『サバイバー 60日間の大統領』あらすじと感想【話題のソン・ソックさんの秘書室長も魅力的です】*ネタバレなし

『私の解放日誌』の「ク氏」役で、今もっとも旬な俳優ソン・ソックさん、他の出演作を探してて、このドラマを見つけました。2019年制作の政治をテーマにしたヒューマンドラマ。国会議事堂で爆破テロの衝撃の映像から、最終回までスリリングな展開です。

簡単なあらすじと見どころ、感想を書きます。

*ネタバレなし

登場人物( )はキャスト

パク・ムジン(チ・ジニ):大統領代行、韓国科学技術院の元教授、環境省長官に抜擢されていた。国会議事堂の爆破テロの後、大統領代行という重責を担うことになった

チャ・ヨンジン(ソン・ソック):大統領秘書室長、 政治学博士出身、有能、クールに見えるが情に厚い、パク・ムジン大統領代行のいい人ぶりに戸惑いながら、徐々にムジンに傾倒していく

ハン・ジュスン(ホ・ジュノ):政策室長、ヤン大統領時代の秘書室長、常に冷静な判断をする。ムジンの解任命令で、一旦、青瓦台を去ったが、ムジンの要請で復帰

オ・ヨンソク(イ・ジュニョク):国家議員、国会議事堂爆破テロの唯一の生存者。ムジンの内閣で国防長官に任命され、野心をむき出しにする

ハン・ナギョン(カン・ハンナ):国家情報院、テロチームの分析官、国会議事堂のテロで婚約者が行方不明、オ・ヨンソクがテロの唯一の生存者になり得たことに疑問を持ち捜査している

ギム・ナムウク(イ・ムセン):大統領府報道官、北朝鮮からの脱北者、大統領報道官として、記者たちに対応する


始まり

パク・ムジンは、家族を乗せて運転中に、国会議事堂が爆炎をあげ崩れ落ちる衝撃の光景を見た。

この日、国会議事堂では本会議が招集され、異例の長官級までが出席していた。しかし、野党(先進共和党)は、北朝鮮と年内に平和協定を結ぶというヤン大統領の政策を、南北統一を政治戦略に使っていると反対し、本会議をボイコット、欠席していた。

ヤン大統領の演説が始まったばかりの午後3時15分、国会議事堂が何者かのテロにより爆破された。

パク・ムジンは、ヤン総理大臣の内閣で環境省長官の職務についていた。しかしその日の午前中に、大統領の命令に異議を唱え、解任されたばかりだった。

大統領はじめ主な閣僚、国会議員、職員の約300名がテロで命を落とした。

ムジンは、大統領官邸(通称、青瓦台)に連れて行かれた。

大統領代行資格がある者は、施設演説に欠席したパク・ムジン長官だけだった。(彼の解任は無効になった。正式な手続きが取られる前にテロが起きた為)

政府組織法に基づき、ムジンは、大統領の全ての権限と職務を委任された

”大統領代行”になり、任期は次期大統領選までの60日間と、ヤン大統領秘書のハン室長から告げられた。

最初の仕事は、”警備戒厳令”を全国に宣布すること、国軍の統帥権(とうすいけん)を持つ大統領が戒厳令を敷くという用意された書面に著名した。

そして、軍の長たちが「これは戦時だ」と興奮し議論している部屋に入って行った。


パク・ムジン:大統領代行

韓国科学技術院の元教授、環境問題の専門家の資質を買われ、環境省長官に抜擢されていたが、元々政治の世界とは無縁の人物。

しかし、国会議事堂の爆破という前代未聞の惨事、緊急事態に、憲法の定めに従い”大統領代行”という、国家権力の頂点に付き、60日間 国の舵を取るという重責を担うことになった。

政治世界について全くの素人が、この非常時に、60日間どのようにサバイブしていくのか、これがドラマで描かれる内容です。


青瓦台

”青瓦台” 大統領官邸の通称、韓国政府のことも差す。最高権力の象徴としても使われる。

屋根に青い瓦が敷かれているので、こう呼ばれる。「青瓦台」はドラマの頻出単語の筆頭です。

大統領の国家の仕事の大半がここで行われ、ドラマの中心となる舞台。秘書官や大統領を補佐する人々が働く場所で、軍事に関する会議が開かれる場所であり、記者会見が行われる場所でもある。

(アメリカで言えば、”ホワイト・ハウス”ですね)

