『無人島のディーバ』1話~12話(最終回)までのあらすじと感想 *ネタバレあり

第7話 ソ・モクハ VS ウン・モレ(神回)

ウハクは、父から全てを聞いた。

俺は公務員で、村役場で働いていた。”まじめで親切”で有名だった。ある日お母さんが来た。「子供の父親に知られずに氏名を変更できるか?」と相談された。「難しいでしょ、戸籍謄本を見たらわかる。警察に通報を?」と聞いたが、「大丈夫です」とお母さんは帰った。”通報したけどダメだったんだ”と分かり、俺はお母さんを追いかけた。お母さんは「息子が二人いる、守りたい」と言ってた。

その村には、消息不明の家族がいた、息子2人の4人家族で年はお前たちと同じくらい、その名前が俺たち名前だ。その家族が姿を消して20年、今更あらわれないよ。やってはいけないことだが、その時は他に方法がなかった。お前の本当の名前はチョン・チェホ、ボゴルはチョン・ギホ


『N回目の全盛期』の本番前。

ランジュは、勝ったらモクハが出るというカンPDの話に動揺していた。「勝っても私が出る、あなたには奪わせない」とランジュが言うと、モクハは「お姉さんのステージを奪うつもりはない。無人島にいた時、モメ(カモメ)と友達になった。ある日台風で食料が底を尽き、10日ほど空腹で餓死寸前だった。その時モメが卵を産んだ、でもその卵を食べてません。お姉さんを裏切ることは絶対にしない」と力強く言った。

ランジュはモクハを信じた。控え室に、カンPDの指示で、モクハの着替えとメイクの人が来た。ランジュはモクハに「今日はあなたの舞台よ」と言った。

ウン・モレは「出ない、モクハのデビューを私がお膳立て?」とヒステリーを起こしていた。


ボゴルの後輩がモクハを呼び来た。モクハが「無人島の清掃、今もやってます?」と聞くと、彼は一瞬考え「あれ?最近やってない」と。その活動は大学でボゴルが始めて、休んだことはなかったのに。

カンPDの強い要望で、ステージの背景はだった。

モクハは驚いた、中学生の時、ギホがMVを撮っくれた時の背景の海と同じだったから。

”私も私が羨ましいよ、私は今日 遠い未来の自分を見たんだ”と中学生のモクハは海に向かって言った。ギホはそんなモクハを見て微笑んでた。


いよいよ本番。ステージには、ウン・モレとユン・ランジュが登場。ランジュは「私は、他人の歌声で舞台に立っていた、申し訳ありません」と謝罪し「皆さんに聞かせたい歌声の主は、15年前事故で無人島に流され、最近救出された人」と話した。

まずモクハが歌い、次にモレが歌い、投票が締め切られた。

番組史上、投票に参加した人数が最高で、最も僅差で勝負がついた。

ボゴムの「キュー」の声で、ステージに現れた勝者モクハがスポットライトで浮かび上がり、歌い始めた。

ボゴムがモクハの姿をじっと見つめていた。

歌唱が終わると花吹雪が降り注ぎ、会場は大歓声に包まれた。

モクハは、舞台の下で見ていたランジュに駆け寄り抱き合った。ランジュは「これからがスタート」と激励した。


ウハクとボゴムが階段の踊り場で言い争ってた。

「なぜモクハを舞台に?このままじゃ家族が壊れる。あいつに見つかるのは時間の問題」とウハクが責め、「モクハを歌手にせず、他人の名前で生き続けるのか?兄貴は今日からスタートだけど、俺は15年も続けてきた。誰かを騙すのはもうできない」とボゴムが反論した。

それをモクハが聞いていた。ビルから地上を見下ろすと、ボンワン(ギホの父)の姿が見えた。


ボゴムの両親も、TVでモクハを観た。

「モクハを屋根裏部屋に住まわせて」と二人に頼んだのは、実はボゴルだった。2人は彼がずっとモクハを捜していたのを知ってたから、彼の笑顔を見て許したが、今は後悔を。

「子供たちが喜ぶほど心配が増える」と言う母を、父は「大丈夫だ」と慰めた。


モクハはボンワンに声をかけ店で話した。ギホの行方を聞かれ、知らないと答えたが、「俺には分かる、君のそばにギホがいることが」と彼は迫ってきた。

モクハは店を出て走り、タクシーに乗ったが、どうすればいいのか、どこにけばいいのか分からず、泣いた。

家では、ランジュがモクハのために、素敵なステージ衣装とカードを用意していた。そこにボゴルとウハクが「モクハと連絡がつかない」と来た。

ランジュの携帯にモクハから、”お姉さん ごめんなさい。舞台に上がって気づいた、私には舞台はマロニエの実、飲み込んだら死ぬと思いました”とメールが来ていた。

モクハは携帯のオフにして、列車に乗って小さな田舎町に着いた。ボゴルたちも彼女を追って同じ町に来ていた。

彼女は小さな食堂に入った。客はいなかった。店のおばさんが、モクハが昨日TVに出てた無人島からの歌手だと気づいて、サインを求めてきた。

モクハは突然、「私はカモメの卵を食べたのに、食べてないとウソをつきました。友達のものを取ったんです、でもカモメは知らない。ただ一人の友達だったのに、敵になってしまった」と号泣した。

突然、ボゴムが入ってきた。驚くモクハに「検索した」と彼は言った。一躍 ”時の人モクハ”は行く先々でスマホで撮影され、SNSにアップされてた。彼らはそれを頼りに彼女を追ってきた。

「恋人かい?」とおばさんに聞かれ、ボゴムは「同級生です、中学の」と答えた。

モクハは怒って外に出た、ボゴムが追いかけた。

「突然 何ですか?カンPD」と怒るモクハに「家に帰ろう、俺がギホだよ」と彼は言った。

「違います、カン・ボゴルPDです」とモクハ。

「チュンサム中学のチョン・ギホよ」とボゴル。

「何を考えてるんだ、隠れるべき時に現れて。あんたはカン・ボゴルとして生きたいだろ」とモクハは叫んだ。

「そうだったけど1日だけ、後悔した日がある。無人島で君を見つけた日、ギホでいたかった誰よりも先に見つけたかった。生きててくれてありがとう”って言いたかった」とボゴルはモクハを抱きしめた。モクハは涙を流した。

モクハを捜して走ってきたウハクが二人に気づいた。

感 想

7話、見どころ満載の”神回”だったと思います。

まず、”違う家族になりすまして生きるしかなかった”いきさつが、お父さんから語られました。お父さんが、本当にやさしい、いい人で、お母さんと息子2人を救ったのですね。感動です。

