちの場面が、ほのぼのでした。赤ちゃん、ほんとかわいい💕

今回は、ムアン大君と王妃の物語でした。大君とチョウォルと赤子が一緒に暮らせそうですね。王妃、愛が深くて行動力があり、最高です

永遠の癒しキャラ、ホドン君の出番はもうないのかな🥺

第14話 あらすじ

ユン廃妃の1人だけ生き残った息子 イ・イクヒョンは、まだ少年の面影が残る年に、テイン世子の御医だったユ・サンウクと共に旅立った。代わりに、サンウクの息子スンソンがイ・イクヒョンとしてユン廃妃と共に暮らした。この時、スンソンは父から親子の縁を切られた。

そして本物のイ・イクヒョンが、数十年ぶりに母のユン廃妃に会いに来たのだった。

13話の感想で、息子が2人生き残っていたのか?と書きましたが、全く見当違いでした。ユン廃妃の生きている息子はやはり1人だけでした。廃妃が暮らしていたのが息子の身代わりだったとは、全く想像もしませんでした。


大妃から、ウィソン君の実の父は誰かと問い詰められたファン淑媛、「王様です」と答えて、ゆっくりのお茶を飲んだ。大妃のお茶に毒は盛られていなかったようである。


王妃は王様に「テイン世子の死因の再調査をお願いしたい。我が世子の死と酷似している。毒殺された疑いがある」と頼んだが、王様は「テイン世子が殺されたのなら、余は謀反で王位に就いた事になる」と再調査を許さなかった。

世子は王妃に「承政院日記」のテイン世子が亡くなった時の記録が、切り取られていたことを報告した。史官パク・ジュンホが記録したページで、王妃は「家蔵史草(史官が個別に記録し保管した資料)が残っているかもしれない、パク史官はパク・ギョンウ殿の父上」と言った。

クォンとユが一派なら、テイン世子の弟イ・イクヒョンとも関係があるはず。彼らの次なる標的は父上かもしれない、と世子は心配した。


王妃は、クォン医を呼び「テイン世子の毒殺を証する記録は何も残っていない。よって次は、世子を死に至らしめた毒を探してくれ」と言った。

クォン医はユ・サンウクに「承政院の記録も破損している、我々に残されたのは”テイン世子の検案書の原本”を探すのみ、領議政が持っているやもしれない」と言った。

ウィソン君から決断を迫られた領議政は、「自分が据えた王を失脚させられない、母親も危険にさらすことになる」と考え直すように言ったが「母上も承知だ」と聞き、すぐに娘のファン淑媛に会った。娘から、「あの子は王様の子ではない、大妃様もお気づき、王様にも知られたら、私だけなくウィソン君も父上の命の危ない」と言われ、ガーーーン!である。


王妃は、パク・ギョンウを呼び「『承政院日記』が破損しているため、唯一の残されたあの日の記録は、お父上が記された家蔵史草のみ。テイン世子の検案後 程なく急逝されたのは偶然だと?お父上が命をかけてでも守ろうとした記録では?」と問いかけた。

父の家蔵史草を読んだパク・ギョンウは、その内容に衝撃を受けた。

王妃を訪問したパクは、家蔵史草はあるが、王妃様には受け入れ難い人物が事件に関わっていると警告したが、王妃は見ると言った。

回想と家蔵史草の内容

世子の検死をしたのは、御医ユ・サンウク。王様が死因を聞いた。

御医は「血虚厥中(ヒョログォル)は死因ではなさそうです。口の中に発斑があり、喉がひどく腫れている。胸に傷があり、爪の間に血痕が、服毒による苦しみで自らかきむしりできた傷。断言できませんが、毒殺の可能性は排除できません」と答えた。

王様は「断言できないなら違うのだ。世子の死因は追及するな。ここでの話は記するな。死因は血虚厥中だ」と言った。

先王が検案室を出た後、クミョン君(現王)に会われた。その後すぐに世子が冊立された。

パク史官は全てを記して、家蔵史草に残していた。

パク・ギョンウの父も、検死の場に居合わせたために、殺されたのかもしれませんね。ここでの話を記するなと言われても、書き留めておかずにはいられなかったのでしょう。

王妃は、王様もテイン世子が毒殺されたことをご存知だったのか?と衝撃を受けた。

その頃王様は、1枚の紙を火に燃やしていた。それは「承政院日記」の破損された頁だったのでは?と思いますが、どうでしょう


領議政は、ウィソン君と一緒に、ユ・サンウクが待っている場所に来た。領議政は、サンウクを見て驚いた、なぜなら殺したはずと思っていたから。

領議政が「王に据えたいのは、ヨンウォン大君 イ・イクヒョンか?」と尋ねると「さようです」とクォン医が現れ、驚いたが、、、なぜファン淑媛が彼を生かしてほしいと頼んだのか、誰がウィソン君の父親なのかを悟った。

