2024年11月29日配信のNetflix オリジナル 韓国ドラマ『トランク』、全8話一挙配信。
まず1話視聴した感想は、”難しいなぁ”でした、 セリフが少なくて、時間軸が一定でなくて、映像が美しくて、文学的で、映画のようだと思いました。あまり深く理解しないまま視聴し続け、少しずつ理解出来てきて、最終回の最後の場面で、涙が静かに流れました。温かなものが胸に込み上げてきました。ドラマを見た後、こんな思いになったのは始めたかも。だから再視聴しながらあらすじを書いてみたいと思いました。
*ネタバレあり
『トランク』登場人物()はキャスト
〔主な登場人物〕
ハン・ジョンウォン(コン・ユ):音楽プロデューサー、過去の深い傷をかかえている。前妻イ・ソヨンと1年後に復縁するために、彼女の提案した期限付き結婚を受け入れたが。
ノ・インジ(ソ・ヒョンジン):結婚マッチング会社WLの秘密子会社NMの次長、期限付き結婚をする業務で、4回目の結婚を終え、5回目の相手としてハン・ジョンウォンと結婚する。
イ・ソヨン(チョン・ユンナ):ジョンウォンの前妻
ユン・ジオ(チョ・イゴン):イ・ソヨンの現在の夫
オ・ヒョンチョル(ホン・ウジン):レーベル社 社長だ。ジョンウォンの長年の友人。カン・ユナと結婚し、男の子が2人いる。
カン・ユナ(チュ・ミンギョン):オ・ヒョンチョルの妻。
チョン・シジョン(チョン・ヘジン):ノ・インジの友人
オム・テソン(キム・ドンウォン):ノ・インジのストーカー
ソ・ドハ(イ・ギウ):5年前、ノ・インジの婚約者だったが、あることがきっかけで失踪した。
〔その他の登場人物〕
ペク・ユシム(キム・ホジョン):マウムジェの院長
イ・ソン(オム・ジウォン):結婚マッチング会社W&Lの副代表で、秘密子会社NMの代表。インジの上司。
コ・イニョン(チュ・ユンジ):NMの代理
クォン・ドダム(イ・ジョンウン):ソ・ドハが失踪したアパートの隣の部屋の住人
キム・ヒョンチュ(チェ・ヨンジュン):刑事、湖で起きた殺人事件を追っている
第1話 あらすじ
湖に赤い大きなトランクが浮かび上がった。
〔5ヶ月前〕
ノ・インジの夫が病院で亡くなった。彼女はその10分前に離婚していた。洗面所で手を洗い、そこに結婚指輪を置いて出た。彼女は湖でカヤックを漕いだ。
後日、常務終了報告(4回目の期限付き結婚終了)のためにM&Lに出社、イ・ソン代表と会った。インジが休暇を取らないと言うと、すぐに5回目の相手を紹介された。
”ハン・ジョンウォン”、レーベル社の音楽プロジューサー。
ジョンウォンは会社を後輩のオ・ヒョンチョルに譲り、彼の下で働くことにした、と言ってもほとんどの株は彼が持っているが。元妻のイ・ソヨンと別れたばかりで、大きな家で一人で住み、夜は薬を飲まないと眠れない。
彼は元妻のソヨン(携帯の名前は”妻”のまま)に電話し、リンビングの照明を交換してくれと言った。芸術品で父の宝物だが。
ソヨンはインテリア関係の会社を経営している。ジョンウォンと離婚し、若い年下の男と結婚したばかりだ。
ノ・インジは大きなトランクを1つ持って、ジョンウォンの家に来た。彼は出かけていた。
ジョンウォンは元妻のソヨンと夕食の約束をしていた。彼は彼女にイヤリングをプレゼントした。
彼はソヨンと別れたくなかった。しかし彼女と離婚し、1年の期限付き結婚契約書にサインしたのは、そうしないとソヨンが”会わない”と言ったからだった。
ジョンウォンはソヨンに、「お前がいないと俺は壊れてしまう」とすがったが、彼女は「結婚を受け入れないなら、私たちは終わりよ」と宣言した。
夫が迎えにきて、ソヨンは食事もせずレストランを出た。ジョンウォンは彼女を車で追った。彼女の車の中にプレゼントのケースが置いてあるのをみて、逆上して車の窓を叩き壊した。
ジョンウォンは警察に捕まり、インジが迎えに来て、「ハン・ジョンウォンの妻です」と警官に言った。ジョンウォンは初めて、契約結婚の相手の顔を見た。
インジはジョンウォンの別の車に乗って来ていたので、タクシーで帰るという彼を乗せて帰った。
「結婚が仕事だと?楽しいですか?」と彼は聞いた。インジは左手の薬指に、ジョンウォンが買って家に置いていた”結婚指輪”をはめていた。
ジョンウォンはW&Lのイ・ソンに事前に会い、契約結婚の相手はソヨンの推薦だと聞いていた。
家に戻ると、インジが用意したお粥がテーブルに置いてあった。
ジョンウォンは、インジを”妻”と呼ぶことにも、この生活にも違和感があったが、インジは「手引きを読んでください」とクールに言い、2階の部屋に行った。
ジョンウォンはいつもの通り眠れず、睡眠薬を飲んだ。そして悪夢にうなされた。晩年、精神状態がおかしくなった母が、包丁で父を刺そうとしたのを自分が止めた夢だった。
翌朝、朝食に焼き魚が用意されていたが、彼は食べずに仕事に出かけた。
インジは”ある部屋”に行った。水槽に金魚が2匹泳いでいた。隣の部屋のドダムがチャイムを鳴らした。インジは彼女を部屋に入れた。ドダムは「この家の主人は戻ったかい?」と聞いたが、インジは答えず「金魚の世話だけお願いします」と言った。
インジは、シジュンから、「あいつ、オム・テソンが出てきた」と電話を受けた。
ジョンウォンは、エレベーターの中でパニックに起こしそうになったが耐えてソヨンのオフィスに来た。彼女は、彼がプレゼントしたイヤリングをしてた、ケースだけ車に置いてたのだ。
ジョンウォンは帰りのエレベーターの中でパニックを起こしそうになったが、ソヨンを抱き締め、キスをしようとして拒否された。「もう一度やり直そう」と彼女にすがった。彼女は「ジョンウォン、私はあなたに死んで欲しい」と言ってエレベーターを降りた。
ジョンウォンは呆然として車を運転して家にもどった。
インジがさばいた魚料理が用意されていた。
「つまり、これは高価な家政婦サービスってこと?セックス付きの?」と彼が聞くと、「セックスをご希望?」とインジが抑揚のない声で言った。ジョンウォンは黙った。
立って彼女のそばに来て、彼女に触れそうになったが、触れず、その場から離れた。
彼は明け方、何かの音で目覚めた。部屋を出ると、インジがビールを飲みながらテレビでサッカーを見ていた。
彼は「俺は不眠症で薬を手放せないんだ」とイライラして怒ったが、彼女は「知ってます。一緒に見ませんか?」と平然と言って、ビールを取りに1階に降りた。彼はシャンデリアに目を背けながら階段を降りていたが、彼女が投げたビールを俊敏にキャッチした。
ジョンウォンは「別居を、会社には黙ってる」と言った。インジは「私は誘惑しないから、あなたは気楽に、ありのままに」と言った。
彼は怒りで、ビールを照明に向けて投げた。大きな音がして、ガラスの一部が床に落ちた。ジョンウォンがそれを拾っている時、またガラスが落ちてきた。インジが彼をかばった。彼女の左腕から血が流れていた。
感 想
最初の方で、インジが指輪を洗面所に置いて出た後、映像が切り変わり、上空から湖に浮かぶ赤いカヤックが映し出されます。この時の音楽と、湖の深い青と赤いカヤックの映像がほんと美しいです。
ジョンウォンの家は見たことがないような家。階段とホールの上につけられた大きな照明、これがドラマの重要な舞台です。
ジョンウォンとインジの食事の場面、「セックスをご希望?」とインジが言った後、ジョンウォンは黙ります。二人の沈黙、ジョンウォンが彼女を見たまま、右手の人差し指でテーブルを叩く、そしておもむろの立ち上がる、、、この沈黙のシーンにも惹かれました。
