『あなたに似た人』16話のあらすじと感想を書きます。
*ネタバレあり
15話のあらすじは以下でまとめています。
第16話 嵐が過ぎ去った場所
アトリエで、ウジェとヒジュは揉み合いになり、ウジェのペンが落ちた。ヒジュを床に押し倒し、首を絞めたウジェの首に、誰かがそのペンを刺した、、、リサだった。とっさに逃げるリサ。ウジェが刺さったペンを引き抜くと、血飛沫が飛び散り、大量の血が吹き出し、、ウジェは死亡した。
ヒジュは、アトリエから家に戻り、リサの部屋の前で「大丈夫、明日話そう」と言い、ヒョンソンの飲み物に鎮静剤を入れて、またアトリエに戻った。
夜中、ウジェの死体をスーツケースに入れ、車に乗せ、釣り場の湖に持っていった。船を出しスーツケースを湖に捨てた、、、。
翌朝、ヒョンソンは、ホスのベッドで一緒に熟睡していた。
リサがアトリエにやってきた。床は磨かれ、きれいに掃除されていた、何もなかったように。ヒジュが来て、震えているリサの手を取った。「おじさんは大丈夫よ。リサはママを助けようとした。悪いのはおじさん、リサは悪くない、約束する、昨日は何もなかった、忘れるのよ」とリサを抱きしめた。
ヒジュは、ウジェが新しく借りた部屋に来た。そこは、かつてヒジュが彼から絵を習っていた部屋。
ウジェの荷物を整理していると、へウォンが入ってきた。へウォンは、ウジェが死んだことを知っていた。あの日、アトリエに来たのだ。そして、凶器となった”血のついたペン”を持っていた。
「ここに先輩の血やリサの指紋が、、」取り上げようとするヒジュに「ヒジュさんが殺した?」「、、、、」「リサなのね」と言われ、ヒジュは跪き、
「へウォン、お願い、目をつぶって。全て捨てる、絵も描かない。家族とも縁を切って二度と姿を見せない。あなたや知り合いの前にも。ウジェと不倫したあげく家族に背を向けた薄情で最悪な女になる。世間は私を非難する。家族は私を恥じて記憶から消したいと思うはず。だからお願い、ごめんなさい。何度も謝りたいと思った。でも全てを失うのが怖くて目を背けてた。落ちぶれた私を見ながらあざ笑って楽しめばいい。だからリサを見逃して、悪いことをしたのは私でしょ、リサだけは助けて」と哀願した。初めて心からの謝罪した。
「そうね、リサは何も悪くない」へウォンは言った。
ヒジュは、アトリエを徹底的に掃除した。ヒョンソンが来て「あの家族の絵は?」と聞いた。「手直し中にダメにした」「十分によかったけどな」「そうなの、欲を出さずに思いとどまるべきだった。下手に手を出して台なしに、、」と言いながら泣いてしまう。
ヒジュは、義母に、ホスの留学のことをお願いした。
テリム・ギャラリー完成後の常設展について、キュリエーターに指示を出した。
ヒョンソンと初めてのデートの時に来たお店で食事をした。
教会、ソヌの横でオクスが祈っていた。ソヌは「逃げるんじゃなく、ジョンソプの分も頑張りたい」と向こうの勤務先と電話番号入れた封筒を渡し「好きな時に連絡ください。僕も毎日電話します。行ってきます」と最敬礼して出て行った。
ジョンヨンはおとりになって、彼女のボスの詐欺師を警察に捕まえさせた。その後、バーに行き、厨房に入ったマスターの後ろ姿に「ごめんなさい」と謝り、赤いバラの花束をテーブルに置いて出て行った。
ジョンヨンは地方で暮らすと荷造りをしていたが、警察がきて連行された。
イ弁護士は、ミンソの厳しい指導の元、リハビリを受けていた。
ソヌは出発前にへウォンに会い「つらくて休みたくなったら来て」と航空券を渡した。
ジュヨンは、新しい学校で忙しく友だちもできたようである。
ヒジュは、釣り場でドンミに会っていた。「泣き言を聞いてくれてありがとう」と車をプレゼントした。