領議政は「テイン世子が去った日、その場に今の王がいた。私の命とウィソン君の地位を約束してくれるなら証言する」と言った。

「テイン世子の検案書の原本が欲しい」というユ・サンウクに、領議政は「チョ・グギョンが持っている。大妃の差し金でテイン世子を殺したのが、チョ・グギョンだ」と言った。


世子と世子嬪『床入り』プロジェクト

王妃は、世子嬪から「大妃に床入りについて細かく聞かれた」と相談を受け、シン尚宮から「世子が、火者(生殖不能な男)との噂が流れている」と聞き、すぐに策を講じた!

「床入り」プロジェクト始動。ザ・床入り・コーディネーターを雇い、世子と世子嬪、及びお世話する者たちを教育して、満月の0時に床入れできるように徹底して準備をさせた。

そして当日を迎えた、0時までにまだ30分ある、2人はお酒を飲み出した。しかし、お酒に弱い世子は、記憶が曖昧で目覚めた。共寝はしたが、やり切った感がない😆

世子嬪は、知識も度胸も思いやりも十分なので、世子様をリードして、すぐに世継ぎもできることでしょう❤️

このパートは、緊張の14話の息抜き場面でした


大妃は、ナム尚宮から、ウィソン君の実父について情報を得た。ファン淑媛宅に出入りしていた医師の助手だった青年がクォン医官。「ウィソン君の実父が卑しい医官だとは」と大妃は憤り、クォン医を王妃が王宮に呼び戻したと聞き、また怒った。

しかしですね、その卑しい医官、実は”テイン世子”の弟です。大妃は、我が子を世子にするために、自ら殺めたテイン世子の弟の子(ウィソン君)を、次の世子にしようと策略をめぐらしていた訳ですから、、皮肉です。


クォン医官が、3種類の毒薬を持って王妃のところに来た。そのうち1つは、彼が実際に使った毒薬である。一通り説明して、クォン医は帰って行った。王妃は、その少し足を引きずる後ろ姿を見ていた。

王妃は、至急確認をお願いしたいと言われ、恵月閣へ行った。

一人の女が身の上を悲観して自害していた、胸の傷が例の傷と酷似していて、口の中に発斑の痕があった。彼女が飲んだのは”艮水(かんすい:塩から溶け出たしょっぱくて苦い水)”だった。

王妃は、治療日誌に”艮水で患部を消毒した”という記載があったのを思い出した。王妃は、とうとう、世子を殺めた毒が艮水だったことを突き止めたのだ。


何かを飲んだ御医チョ・グギョンが苦しみ出し「何を飲ませた」とクォン医に聞いた。

「ご自身が使われた手法です。艮水を加えました。テイン世子の検案書の原本を渡せば助ける。あれがあってこそ、兄が艮水で殺されたと証せる。私は、お前が殺したテイン世子の弟、ヨンウォン大君だ」とクォン医は言った。

チョは「検案書は、内医院の書庫の床下に隠した」と苦しい中で言い、クォン医は解毒水を差し出したが、、それもまた艮水だった(と思います)。

「お前が兄を殺したやり方で、お前を殺してやりたかった」クォン医は言い、、チョは死んだ。


王妃は走った、、、ユン廃妃に会いに行くために。

(テイン世子が毒殺されたことを突き止めたので、それを知らせるために走ったのだと思いますが、、)

家に着いた時、イクヒョンが家に入るのを見て違和感を、途中から足を引きずらずに歩いたから。

王妃は、クォン医の足を少し引きずる後ろ姿を思い出し、、すべてを悟った!