第2話 あらすじ
5年前の結婚10日前、 ”結婚詐欺から娘を救ってください。娘の結婚相手が両性愛者でした”という告発と男性同士がベッドインしている動画がネットに投稿された。サムビン社のソ・ノバと本名も職場も晒された。彼はインジの婚約者だった。
ソ・ノバは失踪した。イジンは彼の部屋で、彼を待った。
部屋には、2人のウエディングの写真があったが、その写真の2人の顔が切り取られていた。インジはそれを見て、写真立てを胸に抱いて慟哭した。
インジは挙式3日前にW&Lに行き、式をキャンセルした。トイレで顔を洗い、そこに指輪を置いて出た。
「指輪をお忘れでは?」と声をかけられた。W&Lの副代表で、NMの代表でもあるイ・ソンだった。彼女は「期限付き結婚ができる社員を探している、1年更新の派遣。復讐だと思ってもいい」とインジを誘った。こうして、インジは、NMの派遣社員になった。
ジョンウォンはインジのケガに動転し、彼女を病院に連れて行った。その病院に父が入院しているが、見舞うつもりはなかった。
手当を受けたインジ乗せて、ジョンウォンは家に向かった。
インジが、ハンバーガーを買ってと言い、2人は店に入った。ジョンウォンがセットを2つ注文し、1つはトマト抜きでと言った。トマト抜きは自分のため。
インジが「トマト抜きでと言い忘れた」と言い、バーガーからトマトを抜いた。
「結婚は何回目?」と聞かれ、5回目と彼女は答えた。「照明が嫌いなわけは?見ないようにいつも背中を向けてる」と今度は彼女が質問したが、彼は答えなかった。
翌朝、出かけるジョンウォンにインジは、夕食は一緒にと言った。
彼が出かけた後、彼女は棚を開けて、彼の薬を調べた。彼のクローゼットを調べ、奥に自分が持ってきたのと同じトランクが置いてあるのを見た。
ジョンウォンは、オ・ヒョンチョルの事務所にいた。結婚相手について聞かれ、「ソヨンの紹介だ、1年耐えれば復縁できる」と言った後、「相手が俺をかばって、ケガをした」と話した。
インジはスーパーで、誰かの視線を感じた。家に戻ると男が外に立っていた。彼女はオム・テソンだと気づいていた。
ソヨンは医師から、「このままでは危険、避妊器具を取るべきかと」と言われたが、その気はないと言うと、医師は「器具を変えましょう」と言った。
ソヨンは、カン・ユナ(オ・ヒョンチョルの妻))から、「あの照明が落ちてきた時、相手がジョンウォンさんをかばってケガをした」と聞いた。
ソヨンは、ジョンウォンから、”眠れない、女が邪魔だ、お前が必要だ”とメールを受け取り満足したが、 ”女にケガを負わせた、気がかりだ”と続けてきたメールに動揺した。
ジョンウォンが遅く家に戻るとテーブルに食事が用意されていた。インジはサッカーを見ていた。彼は、インジの電話番号を自分の携帯に登録した、次回から遅れる時は連絡できるように。
「結婚は楽しい?今度は答えて」とまたジョンウォンが聞いた。「復讐のため、最初はそうだったが、自分に向いているとわかった」とインジは答えた。
そして、「そちらも答えて、なぜ照明がきらいなのか」と聞いた。
「父がそこにカメラをつけ、母を監視していたんだ。母は強い人だったが、いつしかおかしくなった。人目を気にして病院にも行かせなかった。母の夢遊病がひどく、僕は毎晩そばにいた。死ぬか殺すかしそうで。父は俺には手をださなかった。父を止める方法があったのにできなかった、だからあの照明がきらいなんだ」と彼は言った。
「なぜ私にその話を?」と彼女が聞くと、「あなたは完全な他人だし、秘密は守られるから」と彼は言って、ソファにもたれて目を閉じた。
ジョンウォンはいつの間にか眠った。インジは彼をソファに横にして、彼のおでこの傷に薬を塗った。枕元に小さな人形を置いた。
ソヨンからのジョンウォンに電話があったが、インジが出で、「彼は寝たところ」と言った。ソヨンは「彼のお父様が危篤でしたが、峠は越した。伝言だけお願いします」と言った。
「薬を大量に飲んだのかしら?」とソヨンが聞いた。「いいえ、自然と眠りました」とインジが言うと、ソヨンは動揺した。
翌朝、ジョンウォンは目覚めた。天井の窓から光がさしていた。小さな人形に気づいた。
彼は父の病院に行った。
ジョンウォンは枕を持ってベッドに横たわる父の横に立っていた。インジが部屋に入って来て、彼を見て中から鍵をかけた。その音でジョンウォンが彼女に気づいた。
「手伝おうかと」と彼女は言った。ジョンウォンは枕を父の頭の下に戻しながら、「いい弁護士はいる」と言うと、「復讐しますか?」と彼女は聞いた。
2人は麺を食べた。「私たちの勝ち、お父様はこれを食べられない」とインジ。
彼は、枕元にあった人形のことを「あれも仕事?」と聞いた。「ベビーパウダー入りです。あれがあると雷でも眠れます」と彼女は笑って言った。
「半年ぶりに熟睡できました」と彼は言った。
「薬を飲んだか?とあなたの”妻”が聞きました。薬は、彼女が勧めたのね」と言うと、ジョンウォンは黙った。
ソヨンはイライラしていた、ジョンウォンからの電話がなかったから。
ジョンウォンはソヨンの現場に行き、彼女に昨夜のお礼を言った。お茶に誘ったが、ソヨンは断り、「じき照明が届く」と言った。
彼が「薬を飲まずソファで寝落ちしたんだ」と話すと、「前にもあったでしょ」と彼女は言った。
ソヨンがマムジュ院の会合でお茶を飲んでいた時、助手が、講師をしてくださる方がみえた、と男性を案内してきた。彼はインギのストーカーのオム・テソンだった。
その後ソヨンは、夫ユン・ジオのフェンシングの試合を見に来た。
ソヨンは、ジョンウォンが薬を飲まないで眠ったことにイライラしていた。
彼女は彼の家に立ち寄り、インジに「彼の前妻のイ・ソヨンです」と自己紹介した。
ソヨンは洗面所に行き、薬があるかどうか確かめた。大量の薬を飲もうとした日のことが蘇った。
ソヨンは「じきに照明が届きます、彼に頼まれた」と言ったが、インジは「はい」とだけ。「よそよそしいですね、私を知ってるはず」とソヨンが言った。「知ってる、建築家4年イ・ソヨン」とインジが言った。
感 想
1話目からですが、殺人事件とその捜査が、ドラマの所々に挟まれるので、初めて見た時にはそれが理解できませんでした。
しかし、2話をよく見たら、最後で犯人が判明する伏線が散りばめられていました。ディテールもしっかり描かれています。
2話の最初で、ノ・インジの過去の出来事と彼女が通う部屋の主もわかりました。
インジが慟哭するシーンがあります。まず写真立てを抱きかかえて、体をのけぞらせて叫んだ後、慟哭、、静かになり体を丸めます。カメラが上からインジ(ソ・ヒョンジンさん)の背中を写すと、首から下に、3つぐらいくっきり背骨が浮かび上がって見えます。その背骨に目が釘付けになりました。この一連のシーンに圧倒されました。これ以上、インジの痛みを表現できるでしょうか?
このシーンがあるから、その後、インジがいつも淡々とし、感情を出さず、抑揚なく話すのが、すごく理解できる気がしました。俳優さんの凄みを感じます。
2話でわかったいくつかのポイント。
- ジョンウォンのクローゼットの中に、同じトランクがあった。
- 彼が照明が嫌いな理由をインジに話した。
- 彼が薬なしで自然に眠った。それにソヨンがイライラした。彼女は病んでいますね。
- ソヨンの夫ユン・ジオは、フェンシングの選手。
こんなところでしょうか?
