『D. P.  ー脱走兵追跡官ー』シーズン2 全6話 あらすじと感想 *ネタバレあり

画像:Netflix

2023年7月28日配信Netflix オリジナル韓国ドラマ『D.P.  ー脱走兵追跡官ー』シーズン2。

2021年8月に軍隊の闇をリアルに描いたシーズン1が世界に配信されました。脱走した兵士を連れ戻すD.P. に配属されたアン・ジュノが先輩のハン・ホヨルとバディを組み、任務に励む。そんな中、壮絶ないじめに遭い脱走した先輩のチョ・ソクポン一等兵が目の前で自殺を図ってしまった。”チョ一等兵、殺人未遂、要注意兵士でうつ病だった”とのニュースを見た、アニメ友達のがパク・ルリが「何も変わらない、何かしないと」と部隊の仲間に向かって機関銃を発射した、、衝撃の場面で終了したシーズン1、そこから2が始まるようです。

チョ・ソクポンを救えなかった、アン・ジュノ、ハン・ホヨル、パク中士、彼らの傷は大きいでしょう。シーズン1、6話で「軍隊が変わりますか?」とソクポンに聞かれた時「俺たちが変えよう」とホヨルは言った、変えられるのか?ほんとうに?もちろんすぐには変わらないだろうけど、少なくとも風穴を開けることはできるのか? チョ一等兵の生死は不明です。

もしかしたら、この”D.P”というドラマを世界に発信することが、現実に風穴を開ける力になるのでは?などと思いながら、、。

*ネタバレあり


シーズン1のあらすじと感想は以下でまとめています。

概 要

放送局:Netflix

配信日:2023年7月28日 全6話

ジャンル:ヒューマンドラマ

演出:ハン・ジュ二監督

脚本:キム・ボトン(ハン・ジュニ監督と共同執筆)

原作:キム・ボトン「D.P. 犬の日」

登場人物とキャスト

アン・ジュノ(チョン・ヘイン):一等兵、D.P所属

ハン・ホヨル(ク・ギョファン):兵長、D.P.組長

パク・ボムグ(キム・ソンギユン):捜査課のD.P.担当官、職業軍人、職級は”中士”、懲戒処分を受けた。

イム・ジソプ(ソン・ソック):憲兵大将補佐官、職業軍人、職級は”大尉”、転出命令を受けた。

ソ・ウン(キム・ジヒョン):軍特別捜査団の副団長(シーズン2から)

グ・ジャウン(チ・ジニ):陸軍本部法務室長、軍特別捜査団の団長、准将(シーズン2から)

チョ・ソクポン(チョ・ヒョンチョル):一等兵、ジュノ先輩、元柔道家、美術学院講師、生死不明

ホ・ギヨン(パク・セジュン):一等兵、速報質所属

パク・ルリ:チョ・ソクポンのアニメ友だち、部隊でいじめに遭い、ソクポンのニュースをみて銃を乱射した。

シン・ヘヨン:シーズン1、1話で自殺したシン・ウンソの姉、軍人権センター幹事。市民団体と共に国家賠償訴訟を準備している。

第1話 梅雨

懲戒処分を受けたパク・ボムグ中士(チョ・ソクポンの件で、大将に抗命した為)は、軍の用意した陳述書への署名を1ヶ月も保留していた。

今日が期限日、国軍本部でオ准尉から直々に『チョが精神疾患を患っていたのは明白、脱営で軍の指揮と名誉を失墜させ、犯罪と自殺未遂で兵力の安全を脅かす、、』に署名するように強制されたが、パクは陳述に同意できないと拒否した。

イム・ジソプ大尉が入ってきて、パク中士を外に連れ出した。梅雨の大雨である。イム大尉も、転出命令を受けて、営倉のような事務所に配属されていた。

大尉は「ソクポンの件は内々で処理すべき、同意しないと軍事裁判になり師団も終わる。ジュノやホヨルにも最善策だ」と説得した。

パク中士がやっと陳述書にサインをという時に、サイレンが響き渡った。

18機甲旅団で銃撃事件が発生し、犯人は駐屯地内に” 銃撃犯の情報を見て中士は驚いた、チョ・ソクポンの友だちのキム・ルリだったから。


アン・ジュノは一等兵に昇格していた。

軍では、ファンの子分だったリュ・イガンが子分を引き連れ、威張っていた。何も変わらない。

ハン・ホヨル組長はあれ依頼、3ヶ月も入院していた。

D.P.の席を空白にはできない、ジュノの新しいバディとして、”パク・セウン”が任命されたが、D.P.を軍の外で遊べると思っている全くやる気のないヤツだった。

ジュノがリュの命令でボイラーを直している時、ホ・ギヨンがリュたちのいじめの対象にされ、殴る蹴るの暴行を受けていた。

ジュノは、リュたちに「なぜホ上等兵にあんなことを」と抗議したが「救い難い超廃級」と揶揄され、殴られた。ジュノは殴り返し、罰として、一晩中思い荷物を背負い走らされた。