出てきたユン廃妃に「本物のイ・イクヒョンは今どこに?彼が我が世子を殺しました。あなたの息子が私の息子を毒殺したことをご存知でしたか?」

廃妃「知りませんでした。知っていたとしても私は止めなかったはず」

王妃「いいえ、止めねば。あとどれだけの人を犠牲にしろと?」

廃妃「大妃が始めたことです。それなのに、何ゆえ私に終わらせろと?」

王妃「イ・イクヒョンは世子を殺しただけでは終わらぬやも、、」


クォン医は、内医院の書庫の床下を探していたが、見つけた検案書の箱はカラだった。その時「クォン医」と王妃の声がした。

「誰が息子を殺したのか分かった、イ・イクヒョン」と王妃が言った。

感 想

14話の最初、まだ少年の面影が残るイ・イクヒョンが、母のユン廃妃に丁寧に挨拶をした後、ユ・サンウクと一緒に家を去っていきました、、あれから20年の年月が流れたのでしょう。

名前も身分も変え、ユ・サンウクの弟子となり医療を学び、まだ若い青年の時にファン淑媛と出会ったのでしょう。彼女を利用しようと近づいたのでしょうが、利用しただけだったのか?愛もあったでは?知りたいです。もし20年を、兄を殺した者たちへの復讐心だけで生きてきたとしたら、本当に過酷だっただろうと想像します。

と同時に、私は、偽イ・イクヒョンとなり、ユン廃妃とひっそりと暮らす運命になった少年のスンソンの事を思うと、泣けてきます。彼には何一つ自分の意思で選ぶことも、自由もないのだから。彼の人生も過酷だっただろうと思わずにいられません。

いずれにしても、ついに王妃は、イ・イクヒョンが我が世子を毒殺したことを突き止めました。

王妃が「止めなければ」とユン廃妃に言った時、廃妃が「大妃が始めたことです。何ゆえ私に終わらせろと?」と声をあらげました、初めてですね、廃妃が声をあらげたのは、、、確かに、全ては、大妃が始めたことで、その罪は大きすぎます。

後2回で終わりですが、どんな結末が待っているのでしょう。

大妃の悪が暴かれたら、王様も無傷ではいられないでしょう、、そうすれば、王妃も王子たちも無傷でいられないのでは?

でも我らの王妃様がいるから、愛のある終わりになるだろうと思っています。

第15話 あらすじ

「誰が息子を殺したのか分かった、イ・イクヒョン」王妃は、検案書を探していたクォン医に言い、「亡き我が子に関するすべてのことを知りたい」と言った。

クォン医(イ・イクヒョン)は「医官になり宮中に入ったのは、兄の死の真相を探るためだった。世子も血虚厥ヒョログォルを患っていると知り運命を感じた。世子の体を借り、兄がいかに死んだか知り得た。兄があやめられ方法と同じにすればすぐに足がつく、期門穴に鍼をうち臓器から出血させて艮水をほんの少しずつ飲ませた」

王妃は「そなたを信じ我が子の治療を任せた、よくも私の前で、よくも母親の前で子供を死なせたな」といきどおりながら泣いた、、。

「私の母は子を4人も失った。王妃の姿に、我が子に先立たれ悲嘆に暮れる母の姿を思い出す。罪なき世子の命を奪ったことを心から謝罪します。だが諸悪の根源は、王位を簒奪さんだつした現王朝にあることをお忘れなきよう。兄が次々と殺され私は死の恐怖と隣り合わせで生きていた。私は当然すべき復讐をしたまでだ」

「黙れ、いくら復讐を正当化しても、お前は罪なき子を殺した人殺しにすぎぬ。お前の恨みとは何ら関わりのない子だったのだ」

「ならば私の兄弟には何の罪があったと?涙をこらえ亡骸なきがらを葬る母を見て誓った、私は必ず兄の死因を明らかにし全てを取り戻すと。世子の死は始まりにすぎぬ」

「決して思いどおりにはさせぬ。全てを私が終わらせる。お前は必ず我が子を殺した報いを受けるであろう」

その時、追手の気配がして、クォン医は逃げた、、、。

15話の最初、王妃とクォン医(イ・イクヒョン)の対峙の場面から緊張感が半端ないです。息を殺して見入ってしまいました。2人の俳優さんの演技素晴らしいです。キム・へスさんの、王妃としての威厳を持ち理路整然と話しながらも、息子の無念の死に涙が出る演技が、すごすぎです!