ボゴルが「今日は絶対海で」と主張した、ステージの背景の”海”。そこに、中学時代の2人の思い出が挿入され、そのシーンの2人が輝いてました。

ボゴル(ギホ)のモクハへの深い思いが、いろいろなシーンで描かれましたね。

  • モクハを捜し出すために、大学時代から、無人島の清掃活動を続けていたこと
  • モクハを屋根裏部屋に住まわせと両親に頼んだこと
  • モクハの初めてのステージに”キュー”を出す顔
  • モクハのステージにみとれるボゴル

しかし、モクハは、ウハクとボゴルの話を聞き、自分が現れたことが、彼ら家族を危険な状況におちいらせてしまったと知りショックを受け、ボンワンに、ギホが近くにいると知られてしまい恐怖を感じました。歌手の夢が、大切な人を危険にさらすと思うと、遠くへ逃げるしかなかったのですね。

彼女は、ランジュさんにも罪悪感を感じました。”無人島のカモメの卵”は、メタファーだと思います。「カモメの卵を食べなかった。お姉さんを絶対裏切らない」と言ったけど、本当は、モメの卵を食べた、たった1人の友達だったのに。それは、ランジュさんにウソをついて、彼女のステージを自分が奪ったと言う意味だったのだと。モクハは、モメにも、ランジュさんにも罪悪感を感じ、号泣したのだと思います。

舞台袖でランジュさんは複雑だったかも。でもモクハの才能を認め、ステージ衣装のプレゼントを用意し、彼女を応援しようとしてくれている、いいシーンでした。

ボゴルたちの母の心配と、母を「大丈夫だ」と慰める父のやさしさ。

ボゴルがやっと「ギホだよ」打ち明けました!

「誰よりも先に見つけたかった、お礼を言いたかった’生きててくれてありがとう”って」と言ってモクハを抱きしめるシーン。

心に残るセリフとシーンが満載でした。

ーー続きますーー

第8話 ファン1号 VS ファン1号

少し時間が戻って

モクハの行方を追う車中で、ウハクはボゴルに「大ケガをした日の話をしてくれ」と言った。

「あの日、兄貴は俺をかばって頭にケガをした。意識はしばらく戻らなかった。そんな折、お父さんの島への転勤が決まり、俺が付いて行くことに。お母さんは俺に「春になったら内緒で来て」とお金を渡し「チェホの意識が戻ったらどこかに隠れる、名前も電話番号も全部変える。待合せ場所をポストの裏に書いておく」と言った。春は失敗、モクハとの脱出も失敗、夏にやっと島を抜け出せた。

”青い鳥チキン”で、お母さんと、お母さんを助けてくれた”天使(お父さん)”に会えた。

記憶を失った兄貴は別人のようだった、よく笑い、おしゃべりになった。

怖い父親がいない日が過ごせて、毎日が遠足のようだった。幸せすぎて、モクハにもこんな世界を見せてあげたかった。それで彼女を捜そうと思ったんだ。

二人は、SNSにアップされた写真を見て、モクハがボンワンから自分たち家族を守るために消えたと分かっていた。

ウハクが公園に来た時、ボゴルがモクハを見つけ出し、抱き合ってるのを見た。

モクハは「昨日、ボンワンおじさんに会った、あんたらが見つかるまで捜すつもり。歌手はどうでもいい、私は隠れてる」と言った。

ウハクが近寄り「モクハ、、、それはちがう。”これはあんたらの問題だ、私は自分の道を行く”と言わないと」と言ったが、彼は”モクハの夢を応援したい、でも家族が壊れる”というジレンマで、その場を離れた。

決心がつかないモクハを見て、ボゴルは「そんなに心配ならカネをくれ。32億ウォン、10年後に」と言って、『N回目の全盛期』のチラシとペンを出した。「マイケル・ジョーダンの初サインが32億で落札された。僕らを助けたいなら超有名な歌手になれ、有名になれば手出しできない」と。モクハはサインした。


2人は、モクハに”キャンプ”をプレゼントした。お父さんとお母さんも参加した。テントを張り、バーベキューをした。ウハクは、ボゴルとモクハの様子を見て「状況整理、2人はその昔思い合ってたようだが、今も変わらないのか?」と聞いた。モクハはしどろもどろになったが、ボゴルは「俺は今も変わらない」とはっきり言った。

夜は焚き火を囲んで、モクハが ”Dream us (?)” の弾き語りをした。

翌朝、母が石を積んでお祈りしていた。願掛けにいい場所らしい。モクハも1つ石を積んで祈った。


家に戻ると、ランジュの荷物がなくなっていた。モクハが何度電話してもランジュは出ない。部屋の隅に、ステージ用のドレスと破られたカードがあった。つなげると”始まりを祝して、ファン1号ランジュより”とあった。

ボゴルはモクハのサインを見ていた。”私のファン1号へ ありがとう ソ・モクハ”。


ボゴルは ”DVの実父が美容室に来て、家族写真から母親を見つけた夢”にうなされて目覚めた。

彼は美容室の家族写真を片付け始めた。父が起きて来たので夢の話をした。父も写真を片付けながら、「心配するな、父さんが守ってやる」と言った。


モクハはシュガー企画のファン代表に会った。代表もランジュの居場所を知らなかった。彼は”ランジュのアルバム、通算2000万枚まで、あと約2万枚”との言った。モクハに関心を示してる人たちの名刺をたくさん出し、自分の名刺も出した。


ボゴルはメガネと帽子で変装して、チュンサム島の“カニの醤油漬け店”に来て、おじさん(ムン・ヨング)と息子に「チョン・ギホです」と挨拶した。

ヨングはすぐにボンワンに「ギホが来た。また来るってさ」と電話した。後日、ボゴルはまた島の蟹醤油漬け店に来た。

おじさんは父の伝言を言った。”お前がここに来た理由が分かる。俺から隠れるために名前を変えてるはず。島に来る必要はない、待ってれば、近いうちにお父さんがそっちに行く😱”

ボゴルは恐怖で固まった。家に戻り”尊属殺人 量刑”をネットで検索した。


モクハはイ代表に呼ばれて、RJに来た。「アーティストとして契約したい」とオファーされたが、モクハは「私にとって一番重要なことは、通算売上2000万枚突破の件。私がアルバムを出すのは、ランジュさんがRJの株を半分受け取った後です」と言った。