ホ・ギヨンが「D.P.たち出動だ、武装脱走兵が出た」と入ってきた。そしてジュノに「昨日かばってくれたけど、ありがたくない。俺とお前は違う」と言った。

ジュノが捜査課に走っていくと、パク中士が戻って来ていた。

出動しろと言ったが、パク・セウンは、怖くてできないとD.P.をやめていた。

じゃあ、誰が一緒に?


キム・ルリもいじめられていた。部隊の中で、いつも「ブタ野郎、まぬけ、のろま、、」と侮辱され、殴られ、殺虫剤を顔に吹きかけられ、、

”容疑者のチョ一等兵は特別管理対象だった、うつ病のため軍隊生活に適応できなかった”とニュースを見て、彼は「何も変わっていない」と銃を部隊の兵士たちに乱射したのだ。


入院中のハン・ホヨル、検査をしても体に異常はない、しかし”話すこと”ができなかった。

”兵士が銃を乱射した。18機甲旅団、キム・ルリ一等兵が脱走。K2小銃と手榴弾を所持している”と緊急ニュースが。

ホヨルは、TV画面のキム・ルリの写真を見て驚愕、チョ・ソクポンのことで話を聞いた、彼のアニメ友だちだったから。


第2話 ダーティープレー

4ヶ月前、ホヨルがチョ・ソクポンのことでキム・ルリに会いに行った時、彼が同じ部隊の兵士たちからいじめられていたのを見て、ちょっと助けた。そのルリが事件を起こした。

ホヨルは自分から”行きたい”とパク中士に連絡した。

国軍本部で、事件についての記者会見が開かれた。パク中士、イム大尉、ジュノも会場にいた。

軍特別捜査団、副団長のソ・ウン中領が会見した。

「おぞましい銃乱射事件が発生、命を奪った犯人は武装して脱営、国軍本部の優先目標は犯人の生捕りがだが、最優先事項は追撃兵と国民の安全、先制攻撃で制圧する」、つまり射殺も許す、との見解を示した。このニュースは大々的にTVで放映された。

“射殺もあり”の軍本部に対して、D.P.たちは「無事、軍に連れ戻す」、両者には大きな隔たりがあった。


”ルリの家”という、ルリの母親が経営する店に、大勢の人が押し寄せ、石を投げ、落書きし、騒ぎになっていた。ジュノがそこに着いた。

母親が放心して出てきて、「ルリが悪い、でもそうなった原因は、毎日’ブタ野郎”と罵倒したり、殴ったりしたからでしょ」と泣いた。銃撃の犠牲になった息子の母親や大勢の人がルリの母親に向かってなだれ込み、み合いになった。

ジュノは止めようとして弾き出され、そこにホヨルが来た。

ジュノの問いかけに、ホヨルはタブレットをみせた、”話せないんだ”とあった。


逃亡中のキム・ルリが生配信を行なった。

「僕は先輩たちを撃った、僕をいじめたから、僕の方が死にそうだったから。先輩たちは母の悪口を言い、顔に殺虫剤を撒き、殴った、幹部は見て見ぬフリ、これは正当防衛です。軍は僕が1年間どんな目にあっていたかを公表せず、撃ったことだけを言ってる。俺は引き下がらない!」と叫んだ。ルリの母はライブを見て気絶した。目覚めた彼女は、ジュノとホヨルに「息子を助けてください」と涙を流して頼んだ。


イム大尉とソ・ウン中領は元夫婦。大尉とパク中士はソ・ウン中領に「D.P. もキム・ルリを捜す協力をする」と言ったが、ソ・ウンは「捜さない、おびきだす」と言った。

TVでは、ルリの実家に大勢の人々が押しかけて、母親に罵倒を浴びせ、集団暴行している映像がながれていた。

「来ないわけがない、現場も準備中よ」とソ・ウンは言った。

パク中士たちは、軍がキム・ルリを射殺しないように、なんとかしなくてはと思っていた。


ルリの実家は、銃を持った多数の兵士たちに包囲されていた。ジュノとホヨルはその規模の大きさに驚き、ホヨルは気分が悪くなり車の中で休んだ。外は雨。

数人の兵士が母親を無理やり外に連れ出そうとした時、ルリが一人の兵士を人質に家の中に入ってきた。

母親は兵士たちに外に出され、ルリは手榴弾と人質と一緒に外に出た。銃を構えた兵士たちが何重にも囲んでいる。

緊張が続く中、ルリの人質が逃げた。

ホヨルの目には、銃を持った兵士に包囲され、手榴弾を持ってわめいているルリが、あの日のトンネルの外のチョ・ソクポンの姿に重なった。パク中士から「キム・ルリを救え、会ったじゃないか、今度こそ助けるんだ」と電話が。