王妃は、王様に「世子を殺したのはクォン医で、彼の正体はイ・イクヒョンだった、艮水で毒殺した証がある」と報告した。王様は「クォン医は一回の医官にすぎない、イ・イクヒョンは、ユン廃妃といる者」と事実を認めようとしなかった。

王妃は、テイン世子の検案書を自分が持っていることを王様に伏せた。

ユ・サンウクが仲間たちと義挙の最終打ち合わせをしているところに、王の警察がきて、謀反を企てるやからたちは捕らえられた。

その頃、ユン廃妃も逃走していた。


クォン医は、ウィソン君の屋敷に逃げてきていた。

ウィソン君は、自分の身を守るため手を引きたいと言ったが、クォンは「まだ機会がある、検案書でヨンウォン大君の正統性を強化し、新たな王を選ぶ段になれば、世子の座にウィソン君を据える。検案書は宮中にある、必ず捜し出すので、宮中に忍び込む手助けを」と言った。


王妃は世子に、「検案書のありかを王様に伏せたのは、これを捜し出すためにクォン医官を生かすはずだから。これを一番必要とするのは、イ・イクヒョン、私の手元にあると知れば、私を訪ねてくるはず」と言った。


王様は一人、牢屋に捕らえられているユ・サンウクに会いに行き、「あの日、検案室で何を見たのだ」と聞いた。

サンウクは「クミョン君様(王様のこと)の方がよくご存知では?あの日何があったのか、いかにテイン世子を毒殺したかお教えに」と迫った。余は知らぬふりをしただけ、という王様に、サンウクは「あなたがの野心がテイン世子を殺した。あの日のことが一生のくびきとなる。歴史に”クミョン君、王位を簒奪した反逆者”と残るはず」と言った。

王様から「クォン医を捕まえ次第殺せ」との王命が下った。


王妃は、大妃の屋敷に行き「御医のチョ・グギョンが殺された。殺害した者はクォン医官、正体はイ・イクヒョン、テイン世子の弟のヨンウォン大君。彼の次の標的は、チョに世子殺害を命じた者では?それゆえ、テイン世子の検案書を公にします。それは今、私の手元に。王様より先にクォン医を捜し生きたまま捕らえてください。そうすれば、検案書をお渡しします」と言った。


クォン医とウィソン君は、王宮の見取り図を見ながら作戦を立てていた。クォン医は、王宮に詳しい。

ウィソン君が「家族はいるのか?」と尋ねると、クォン医は「老母と息子が一人います。妻はめとっていません」と。

「子を産んだ女人は?」

「他のものと一緒になりました」

「恋慕していたのか?」

「私たちも平凡な夫婦になれたかもしれません、出会い方次第では、、、」

「私が王になったら望みを叶えてやろう。言ってみろ」

「幼い頃暮らした家を母のために取り戻すこと、その家で老母と息子と共に暮らすこと、それが私の望みです」とクォン医はウィソン君の目を見て言った。

この場面、涙です


世子嬪が倒れた。

医師が脈を取ろうとしても取れない。お付きの女官が、世子嬪様は脈が遅い”徐脈”の気があると王妃に言った。それを聞き、再度医師が脈を取り「ご懐妊です」と言った。

王妃は、世子にお祝いを述べ、兄のことは私に任せ、世子嬪を気遣うように言った。

世子嬪のご懐妊を知った後宮たちは、世子様はこれで地歩をお固めになったと喜んだ、一人ファン淑媛を除いて。

しかし、このおめでたいことに水を差す人間がいた、大妃である。

大妃は王妃の屋敷に行き、世子嬪の懐妊はウソだとの噂があるといい、世子、世子嬪をよび、医者が再診し「誤診でした、懐妊ではありません」と診断した。

実は、大妃は世子嬪の御医をよび「世子嬪の懐妊は誤診だった」と言えと脅し賄賂を渡していたのだ。

その上大妃は、世子嬪の脈が弱い、心臓が悪いと聞いたが、健やかな元孫を産めぬ娘は世子嬪には不適格、廃嬪を王様に進言すると言い出した。

これは大妃の策略だった。王妃と取引し、”検案書”を渡せば、”廃嬪”は取り下げると言った。

王妃は、大妃の屋敷に”検案書”を持って行った。


王妃は、パク・ギョンウを呼び、父上が記録されたあの日の『家蔵史草』を渡して欲しいと頼んだが、パク氏は「お渡しすることはできない、もう手元にない」と言った。

彼は、あの日の”家蔵史草”を王様に差し出したのだった。「これが世に知られると、世の中が混乱し、被害をこうむるのは民たち、大義のために躊躇なくご処分ください」と。


世子は、亡き兄の息子の元孫を訪ねた。元孫は、やっと会いにきてくれた叔父上に甘えた。「9つになったら元の家に戻れると母上が仰った」と両手の指を9本出していう元孫、何も言わない世子にがっかりした様子だったが、世子がそっと指を二本折った、7歳になったら迎えにくると言う意味。元孫「誠にそうしてくださいね」と笑顔で言った。