ランジュがスマホを見ると、モクハへの口添え依頼ばかりだった。モクハからは「お姉さん会いたいです、声だけでも聞きたい」と切実なメールが。


ランジュは、高齢者施設に入っている母のお見舞いに来ていた。母は自分を”ユン・ランジュ”だと思い込み、娘のことは分からなかった。

ラジオ番組で、15年前のランジュとモクハの共演録音が流れた。ランジュの母がその放送を聞いていた。

モクハはウハクの番号なら出るかもと、彼の携帯を借りて、ランジュに電話した。

ランジュは母の部屋に携帯を置いたまま外出してた。ランジュの母が電話に出て、モクハの家を聞き、車椅子で一人で美容院まで来てしまった。

母が施設からいなくなり、ランジュが母に電話した。モクハはその声でランジュだと分かり、家に来ていると伝えた。

ランジュが来た。モクハは「お姉さんごめんなさい、逃げ出してしまって。今後こういうことは絶対ないです」と弁明したが、ランジュは「この世に”絶対”はない、何かあったらまた逃げるでしょ」と言い、イ代表に「私を明日で契約満了に。あんな子の面倒をみるのはもうたくさん」と電話した。


ウハクに、蜂で交通事故に会った被害者の奥さんから「ソ・モクハさんの連絡先を知りたい」と電話があった。病院に行くと、警察が奥さんにメモを渡していた。「最後の訪問は”チョンサンビル”」と聞き、ウハクはメモを見て「知人がいるビル」と言った。「なぜモクハさんを?」と聞くと、「中学時代の同級生です」と彼女は答えた。


ボンワンは”兄弟美容室”を突き止めていた。その時、誰かがノックした。ドアを開けると「お父さん、ギホです」とボゴルが中に入り、ドアを閉めた。

感 想

モクハは家に戻ったが、ランジュが怒って、家を出ていってしまっていました。モクハの「今後こういうことは絶対ないです」と言う言葉も信じられない。

ランジュを怒らせてしまったモクハ、どう挽回して、歌手になっていくのでしょうか。


ボゴルは、ボンワンに、ウソの情報を与えようと、島のカニ醤油漬けのお店に行ったが、簡単に見破られてしまった。ボンワンの伝言には震え上がりました。

彼はネットで”尊属殺人 量刑”を調べてから、自ら、ボンワンの家に出向きましたが、何が起きるのか、、心配です。


ウハクは”チョンサンビル”と聞き、ボンワンを思い出した。ここから、記者として、ボンワンがデウンのドラレコを盗み、蜂を使い、デウンに交通事故を起こさせたことを解明していってくれるのではと期待します。

第9話 慰め VS 誓い

ボンワンを訪ねたボゴルは、わざと殴られ録音した。彼は「家に近づいたら警察に通報する。15年前からの暴行の証拠が全てある」と録音を聞かせた。「幸せに暮らしてるから、父さんも自分の人生を生きて」とボゴルは言ったが「そうはいかない」とまた殴ろうとした。それを避け、ボゴルは部屋を出た。

モクハから聞いた、無人島に彼女の父の亡きがらが流れついた話を思い出した。彼女はすごく悲しかったと言った。自分の不幸な人生の鬱憤のはけ口のために、モクハを殴り続けた父を「気の毒な人、悲しい人生だった」と同情したのだ、、。

車に戻りボゴルは泣いた、、。

ボンワンは、ボゴムが触れたビールの空き缶を、自分の指紋が触れないように布で包んだ。後日、それを元警察の同僚に渡し「指紋照会をしてくれ、成りすましの情報提供だ」と言った。


ランジュはモクハに、「昔、あんたに似た人がいた。始めるのは遅い年齢だったが、実力があったらすべてを懸けた。でも辞めた、あなたのように弱かった。だから今回は私が諦める」と言い捨てた。

モクハは、ランジュの母から預かった何かの””を渡して、「さよなら」と去った。


ウハクはボゴルの顔の傷を見て「誰に殴られた?」と聞くと、モクハが「ボンワンおじさん?」と言い当てた。ボゴルは「証拠を作りに殴られに行った。ここに来たら、警察に通報すると警告した。俺がすべて責任を取る」と言った。

その会話を、父のカン・サンドゥが聞いていた。ウハクは、複雑な思いで自分の部屋に行った。

残されたボゴルは「モクハ、自信がない。また父に会ったら俺が何をするか、怖い」と涙目で言った。モクハは「心配するな、会うことは絶対ない。何も起こらないよ、大丈夫だ」と彼を抱きしめた。

ボゴルは、モクハの言葉が慰めではなく誓いだったことに後から気づいた。


ランジュは母の養老院に寄った後、パク・マネージャーの運転で、イ代表の家に行った。

パク・マネージャーこそが、ランジュが実力を見出し、イ代表に反対されても、自分が全面的にバックアップして成功させようとした歌手だった。しかし彼は諦めた。イ代表は彼にマネージャーを勧めた。ランジュは、そのことでイ代表と別れ、彼の家を出た。

そのランジュが、またイの家に戻った。

イ代表にモクハから電話があり「この前の提案はまだ有効か?」と聞いた。


翌朝、ボゴルはモクハに、1時間も並んで買った”餃子スープ”を持ってきて「一緒に食べよう。この顔、親には見せられないから」と言った。

母屋では、父のサンドゥが突然「お花を習う」と母とウハクに話した。


翌日、モクハがRJエンタメに行くと、ランジュもいた。

代表から、RJを選んだ理由を聞かれ「弱いから信じられないと言われたから。根性を見せるには、一番大変な選択をしようと思った」とランジュの前で言った。

モクハは、投資家向けライブに出演予定。歌う曲はアーカイブから選ぶように言われ、全曲聞き、この曲!と思う曲を見つけた。作曲者の”古ダヌキ”さんに”ライブで歌わせてください”とメールしたが、”イヤです。いけ好かないから”と返信がきた。

翌日、モクハはRJでパク・マネージャーに会い、言い争いになった。彼が「だからイヤなんだ、いけ好かない」と言った。驚くモクハに「そうだ、古ダヌキだ。曲は渡さない」と怒って去った。

モクハは諦めない。彼女は曲を聴きながら、タイトルを ”Until The End”に変え、歌詞も変えた。

モクハは外で一晩中 作業した。翌朝ボゴルが、外で寝ているモクハを見て、彼女が書き換えた歌詞をスマホで撮った。


ボゴルはランジュを待っていた。

「僕を覚えてますか?雪の日に会ってます」と言った。ランジュは”チョン・ギホ”と思い出し、とても驚いた。ボゴルはあの時の頼みを聞いてくれたお礼を言って「また頼みがあり来ました」と言った。