ホヨルはタブレットを持って車を降り、店の中からライブ配信を始めた。

キム・ルリ、全部撮ってる、ライブ配信中だ、誰も撃てない」と叫んだ(声が出た)。ジュノが店に走って入り、兵士が入ってくるのを防いだ。

2人はルリに向かって「会っただろう、僕たちは味方、生きて晴らそう」と必死で声をかけた。

ソ・ウンは、発砲命令を出せなかった。

ルリの母親が息子に近づいた。母は彼の手から手榴弾をはずさせ2人で抱き合った。

グ団長が車から降り、ルリの手から手榴弾を取り、母親に「公明正大に裁判すると約束します」と言った。

ジュノとホヨルは、「止めた」「たすかった」と小さな声で言いあった。


ソ・ウン中領は責任を負わされ、免職になった

ニュースでは、”グ・ジャウン法務室長が投降を説得、キム一等兵は自首し検挙された”と流れた。

病室でそれを聞き、涙を流している人がいた、チェ・ソクポンだった。

感 想

雨の中、パク・ルリを射殺しようとすごい人数の兵士が手配され、緊迫した場面が続きました。

パク中士、ジュノ、ホヨルの3人、そしてイム大尉も「必ず生きて連れ戻す、今度こそ何があっても助けなければ」という同じ思いでした。

感動しました。


第3話 カーテンコール

ハン・ホヨルとアン・ジュノは、パク・ルリの件で、褒賞された。国軍刑務所行きかと思ってのに、驚いた。パク中士は「団長がルリに手錠をかけたから、褒めあって一件落着ってことだ」と言った。

イム・ジプソ大尉も復帰した。


ホヨルとジュノに、次の任務が下った。前に逃した”チャン・ソンミン”、ホヨルに苦い過去が蘇った。

10ヶ月前、ホヨルは、前のバディのパク・ソンウとチャン・ソンミンを捕まえに行った。

彼は、クラブのダンサーで、ニーナと呼ばれていた。

楽屋で化粧を落としている彼に、ホヨルは「チャン・ソンミン上等兵?」と声をかけた。ニーナは動揺した、、軍隊での陰湿ないじめが蘇った。

チャンはとっさに、テーブルにあったナイフをホヨルに向け、「助けて、お願い」と震えながらホヨルの脇腹を刺し逃走した。ホヨルは血まみれで倒れた。


軍ではパク中士たちが、チャン・ソンミンのプロファイルを見ていた。

〔演劇映画科出身、高校時代は演劇祭で主演女優賞にノミネート、チェーホフの「かもめ」のニーナ役、悲劇のヒロイン〕


ホヨルとジュノは、梨泰院の警察で、”チャン・ソンミンがタイガー実業という違法な業務を請け負う連中に、何かを依頼した”という情報を得た。

2人は早速、タイガー実業に紛れ込んだ。警察が踏みこみ、ジュノたちはボスを捕まえ話を聞いた。

「チャン・ソンミンは、誰かを刺したとメソメソ泣いて、”あそこ(軍隊)に戻ったら、死んでしまう。あそこで死ぬぐらいならここで死ぬ。お願い”と。せっぱつまって見えた。仁川で身分ロンダリングをやっているところに行かせた」と。

仁川でチャンは、洗濯工業で働いていた。朝夜かけもちで、フラフラになりながら。

夜、彼はメイクをして、”ニーナ”という名でバーで歌った。

Wig in a box

🎵 こんな夜、なんだか騒がしい この夜

トレーラーパーク 明かりが消えると 

私は孤独 疲れ果て 悲しみに引き裂かれそう

メイクアップして カセットテープを再生

ウィッグで仕上げれば 

いつしか 微笑み浮かべる ミスコン・クイーン

いつまでも 私 眠っていてはダメ

過ぎ去った日々を振り返り

女に変わった私を眺めると すべては日常になる

不思議な人生も 今はお酒を一杯のみながら

見つけるベルベットの箱の中 贈り物の私のウィッグ

メイクアップして リズム&ブルース

ステキな贈り物のウィッグをかぶれば

いつしか ほほ笑み浮かべるミスコン・クイーン

いつまでも 私 眠っていてはダメ 🎶


ホヨルとジュノは、チャンが住んでいた質素な部屋を見た。

ジュノが「チャンを見逃してやっては?」と言ったが、ホヨルは「奴のためになるか?同情禁止」と言い聞かせた。

パク中士から「チャンが旅券を手に入れた」と情報が。

警察から、例のゴロツキの親分が有名な身分証を偽造するプロとの情報を得て、仁川のタイガー実業に侵入した。

しかし2人は梨泰院の連中からの情報で、警察と間違われ、その場から逃亡。

路地裏でジュノが捕まりそうになった時、ドアが開き、誰かが彼を素早く部屋に引き入れた、ヨンオクだった。(シーズン1、3話:脱走兵チョン・ヒョンミンの彼女だった女性)。ヨンオクは、”All About Jazz” という店をやっていた。