ここ良い場面でした。亡き世子の子供や嬪はどうなるのかなと思っていましたが、王妃と世子が必ず約束を守ってくれますね。


大妃は、領議政を呼び「医官の子であるウィソン君を王様の子だと偽った、ファン淑媛とウィソン君はもはや死を免れない。クォン医を私に引き渡せば2人の命は守る」と言った。

王妃は、ユン廃妃に会い、イクヒョンの居場所を聞いた。「他の者に捕らえられれば死ぬが、私は生かすつもりだ。あの者の自白があってこそ息子の死因もわかる」と言ったが、、

その頃、クォン医(イ・イクヒョン)は、領議政に連れられ王宮に入っていた。

領議政は、彼を大妃ではなく王様に引き渡すつもりで、時間と場所を書いた紙を渡していたが、そこに大妃が来てそれを知った。

領議政は、人気のない場所にクォン医を連れてきた。領議政の合図で、王様の警備隊が来て、イクヒョンを囲んだ。領議政は得意そうに笑い「お粗末な謀反に加担すると思ったか?ところでヨンウォン大君はどこにいるのだ」と聞いた。

イクヒョンは領議政に近づき、耳元で「まだ分かりませんか?」と言い、彼を捕まえ首に短刀を向け、誰もいない場所に連れて行った。この後に及んで「大君、隠れ家を用意します」とすがる領議政、、イクヒョンは彼を短刀で刺して殺した、「私の兄弟を殺した報いだ」と。

イクヒョンは、血にまみれた短刀を持って、大妃の屋敷へと向かった。

領議政が殺されたと聞いた王妃も、次の標的は大妃だと屋敷に向かって走った、、。

大妃の屋敷の扉を開けたイクヒョン、簾の向こうの大妃に向かい、「あなたは世子だった兄を殺め、残りの兄弟まで殺めた。私はあなたの影ばかり追ってきた。だが一度だけ、あなたを出し抜いた。ウィソン君、あなたが最も慈しむ孫は私の子なのです」

と言って簾を切ったが、座っていたのはナム尚宮だった。

そして、イクヒョンの後ろには、ファン淑媛が茫然自失の体で立っていた。

「誠にイ・イクヒョンですか?私を利用したのですか?一度たりとも私を女人として見たことはないのですか?」ファン淑媛が聞いた。

「私はただ托卵する女人が必要だっただけです」とイクヒョンは答えた。

屋敷の外は警察に囲まれて、火が炊かれていた。走ってきた王妃は、外にいる大妃と会った。大妃は、検案書を火にべ「全て終わりました 王妃」と言った。

ファン淑媛は、動揺してイ・イクヒョンを見つめ、血塗れの短剣に目をやった。

「これは領議政様の血です、領議政様も罪を償うべきでしょう」イクヒョンは涙目で言い、ファン淑媛は「違います」と叫び、、

そこにウィソン君が入って来た、「イ・イクヒョン、死んでもらう、それでこそ私は生き延びる」と刀を抜いてイクヒョンに迫った。イクヒョンは短刀を構えたが、すぐに下げて、無防備になった、、

「ならぬ」というファン淑媛の声は小さくて、ウィソン君には聞こえない、、

ウィソン君の剣が、イクヒョンを一突きした、、

イクヒョンは刺されてかがみこみ、、ファン淑媛も衝撃で尻餅をついた、、

「私は失敗したが、お前は必ず、、、生き残るのだ。私はお前の父だ。お前が正統の世継ぎだ」苦しい息の中、イクヒョンは言って、手をウィソン君に伸ばしたが、、

呆然とするウィソン君に、、、イクヒョンの「老母と息子が1人おります。幼い頃暮らした家で、母と息子と共に暮らすこと、それが私の望みです」が蘇った、、

イクヒョンは力尽きて亡くなった、、、呆然自失のウィソン君、、、


外では大妃が「今頃、イ・イクヒョンは、息子の手で殺されたはずです。この目で見られなかったのが残念でなりません」と冷酷に王妃に言った。

〔回想〕大妃は、ウィソン君を呼び、「クォン医官の奸計にはまり、謀反に加担したとの噂がある。医官は逆賊のイ・イクヒョンだ。お前の手でイ・イクヒョンを殺せ。さすれば、あの者と通じていた事実を揉み消せるはずだ」とそそのかしたのだった、、、