また大統領の家族の住まいでもある。大統領代行となったムジン一家もここに住むことになった。


テロ犯は誰だ

テロを起こした犯人は誰か?目的は何か?これがドラマの大きな軸になる。

国家情報院がテロ犯を見つけるために動き、テロチーム分析官のハン・ナギョンが大きな役割を担う。

爆破場所から、北朝鮮製の爆破装置が見つかり、軍部は”北朝鮮の仕業か”と色めき立った。

爆破テロの犯人を探す過程で、北朝鮮との関係、アジアとの関係、アメリカとの関係、緊張関係などが描かれる。

また、北朝鮮からの脱北者が住んでいる地域が、テロ犯と通じていると疑いをかけられ、ソウル市の警察によって、不当な攻撃を受ける。ソウル市長が、警察を動かす権限を持っている。脱北者に対する不当な差別も描かれる。

どのような時代と歴史的背景により、誰と誰が通じ、どのような陰謀がめぐらされて、テロが起きたのか、黒幕は誰か?テロの目的は何か? ドラマを追いながら、推理していく面白さがあります。

最後の最後まで、緊張感が途切れません。


チャ・ヨンジン:大統領秘書室長

チャ・ヨンジンは、政治学博士出身で、非常に有能な人物。前の大統領にも、ハン・ジュスン(前大統領の秘書室長)と一緒につかえた。

彼の夢は「この人こそと思った人物を大統領選に出馬させ、勝利しその人に仕えること」である。

パク・ムジン代行は、チャ・ヨンジンを大統領秘書室長に任命した。

チャ秘書室長は、パク・ムジン代行の ”いい人”すぎる面に、当初は危うさを感じ、色々とアドバイスをする。

しかし、ムジンが、これまでの政治家と違い、科学者としてのデータや、原理原則に則り決断を下すやり方に、そして、ムジンが”いい人”のまま、問題を解決していく姿を見て彼に傾倒していく。

「これまで、勝者があり、敗者があると思っていた。しかし、パク代行は勝者になっても、相手は敗者にならない」と。

チャ秘書室長は、いい人でも勝つ、いや ”いい人だから勝つ” を見たいと思うようになり、ムジンこそ、自分が求めていた大統領候補だと、ムジンに次期大統領選挙への出馬を求めるが、、。

ソン・ソックさんが、”ク氏”とは全く違う、大統領秘書室長を演じています。すごく有能で、礼儀正しく、クールに見えて情に厚い。危機管理能力抜群で、少しシャイな面も見える。パク大統領代行へ忠誠と尊敬、そんな人物をすごく魅力的に演じています。

イ・ムセンさんとソン・ソックさんのバスケット対決

ギム・ナムウク大統領府報道官を演じているのは、”39歳”で、チャニョンの恋人ジンソクオッパを演じたイ・ムセンさん。記者たちの鋭い質問にも冷静に、的確に答える報道官ですが、ここでも飄々とした感じがとても魅力です。

ソン・ソックさんと一人の女性をめぐりちょっいと三角関係?

後半で、イ・ムセンさんとソン・ソックさんのバスケット対決があります。ソン・ソックさん、カナダで、プロバスケット選手になろうとしていたと何かの記事で読みました。そんなソックさんとムセンさんのバスケット対決、ドラマ制作者たちのサービス映像でしょうか?(笑)さて、どちらが勝つでしょう?

感 想

アメリカドラマのリメイクだと後から知りましたが、韓国特有の、歴史、地理的関係、国際情勢、社会問題、差別などが複雑に絡みあい、非常に面白いドラマでした。

パク・ムジン、大統領代行を演じたチ・ジニさん、誠実な大統領代行が似合ってました。

代行になった瞬間から、常に難しい選択の連続、「マシな選択」か「悪い選択」の2択しかないような局面の連続で、問題の本質を見抜き、より良い、もしくはよりマシな選択をしようともがく姿に、共感を覚えました。最後の最後まで、厳しい選択の連続でしたが。

チャ大統領秘書官や官邸の職員の心を掴み、彼らの協力を得て、60日間をサバイブしました。立派な大統領代行でした。

それにしても、大統領に与えられる権力のすざまじさ、に震えます。

これほどの巨大な権力が、変な方向に使われてしまったら、国や国民はどんなことになるでしょう?そしてそれは、韓国国内に留まらず、世界にも影響を与えます。

ドラマの中では、そういう危険性も描かれました。

チャ秘書室長をはじめ、官邸の職員たち、新聞社の記者、特別な任務で派遣される軍人たち、国家情報員のテロ分析チーム、それぞれが、職務を全うするために日夜、励んでいる姿も丁寧に描かれました。軍部の上官たち、野党党首や、ソウル市長もパク代行と絡み、複雑な政治世界の駆け引きも見ものでした。

それにしても、韓国の俳優さんの層の厚さには、いつも驚かされます。

第1話の国会議事堂の爆破という衝撃的な映像から、最終話まで、途中でやめられない面白さでした。

”ク氏”で、ソン・ソックさんにノックアウトされた方々、ソン・ソックさんの別の魅力満載ですよ(笑)。彼目当てでも、すごく楽しめるドラマだと思います。

お読みいただきありがとうございました。


Drama
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