ジュノは”ニーナ”と言う名前の”チャン・ソンミン”の写真を見た。「ニーナ、うちの看板スターだった」とヨンオクは言った。

ニーナは、有名なミュージカル演出家から、「チェーホフの“かもめ”を前衛ミュージカルにする。稽古はロンドンのウエストエンド、現地のスタッフとのコラボ作品、オッケーなら渡航の手配をする」と誘いを受けた。夢のようなチャンスだった。「旅券はある?」と聞かれ、「はい」と彼は答えた。

大韓民国 旅券 チャン・ニーナ”、彼は仁川の親分から偽造旅券を受け取った。

「ニーナが捕まらなかったらいいな」とヨンオクはジュノに言った。


ホヨルとジュノは空港で、3日前のビデオを見せられた。

ソンミンが、チャン・ニーナのパスポートで出国カウンターで手続きをしていたが、機械がパスポートを読み取れない、再度試みたがダメである。「少々お待ちを」とカウンターの女性がパスポートを持ってその場を離れた。しばらくして男性と共に来て「こちらに」と。チャンはすごい勢いでその場から逃走した。荷物を運ぶカートとぶつかり倒れて頭を打ったが、起き上がり空港から飛び出した。

女性は「私たちはただ機械が直るまで座っていただこうと」と証言していた。

2人はチャンを捜しに空港を出た、遠くにいける体ではない。

チョン・ソンミンは大きな橋の上を歩いていたが、やがて倒れた。いつもステージで歌っていた歌を口ずさんだ、、

ホヨルとジュノは、倒れているソンミンを見つけた。


「遺体は警察に収容された。死因は破傷風と失血、栄養失調で急激なショック状態に。あまり思い詰めるな」とパク中士が言った。

感 想

一編の映画のように、美しく哀しいストリーでした。

チャン・ニーナの歌が沁みました。

彼の死が、悲しいです。


第4話 プルコギ怪談

ソ・ウン元中領が、元夫イム・ジソプ大尉を訪ねて来た。「あの時、なぜキム・ルリの発砲命令を出さなかった?」と聞くイム大尉に「出せなかった、グ・ジャウンにはなれなかった」と彼女は言い、元夫に USB”補助記録装置” を「手強い相手だから保険が代わりに」と渡した。

そのUSBは、パク中士がギヨンの知り合いの民間業者に預けた。


パク中士とイム大尉は、グ・ジャウン准将に呼ばれて、国軍放送に行った。オ准尉も同席。

用件は「ナ・ジュンソク下士が、GPの地雷から隊員を救って死亡した件、遺族たちが疑問を提起した。国家人権委員会から、もう一度調査しろと勧告を受けた。当時、軍が何かを隠蔽していると非難が殺到、我々の中で一番疑っているイム大尉が再捜査すべき」と指名された。

ナ・ジュンソク下士は、イム大尉にとって弟のような存在だった。イム大尉は、ナ下士から電話を受けたが、その翌日に彼が亡くなったことを気にしていた。

死亡当時、アリバイを明かさず問題になった者がいた、シン・アンフィ一等兵分隊長。

イム大尉は真相を解明するために、アン・ジュノを連れてGPに向かった。GPは島のようなところ、閉鎖的、組織ぐるみで隠すことができると大尉は言った。

“非武装地帯 監視所”に到着すると、GP長のホ・テサンが待っていた。

ホは観測所に案内した。ジュノが望遠鏡を覗くと、すぐそこに北朝鮮側の監視所と人が見えた。

イム大尉は望遠鏡で事故現場を見た。フェンスが張り巡らされ、未除去の地雷が埋まっている場所である。

報告書では、”地雷を踏んだシン・アンフィ一等兵をナ下士が助けたが、その直後に地雷が爆破してナ下士は死亡” となっていた。

イム大尉は、詳しい状況を聞く為に、シン・アンフィを呼んだが、彼は反抗的な態度をとった。

大きな音がして急に停電した。GP長のホがろうそくを持って来て「北の奴らが胆力訓練をしている。昼間見た穴は、朝鮮戦争の時に作られた。北の奴らは戦後も南へ侵入、ここの兵士たちを殺した。こっちも穴を開け人民軍を捕まえてドラム缶に入れて燃やした。”プルコギ作戦”だった」と話した。