夜、へウォンはバーに来て「母は警察で取り調べを受けている。代わりに謝罪をしたい」と言ったが、「代わりは無理。本人が謝ってくれたし。ジョンヨンさんも被害者だが、再出発のために罪は償うべき。私はここで待つよ。ジョンヨンさんを信じるよ」とマスターは言った。
ヒジュとへウォンがバーで話した。
「いつ離れるの?」とへウォン。「あと一晩だけ子供たちと過ごしたらここを離れる」とヒジュ。「母親になるチャンスは私にもあった。責めてません、ただ言っておきたかった」とへウォンは打ち明けた。
ヒジュは封筒を出し「知ってほしいの、あなたがどれだけ輝いていたか、私がどれだけあなたを羨んでたか」と言って去った。中には昔の写真が1枚入っていた。
ヒジュは、リサの寝顔を見て、顔に触れて「大丈夫、大丈夫」と言った。それからホスを抱いて寝た。
翌日、ヒジュの姿は消えた。
ヒジュとウジェの写真と過去の関係がネットに掲載された。
血相を変えたヒョンソンが、ウジェのアトリエに来た。へウォンが「先輩はいない」と言った。
「ヒジュが危険な目に遭っているのでは?」というヒョンソンに、「二人はまた一緒に去っていった。ヒジュさんは自分の意思で出て行った」とクールに言い、ヒジュからのメール「心のままに生きていく、捜さないで」を見せた。
ヒョンソンが去った後、ヒジュからもらった写真を思い出し、号泣するへウォン。
ネットに流失した不倫の写真に激怒するヨンサン。ヒジュは何もかも整理して姿を消していた。
ソヌの出発日、彼は空港からへウォンに電話した。時間があるから空港に行くというへウォン、交差点を渡っている時に、向かいから歩いてきたイルソンに刺された、、、。
ヒョンソンは、弁護士から「奥様の手がかりはないまま、別方向から調べます」と報告を受けたが、「もういい」と言った。ドンミが訪ねてきて「男と逃げたはずがない」とヒジュを庇ったが、「理由は関係ない、僕に何も言わずに去ったことは事実」と、約束を破ったヒジュをこれ以上捜さす気がないことを示した。
リサとホスは海外へ留学、ヨンサンが付いて行った。留守中の病院は、ミンソが理事長代理をするようだ。
ーーこうして日常が進み、数年後ーー
ヒジュは、高齢者施設で働いていた(元看護師)。へウォンと約束したように自分を檻に閉じ込めていた。
彼女は、街で ”ハンナ ク・へウォン初展示会” の幟を見かけた。
へウォンの物語の始まり。
ヒジュの物語は終わる。
立ち入り禁止の釣り堀の板に寝転がり、家族の写真を見るヒジュ。彼女の耳に、湖に沈んだスライゴ寺院の鐘の音が聞こえた、、、。
感 想
『あなたに似た人』終わりました。良い最終回でした。
ウジェを刺したのが、リサだったとは驚き、でも彼女が刺さなければ、ヒジュの命が危なかったかもしれない。
「リサを見逃して」とへウォンに哀願したヒジュ、初めてへウォンに心からの謝罪をした。謝罪するチャンスはいくらでもあったが、おざなりの謝罪で済ませてきた。「リサを守らなくてはならない」という一心、そのために全てを捨てる覚悟をしたヒジュの哀願は、胸に迫るものがありました。
ウジェのアトリエで、へウォンが写真を思い出し号泣する場面、さまざまな思いが溢れたのでしょう。何も疑うことなく輝いていた日々、その後のつらい憎しみの日々、そして今、ウジェ先輩もヒジュもいなくなった。二度と帰らない日々への郷愁、後悔、言葉では表せない思いが彼女を泣かせたのだと。
脇役たち、へウォンの母、バーのマスター、オクスさんに、人生の深みが散りばめられていました。ソヌの「いい人になります。そして誰かの役に立ちます」覚えておきたい言葉です。
道で刺されたけれどへウォンは助かり、画家になったようです。どんな絵を描くのか見たい気がします。
そして、ヒジュの物語が終わる時、湖に沈んだスライゴ寺院の鐘の音が聞こえた、これは希望、もしくは慰めですよね。
お読みいただきありがとうございました。
コメント