第3話 あらすじ
インジは、大学の時のソヨンのことを知っていると言い、ソヨンも、当時のあなたのことを覚えてると言った。
インジは、家に戻ったジョンウォンに、ソヨンが照明の件で来て、20分ほどで帰ったと報告した。
インジは湖に出かけた。コ代理が待っていた。彼女は北の出身で、おなじようにNWの派遣で、契約結婚を仕事にしている。彼女は「妊娠した。みんな死んだから家族に憧れる」と言った。
彼女はインジの依頼でソ・ドハの行方を捜し、彼が生きている情報をつかんでいた。
「半年前からハンガリーのブタペストにいる」と言った。インジは、今後も報告してと言った。
インジが車のエンジンをかけると、爆音の音楽が鳴って驚いた。”ジュンウォンmp3”から聞こえてきた。
ジョンウォンはソヨンから、”もう忘れてしまったのね、今日が何の日か”というテキストと、1枚のレコードジャケットの写真を受け取った。よく見ると、胎児の写真がそのアルバムの上に置かれていた。ジョンウォンは、目の前で身重のソヨンが車に轢かれて倒れた場面を思い出し、また薬を飲んだ。
ジョンウォンは、インジの傷の抜糸に付き添った。彼はまたエレベーターの中でパニックを起こしそうになった。インジが「何も考えず数字だけを見て」と言った。
帰りの車で、ジョンウォンは、傷が治るまで見届けると言った。
インジは、「あさって式をあげましょう」と淡々と言った。
ソヨンは、ジョンウォンから電話がないことにまたイライラしていた。「病院だから かけ直すよ」と言ったのに。
カン・ユナは2人の息子の世話でイライラが募っていた。彼女は夫にジョンウォンの妻の名前を聞いた、コネを作るために。
ジョンウォンはソヨンと食事をした。ソヨンは、彼がインジのために病院に付き添ったことを知り、不機嫌になった。
彼女は、写真を送ったレコードをジョンウォンに差し出した。彼はそこに挟んであった胎児の写真を出して見た。写真の後ろには、青い薬が3つ入ったビニールが袋が貼り付けてあった。「薬を飲ませたいんじゃない、耐えて欲しいの」と彼女が言った。
ジョンウォンは「言う通りにする、明日結婚する」と言った。
ヒョンチョルは、証人として教会に来ていた。
ジョンウォンはソヨンに”止めるなら結婚はしない”とメールした。
彼はネクタイの結び方を忘れてしまっていたが、インジが入ってきて結んだ。
ソヨンはジョンウォンからのテキストに返事をしなかった。
結婚式が始まった。イ・ソンが、”本契約はお二人とNMによる秘密保持契約、法的にいかなる義務もない。期間は1年、2人の合意のもと延長が可能、一方が合意しない場合、その後一切の接触が禁じられる。契約書にサインすると結婚が始まる”と言い、2人はサインした。
その夜、ジョンウォンはインジに、「皆はなぜこの結婚を?何の意味が?」と聞いた。「偽物にすがるほど孤独だとバレたくないから」と彼女は答えた。
その夜、ジョンウォンは寝る前に胎児の写真を見た。そして溺れる夢にうなされて起き上がった。彼は青い薬を飲もうとしたが思いとどまり、洗面所に行き鎮静剤を飲んだ。彼がまたベッドに横たわると、
「溺れたんですか?心配しないで、高波はここまでこない」とインジの声がした。
早朝、インジはカヤックに乗って湖に浮かんでいた。
朝食の時、ジョンウォンが「夕べ、、、いや」と言ったのを受けて、インジは「隣にいました。同じ部屋で眠るのが決まりです」と言った。彼はむせた。
「ソヨンに聞いてくる、どこまで俺を壊すのか?」と彼は怒った。インジは「分かりました、寝室の件は考えておきます」と言った。
ジョンウォンは怒って家を出た。車のUSBの音楽をかけると、ミロンガの音楽と男女が話しながらダンスの練習をしている声が聞こえた。インジの快活な話し声と知らない男性の声だった。
ソヨンから、”照明が届いた、来週取り替える”とメールが来た。
インジは、洗面所の薬のパッケージの写真を全て撮り、それぞれの薬を小さなビニール袋に入れ、NMに薬の検査を依頼した。
ソヨンとカン・ユナと数人の女性が、男性講師(オム・テソン)から、餅の花の作り方を習っていた。講習が終わった後、ユナはオムに、「餅を予約したオ・ヒョンチョルです、義父の誕生日用です」と言った。
ソヨンが手配した照明が取り付けたられた。
インジはコ代理から、”ブタペストで家を探している。定住するつもり”とメールを受け取った。
ソヨンが「前の照明は私が持ち帰っても?」と聞くと、インジは「どうぞ、彼にとっておぞましいものなので、どう処分するか悩んでました」と即答した。
ソヨンは、「夫婦で食事を。照明も新しくしたし2人の結婚をお祝いしたい」と言った。インジは承諾し、来週の水曜日に決まった。
そこにユナが餅の花を持ってきて、インジに挨拶した。インジはそれを見て固まった。
ジョンウォンは新しい照明を見た。インジが「ソヨンさん夫婦とここで食事を。照明を取り替えてもらったし受け入れた」と言った。
ジョンウォンのベッドルームには、もう1つベッドが置かれていた。インジは人形をジョンウォンのベッドの枕元に置いた。二人は別々のベッドに横になった。
「3000万で古物商に売るつもりが、彼女に引き渡すことに。高価なものとして記憶して欲しくない、ガラクタのように扱われ、跡形もなく溶けていってほしかった」とインジは言った。
「この仕事の前は何を?」とジョンウォンはまた聞いた。
「ダンスを教えていた、タンゴやワルツ」とインジが言った。
「ミロンガも?車にUSBがあった。朝早くどこへ?」とジョンウォンが聞いた。
「カヤックです。早朝は誰もいないから、湖にうかぶ島になれる。寝室はこれがベストです。平和な島だと思えばいい。高波からは守ります」と彼女は言った。
ソヨンは、ジョンウォンたちの寝室を見ていた。
4人は向かい合ってステーキを食べた。 ソヨンはわざと、勝手知ったる他人の家と言う風に振る舞った。
ユン・ジオがジョンウォンに、「ソヨンさんと知り合って何年ぐらい?」と聞くと、「30年ほど」と彼は答えたが、ジオは「結婚は2年ほどでしたよね」と挑発した。
食事中もその後の会話もぎこちない。
ソヨンが照明を見て「前の方がいいんじゃない?」と言うと、「俺は嫌だ」とジョンウォンが言った。「本当に子供みたい。過去の傷にしがみついてる、でしょ」とソヨンはインジに同意を求めた。
「ガラクタとして売り払うべきだった」とインジがキッパリ言った。ジョンウォンとソヨンが驚いて彼女を見た。
「決して癒えないものもあるんです。癒えない傷はありませんか?意外ね」とソヨンに言った。
インジがお皿の片付けをしているのをジョンウォンが手伝いに来た。
「俺のUSBを車で見ませんでした?」と聞いた。「戻しておきます」と彼女は答えた。
「あの曲で踊るのか?タンゴ?想像できない」と彼が言うと、「想像以上だろうにお見せできず 残念」とインジ。
するとジョンウォンがあの曲をかけて、「想像以上なんでしょ?」と言った。
インジはジョンウォンの手を取って、彼を立たせて、ダンスの指導を始めた。
ジョンウォンがつまづいて2人の体がぶつかった時、彼がインジにキスをした。
ソヨンが、スナックをかじりながらか、パソコンで2人の映像を見ていた。
感 想
1回目の視聴では、湖のそばでインジと話してる女性が誰で、何の話をしているのか、全く理解できていませんでした。2回目で、彼女も契約結婚をしていて(それで妊娠したようですが)、ソ・ドハのことを話しているのが分かりました。
3話もいろいろな伏線が散りばめられていました。緊張感に満ちていました。
この回も、殺人事件の捜査の場面が入り、”5000万ウォン”のトランク”と刑事たちが驚いて話していましたが、これも最後の伏線です。
カン・ユナが餅の花を持ってインジに会いに行く。インジはそれがテソンが作ったものだとわかり固まる、これも再視聴して分かりました。
インジとジョンウォンが徐々に距離を縮めていくのが、自然に描かれいます。寝室にもう1つベッドを置いた夜、二人が普通に会話をします。ジョンウォンがインジにいろいろ質問するのは、彼女への興味の表れだですね。インジが「平和な島だと思えばいい、高波からは守ります」と言うのは、彼の味方だと言ってるんだと思います。
ソヨン夫婦がジョンウォンの家にきて、4人で食事をする場面の緊張感がすごかったです。