モクハは、パク・マネージャーを待ち伏せしていた。

「先輩、歌詞がダサいです」と言って、自分が書き直した歌詞を渡した。パクは「目を覚ませ、アーカイブはゴミ箱だ。君は捨て駒で、この曲も俺もゴミってことだ」と言ったが、モクハは「諦めることが勇気だったら、私は無人島でとっくの昔に死んでた。10年鳴かず飛ばずでも、少なくとも10年は好きなことをやれる」と。パクは「歌いたきゃ歌え」と許可した。


モクハがライブ曲を練習してるところに、ボゴルが来て、タブレットの編曲を聞かせた。編曲はランジュがしてくれたものだったが、彼女の希望で、それは伏せた。

🎵 Until the end そこに隠された宝物なんかなくていい 宝物は 僕が今 歩んでいる 道の上にある 🎶 

モクハが歌う自分の歌を聴きながら、パク・マネージャーは涙を流した。

ランジュは、イ代表に「モクハのアルバムは私につくらせて」と契約解除の追加条件を言った。


ウハクが「そのビルに、チョン・ボンワンがいる」と言った時、事故被害者の奥さんが「夫の友達のギホのお父さん。息子を見つける為に夫に探りを入れてた」と言った。事故の日は4月4日、ウハクがボンワンの張り込みを行っていた日だ。彼は、自分の車のドラレコの映像を復元してもらった。

ボンワンが被害者の車のドアを開け、蜂を入れる映像が映っていた。

ウハクはすぐにそれを持って警察に行ったが、「これが事実なら傷害事件だが、すぐに逮捕は無理、まず捜査してから」と言われた。


ボンワンは、元同僚から指紋照会の結果を聞いた。「あれは息子の指紋だ。別人の名前が出たろう、俺が捕まえる」と言った。

その頃、干ばつのため貯水池の水位が下り、水底から車が現れた。


ウハクは、花屋で花を買って出て来た父サンドゥと出くわした。

ボゴルは帰る途中で、モクハから「1時間並ぶギョーザ・スープ、食べたいな」とメールを受け取り、引き返して並んだが、胸騒ぎがした。家につけたカメラを見ると、モハクと母しかいない家に、ボンワンが、、すぐに家に向かった。

感 想

9話もすごく良かったです。

ボゴルがボンワンの家をでて、車の中で泣いていましたが、いろいろな思いが溢れて泣いたのだと思います。無人島に流れついた父の亡がらをみたモクハがすごく泣いたように、、暴力しか振るわない父、1日だけでも離れたかった父親でも亡くなったら、悲しい、、。

しかし、ボンワンの執着は、恐ろしいです。家族が幸せに暮らしてることが許せないのですね。


パク・マネージャーに歌手を目指した過去があったのかと驚きと共に、彼にスポットが当たったのも良かったです。彼も含めみんなが、”ゴミ”と切り捨ててるアーカイブの歌を、モクハが蘇らせました。


ウハクが、とても切ないです。


モクハの歌手への道は進んできましたが、カン一家には、危険が迫っています。ボンワンが家に来てしまったし、成り済ましている行方不明の家族が発見されたようです。どうなるのでしょうか?

第10話 正解 VS リスク (神回)

花屋から出たところをウハクに見られた父サンドゥは、「戸籍盗用の件で警察に自首して、取り調べを受けてたんだ、手遅れになる前にな」と本当のことを話した。

実は、ボゴルがボンワンに殴られケガをした後、サンドゥは、薬を持ってモクハに会いに来た。彼は「ボンワンを通報しても、しなくてもいい結果にならない。モクハならどうする?」と聞いた。彼女は「ボゴルが言ってた、”ウソをつき続けると弱みが増えていき、収拾がつかなくなる”と」と話し、サンドゥは「それが正解かもな」と言ったのだった。

その頃、母とモクハだけがいる兄弟美容院に、ボンワンが入って来ていた。モクハはボゴルを家に帰さないために、1時間並ぶ餃子を頼んだ。

「警察をよぶ」と言っても出て行かず、ボンワンは「警察はお前たちの身元を調べる」脅した。モクハは警察に電話した。

「お前らを告発してやる」とボンワンがまた脅した時、サンドゥとウハクが帰って来た。「告発しても無意味です、自首したので」とサンドゥが言った。

逆上したボンワンがサンドゥを殴ろうとした。モクハが止めようとして、殴られそうになり、ウハクがかばった。ボンワンはウハクを殴ろうとしたが、反対にウハクに倒された。ウハクが、ボンワンを殴ろうとしたのを、モクハたちが必死で止めた。

ボゴルが戻った時、家にはモクハしかいなかった。ボンワンはパトカーで警察に連れて行かれ、両親は肩にケガをしたウクハを病院に連れて行っていた。

モクハは「みんな無事だった、もう終わったんだ」と言って倒れた。ボゴルはモクハを屋根裏部屋に運び、寝かせた。モクハが「あの人は最低だ、あの人の記憶は全部消してしまうんだ」と言った。


”貯水池から引き上げられた車の中から、4人の白骨死体が発見され、身元が判明した。カンジュン区のある家族が、15年間、この一家の戸籍を盗用していた” と大きくニュースで取り上げられた。

カン一家の情報もニュースで放映され、美容院は休業、ボゴルとウハクの職場にも波紋が広がった。


ボンワンは、取り調べの捜査官が、指紋照会を頼んだ元後輩だったので横柄な態度を取った。捜査官に「戸籍盗用、そちらを先に調べろ」と指図し、自分の犯行に全く反省の色はなく「自分の家族に会いにいくのが違法か?」と激高した。捜査官から「反抗したら令状をとりますよ」と警告された。


ボゴルとウハクに、捜査課から出頭通知が来た。ボゴルは「正直に話せばいい、記憶喪失で何も覚えていない。俺は”全部知ってた”と答える」と言った。

その時、ボゴルにランジュから電話があり「モクハが姿を消したことがあったが、カンPDのため?」と聞かれ「はい」と答えた。彼はランジュからある場所に来るように言われた。

ランジュからモクハに連絡があり、モクハは指定された場所に行った。

そこは”水仙”という店だった。

ランジュはモクハに「この店を見せたかった」と言った。ボゴルも店に着いたが、2人が話してるのを見て、入り口に隠れた。

「ファン代表にスカウトされて、母と代表に連れてこられた店。ママがよく当たる占い師だった。成功した歌手のサインが壁に貼ってあり、”全員これを買った子”とママが青いキーホルダーを出し”いくらで買う?他の子より高く買うならあげる”と言った。私がママの耳元で金額を言うと、”あらすごい子ね、人生を賭ける価値がある。還暦まで現役よ”とくれた」と話した。

モクハが「いくらと言ったんですか?」と聞くと「私の有り金全部、将来稼ぐお金も。本心だった、切実だった。だから聞かせて、どれくらい本気で歌手になりたいのか。それを聞いて、アルバム制作するか決める」とランジュは言った。