イム大尉は再度、シン・アンフィを呼び、「その日の記録には、地雷が埋まった制限区域に、お前とナ下士2人だけで入っている。憶測したことを話す。お前がナ下士を呼び出し、反抗的な態度で追い込み、ナ下士が誤って地雷を踏み爆発した」と言った。


パク中士は、オ准尉に呼び出され、おもちゃ売り場に来ていた。

「ソ中領がイム大尉に渡したUSBを持ってこい」とオ准尉は言ったが、パク中士は知らないフリをした。「軍の一級機密が入っている。ねつ造した事件の記録だ、君だけの問題か?」と家族に危害及ぶと脅した。

オ准尉はレジに預けていた箱をパク中士に渡し、GP長のホ・テサンを呼んだ。パク中士は彼から真実を聞き、イム大尉とジュノが危ないとホヨルにGPへ出動を指令した。


イム大尉は平静さを失っていた。”シン・アンフィがナ下士をいびり、ナ下士が事故で死亡、部隊全体で隠蔽した”とストリーを作りあげた。ジュノが、一理あるが確実じゃない、と言うと、大尉は確実にすると、アンフィを部屋に閉じ込め中から鍵をかけた。

アンフィは、イム大尉の顔つきが変わったと言った。大尉はアンフィを何度も殴った。

「プルコギ、対南放送のせいで越北が頻発したから、見せしめに穴を開けて人民軍を捕まえた。ところがアホな先輩たちはその穴を閉め忘れた。酒を飲み、いびきをかいてる時、北の奴らが火炎放射器を持って現れた。そして兵士たちは残骸となり、肉片がベタベタ、、」と言って、アンフィは火傷でただれた腕を見せた。

イム大尉はろうそくを持って、「じっくり見てやる、見せろ」とアンフィに迫った。彼はパニックになり、ろうそくを投げ、火が広がった。アンフィは気絶、その時ドアを開け、ホヨル、パク中士、ジュノが入って来て火を消した。防犯カメラに一部終始が映されていた。

パク中士はイム大尉に、隠蔽された真実は我々の推測とは違った、とGP長のホから聞いた話をした。

「GPの軍紀を乱した主犯は、ナ下士。彼がアンフィを地雷が埋められている柵の前に呼び出し、プルゴキの話をして、いびった。そして自ら地雷を踏んだ、アンフィは両腕にひどい火傷を負った。真実を明かせば、アンフィも軍事裁判へ、無罪を勝ち取るのは難しい、だから隠蔽することに同意した。でもその後、アンフィの態度が変わった、ナ・ジュンソクのようになった」と。

グ・ジャウン准将はすべて知っていた。


”捜査結果に相違なし”で集結となった。

グ准将が、イム大尉に電話し「大好きな真実を知った気分は?暴露する?部下を救い命をなげうったナ下士か、パワハラで兵士を苦しめ死んだナ下士か?後者に決めると彼の家族への年金がとまる」とあざ笑った。

パク中士が代わり「ここまでする理由は?」と聞くと、「お前たちを封じるためだ。ふざけそうで、箱を開けたか?」とオ准尉の言葉に、パク中士は車まで走った、箱の中には現金、その受け渡しのビデオが撮られていた。「UBSを持ってこい、軍服を着続けたければ」とオ准尉は言った。

ジュノは何のUSBか知らなかったが、龍山に取りに行く役目になった。


バス停にいるとTVからニュースが。

シン・ウンソ(D.P. シーズン1、1話で自殺した脱走兵)の姉、シン・ヘヨンが、”軍人権センターの幹事”として出演していた。「私たちは市民団体と共に、国家賠償訴訟を準備している。軍による隠蔽や矮小化で、真相が解明されていない事件の当事者や遺族が参加している。事件の被害者も加害者も国のシステムの中にいた。国も共犯者、あやまちを認めるべき。人としてすべきことしましょう」と話していた。

ジュノは姿を消した。

感 想

4話はかなり難しかったです。色々な要素が含まれています。どのエピソードのそうですが。

”GP”という場所は、実際にあるのですね。

思い込みの怖さ、イム大尉は、ナ・ジュンソク下士を思うあまり、都合のいいストリーを作り、シン・アンフィを悪者に仕立てました。でも視聴している私も、イム大尉と同じように思ってました。