ソヨンが照明の話をして、ジョンウォンを「子供みたい。昔の傷にしがみついてる」と侮辱的に言った時、「ガラクタとして売り払うべきだった」とインジが毅然と言い、ジョンウォンがすごく驚きました。 ”ここに自分の味方がいた、自分を理解してくれる人がいた”と、彼は驚いたのでは?と思いました。
そして、”ガラクタとして売り払う”の言う意味が、ドラマの最後に効いてくるんです。ここにこんなセリフが隠されていた、という驚きで感動しました。
ソヨンが、隠しカメラの映像を、何かをかじりながらじっと見つめる場面も、なかなかの恐怖です。
第4話 あらすじ
〔5年前〕
インジは、婚約者ソ・ドハを男友だちといるバーに迎えに行った。
帰り道、ドバがインジに「何をしてほしい?」と聞くと、彼女は「結婚式だけよ」と言った。彼女の母は結婚に反対、式には参加しないようだ。インジは彼に「寿命が100歳として、70歳で解放してあげる。そのあとは、男と30年過ごせばいい」と言った。
彼が「人は孤独だったり邪悪だったりするんだ。孤独な人は淘汰される」と言うと、インジは「孤独にさせない。隠れなくていいように守ってあげる」と笑って言った。
その(ジョンウォンとインジの二人がキスをした)翌朝:
インジは赤いカヤックに乗り、湖に浮かんでいた。
ジョンウォンは湖のほとりの、いつも釣り糸をたれる場所に来ていた。早朝からオ・ヒョンチョルを呼び出し、「あの女と寝たい」と言った。
家に戻ったインジは、ビーツのスムージを作った。
彼女は、ジョンウォンの薬は、睡眠薬、抗うつ薬がほとんどで、LDSや覚醒剤ではなかったと報告を受けてた。
インジは新しい照明を見つめ、ソヨンは、そのインジを隠しカメラで見ていた。
インジはジョンウォンが、レコード棚の奥に”ピストル”を隠しているのを見つけた。
シジョンはインジに「今回の相手は普通っぽい」と言ったが、インジは「彼は薬物依存」と言った。シジョンが「それで、あんたは相手のために何ができる?」と聞くと、「完璧な離婚」とインジは答えた。
ジョンウォンはヒョンチョルに、「あの女が好きか?」と聞かれ、「それはあり得ない。ただ彼女が来てからぐっすり眠れるようになった」と言ったが、自分の気持ちが”出来心”なのか”本気”なのか分からなかった。
イジンはスーパーで、ユン・ジオに声をかけられ、お茶に行った。彼女は、ジオもNWの派遣だと知っていた。彼は「手を組みませんか?」と誘った。その時、インジにジョンウォンから夕食の誘いのメールが来て、店は任せると書いてあった。インジは席を立った。ジオは「僕はあなたの味方です」と言った。過去の出来事を思い出した。
インジは食事を注文して、ジョンウォンの父の病室で、彼と一緒に食事をした。
「お父様の好物を食べているところを見せつける」と彼女は言った。
彼は、「父は子供の頃に食べたクロソイを入れたワカメスープの味が忘れられず、母にその味を再現するように強いた、無理なのに。できないと殴った。母は、母親がいなかった、ワカメスープを食べたことがなかった。殴られるたびに母はワカメスープを食べた、ワカメスープは死を連想させる」、インジは彼の手に自分の手を置き「マニュアルです。夫婦ができること、応援です」と言った。
「独立運動家たちは互いの親を殺そうと取引した。取引します?私があの人を殺し、あなたは私の母を殺す」とインジが言った。
帰りの車で、二人はお互いに、今日は何をしたのかを聞いた。
インジの返事は、「いろいろ、地味だけど必ずすべき些細で重要なこと、雨で乾燥機を使った、天日干しがいいのに」だった。「癒やされる、そう言う話が好きなんです」とジョンウォンは言った。
2人は家に戻り、一緒に洗濯したタオルを畳んだ。
「母の死を望むのはなぜ?」とジョンウォンが聞いた。
「母は私の結婚を邪魔した。そして相手を殺した」とインジが言った。
ソヨンは、何かをかじりながら、パソコンで2人の映像を見ていた。
インジは湖のほとりでコ代理と会った。。
彼女の夫は、子供を産むことに同意していない。インジは「次回に期待しては?」と言ったが、コ代理は「次はないと思う、産みたい」と言った。NMに多大な違約金を支払うことになるとインジは警告したが。
コは、ソ・ドバの情報をくれたブローカーの名刺を出し、「彼は貿易会社で働いた後、今はツアーガイドをしたり、金魚鉢を売ったりしてる。彼はいつか戻ってくると思う」と言った。
ジョンウォンはインジに、「映画でも見ませんか?」とテキストして、「ぜひ」と返事が来た。
2人はホラーを観に行ったが、ジョンウォンは怖くて少しも観ることができなかった。
インジはそんな彼を観て笑った。
ソヨンはジョンウォンに電話したが通じずイライラした。パソコンの画面を見ても、2人の姿がなかった。
ジョンウォンとインジは映画からの帰り歩いた。インジは「ホラーを見ると、自分が生きてる世界は映画より安全だと安心する」と言った。ジョンウォンに「今日は安心が必要だった?」と聞かれ、「少しだけ、母が殺したというあの彼に、じきに会えるかもしれませ」と彼女は答えた。
「こんなこと言っていいか分からないけど、俺はあなたと寝たい。寝たいのは女だからか、好きだからなのか分からない」とジョンウォンが突然言った。
「覚えておきます」とインジは言った。
その夜、2人はそれぞれのベッドで寝た。
ソヨンは電話にも出ないジョンウォンにイラ立ち、おかしくなった。
クォン・ドダムは、インジ飼ってる金魚が弱ってくると、時々、別の金魚をかって水槽に入れていた。
ある夜、オム・テソンがその部屋に入り、水槽に薬を入れて、金魚を殺した。
翌朝、インジは、ビーツのスムージを飲んだ。ソヨンがそれをパソコンから見ていた。
その日は”会合”の日。
ソヨンとカン・ユナは、ペク・シムからよもぎ茶をいただいていた。そこにインジがきた。ペクが呼んだのだ。
ソヨンが、昨日ジョンウォンと連絡がつかなかったと言うと、映画に行ってたとインジが答えた。
「ビーツにどんな効果が?」とソヨンが突然聞いた。「朝飲むと整います」とインジは答えた。
ピリピリとした空気が漂っていた。
帰り、インジが運転する車の前に、ソヨンの車がぶつかってきて事故になった。ソヨンは自分の車にインジを乗せ、「修理は私が、2人の秘密に」と言ったが、インジは秘密にする必要はないと。
ソヨンが、「秘密にした方がいいこともある、インジさんとジョンウォンは期限付きの夫婦とか、驚かないのね。私がインジさんを選んだんです」とソヨンが言った。
インジは「あなたが私を指名した?元夫にこんなことをする理由は?」と聞いた。
「人にはそれぞれ立場がある。インジさんあなたは真面目ね、朝食を用意して魚を食べさせる。1年間幸せにしてあげて、私からのジュンウォンへの罰であり休暇なの」とソヨン答えた。
インジは家に戻り、ソヨンが言った言葉を思い出していた、「ビーツにはどんな効果が?」、、インジは夜中、夢にうなされた。目覚めて起き上がり1階に降り照明を見つめた。
寝室に戻ったインジは、ジョンウォンにキスをして、二人は抱き合った。
感 想
5年前のインジがソ・ドバをバーに迎えに行ったバーは、男性の恋人やパートナーたちが集まるバーのようでした。インジにとって、ドバが両性愛者であることは、彼との結婚の妨げでは全然なかった。2人の会話、”孤独は淘汰される“の意味は理解できませんでしたが、彼女は彼を守る気だったようです。
ジョンウォンとインジはそれぞれの痛み、弱み(?)を共有しました。
ジュンウォンは母が父から受けてきた暴力、母の痛みと自分の痛みを話し、インジも母を殺したいことと、その理由をも彼に話しました。2人は、一緒に朝ご飯をた食べ、今日何があったかを話し、洗濯物を畳み、普通の日常を共有しました。いいシーンでした。
そんな二人を監視し、ソヨンがますますおかしくなってきました。ジョンウォンに罰を与え、彼をコントロールするために、自分がインジを彼の偽装結婚の相手に選んだのに、全く違った方向に展開してきたから。
韓国ドラマには、よく”執着”する人が登場しますが、このドラマではソヨンです。執着する人は、醜くて哀れです。
シジョンが「あんたは相手のために何ができる?」と聞いた時、インジは、「完璧な離婚」と答えましたが、これは、ジョンウォンをソヨンから、完璧に離婚させると言う意味なのでしょうか?