モクハは「ぜひやりたいです。途中で諦めたりしません」と言った。ランジュは「じゃあ、カンPDの家族と距離を置ける?ニュースを見た、カンPDから話も聞いた。誰よりも残念、でも世間の評価は違う。私は株もプライドも捨ててあなたに懸けようとしてる、でも当の本人が確信を持てないなら、無理よ。明日までにどうするか決めて」と言って立った。

ドアの入口に立ってるボゴルに、何も言わずに、占い師からもらった青いキーホルダーを渡した。

ボゴルは日用品を買った。中学生の時、モクハの島からの脱出とソウルでの生活のために情報を集めて、必需品を用意したように。そして新築のワンルームマンションに来て、食器やタオルやPCの準備をした。

モクハは決心して、荷物を詰め始めた。島を出る時ギホがくれて、ボロボロになった靴は置いて。だれにも挨拶もせず家をでた。途中で雨が降り出した。彼女はやはり靴を取りに屋根裏部屋に戻った。

その時ボゴルが来た。「出ていく?」と聞かれ、「うん」と答えた。彼は傘をモクハに渡して、荷物を車に詰めて、マンションに彼女を連れて来た。「元々、君のために契約した部屋だ」と。

「こんなことされたら、私はとんでもない恩知らずになる。あんたとの関係を切って100%歌手になろうとしてる」

「望むところだ、うちとの縁は切って、死力を尽くして歌手になれ。だけど99%にしとけ。1%は取っておいて、もしダメだったら、屋根裏部屋に帰って来て」とボゴルは言って、ランジュから受け取った、キーホルダーをモクハの手に渡した。

モクハは、ボゴルがランジュとの話を聞いていたと分かり、涙を流した。

モクハはランジュに電話した。ランジュは、RJとの契約解除の書面にサインした。


翌朝、朝食の時、ボゴルは「モクハは歌手になるために寮に入った」と家族に話した。

「勝手に人との縁を切るな」とウハクは怒ったが、父は「よくやった、こんな時は関係を絶った方がいい」と言った。

ウハクは、屋根裏部屋に行ったが、モクハの荷物は全て無くなっていた。1つだけ、彼が初日に、ろうそくをつけるためにあげたライターだけが残っていた。

父が入って来た。「俺がギホだと思ったから、好きになった。真実を知ってたら違ったのに。もっと早く話してよ、俺1人だまされるなんて。どうにか抑えようとしても、心が言うことを聞かない」と言って泣いた。父はウハクを抱きしめた、「ごめん、悪かった」と。


ランジュは、イ代表にサインした契約書を渡した。

ランジュが「当分、徹夜が続きそう」と言うと「株よりモクハのアルバムですか」とイは聞いた。「始まりは彼女だから、あなたと私、そしてRJエンタメの。あの決定は人生最高にスイートだった。お金や未来を考えず出した決断だから。最後に後悔したくない。モクハと私たちの結末もスイートだといいな」ランジュは言った。


モクハは、スタジオでレコーディングを行った。モクハのアルバム制作に、ランジュは情熱を傾けた。「必ず最高のものにする」とモクハにハッパをかけた。

しかし、”ユン・ランジュの狙いはRJの株?”という記事が出た。

代表の家で、緊急会議。ランジュは「あなたのリスクを避けるために、私を切り捨てて」とモクハに言ったが「私は歌手は諦めません。お姉さんも私のために身を引かないで。還暦まで歌手でしょ?必ず最高の物を作り上げましょう」と言って、キーホルダーをランジュの手に戻した。


カン一家は「検察の対質尋問」に応じることにした。その頃、事故で意識不明だったデウンの意識が戻っていた。

感 想

10話がまた、本当に神回でした。

このドラマで、父サンドゥさんが一番好きかもです。

ボンワンから家族を守るために、今すべきことは”戸籍盗用の件で自首すること”と一人で決めて実行しましたが、これはなかなかできることではありません。美容室を休業したり、息子たちが仕事を失うかもしれないリスクも十分考慮したでしょうが、それが最善だと思ったのですね、そしてそれは本当に正解でした。


ランジュが、モクハを”水仙”に呼んで、自分が歌手になった時の覚悟を話し、モクハに覚悟を確認する場面もすごく良かったです。ランジュさんの本気度が現れていました。

彼女が、徹夜続きで、モクハのアルバム作りに熱中している姿を見て、イ代表も思うことがあるように見えます。


ボゴルが、モクハのために、部屋を用意していたこと、彼が日常品を買い揃える映像を見てるだけで、涙腺崩壊。

モクハを部屋に連れて来て「99%にしておけ、1%は残しておいて、ダメだったら屋根裏部屋に帰って来たらいい」と言ってあげる場面も、

モクハが家を出たと知ったウハクが、父サンドゥに、モクハが好きだったことを打ち明けて泣くシーンも、

涙腺崩壊でした。

ウハクが父の前で泣けて良かったです。こんないいお父さんいます?最高です。

来週、みんなにとって、スイートな結末が迎えられそうですね。

第11話 お人好し VS したたか

ランジュとモクハの記者会見当日、問題の記事を書いたソンジン日報のポン記者も来ていた。

会見が始まった。

まずランジュが「RJの株に関する報道はほぼ事実で、売上2000万枚達成したら株の半分を受け取ると契約していた。”N回目の全盛期”に出演し、口パクを行ったことも事実。株のことより切実な理由があり舞台に立ったが、過程に問題があったことは反省している」と謝罪した。

次にモクハが「”株を受け取れ”とたき付けたのは私。ファンとしてランジュさんに復活してほしかった。それがランジュさんを困らせる事態になった。皆さんに謝罪します」と謝った。

質疑応答。

「株は?」の質問に「諦めた。今やRJにリスクはない」とランジュが答えた。

モクハへの質問、「なぜユンさんに”株を得ろ”とたき付けたのか?」。

「ランジュさんが人気絶頂だった2007年に無人島に漂着した。15年後に救助され、ランジュさんは変わらないのに、世の中が分かっておらず悔しかった」と答えた。

「ユンさんが株を得れば悔しさが晴れると?」とポン記者が質問。

「いいえ、それでも足りない。ランジュさんにはずっと現役で、新曲が出るたびに1位になる歌手でいてほしい。”ユン・ランジュはRJのリスクではない、レジェンドだ”と言う記事が出てほしいです」とモクハは答えた。