感 想

最後の場面、ウィソン君がイ・イクヒョンを刺して、イクヒョンが父だと名乗る場面、、泣けました。ファン淑媛も、みんな哀れで、悲しくて、可哀想でたまりませんでした。

ファン淑媛はクォン医を愛していた、クォン医も愛していたと思うけれども、彼には背負っているものが大きすぎて、、

ウィソン君がクォン医に家族の事を聞く場面が前半にあり、それが最後の悲劇をより劇的にして、、心を動かさました。

今まで、ウィソン君とファン淑媛のことを好きでなかったけれど、そんな気持ちが全くなくなり、2人のことを思わずにいられませんでした。

それにしても、、、大妃の冷徹さ、、😱😱

イクヒョンが、血塗れ短刀を持ち、大妃の部屋に乗り込み、大妃がいないのに「一度だけあなたを出し抜いた。ウィソン君、あなたが最もいつくしむ孫は私の子なのです」と言いましたが、大妃は、ウィソン君を慈しんでいないし、慈しんだこともない。イクヒョンにすれば、なんという敗北でしょう。大妃は、誰一人、どの孫も慈しんだことがない、もしかしたら、自分の息子の王様も愛していないのでは?

いよいよ明日最終回。

王妃が、ウィソン君とファン淑媛を救ってくれることを願います。

大妃の悪行は暴かれるのか?王様もどうなるのか?王妃と王子たちもどんな結末を迎えるでしょう。

第16話(最終回)あらすじ

王妃はユン廃妃に会い「イ・イクヒョンが宮中で死にました」と言い彼の形見を渡した。

そして「イ・イクヒョンの子が生きています。謀反に加担したウィソン君です」と言ってその場を去ろうとした。

廃妃は「私に借りがおありでは?」と言い「イクヒョンの子を生かしてください」と王妃にお願いした。以前王妃が、テイン世子の死因についてユン廃妃に尋ねたとき、後で私の願いを聞いてください、と条件を出していたのだ。


大妃は王様に「ウィソン君を殺すのです」と言ったが、王様は、これ以上王座を血でけがしはしない」と反発した。

王様は苦悩し、家臣であり親友でもあるパク・ギョンウに相談した。彼は「すでに多大な功績を残された故、過去のことはお伏せに」と言ったが、王様は「さすれば、余の気持ちも伏せられるだろうか」と自問した。


大妃は、真実を暴かれるのを一番恐れているのは王様のはずと思っているが、王妃によって翻意されることを恐れていた。そうならない為に、王妃を揺さぶる計画を、王妃の息子たちについて調べた。

王妃が呼ばれていくと、王様の前に、ムアン君と赤子を抱いたチョウォルが座り、横に大妃が座っていた。

大妃はここぞとばかりに、王妃の子供は、国法もしきたりも守れぬ者だと言ったが、王妃は「前例がないだけ、このような場合王室では、正室ではなく側妻として迎える。お許しいただけるなら、ムアン大君は慣例を破る初の事例となるでしょう」と訴えると、王様は「熟考してみよう」と言った。

大妃は次に「世子嬪は世継ぎが産めない、どうするおつもりか?」王様に聞いたが、そこに世子嬪のソン御医が来た、王妃が呼んだのだ。ソン御医は「心臓の病に効く薬を調合したが、大妃様から渡された薬材は、胎児に悪影響を及ぼす為、加えなかった」と言った。

王妃は胎児を守るために、世子嬪が安定期に入るまで懐妊を伏せていたのだ。ソン御医は「安静にしていれば、無事ご出産できます」と王様に言った。

屋敷に戻った大妃は怒りに震えていた。そこに王妃が入ってきた。

大妃は「王様は決してテイン世子の死を明かせぬ」と言うと、「王様が正しい判断を下せるよう、私が力添えを」と王妃。「そうはさせない。それが私の息子を守る方法」とわめく大妃に、「それは王様を守ることではない。私は私のやり方で、夫を守ってみせます」と王妃は言った。


世子は牢屋にいるユ・サンウクに、証言するように話した。王妃も「”家蔵史草’が残っている、そなたが真実を明かせる最後の機会となるだろう」と説得、サンウクは証言することを了承した。


「王様は、依然、20年前のあの日にとどまっておられる。王様が国王としてどう生きてこられたか私は分かっています。たとえ過去を明かそうとも、王様が聖君である事実は決して変わらない。天と、この国の民が分かっています」