ともあれ、インジとジョンウォンは寝ました。出来心でも、本気でも、どちらか分からなくても、良かったです。
第5話 あらすじ
インジは悪夢にうなされていた。ジョンウォンは、インジの携帯に入った ”オム・テソンを見かけた” ”ガス銃は要る?”というメールを見た。
インジが目覚めた。ジョンウォンは、「どんな悪夢を?オム・テソンはガス銃が必要なほど危険なのか?」と聞いた。
「ストーカー、5年前からつきまとわれてて、今も家の外から見られてるかも」とインジは答えた。ジョンウォンは「僕にできることは?」と聞いたが、インジは「何もしないで、これは私の問題」と言った。
ソヨンがカフェでお茶を飲んでいると、オム・テソンが来た。ソヨンは彼に依頼された工房兼ギャラリーの兼で彼と会ったが、テソンは「ノ・インジには手を出すな、俺のことを知りたいならNWに聞け」と彼女を脅して帰って行った。
インジは、キッチンのカウンターの上のボードから、レコードとそれに挟まれた胎児の写真を見つけた。その後ろに、青い薬が入ったビニール袋を見た。
インジは、シジョンと食事をして、「へヨンが死んでからもなぜ私に優しいの?」と聞いた。シジョンは「3人組のうち生きてる2人が仲良くするのは当然」と言った。
インジは、「イ・ソヨンを調べて、薬物の入手先を」と彼女に頼んだ。
ソヨンは、偶然会ったカン・ユナの車で帰ったが、途中で激しい腹痛に襲われた。
ソヨンは病院のベッドで目覚めた。インジが病室にいた。「子宮摘出になるところだったが、幸い片方の卵巣だけで済みました」とインジは言った。ユナが子供を迎えがあるので、彼女に付き添いを頼んだのだ。ジョンウォンさんが携帯を置いて出かけたので連絡が取れなかった。
ジョンウォンは湖のほとりで、ミロンガを聞いていた。インジが誰かにダンスを教えている音声が入っている。ヒョンチョルが迎えに来た。
ジョンウォンはソヨンの病院に行った。
ソヨンは「IUDを残したせい、もう妊娠したくなくて。あなたは今も子供がほしい?あなたは親になっちゃだめ」と言った。
ジョンウォンは、妊娠中のソヨン交通事故に遭った時、医者に「子供を優先してください」と頼んだのだった。
ジョンウォンが家に帰ると、家の外に男がいた。「オム・テソンさん?」と聞き、彼はテソンを家に招いた。
インジが彼の前に椅子に座ると、テソンは「すてきだ。今度 桃杏餅(ドヘンヒョン)を作ります」と饒舌に話した。インジはずっと黙ったまま。
ジョンウォンは彼をタバコに誘った。インジはジョンウォンのレコード部屋にいき、隠してあるピストルを取り出した。
ジョンウォンは、「俺は金持ちだ。カネであなたの人生を壊せるが、ひとまず話し合おうと思った。彼女から離れてくれたらカネを使わずに済む」とテソンに言ったが、
「すでに壊れた人生をどう壊すんだ?金持ちが壊れる方がみんな喜ぶんだよ。彼女が愛してくれるとでも?彼女は承知か?あんたが母親を殺したことを」と不気味に笑った。
インジが庭に行くと、ジョンウォンが一人でいた。彼女は彼の肩を抱いた。
「子供が欲しかった。そうすれば俺は誰かの息子としてではなく、父親として生きればいいから。でもソヨンは望んでなかった」とジュンウォンは話しただした。
彼は妊娠中のソヨンが、信号を無視して道路に飛び出し、車にはねられた現場を見てしまったのだった。
「俺のせいです。周りは事故だと思ってる。妊娠8ヶ月だった。赤ん坊の胎動を感じていた母親が車に飛び込むだなんて説明しようがない。 ”青い薬”を知ってますか?それを飲むと望むのもを見たり信じたりできる。あの時、初めてソヨンから逃れたいと思った。ソヨンより子供が助かって欲しいと願った」と彼は話した。
「オムは私の目の前でMNのスタッフの首を折った。スタッフはキーパーという警備員、彼らは元特殊部隊や元SP、元アスリートでした。オムは私の周りの人に危害を与える、そうして私を支配する」とインジは言った。
ソヨンはユン・ジオに連れられて、ジョンウォンの父親の病室に入った。
「ずいぶんいびられた。出会ってきた最悪の人の5本の指に入る」と言って、彼女はベッドで眠っている父親の頬を叩いた。彼が突然目を開いた。
ジョンウォンはインジと病室に来た。父は意識がないまま、目を見開いていた。
父は亡くなり、インジは病院にいるジョンウォンに喪服を届けた。
ソヨンが親族用の喪服をお通やの席に来た。ジョンウォンは彼女の正装に驚いた。
「病室に行ったの、私がお義父様を殺したのかも」と彼女は言い、白い薬をだし「中毒性のない薬よ、今のが弱ければこれを」と言った。
ジョンウォンがネクタイを持ったまま椅子に座っていた。インジが来てネクタイを結んであげた。「一緒にいて」と彼は頼んだが、「冠婚葬祭には出席できない決まり」と彼女は答えた。
ソヨンは親族として弔問客を迎えていた。カン・ユナはソヨンの態度に呆れていた。
ジョンウォンはソヨンに「帰っていい」と言ったが、ソヨンは「世間の陰口からあなたを守れるのは私だけ。あの女じゃない」と。
ソヨンがトイレに行くとインジが入って来て、「彼を解放してください。あなたのものにはならない。1年あれば人は死を覚悟できる、生きようと決意することもでき、新しい命も誕生する。あなたはそれを打ち砕いた」と言った。
ソヨンがインジを殴ろうとしたが、彼女は突き放した。
「あなたが車に飛ぶこむのを彼は見た、子供を道路に突き飛ばすのを。そのせいで彼は自分を責め続けている。私は必ず彼を立ち直らせる。私の望みは彼の幸せです。お引き取りを。でなきゃ、あなたのあれやこれやを彼には話す事に」とインジは凄んだ。
インジが親族の正装でジョンウォンの横に座り、「彼女は帰った、私がそばにいる、今日は有休を使います」と言った。ジョンウォンは彼女の手を握った。
弔問客はもう誰も来なくなった。
ジョンウォンは、「有休がもったいない、遊びに行く?」と車で出かけた。観客がほとんどいない映画を見て、露天で、それぞれのためにスカーフを選んだ、ジョンウォンにはチェックのスカーフ、インジに赤いスカーフを。
「父さんが死んだのにこんな気持ちでいいのやら」とジョンウォンが言うと、「全ての父の死が哀悼されるとは限らない、もちろん母親も」とインジ。
「お母さんは本当に人を殺したんですか?」とジョンウォンが聞いた。
インジは「”社会的な死”も死なら」と言って、ソ・ドバと名前と会社名を言い、「過激な動画だったから聞いたことがあるはず、母の仕業でした。 ”詐欺の被害者はあなたか”と山ほど電話がきた。彼の電話に出られなかったと思うことにした、5年も姿を消すなんてありえない」と言った。
「待ってる?俺が、あなたを手放したくないと言ったら?」と彼は聞いた。
翌日、葬儀中にインジはシジョンから「薬物の入手先がわかった」とメールを受け取った。
葬儀の後、ソヨンはジョンウォンとインジを引き留めた。ユン・ジオもいた。
「離婚して」とソヨンは言った。
感 想
ジョンウォンは、インジに心を許しましたね。今までも、母親の辛い過去のことを話していましたが、今回は一番のトラウマ、子供を亡くしたことを、ソヨンが8ヶ月の身重で車に飛び込んだことを、彼女に話すことができました。
一方インジも、オム・テソンがストーカーで、警護員を殺してまで、自分を支配しようとしたこと、元婚約者を、母がどのように社会的に抹殺したのかを話しました。
インジが、ジョンウォンの父親のお通夜に正装してきたソヨンに、トイレでつめよる場面、迫力がありました。「必ず彼を立ち直らせる、私の望みは彼の幸せ」というのは、ジョンウォンへの愛ですね。彼女はジョンウォンへの愛を彼に言うのではなく、ソヨンに態度で示しました。カッコいいです。
二人でドライブしたり映画を見たり、露天商でスカーフを買って歩く場面は、普通の恋人のように幸せそうでした。
ジョンウォンは、ソヨンの呪縛から解放されてきた。しかし、ソヨンはそれが一番許せない。
このドラマは、ジョンウォンとインジがそれぞれの深い傷を癒していくドラマだと思いながら見ています。
第6話 あらすじ
〔2年前〕
ジョンウォンとインジは高級トランク店で、偶然言葉を交わしたことがあった。インジはNMが注文したトランクを持って帰った。
その時、店にソヨンが入ってきた。ソヨンはベビーグッズの整理に使えるトランクを探していてが、インジと同じトランクを買った。ジョンウォンは、なぜかインジを追って外に出たが、その時、彼女を乗せたタクシーが動き出した。
葬儀の後、ソヨンは「離婚して、インジさん。お父さんが死んだから、罰はここまでにする。私もNMで結婚を」と言った。3人は無言のまま、ジョンウォンがその場から離れた。