記者会見後、ネットはランジュへの批判で溢れた。

ランジュは代表から「投資家は、あなたがいなければRJに投資するそうだ」と言われ、荷物をまとめて彼の家を出た。


ランジュは、母が入居している療養院から、母の容態が悪化したと連絡を受け、モクハとそちらに行った。

「なぜ母はいつまでも自分のことを”ユン・ランジュ”と思っているのか?」とランジュが嘆いた。モクハは、「お母さんは若い頃、”水仙”で弾き語りをしていた。その時の芸名が”ユン・ランジュ”だった」と彼女が屋根裏部屋に来た時の話してくれたことを言った。

ランジュが母に「名前は?」と聞くと、「ユン・ランジュよ、私の芸名、歌手になるために作った」と言った。「なぜならなかったの?」と聞くランジュに「すてきな贈り物をもらったから」と娘の頬を撫でた。

だから母は、ファン代表と一緒に娘を“水仙”に連れてきて、占いがよく当たるママが、娘のことを「人生を懸けてもいい、還暦まで現役よ」と太鼓判を押してくれたのを心から喜んだのだ。

それから母は、ずっと娘のユン・ランジュを見守り応援し一番のファンだった。

ランジュは「小さい頃歌ってくれた歌はお母さんの歌だったの?歌詞が思い出せないの」と母の手を取って泣いた。


ウハクとモクハは屋根裏部屋で、ろうそくをつけて話してた、家族に見つからないように。

検察の取り調べは月曜の午後2時」とウハクが言った。

「何の罪で取り調べ?」と聞くモクハに、

「父の公文書偽造は時効を過ぎてるけど、本人確認書類を使うたびに罪を犯してる。問われる罪は多い。酌量がなければ懲役。家も店も貯めてきたお金もなくなる。会社には退職届を出した」とウハクは言った。

その時、ギホが入ってきてモクハに「送ってやるよ」と言った。車の中でギホは無言だった。

家に到着した時、「実刑になる確率は高い、関わるのはお互い不利益」とギホが言った。

モクハは「私も変わらない、今も」と言った。キャンプをした時にウハクから「2人は昔思い合ってたんだよな、今も変わらないのか?」と聞かれた、その答えだった。

どんな判決が出てもあんたを諦めない。15年前も私があんたを養うと言った。しっかり踏ん張っておく。だから正直に話しておいで」と彼を励ました。ギホは笑顔を見せた。


部屋に戻ったモクハは、ノートを出して ”最後の日のように”と歌を書き始めた。


検察での取り調べの日。

母が父のネクタイを直しながら「あなた、あの日私を追いかけてきたこと後悔してない?」と聞くと、「してない」と父は即答した。

4人は検察に行った。

まず、が部屋に入り、そこにチョン・ボンワンが入ってきた。

担当はイ検事、全員の名前が確認された。ボンワンに「元夫のチョンさん」と検事が言うと「元ではない、離婚していない」と彼は反発した。

「戸籍盗用を提案したのは?」の質問に、父が「私です。違法だと知っていた」と答えた。

「ご家族は?」の質問に「長男のチェホは頭のケガで記憶を失い、知らない」と母が答え、父が「ギホも知りません」と言ったが、ボンワンに「ウソだ、全員知っていた。年齢が変わっている」と反論された。検事に再度聞かれ、母は「ギホは知っていた」と答えた。

検事が「イさんは自首しましたね、なのに告発した理由は?」とボンワンに聞いた。

「被害者だから、私は家族を盗まれた」と彼は答えた。

「それでストーカーを?」と検事、

「家族を捜しただけなのにストーカーとはひどい言い方ですね」とボンワン、

「家庭内暴力で家族に逃げられたと記録が」と検事、

「15年前です、当時は未熟でした。15年間後悔し反省もしました。それを見せる機会がない」とボンワン、

「それで美容院に行って暴れ、警察も出動を」と検事、

「誤解です、彼が家族を盗んだと思った、それで抗議したんです。暴力を振るったのはチェホです。首を絞められた」とボンワン。これには母も父も驚いた、、、

「暴行ではありません、私が襲われたので胸ぐらをつかんだだけ、、そうだ、正当防衛」と言う父。

「チョンさんは息子を暴行で訴えると?」と検事が聞くと「はい」と、

「家族を取り戻すために告発を?」の質問にも「はい」とボンワン、

「後悔と反省を見せたいということですが、今がそのチャンスなのに、見せないんですね。厳しい処罰を望んでいるように見えます。一方は息子を守るためにウソをつき、一方は息子を罰するためにウソをつく。どちらが父親なんでしょう」と検事は静かに言った。

父と母が部屋から出てきて、ウハクとボゴルが呼ばれ中に入った。

ボンワンは「私は命を子供たちに渡すつもり、死んだら1億ウォンの保険金がおりる」と言った。

「保険の担当はハン・デウンさんですね。彼はチョンさんに会った直後事故に遭いました。4ヶ月意識不明です」と検事が言うと、ギホが驚いた。

「息子の友人として担当してくれた、なぜ私が彼に危害を加えるんですか?」とボンワンが焦った。

「そんな話はしていない」と検事は冷静に言った。

「私に会った後で事故だと言ったから、本人に確認を」とボンワン、

ウハクが「今、確認しましょう。あの事故は僕が取材した、意識が戻ったと奥様から連絡が。奥様に口止めされてた」と言った。

「今やってるのは、戸籍盗用に関する取り調べ、あの事故は関係ないはず」とボンワンが検事を睨んだ。

「ないかどうかは後で判断します」と検事は言った。

ハン・デウンと電話がつながった。

検事が「事故の直前、チョンさんに会った?」と聞くと

「はい、会いました。おじさんは ”父から逃げたら親不孝者で、警察から逃げたら犯罪者だ。どちらも捕まえる”と言った。おじさんに、もう捜すのはやめてくださいと言いました」とデウン。

「その直後、事故に遭われたそうですが」と聞く検事、

「運転中に蜂の大群が出てきて、襲いかかってきた。停車したけど蜂に刺されたからか、口の中が腫れて目が見えなくなりました」というデウン、奥さんが「夫の車に蜂を入れたのはボンワンおじさんでした」と言った。

「どうです、因果関係がありそうですが」と検事がボンワンに言った。

検事はギホに「戸籍盗用のことは知っていましたか?」と聞いた。ギホは「はい」と。

「改名とか他の方法もあったでしょう」と聞く検事に

「改名したら書類でバレる。改名後に書類の交付制限をする方法は当時なかった。その措置が取れれば父は盗用してないはず。父は僕たちを守るために仕方なくやったんです」とギホは答えた。