王妃は、亡き世子の毒殺を示す資料を差し出した。

「家蔵史草は王様がお持ちなので、それをどう使うかは王様次第です。どうか、国王として過去を正し、真実を記してください。悔しくも、2人の世子が毒殺された事実を歴史に刻んでください。これが私が王様を守れる最後の道であり、世子が残した子たちを守る道なのです

王妃は心込めて王様を説得した。


王様は大妃の屋敷に行った。

「真実を明らかにするつもりです。テイン従兄あに上がいかに死んだのか明らかにします。私があの夜、この目で見たのです。母上が始めたこの悲劇を私が終わらせます。母上がテイン従兄上を殺し、その為に、息子を失いました。これ以上、誰も犠牲にしたくありません」

「王様、この母を誠に罰せますか?」と聞く大妃に

「はい、王なら当然そうせねば」と王様は言い、大妃の屋敷を出た。大妃はその後ろ姿に「王様、お待ちを」と言ったが、王様は振り返らなかった。(ここで、息子は母には二度と会えないことがわかっていたはず、それは母も同じだったでしょう)。


王様は家臣たちを集めて、下記を宣言した。

  • イ・イクヒョンは、世子を毒殺した。世子を殺めたとして庶民に降格したミン氏とイ・ハン、イ・ユルヒ(亡き世子の嬪と元孫と娘)を復権させる。
  • またテイン世子の死に関して、パク・ジュンホ史官の家蔵史草を基に実録を正そうと思う。
  • これを機に余の過ちも正すつもりだ。テイン世子の遺体を調べたユ・サンウクが、当時の状況を証言した。毒殺の証がここにある。
  • パク・ギョンウを実録庁総裁官に任じ、先王の実録に付録をつける。
  • テイン世子の母親、ユン氏を復権させ、テイン世子を死に至らしめた大妃は、大妃殿にとどませる。大妃殿への出入りを厳禁とする(事実上の幽閉)。

ユ・サンウクは釈放された。世子は彼に、あなたも兄を殺そうとしたのかと聞いた。御医は「医者としての誇りだけは忘れずに生きて来ました。私は正しい処方をしました」と答えた。

王妃は世子に「よくやった。おかげでお前の兄との約束を守れそうだ。もう兄を旅立たせてやろう」と言い、二人は涙を流した。

亡き世子の元孫と嬪と娘が王宮に戻ってきた。

王妃は、風になって来てくれた亡き世子に、心の中で ”もう何も案ずることなく、安らかに眠れ” と空を見上げた。


ナム尚宮が、大妃の部屋に入ると、、、

大妃は、花嫁衣装を着て亡くなっていた。

貴人チョ氏が、王妃に冊立された。王は王妃にその称号を与え、王妃冊立の儀式を執り行った。だが翌日王が崩御し、チョ氏は1日で王妃の座から退いた。

王妃は、大妃に最後の挨拶をした。

“大妃様の時代は終わりました。悪の呪縛から放たれてください。悪辣で、それゆえ時に哀れだった義母に送る、最後の挨拶です” と心で言った。


【3ヶ月後】

ファン淑媛とウィソン君は、粗末な家に住んでいる。ウィソン君が外に出ると、王妃が来ていた。

「まだ私の監視を?」

「ああ、お前を信じていぬゆえこの先も注視するつもりだ。ゆえに、母親のためにも耐え抜くのだ」と王妃は言った。

「どちらに?」とファン淑媛が出てきたが、王妃には目もくれない。ウィソン君の手を取り「私を置いて行ったのかと」と。「ご心配なく、お入りください」とウィソン君が言うと、ファン淑媛は「手がとても暖かいです」と微笑んだ。

見つめ合う二人、、、ファン淑媛が中に入り、ウィソン君は、軽く王妃に会釈して中に入った。王妃はその家をしばらく見ていた。

何なのでしょう?この場面は、、。ファン淑媛は、ウィソン君をクォン医と思っているのでは?彼女の時間は、クォン医に会った若い頃に戻ったのではないでしょうか?王妃のことは目にも入らず、ウィソン君だけを見ていた、好きな人を見るように。この場面にとても惹かれました。ウィソン君が美しかったです。


王宮に戻ったユン氏。目の前に食事の御膳がある。イクヒョンの形見を触りながら、王妃の「イ・イクヒョンの子が生きています」の言葉を思い出し、ご飯を一口食べる、、もう一口食べる、、、。