家に戻ったジョンウンは、青い薬を飲もうとしたが、やめた。彼はソヨンのことばで眠れないが、インジのベッドに入り、彼女の横に横たわり、退屈な1日の話をした。
しかし突然、彼女に布団を被せ上から首を絞めようとした、、、
悪夢から目覚めると、インジはいなかった。
コ代理はインジに、あの人(おそらくソ・ドバ)の行方が分からなくなったと言った。
コは妊娠24週になり、お腹が目立ってきた。インジが彼女の携帯に2000万ウォン送金した。「まず部屋を借りて、夫に見つからない所へ」と言った。
シジョンからインジに動画が送られてきた。男が例の部屋の水槽の金魚を見つめていた。
インジはその部屋に行った。シジョンが通報できないなら、せめて暗唱番号を変えようと言った。
ジョンウォンが車に乗っていると、オム・テソンが窓を叩き、「おごってください」と。
テソンは、”ヌタウナギ”という気持ち悪いもの焼き、カリカリ音を立てながら食べて、話した。
「インジが婚約してた変態、クズ男が姿を消して5年も経つのにヤツの家はそのまま。お似合いの二人だと思ったが、彼女の人生が崩壊した。結婚1週間前に、男同士が絡み合う写真がネットに出回った、男は蒸発して彼女は1人で収拾をつけた。大企業のヤツら、申し立てしないと言う覚書を彼女に書かせた。ノ・インジは孤独、家族と縁を切り感情を捨てた。だから彼女を崇拝してる」と。
ジョンウォンは仕事場に来た。ソヨンがいたが無視した。彼女がすぐ部屋に入ってきた。
「この結婚はお前が提案したんだ。2人の問題じゃない」と彼が怒ると、「違約金を払えばいい。ノ・インジと別れたら私たちは元に戻れる」とソヨンは言ったが。
その頃、インジはソヨンの家に来ていた。ユン・ジオに、確認することがあると言った。
彼は、2階のソヨンの書斎の左側にある、と言った。
ソヨンはジオに電話し、インジが家に来たことを知り家に急いだ。
インジは、ソヨンのパソコンの画面を確認した。2台のパソコンにジョンウォンの家の4部屋が写っていた。彼女は、ジョンウォンが料理を作り、2人分の食事のテーブルセッティングをしているのをパソコンの画面に見た。
ソヨンが戻った時には、インジはすでに帰っていた。ソヨンはまたパソコンの前に座った。ジョンウォンとインジが食事をしていた。
食事の後、インジはジョンウォンを先に2階に上げた。そして声を殺して号泣した。
シジョンから、”薬の供給元は”ユン氏”、業界では有名”とのメールが来た。
ソヨンに ”あれまだある?”とジョンウォンからメールが来た。彼女は”会おう、明日現場で”と返信した。
翌日、ソヨンが約束の現場に行くと、待っていたのはインジだった。
「こんなことする理由が知りたくて」とインジが言うと、ソヨンは「もうすぐ離婚するのに出しゃばりすぎ」と言った。インジは「離婚はしない。彼に関わるなと警告しに来た」と言って工事現場の降りエレベーターに乗った。
「覚醒剤と変わらない薬物を彼に渡す意図は?顧客は承知?薬を入手するために常習者を雇ってると」とインジはソヨンに迫った。
ソヨンはインジに掴みかかり、「脅迫するつもり」と怒った。
「これが脅迫、彼の父親と同じ場所に監視カメラをつけるなんてどんな神経をしてるの」とインジが凄んで、ソヨンの腕を捻った。二人は工事用のエレベーターの中で掴み合いのケンカをした。
「関係ないでしょ、私とジョンウォンの人生よ」とソヨンが叫んだが、「誰のための人生よ」とインジが言い出て行った。ソヨンがひとり残され叫んだ。
ジョンウォンは、夜、外でインジの帰りを待っていた。
お腹が空いたというインジを、ハンバーガーショップに連れて来た。彼はトマト抜きのチーズバーガーを2つ頼んだ。
「1日中会いたかった、恋しくてつらかった」とジョンウォンが言ったが、インジは「私は それほどでは」と言い、ジョンウォンの顔が曇った。
「私も会いたかった」とインジが言った。ジョンウォンは彼女にキスをした。インジが彼の手をテーブルの下で繋いだ。2人はそれぞれ片手でハンバーガーを食べた。
翌朝、ジョンウォンとインジは、湖でダブルカヤックを漕いだ。
「なぜカヤックを?」とジョンウォンが聞くと、「泳げないから。大学で泳ぎを習ったが、親友が溺れて死んだ、自殺でした。もう習えなかった」とインジは答えた。
カヤックを好きな理由は?と聞かれ、「島になれる気がする。孤島になって浮かんでいる気分になれる」と彼女は言った。
ソヨンが、ジョンウォンからの電話で出かけようとした時、オム・テソンが会社に来た。彼は、ソヨンが照明に隠しカメラをつけたことを知っていて、彼女を脅した。
ジョンウォンは、またオム・テソンからメールを受け、彼を事務所に入れた。
「例の男の家は5年間 インジさんが管理してる。何も変わらない、侵入なんて簡単だ。俺はインジさんと消える運命、手に入れられないなら、それも悪くない」と言った。
インジは、例の部屋に来て掃除をした。
伏せてあった写真立てをあげると、結婚写真の2人の顔が戻されていた。
ジョンウォンはインジが心配で、すぐに帰ってきて欲しいと電話したが。
オム・テソンが例の部屋に来たが、暗唱番号が変わっていてドアが開かない。イライラしながら、ドアノブを回すと、中から誰かが開けた。彼が中に入ると、ナイフを持ったソ・ドバが、テソンの足を刺した。
その後、部屋に戻ったインジは廊下の血に気づいた。ドアが少し開いていた、彼女はドアを開けた。
感 想
2年前に、インジ、ジョンウォン、ソヨンは、トランクの店で偶然会ってました。その時、インジが買ったのと同じトランクをソヨンが買ったようですが、ソヨンだけが、インジを覚えていたのでしょうか?
ソヨンは麻薬のディーラー?彼女がジョンウォンに覚醒剤と同じような薬物を与え、彼を薬漬けにしたんですよね。ソヨンは、彼を契約結婚させ、彼に罰を与えるつもりだったのに、彼女の意図とは反対の結果になってきました。ジョンウォンは薬物依存からもソヨン依存からも解放されてきています。
インジは、ソヨンの家に行き、隠しカメラの確証を得ました。ジョンウォンの携帯を借りて、ソヨンを呼び出し、工事場のエレベーターの中でケンカする場面もすごかった。インジは、ジョンウォンのために、ソヨンに真っ向から立ち向かっていますね。
オム・テソン、ほんとに気色悪いです。しかし、ジョンウォンは彼の話によって、インジが受けた傷の深さを知りました。つまり、オム・テソンがジョンウォンに、インジの身に起きたことの詳細に話す役割を持っている脚本が面白いと思いました。
ジョンウォンとインジが、またハンバーグを食べましたが、このシーンが大好きです。
続いて、ダブルカヤックを漕ぐ2人の映像も美しかったです。インジがカヤックが好きな理由を話すセリフも素敵です。
インジが5年間も管理している部屋、結婚の写真に2人の顔が戻っていた、それで彼女はソ・ドバが戻ってきたことが分かったのですね。
6話も見どころがいっぱいでした。
第7話 あらすじ
〔過去〕
インジは、友達の“ソ・ヘヨン”の納骨式に来た。出席は彼女一人だった。
帰りのバスに、破れたスリッパを履いた男が乗って来た。
インジはその後、アカデミック・ガウン・レンタルのバイトに行った。同じ男が来て、髪に喪章をつけてるインジに「誰か死んだ?」と聞いた。「友達、そちらは?」とインジが言うと、彼は「母だ」と言った。彼は右の頬の下に傷を負っていた。 ”ハン・ジョンウォン”と名前を書いた。
インジは、ソ・ドバの部屋の中に入った。血がついたナイフ(”ドバ”と彫られてる)がテーブルにあった。
ドアが激しくノックされ、インジが開けると、ジョンウォンだった。彼は「心配できた」と言ったが、インジは「あなたには関係ない。私の場所から出て行って」と彼を冷たく拒否した。
オム・テソンは、足を引きずり薬局入った。「抗生物質 鎮痛剤 消毒液をください」と言ったが、薬局の女性に「病院に行った方がいい」と言われ、キレた。
彼は部屋にいたドバに太ももを刺されたのだ。ドバは、動画の情報をインジの母に送ったのはテソンの仕業だと知っていて、「お前を殺し俺も消える」と言い、彼を殴ったが、テソンは逃げた。
ドバは部屋に戻り、ナイフが洗って布巾に包んであるのを見た。
ジョンウォンは、インジに「あなたには関係ない」と言われたことがショックだった。
彼は、キム室長に、家に防犯カメラをつけるように依頼した。レコード部屋の奥に隠しているピストルを手にもった。
ジョンウォンが料理を作っていると、ソヨンが家に来た。
「彼女を見た時の感想は?ノ・インジ、偶然な訳がない。サンダルが不愉快だった」とソヨンが言ったが、ジョンウォンは訳が分からない。