取り調べが終わり、外にでると大雨だった。そこにモクハが、傘を4本持って現れた。

5人が傘をさして外にでると、ボンワンが一人雨に濡れていた。母が何も言わず、彼に傘をさしかけた。父が母を自分の傘に入れた。


モクハは、ランジュのために歌を作った「最後の日のように」。

モクハのために確保していたスタジオは、急遽、ランジュの歌のMVの撮影に使われた。

メイクと衣装を着て、ギターを持ったランジュが現れ、歌った。

そこに、パク・マネージャーに車椅子を押されたランジュの母が現れ、モクハに「これよ、この歌詞よ」と言った。母は娘の歌う姿を心に刻んだ。

ランジュは、モクハに「声を失った時、”私は歌を愛してるのに、歌は私を愛してない”と思った。でも今日の母の顔を見たら、やっぱり歌は捨てられない。これからも片思いをつづけてみるわ」と言った。

パク・マネージャーは、ランジュの新曲のMVをソンジン日報のポン記者にも送った。

ランジュの新曲は、各チャートで10位以内に入り、ネットは好意的な記事で溢れた。ランジュは母の病室で ”「最後の日のように」チャート上昇、ユン・ランジュはリスクからレジェンドへ”。”ユン・ランジュの新曲、評論家は、他の歌手には歌えない唯一無二の曲だと絶賛した”、などの記事を読んで母に聞かせた。

母は幸せそうな笑みを浮かべて亡くなった。

母の遺品を整理していると、鍵のかかった引き出しがあった。開けると、中に英語で書かれた輸出インボイスが。10年ぐらい前に、ランジュが挿入歌を歌ったドラマが日本でヒットし、日本でアルバムを出した売り上げだった。14万枚もあった、つまり、2000万枚はとっくに達成していたのに、イ代表が株のために処分した書類だった。


カン一家に検察からの書留が届いた。ギホから連絡を受けたモクハは走ってきた。

決定は ”略式命令請求(検察が裁判の代わりに略式命令を求めること):嫌疑なし”だった!

モクハは、お父さん、お母さん、ウハクと満面の笑顔で抱き合った。

そして、2階のベランダにいるギホに向かって走り、抱き合って、キスを交わした。


ギホの家で、お祝いの会が開かれることになり、ヨンジュと松葉杖をついたデウンも来た。雨が降ってきた。

お父さんはケーキを買ってメッセージもつけてもらった。ウハクが傘を持って迎えに来た。その様子を、同じ青い傘を持ったボンワン外から見ていた。

お父さんとウハクの青い傘と、別の青い傘がすれ違った。お父さんがケーキを落として倒れた、ウハクが抱き上げると血が、、「救急車を読んでください、父さん、父さん」とウハクは泣きながら叫んだ。

ケーキには”いつも愛しています”とメッセージが。

感 想

最後の場面、お父さんがボンワンに刺され、、、やめてください、と心の中で叫びました😭。


11話も見どころ満載でした。

ランジュとお母さんの物語も、心温まるお話でした。

新曲”最後の日のように”モクハ作詞ですが、作曲は、パク・ヨングァンなのでしょうか?ランジュが才能を見出した、パク・ヨングァンとモクハで作った新曲で、ランジュが、”リスクからレジェンドになった”のなら、とても素敵なお話だなと思いました。

イ代表は、日本でのアルバムの売り上げを隠してた、それをランジュのお母さんが知ってたんですね。イ代表が理解不能、彼が向いてるのは投資家だけで、歌手への尊重も音楽への愛も全然感じられないから。


もう一つの見どころは、”検事の対質尋問”でした。

家を出る前に、お母さんが「「”過去に戻れたらあんなことしない”、そう証言しないと」とお父さんに言うと、「あの日に戻ったら、もっと早く追いかける」と答えたのに、またまた目頭が熱くなりました、、本当に最高の人ですよね。

イ検事が、淡々と質問しながら、ボンワンの執着心、暴力性を暴いていく過程にすごく見応えがありました。

そして、カン一家に”嫌疑なし”の判決がくだって、本当に良かったです、、

が、ボンワンのような人って、結局、判決がくだっても従わないのですね。蜂の事件の犯人なのになぜ捕まらないのでしょうか?

明日、最終回ですが、お父さん、絶対生きててくださいと祈ります🙏

第12話 偶然 VS 必然 (最終回)

家でお父さんたちの帰りを待っているギホに、ウハクから泣きながら電話があった。ボンワンに刺されたお父さんは、病院に運ばれ緊急手術を受けた。

ボンワンは、血のついたナイフを持って帰り、遺書を書いた。

俺とヤツが同時に死ねば、ジェギョンは絶対に俺と離婚できないし、ギホとチェホも、俺の名字を名乗り生きることになる。俺は夫として2人の息子の父親として記録が残る”

警察がボンワンの家についた時には、彼は自殺していた。

ギホが警察に保管されているボンワンの遺体と対面し確認した。遺書を読みクシャクシャにして泣いた。


お父さんの手術は成功したが、意識不明だった。ギホ、モクハ、ウハクが一人ずつ、病室に入り、お父さんに必死で話かけた。

最後にお母さんがお父さんに話しかけた。

15年前、お母さんはお父さんに結婚写真を撮ってほしいとお願いした。記憶がないチェホが信じるために。お父さんは「私は天涯孤独おかげで家族ができてむしろありがたい」と。お母さんは「”強く願えばいつか かなう”。あの人と別れることがこんな方法でかなうなんて。ずっとそばにいてください、今はそれが願いです」と言ったのだ。

お母さんは意識不明のお父さんに「生きて、何としても。私はあなたの妻として生きたいの、それが願いだから」と必死で話しかけた、、お父さんの指が動き、、目が開いた。


お父さんは回復し、役所に ”婚姻届イ・ウクヤン・ジェギョン”を提出した。息子2人は養子となり、それぞれ”イ・チェホ”、”イ・ギホ”になった。

お父さんは、大切な家族の写真を選んで額に入れ壁に飾った。

“今までと変わらず、家族と輝かしい瞬間を生きていきます。チョン・ボンワンさん、あなたの冥福をお祈りします”と父は心の中で言った。


モクハは、ギホたち4人を食べさせるために物流センターでバイトを始めていた。

YNG報道局の部長は、ウハクの退職願を保留して待ってくれていた。”イ・チェホ”の社員証まで用意されていて、彼はすぐに職場復帰した。

ギホも”イPD”としてYNG芸能局に復帰し、同僚、後輩たちが喜んだ。

お母さんとお父さんは、本名で美容師免許を取り直すために勉強に励んでいた。

ギホとチェホが一緒に家に帰った時、チェホが「お父さん、愛してる」、「お母さん、愛してる」と二人にハグし、3人は驚いた。

ギホが兄に聞くと「父さんが危篤の時に、気持ちは必ず伝えるべきだと悟ったんだ」と言った。


イ代表は、2つの曲、”Into the light(モクハ用)” と “私たちは1つ(ウン・モレ用)”の曲の交換を提案してきた。

”Into the light”は、ランジュがモクハのために監修した曲で、ランジュはイ代表に抗議に行った。

彼女は、母の遺品から見つけたインボイスを出し、あなたを信じられないと言った。代表は「これを破ったのはお母さん、あなたが代表ではなく、歌手でいるのを望んでたから。曲の交換は代表としての判断。もしあの曲でソ・モクハが1位になれなければ、代表の座も持ち株も手放す。モクハが曲の交換を拒否しても、手放す」と言った。