それだけの場面なのに、何なのでしょう、このインパクトは。ここに母が息子イクヒョンと残した子を思って、生きようとする姿が描かれていると思いました、感動です。


【大君たち、後宮と王子たちの近況】

ムアン大君:娘アラちゃんの教育パパの様子。後宮たちに、王室の教育法を習いに来ている。ムアン君、出閤(王宮を出て暮らしている)らしいが、しょっ中、王宮に来ているようすです。

ポゴム君とテ昭容:テ昭容は、ポゴム君がなかなか会ってくれないので寂しい。ポゴム君に、今後は世子様にあった後伺うと言われて、大喜びである。

シムソ君とコ貴人:コ貴人が ”子作りの秘法書” を持って訪ねたが、シムソ君「必要なありません、身ごもりました」エーー!あのシムソ君が婚姻!おめでとうございます🧡 コ貴人、孫を育てると言ってますが、拒否するシムソ君、、その気持ち、わかる、わかる😆

ホドン君とオク淑媛:ホドン君❤️ 走ってます。「母上、今日から減量します。従兄あにたちのように長身でかっこよくなりたいです」と。母は「これから縦に伸びるわ。今もホドン君が一番素敵よ」って、良い母上ね、その通り。ホドン君は肉を食べに行きました!やっぱり最高ね、ホドン君❤️


王妃は久々にケソン大君とお茶を飲んだ。

ケソン大君が「ここを発ちます。母上が私を王宮の外に連れ出してくれたあの日が一番幸せでした。私は絵の中の自分を見た時、本当の自分でいることを初めて許された気分に」と言った。

王妃は突然のことに動揺するが、大君は母の手を取り「いつまでも隠れては暮らせません。自分らしく生きたいのです」と言った。母は「大人になったな」と嬉しさと寂しさで涙を流した。

ケソン大君は、世子、ムアン大君、イリョン大君と別れを惜しみ、王宮を出て行った。

王妃は、ケソン大君の絵の軸を広げて見てから、それを巻いて胸に抱き締めた。

世子は、亡き兄の玄孫と遊んだ。世子の帽子を玄孫に被せ、”世子様この王宮をお守りください。私は世子様の国をお守りします”、世子は心の中で言った。

王妃の元に、ケソン大君からの文(絵)が届いた。そこには女のケソン大君が生き生きと生きていた。

シン尚宮が「王妃様、イリョン大君様がまた屋根の上に」と慌てて部屋に入ってきた。発明に夢中なイリョン大君は、大きな凧を作ってそれに乗ろうとしている、、。王妃は、王宮内を走りに走った、、。


〔エピローグ〕

王妃が歩いていると雨が降り出した。隣に来た世子が王妃の上に傘をさして、王妃が濡れいないように傘を傾けた。

王妃は、傘を世子の玄孫にさしかけた。

そして、最後、傘をさして歩く王妃とケソン大君、それがイラストに変わると、絵に描かれた赤い着物姿のケソン大君と王妃の後ろ姿になった。

ーー完ーー

感 想

最終回の一番のトピックは、王様の決断でしたね。

テイン世子の死の真相を知りながら、20年間、それを隠してきた王様が、悲劇を繰り返さないために、過去を明らかにし、自分の過ちも正しました。王妃の心がこもった説得に動かされました。

大妃の罪も暴かれました。死んだ時の装束が花嫁衣装だったと思いますが、合っているでしょうか?大妃が”王妃”になれたのは1日だけだった、だから”王妃”に嫉妬していたのか?「悪辣ゆえ、時に哀れ」、王妃が最後の挨拶で言った通り、確かに哀れでした、、。しかし、その哀れの被害に遭った人はたまりません、、。悪人”大妃”を見事に演じ切られた キム・へスクさん、すごかったです!


最終回で、大君たち、王子たちの近況もわかってよかったです。男の子たちがみんなかわいかったです。後宮たちも、それぞれ面白かったですね。

王妃は、ウィソン君に「監視する」と言ったけれど、見守っているのですね。ユン氏との約束を果たす為にも。

ケソン大君は、本当の自分の人生を生きるために王宮を出る決心をしました。赤い着物を着て化粧をしたケソン大君の肖像画は本当に美しかった。

毎回、王妃の深い愛を感じたドラマでした。最初から最後まで、キム・ヘスさん、最高でした!

この物語、たくさんの要素が入っていたけれど、色々な形の母と子の情愛が描かれ、そこに一番感動したように思います。

スピンオフがあるとしたら、”ウィソン君とファン淑媛とユン氏(イクヒョンの母)の物語”、”ケソン大君の王宮を出てからの人生”を見て見たいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

Drama
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