アカデミック・ガウン・レンタル場所で、インジはジョンウォンにサンダルを出した、彼のサンダルが破れてたから。ソヨンが黒い靴を持って来て、「これを履いて」と彼に言った。
ソヨンは「NMで彼女を顔を見て腑に落ちた、うんざりだったあなたと元に戻れるかもと思った」と言った。「壊れてるのは俺だけじゃない、本当に壊れてるのはお前だ」とジョンウォンが言ったが、「だから偽装結婚をやめる、これ以上壊れないために」とソヨンが言って帰った。
インジは、家に戻る途中でソヨンに会った。ソヨンは、インジがジョウォンに隠しカメラのことを言ってないことを知り、「傷つけたなくないのね、偽物のくせに」と言ったが、インジは「本物になるかもと恐れてるんでしょ」と核心をついた。
インジは、ジョンウォンに謝り、「彼への憎しみから意地になり、1人で終わらせられず家を守り続けた。家が抜け殻だったのに、自分の抜け殻に、離れられなくなった」と話した。
「契約が終われば彼の元へ?」とジョンウォンは聞いた。
「あなたは?ソヨンさんとやり直す?」とインジは質問に答えず聞き返した。
ソ・ドバからインジに、”俺たち会わないとな”とメールが来た。「食事をしよう」と彼女は返信した。
「あの家に行きます」とジョンウォンに行ってから、インジは出かけた。
彼女は味噌チゲを作っていた。ドバが部屋に入ってきた。テーブルにご馳走が並んでいた。インジはひとりで食卓の食べ物について話していたが、、、
「インジ やめてくれ。お前に会って破滅した、お前の母親じゃなくてお前だ。2人のことだろ、自分を変えるとか他人の承認は必要なかった。すべての縁を絶って逃げた時、自分が分からなくなったよ。俺は何者かお前に聞きたかった、でもお前が怖くて会えなかった。なぜこうなった?どうして俺をこんな風にしたんだ」とドバは言った。
「死ぬほど申し訳なくて、殺したいほど憎んだ。毎日が地獄だったけど一人で耐え忍んだ。ドバ、もう5年になる、どうしてこんなに待たせたの?一言でよかった、私たちは終わったと言ってほしかった」とインジは泣いた。
「5年前にこの話をすべきだった」と彼が言い、「5年前に聞くべきだった」と彼女が答えた。
「待たせてごめん」とドバは泣いた。
「ありがとう、生きていてくれて」とインジは言った。
インジはバスで帰った。あの部屋での日々が思い出された、タンゴのレッスンをしたり、料理をしたり、水槽の金魚を眺めたり、大げんかしたり、そして彼が去った日のこと、、。
バスを降りると、バス停にジョンウォンが立っていた。
インジは彼の顔を見て、その場にしゃがみ込み号泣した。
家に戻った時、ジョンウォンは「あんなに泣くほど悲しかった?」と聞いた。
インジは「いいえ、あなたの顔を見て、、うれしかった」と笑って言った。
「泣いてくれて、よかった」と彼は言った。
インジは、オム・テソンの電話に初めて出て、彼に会った。
「人を監視したり苦しめたりして幸せ?」とインジが聞くと、
「ずっと考えてた、ノ・インジはなぜ自分を傷つけるのか?あの最低な結婚を告発しなくちゃと思った。婚姻契約書はトランクの中?マスコミやSNSに流せば大騒ぎになるはずだ。マンションに探しに行ったら、ソ・ドハに刺された。おかげで人殺すはめに。なぜ僕を嫌う?」
インジは「分からない?やめましょ」と帰った。
それから、インジは約束していたジョンウォンの作業場に行った。駐車場に着いたので彼にメールした。
しかしオム・テソンが彼女を追って来ていた。「ハン・ジョンウォンを殺せば、俺を見てくれる?」と彼は聞いて、彼女の手を握った。そこにジョンウォンが来て、テソンを殴った、何度も、何度も、、インジが必死で彼を止めた。
ジョンウォンは、射撃場で銃の練習をした。
インジはMNでイ・ソンに会い、この結婚を最後に会社を辞めると言った。
イ・ソンはインジのことで、クォン・ドダムに会った。ドダムはインジの近況を聞くためにNMが手配した社員だった。
イはドダムに、インジが会社を辞める訳を聞いた。「部屋の主とは完全に終わったようね。ということは、もうビジネスじゃない。バツ3の経験から言わせてもらうと、愛のない結婚は耐えられない。逆に偽物の夫婦は愛が芽生えるとつらいはずよ」と言った。
インジは早朝、一人でカヤックを漕いだ。
ジョンウォンはキム室長から電話を受けた。「防犯カメラを設置した時に見つけました。プロの仕業だろうと」と彼は言った。ジョンウォンは、照明をじっと見つめた。
ユン・ジオは、そのジョンウォンの姿をパソコンで見て、ソヨンに、「家に戻って、ジョンウォンさんにバレた」と電話した。
ジョンウォンがソヨンの家に来て、2階の2台のバソコンを見た。ライブ映像と、盗撮映像が多数ファイル保存してあった。彼はインジが隠しカメラの方を見て、手で口を抑えて、声を殺して泣いている映像を見つけた。
感 想
あらすじでは全くと言っていいほど触れていないのですが、このドラマには、オ・ヒョンチョルとカン・ユナと2人の息子の生活の場面が度々登場します。
主人公たち”特殊”な状況のドラマに、この4人家族のシーンが入ることで、ドラマに厚みが出ていると感じます。
6話は、インジが友達の納骨式に行った過去から始まり、彼女はそこでジョンウォンと会っていた。彼の母の納骨式(?)で、その後 大学卒業の名簿の写真を撮るために、ガウンレンタルに行き、インジがそこでバイトをしていたということなのだと思いました。
ジョンウォンのが左の頬の下に傷がありましたが、多分1話で、インジが彼の部屋で見たジョンウォンの卒業写真に、確か傷がありました。この写真が撮影された時だったのか、とまた繋がりました。細い伏線がすごいです。
ソヨンは、その時、サンダルを出したインジが気に入らなかった、だからNMでインジを見て、ジョンウォンの偽装結構相手に指名したようですが、その理由がよく理解できなかったです。
6話のハイライトは、インジとソ・ドバが会う場面だったと思います。
しかし、ドバの「お前に会って破滅した」と言う意味、これも理解できなかったです。彼は自分が同性愛者でもあることを隠す必要なんてないと思ってたのに、インジが自分と結婚してか彼を守ってあげると言ったことで破滅したということ?いくら私がここで想像しても、正解はない訳ですが。
2人の会話の最後、インジの「ありがとう、生きててくれて」は最高に良かったです。
インジがバスを降りた時、ジョンウォンが待っていて、彼女は彼の顔を見て号泣しました。その場面、私は、彼女は安堵して泣いたのだと思ったのですが、その後のシーンで、インジが「うれしかったから」と言ったので、私の推測は、当たらずしも遠からずだったかなと思っています。インジ、5年分の重みを降ろせて良かったね、と言う感じです。
このドラマ、よく分からないセリフがしばしば出て来ますが、結構、それが楽しいです、どういう心情なのか想像したりするのが。
第8話(最終回)あらすじ
ジョンウォンは照明を天井から落とした、ガラスは粉々になった。そこに隠しカメラがあった。
彼は子供の頃のことを思い出した。母が縄で輪を作ろうとしていたが、父の暴力で右手が使えなかった。母は目でジョンウォンに助けを求めた、彼は手伝った。母はその輪を天井から吊るして自殺した。自宅にパトカーや救急車が来た。ジョンウォンは雨の中、家を出た。ソヨンが坂を上がって来て、ジョンウォンの手を握った。
ソヨンがジョンウォンの家に来た。
「私の仕業よ、あなたの様子を見たかった。手術を受けてた私より、子供を求めた、どうして?」
「車に飛び込むのを見た。赤ん坊がかわいそうだ」
「一緒に死のうとした。妊娠してから毎日が地獄だったが、私には母性がなかった」。
「お前の苦しみに気づかなかった俺が悪い、お前とやり直せたら過去を忘れられると思った。なのになんで、父と同じことをした」
「怖かったの、あなたが離れていきそうで。私たちは同罪でしょ、私は子供を殺し、あなたは母親を殺した。一緒に罰をうけよう」とソヨンは言った。
「罰は受ける、でも もう一緒にはなれない」とジョンウォンは言い、家を出た。
彼が傘もささず雨の中歩いていると、インジが傘を差し掛け、「旅行しましょ」と言った。彼女は家に戻り、壊れた照明を見て全てを悟ったのだ。
インジの運転で2人は山の中の別荘に行った。
「ソヨンさんの髪をつかんで殴った。LPに貼られた青い薬、それが何か分かった時、怒りが込み上げた」とインジは言った。ジョンウォンは彼女にキスをして抱きしめた。
2人は外を散歩した。道の端には雪が積もっていた。
インジは「いつまであの家に?私なら、、」と言ったが、その後は言わなかった。
その夜、二人は親密は時間を過ごした。