そして悲しいのは、アンフィが、自分をいじめたナ下士が地雷を踏んで死んだ後、ナ・ジュンソクと同じように、人を威圧し、恐怖を与える言葉を使う人になっていたこと、、。

GP、想像を絶する極限的な環境、目の前で上官が地雷で亡くなった、正気を保てなくなったのでしょう、、。


第5話 アン・ジュノ

陸軍を解雇されたソ・ウンは弁護士になり、パク・ルリと接見、「あなたの代理人になった。国を相手に損害賠償訴訟をする、あなたの件も含めて。みんなのための訴訟」と言った。

ルリが「僕は人を撃ちましたよ」と言うと、「その罪を全て背負うつもり?誰もあなたの味方をしない、あなた自身もね、私たちのせいで」とソ・ウンは言った。


ジュノはUSBを取りに行った。業者は「何をやってもコピーも転送もできない」と言った。ジュノは返してもらう前に中身を見た。

軍用 補助記憶装置”と書かれたUBSには、軍事機密文書がファイルごとに入っていた。そこには”GPのナ・ジュンソク下士”のファイルもあった。”チョ・ソクポン事件”は、”個人の過失として処理”と記載されていた。

キム・ルリ銃乱射所見書”を開いた。”チョン・ヒョンボム、負傷後1時間30分、ヘリを待って死亡。司令部の救助遅延、即死ではなく救助遅延が公になれば、関係者多数が処分を受け、軍首脳部に対する非難の懸念あり”と記載されていた。


キム・ルリの現場検証が行われた。犠牲になった兵士の遺族や軍の関係者の立ち合いのもとで。

その後、グ・ジャウン准将は「ごらんの通り、チョン上等兵は即死」と会見した。

シン・ヘヨン(軍人権センターの幹事)が、「銃声を聞いた将校が緊急連絡網で師団司令部と交信した記録から、危機対応班の到着まで約1時間半の空白が」と抗議したが、グは「調査中」と言って逃げた。

ソ・ウンがシン・ヘヨンに「団体訴訟を共にする弁護士」と自己紹介し、「今みたい真正面から食ってかかるのは卵で岩をたたくようなもの」と忠告すると「卵は割れても岩に傷痕は残る」とヘヨンは答えた。

ジュノはシン・へヨンに電話し、「キム・ルリ事件について、チョン・ヒョンボムの死因は出血多量、もっと早く処置していれば助かっていた。大田メモリアルパーク、納骨堂で会いましょう。名前は会った時に」と言った。


パク中士とホヨルは、ジュノの家に行った。母は彼らを待っていて「ジュノが来ました」とメモを見せた。”母さん、僕は大丈夫です。すべきことをして復帰します”とあった。

3人の会話を父が隠れて聞いていた。オ准尉がジュノの父に接触し、食事とカネを渡して情報を仕入れた。

ジュノはホヨルとパク中士に電話した。「USBの内容を知ったら僕と同じことをするでしょう」と言うとパク中士は「俺たちはお前らを守る責任がある。これはお前が背負うことじゃない」と、「では、誰が背負うんですか?」とジュノは言って電話を切った。

ギヨンがジュノが光明駅前のネットカフェから電話して来たことを突き止め、ホヨルたちに連絡した。

しかしすぐ後で、ギヨンは隊長室に呼ばれた。グ・ジャウン准将が「アン・ジュノの位置確認は出た?」と聞いた。


オ准尉が大人数の兵士たちを集合させ「103師団のD.P.アン・ジュのが脱営、機密文書のUSBを持って消えた。必ず捕まえろ、その過程で起きたことは不問に付す」と命令した。

ジュノはシン・ヘヨンに電話し、1時間後に大田メモリアルパークで会うことを確認したが。

ジュノが乗った大田行きのKTX201に、私服の兵士2名が乗車しオ准尉に報告した。オ准尉は他の兵士たちにそれぞれ指示した。

ジュノは列車に乗っていた兵士2人を倒し、トイレに閉じ込めた。

次の駅で多数の兵士とオ准尉が乗車して来たが、ジュノは下車し別の電車に乗車、兵士たちも乗り換えて来た。ジュノは乗客がいない車両に彼らをおびき寄せ、一人で多数相手に格闘し倒した、満身創痍になりながら。最後にオ准尉が来たが、ホヨルが間に合って援軍し、ジュノを逃した。

しかし降りた駅には、パク・ソンウ(シーズン1、1話でバディを組んだD.P) が待っていた。彼はジュノに復讐するために体を鍛えていた、ジュノは倒された。


大田メモリアルパーク、シン・ウンソの納骨堂の前で、シン・ヘヨンが待っていた。ジュノに電話するが出ない。彼女は納骨堂の中に”ライター”を見つけた。ジュノがあの夜、ウソクに渡し、彼が着火炭に火をつけて自殺したライター、”ごめんなさい”とメモがついていた。