モクハは会社に残っていた。ウン・モレが曲を交換されたことに憤慨してイ代表に会いに来た。

2人とも、代表から「”華やかな曲だから、ウン・モレに合う” と言われた」「”壮大な曲だからあなたに合う”と言われた」と怒っていた。

2人は、交換しろと言われた曲を、それぞれに送って聴いてみた。

モクハはその曲が気に入った。帰ってきたランジュに「圧倒的に好きです。曲を替えても?」と聞いた。


チェホはモクハと食事をして、ギホがモクハを救出した直後に、彼女のために部屋を用意していたことを知り、ショックを受けていた。

彼はギホに「モクハを発見したのは偶然と言っていたが、今でもそう思うか?」と聞いた。

「いいや、偶然じゃない。毎週ソウル駅に行き、海軍へ入隊して、10年以上島の清掃活動をした、モクハを捜すために。兄貴は俺についてきてモクハを見つけた。偶然じゃない、必然だ」とギホは言った。


”兄弟美容室”が再オープンした。お祝いの花が店の前に飾られ、常連客が花やお祝いを持って駆けつけ、店ではお餅が配られた。

モクハは、美容室の2階のべランダで夜景を見ながら、歌詞を書いていた。

交換した曲のタイトルを”Fly away”に変えて。

ギホが来て「モクハ、俺が無人島で君を見つけたのは、偶然だと思う?」と聞いた。モクハは「ううん。私を捜すために手を尽くしたって知ってる」と彼女は言い、行方不明になってから、ギホが自分のためにしてくれた全てのことを話し「偶然なわけない、必然だ」と言った。


モクハは、”Fly away” で新人歌手としてデビューした。

ウン・モレが歌った”Into the light”は、ヒットチャート1位になっていた。モクハの”Fly away“は77位

パク・マネージャーが、イ代表の部屋に来て「ボーナスを下さる話、覚えていますか?ソ・モクハの担当に、次の10年は楽しく働きたくて」とお願いした。

ランジュは、モレが10日連続で1位を見て、曲を交換しなければよかったとモクハに嘆いたが、モクハは「私も順位を上げてる、今日は31位。いつか1位になるかも」と気にもしていない。そして「今日はイベントの仕事です」と嬉しそうに言った。

蔓人参祭りの収穫祭”に参加することになったのだ。モクハがランジュに初めて会ったイベント。

パク・マネージャーが運転してたので、ランジュが「今日は臨時?」と聞くと、「いいえ、今日付けでここの担当に」と言ったら、ランジュが「何かやらかした?」と心配した(ハハハ)。

ランジュは、モクハには内緒で、パク・マネージャーに空色の風船を買ってきてもらって、車で膨らませた。ギホとチェホが応援にきて、風船を見に来た人たち一人一人に配った。

イ代表が、株式を譲渡するため法務と調整しているところに、ランジュから電話があった。彼女は「ひとまず保留に。あなたが言う通りモクハが1位になるかも、なるわ、待ってて」と言った。

モクハが舞台に上がると、会場いっぱいに空色の風船が振られ、「ソ・モクハ!ソ・モクハ!」の声援が起きた。

🎶Fly away, Fly away 🎶 モクハはその後、大きなドームでコンサートを行って、大声援を受けた。

その年、モクハは数々の賞を総なめにした。

イ一家の家族写真の壁には、モクハ、ランジュとパク・マネージャーの写真も飾られた。

モクハはギホ、チェホ、お母さん、お父さんと食卓を囲んだ。

ーー完ーー

最後まで見た感想

”無人島のディーバ”、ハッピーエンドで良かったです👏👏👏

みんなの思いが通じて、お父さんは助かりました。

ギホたちを苦しめ続けたボンワンは自殺しました。この結末にするために、11話でお父さんが彼に刺される必要があったのかなと思いました。お父さんに ”ボンワンさんの冥福をお祈りします” と心で言わせる脚本に唸りました。

お父さんとチェホ(ウハク)がとても好きでした。2人ともほんとに、ほんとに優しいです。

お母さんを演じられたソ・ジョンヨンさん、この女優さんが大好きです。

イ代表、音楽や歌手(アーティスト)に興味ないのかと思ってたら、最終回の”曲の交換”で、代表としての資質を証明してくれましたね、嬉しかったです。

ランジュさんも、モクハと接することで、歌手としても、またディレクターとしても、まだまだ実力があることを証明してくれました。(ところで、還暦を過ぎてもまだまだ現役のアーティスト、実際にいますよね、ユーミンとか、中島みゆきさんとか❤️)

パク・マネージャーがランジュさんとモクハのチームに入ってくれたのも嬉しかったです。


そしてやはり、主人公のモクハとギホの2人、第1話からこの2人が本当に魅力的でした!

モクハを見守り応援しづづけたギホ、多くを語らず、モクハを見つけるために全ての手を尽くし、見つかった後も、いつもモクハに寄り添い続けたギホ、本当に素敵な人でした。

そしてモクハ、無人島で15年間もの年月を生き抜きました。救出されてからは、ギホを捜し出す事と、ランジュさんを諦めなかった。自分が歌手になることより、ランジュを再び甦らすことを優先させ、そして自分の歌手への夢も叶えていきました。

彼女が救出されたことで、ギホ一家はボンワンに居場所を知られることになりましたが、”ウソをつき続ける”ことをやめたお父さんの決断が、結果的に家族を守り、隠れて生きる必要はなくなりました。

彼女の存在が、周りの人たちをいい方向に変えていきました。イ代表、パク・マネージャー、そしてウン・モレさえも。毎週、パク・ウンビンさんの透明な歌声に癒されました。

モクハは夢が叶って、すごく売れる歌手になったようですが、ギホたち家族の一員になれたことが(結婚するとか関係なく)、一番の幸せかなと思いました。

心温まるドラマに感謝します。

最後までお読みいただきありがとうございました。


Drama
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