朝、ジョンウォンはインジの手を握り、目を閉じたまま言った。
「最初から気づいてた」と。彼女が警察にジョンウォンを迎えに来た時から。
「納骨堂に卒業式、つらい1日だったけど、宇宙でたった1人の理解者だと思った。100回すれ違ってもあなたに気づいたはず。あなたが好きだ」と。
インジは彼の手を離し、ベッドから出て、「離婚しましょ。この結婚は失敗、私が一線を超えたせい」と言った。
ジョンウォンは「ウソはやめよう、あなたも俺ももろい人間なんだよ。認めればいいだろ、俺が好きだと」と言ったが、
インジは「あなたが特別な訳じゃない、この結婚は終わりました」と突っぱねた。
インジは湖でカヤックに乗り浮かんでいた。色々な過去の情景が頭を巡った。岸に上がり、カヤック・レンタルのスタッフに「お世話になりました、カヤックをやめます」と伝えた。
インジと連絡が取れなくなり、ジョンウォンは彼女を捜したが、見つからなかった。
キム室長が、ジョンウォンの家の照明の撤去と掃除を業者に依頼していた。その業者のスタッフにオム・テソンが紛れ込んでいた。彼はインジのトランクを盗み持ち出した。
インジはNMでイ・ソンに挨拶した帰り、ユン・ジオとすれ違った。
その時、インジはオム・テソンから電話を受け、彼がトランクを盗み出したことを知った。彼はトランクが開かないと怒り狂い、ジョンウォンを殺すと言った。インジは彼に会うことになった。
ソヨンは薬を大量に飲んで倒れ、ジオに病院に運ばれ一命を取り留めた。ジョンウォンが病院に来た。ソヨンはジョンウォンとやり直すつもりで彼の家に戻ったが、ジョンウォンは「時間をやっただけ、もう元に戻れない」とはっきり言った。
夜、インジは1人で、テソンに指定された湖のほとりに来た。ジョンウォンから何度も電話があったが彼女は出なかった。
テソンがトランクをもって現れた。彼は中に、結婚契約書が入っていると思い込み、大っぴらにするとインジが自分の物になると思っていた。薬剤師を殺した話をしながら、彼はジョンウォンに、「インジさんといます、来ませんか?」とメールした。ジョンウォンはそこに車を飛ばした。
インジがトランクを開けようと暗唱番号を入れたが、開かない。彼女は、テソンがトランクをジョンウォンの家から持って来たと聞き、自分のトランクではないと分かった。しかし彼女は、無理に開けようとしたらから鍵が壊れたと、ウソをついた。
「私と死にましょう」とインジは彼に言ったが、彼は2番(ジョンウォンを殺す)だと。そこにジョンウォンが来た。彼はテソンを殴って、インジを彼から離れさせた。テソンがジョンウォンをナイフで刺そうとした、、、インジがピストルを構えて2発彼を撃った。
テソンは倒れたが、起き上がりトランクを持ち湖の方向に行き、止めておいたボートで逃げた。
インジはジョンウォンから、ピストルには実弾が入っていなかったと聞いた。
彼女は「終わりにしたい」と疲れて果てて言い、彼の車から降りて去った。
テソンのボートはエンジンが切れた。その時、懐中電灯が彼を照らし、彼の胸にフェンシングの剣の先が刺さった。テソンはトランクと共に湖に沈んで行った。
ユン・ジオが、インジとすれ違った日、彼はNMのイ・ソンから、「あなたが適任、オム・テソンを始末できますか?」と指示されたのだった。
彼は家に帰った。ソヨンが戻って来て、フェンシングの剣の先の血に気づいた。
「少し前に人を殺した。僕は警護をしてた。先輩が殺された時、現場に居合わせたけど逃げたんだ、ずっと心に引っかかっていた。この結婚が好きだった」とジオは言い、家を出て行った。
ソヨンが警察に呼ばれた。テソンが盗んだのは、ソヨンのトランクだった。
無くなった物がないかトランクを確認するように言われ、ソヨンはトランクを開けた。中には、赤ちゃんの洋服やおもちゃが詰められていた。
インジはソ・ドバの家を売った。
その後、ジョンウォンの家に行き、結婚指輪を返し、自分のトランクを持ちだした。
ジョンウォンが家を取り壊すことにしたと聞き、インジは大きなハンマーを持ち、家の壁を壊した。そして、彼にハンマーを手渡した。彼もハンマーで壁を壊した。
「いつか偶然会ったら、一緒にいてほしい」とジョンウォンは言った。インジは何も言わず笑った。
「じゃあ2回出会えたら?2回目は間違いないはず。2回だね」と彼が何度も言った。
インジは「ありがとうございました。これだけは言いたかった」と言った。
ジョンウォンの家は取り壊された。
ソヨンは、湖変死体事件で、ユン・ジオが逮捕されたことを知った。彼女はジオのために弁護士を手配した。
ジョンウォンは新しい住まいで猫を2匹飼っていた。
インジも新しく部屋を借りて、犬を飼っていた。
2人はそれぞれ料理をして、一人で食べた。
インジは、「イテーション」という映画を見に来た。ホラー映画で、客席はガラガラだった。エンドクレジットまで残ったのは彼女だけだった。 ”音楽 ハン・ジョンウォン”とクレジットを見て、彼女は微笑んだ。
インジはあのトランクを売りに来て、3000ウォンで売った。
その後、町で1杯3000ウォンのコーヒーを買い、トランクを売ったお金で支払った。
赤いスカーフ(ジョンウォンに買ってもらった)を腕にかけ、コーヒーを持っていると、車が止まりジョンウォン出て来て、歩いて行った。
彼女は一瞬立ち止まり、息を整えて、彼が行った方向に歩いた。ジョンウォンが向こうから戻って来た。
「動物病院に来たんです、ネコの爪がはがれて、、ネコを飼ってるんです。元気ですか?」と彼は言った。
「怖かった、映画を見ました」とインジが言った。
「エンドクレジットも?」とジョンウォン、
「それを見るために」とインジ、
「1回目だ、1回目の偶然」とジョンウォン、
「あと1回ですね」とインジが言った。
ーー完ーー
最終回の感想と、全話見終えた感想
あらすじを書きながら2回目を視聴して、1回目で見落としたいたことが、だいぶ理解できたと思いました。
しかし全体的には、心に深い傷を負い病んでいる人たちが、再生していく物語だったという感想は、1回目を視聴した時と変わりませんでした。
ソヨンはかなり病んでいましたが、もしかしたらインジの方が、もっと病んでいたかもしれません。
ジョンウォンも病んではいましたが、彼は早い段階で、自分はインジのことが好きだと気づきました。それをインジに伝え、ソヨンには、元に戻れないとはっきり言いました。彼は自分の本当の気持ちを見つめることができ、弱さを認めることができる強さを持っていたのかなと思います。
インジの方が臆病だったかも。彼を好きだとは言わず、偽装結婚を正式に終わらせて、一旦彼と離れるという決断をしました。
もちろん、オム・テソンからジョンウォンを守りたいという気持ちがあったと思うけれど、それ以上に、5年間5人と偽装結婚をしていたことのけじめを自分につけたかったのでは、と思いました。
3話の感想で、「(高価な照明を)ガラクタとして売り払うべきだった」とインジが言ったセリフが、最終回に効いてくると書きました。
それはインジが、5000万ウォン(約500万円!)もした高価なあのトランクを、3000ウォン(300円)で売り払ったこと。NMの契約結婚の象徴とも言えるトランクを、彼女は自分の意思でガラクタとして売り払って、1杯のコーヒーに変えました。トランクを売り、過去との決別した時、彼女はジョンウォンと再会ができた、ということだったのではと思います。
ソヨンの契約結婚相手もソン・ジオ、彼がソヨンを愛していたと言うことが、2回目の視聴でよくわかって、そこは良かったと思いました。
ジョンウォンとインジが別れてから、それぞれの日常生活が簡単に描かれていたけれど、いつ再会できても大丈夫なように、二人とも日々を丁寧に暮らしているのが感じられました。
そして2人が再会し、ジョンウォンが、「動物病院に来た、ネコの爪が、、、」と話し始めるセリフとこの最後の場面が、大好きです。このなんともないシーンが。コン・ユさんが、ほんとに素敵だなって思います。ジョンウォンの飾らない率直な人柄がにじみ出てて、これは演技ではない、コン・ユさん、そのものなのかしら?
このドラマを見終えての感想は、人って、たった1人、自分を理解してくれる人とめぐり会うために、あくせくしているんじゃないか、、、巡り会えたら、本当に幸運だと思います。
最後の短い再会シーンを見たいがために、2回も見たドラマだった気がします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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