感 想

アン・ジュノは「人としてすべきことをするため」に、USBを持って脱走しました。

パク中士は「お前が背負わなくてもいい」と言ったけれど、「じゃあ、誰が?」、誰も背負えない、相手が大きすぎて。ジュノは、シン・ウンソの自殺とチョ・ソクポンさんの件があるから、「何もしないと何も変わらない」から。ジュノがあがいて、精神力と身体能力で立ち向かっている、すごいです。

ソ・ウンとシン・ヘヨンの、”卵と岩”の会話、村上春樹さんの ”エルサレム賞受賞スピーチ「壁と卵」” を思い出しました。脚本家もそれを意識していたのでは?と思いました。


第6話(最終回)明日

パク・ソンウはジュノを軍隊に連れ戻した。彼は家が借金で困窮し、給料目立てで副士官になっていた。

オ准尉がソンウが踏んで壊したUSBを修復したが、パソコンに繋ぐと全然別の内容だった。ジュノは、コピーできないと聞き、中身を入れ替えてもらったのだ。機密文書が入った中身は別のUSBケースに入入れ、チョ・ソクポンのロッカーに隠された。


ホヨルはジュノを助けるために、グ・ジャウン准将とオ准尉を呼び出した。ヤン隊長の弱みを握り、下記の供述を録音してメールしたのだ。

私は103師団、憲兵隊長ヤン中領。グ・ジャウン准将は、隠蔽の真相を知りながら、イム大尉とパク中士をGPに行かせた。その過程で命令権を有する私を人事権を盾に脅迫した”

ホヨルは、”拘束令状の保留と全作戦の中断”を要求し、裁判までにUSBを見つけ出すと約束した。

ソンウはジュノを軍刑務所に運ぼうとしたが、ジュノは手錠を外して車から逃げた、彼は令状が取り消されたことを知らなかった。


シン・ヘヨンが軍に来た、ジュノが大田の納骨堂に来なかったので。パク中士が面会した。

彼女は例の”ライター”を持っていた。パク中士は、ジュノはD.P.で、あの日何があったか話した。「ジュノは弟さんが亡くなってから必死だった、答えのない質問にひたすらぶつかり続けた」と言ったが、へヨンは「口先だけの弁明」と。中士が「ここはしかたがないところ」と言うと、「”しかたがない”が大嫌いです。チョン上等兵は撃たれた後、1時間以上放置され出血多量で死んだ、アン一等兵が渡そうとした資料に根拠があるはず。軍隊には兵士たちを守り救うという義務があるのでは?」とへヨンは続けた。


ジュノの母が外に出ると、隠れていたジュノが「母さん」と声をかけた。外の袋に入れておいた”キンパ”に彼は気づいたようだ。

母は「幹部の人が必ず電話してくれと。その声がとても切実そうだった」と言った。


ホヨルはジュノの足取りを追っていた。パク中士から「ジュノが移動中に逃げた。先にUSBを見つけ、グ・ジャウンに渡すしかない。明日ジュノを裁判所で捕まえろ」と電話があった。


軍人権センターが、国を相手に起こした”損害賠償請求訴訟”が始まった。

イム大尉がソ・ウン弁護士に「連絡がついた。USBが来るまで粘ろう」と言った。

裁判が始まった。

グ・ジャウン准将、「キム・ルリ事件は、2015年4月4日、22時07分ごろ、武装したままのキム・ルリが生活館に進入、休憩中の隊員に14発の実弾を発砲した。それにより8名が負傷、そのうち2名が死亡した。これは軍捜査当局が犯人キム・ルリの自白と現場検証で明らかにした事実であり、国が責務を全うした証拠でもある」

ソ・ウン弁護士、「異議あり。チョン上等兵が銃撃による即死?救う時間があったなら傍観」

グ・ジャウン准将、「”あったなら?” 原告代理人さえ確信がない。確かなのは、犯人キム・ルリが乱射した事実、これに国が責任があると?」


裁判所の前で、ホヨルはジュノを見つけ「ベストは尽くした、USBを出せ、お前の安全確保」と言った。そこにパク・ソンウが現れた。オ准尉から、ジュノとUSBの確保命令で。ジュノとソンウの激しい格闘、そこにホヨルも参戦し、ソンウが倒れた。

「USBを」というホヨルに、ジュノは「すみません、USBはありません」と言った。

母から”声が切実そうだった”と聞いたジュノは、パク中士に電話した。出たのはシン・ヘヨンだった。「何があったか聞いた」というへヨンに、ジュノが「すみません」と言うと、「謝らないで。大事なのは明日でしょ」と彼女は言い、パク中士代わった。「USBはどこだ?俺が届ける、信じろ」と言った。

ホヨルは「ポグムさんにだまされてる」とジュノに言った。


裁判は続いていた。

原告側の証人として、イム大尉が証人台に立った。

「キム・ルリの銃撃で、太ももに弾丸が貫通したチョン上等兵は、救助ヘリの到着遅延という状況下で1時間半生きていた。

銃乱射に接した状況で我々は何をすべきか?答えは簡単、”命令を待つ”。遠隔地、前線部隊、その上空にヘリを飛ばすには司令部の許可が必要、現場を知らない司令部の許可待ちがどれほど長い時間であるか我々は知っている。

軍人であるが故の命令待ちのせいで、人が死んではならないと言いたいのです。

チョ・ソクポン、キム・ルリ、チョン・ヒョンボム、ナ・ジュンソク、個人の過失?その個人が集まった理由は?何のために軍隊へ?皆、国を守るために軍隊に来た。

共同生活中に殺人が起きたが、国に責任はない?証拠なし、原因にはならない?そんな国の何を守るために軍人になったのでしょう」

その時、扉が開いた。

「イム大尉の話を立証するチョン上等兵の所見書とキム・ルリ銃撃の報告書を証拠として提出します。即死ではないという証拠です」とソ弁護士は言った。

パク中士からソ弁護士がUSBを受け取り、裁判長に渡した。

「出所不明の資料は不採用」とグ・ジャウンが焦ったが、「出所は私、パク・ボムグ中士です」。

原告が提出した証拠を考慮し、判決が下された。

主文:軍部隊、すなわち指揮官と軍捜査機関、軍検察を含む国の賠償責任を認める。


パク中士は、”機密流失と国家保安法違反の疑い”で、オ准尉に手錠をかけられた。

ジュノとホヨルが、パク中士をみて泣いた。ジュノは「僕が始めたのに」と。

パク中士は「D.P. 、外で元気で暮らせ(ホヨルに)。ジュノは営倉を出た後、軍隊で頑張れ、最後まで」と2人に言い、「大丈夫だ」と彼らの肩を叩いた。


ジュノ、ホヨル、イム大尉が、刑務所に収監されているパク担当官の面会に行った。DPたちが席を外した後、イム大尉が「全部一人で背負った」と言うと、パク中士は「一人で十分、イム大尉は残って兵士たちを守らないと」と。イム大尉は「パク中士、僕は多くのことを学びました。感謝します」と頭を下げた。


ジュノは除隊したホヨルをバス停に送った。

「ジュノ、全部おわったよな?」と聞くホヨルに、ジュノは「まだ始まってもいないと思うけど」と。

ホヨルのバスの出発の案内、立ち上がったホヨルの後ろ姿にジュノは「ヒョン、気をつけて」と。ホヨルは振り返り「またな」と手を振った。

ジュノが乗った帰りのバス、あるバス停の前に数人の若者の輪が見えた。その一人が振り返り、ジュノと目があった、ファン・ジャンス(シーズン1で、チョ・ソクポンをいじめ抜いた兵士)だった、2人は見つめあった。

ーー〔エピローグ〕ーー

アン・ジュノを訪ねてきた人が、、、チョ・ソクポンだった。「元気か ジュノ」ソクポンは言った。ジュノは泣きそうになった後、笑った。


D.P.シーズン2を見終えた感想

本当に見る価値のあるドラマでした。

最後の場面、そして、ジュノの表情が、多くのことを物語っていたと思います。

チョ・ソクポンさんは、ポンディー先生に戻れたんじゃないかと思いました。あの事件を、ジュノたちと共に超えて。

パク中士が、シン・ヘヨンに、「ジュノは答えのない質問にひたすらぶつかり続けた」と言ましたが、本当にその通りでした。

そして、ジュノに「お前が背負う必要はない」と言ったパク中士が、一人ですべての責任を背負いました。本当にかっこいいです(軽い言葉になりますが)。

「まだ始まってもいないと思うけど」とジュノはホヨルに言いましたが、大きな岩に卵の傷跡だけじゃなく、確実に穴を開けたのではないでしょうか?

シーズン1では、韓国の兵役のリアル、不条理、闇が描かれました。

シーズン2では、人の生き方が問われている気がしました。

このドラマ、映画のようでもありました。何一つ無駄なセリフや場面もなく、語り過ぎず、映像で見せていく。アクションも素晴らしかったです。集団のいじめ、暴力も描かれましたが、人が人を信じて闘い救う姿も描かれました。

1回だけの視聴では難しかったです。

韓国ドラマの凄みと覚悟を見せつけられた気がします。言い尽くせませんが、、。

素晴らしいドラマに感謝したいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

Drama
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