IMF金融危機で、韓国が大打撃を受けた1998年を背景に、時代の波に翻弄されながらも、夢を追いかけ、懸命に生きる若者たちの友情、愛情、成長を描くヒューマンドラマ。
ここでは、第7話から最終回までのあらすじと感想を書いていきます。
*ネタバレあり
登場人物( )はキャスト
ナ・ヒド(キム・テリ):高校生、フェンシング韓国代表選手
ペク・イジン(ナム・ジュヒョク):UBSスポーツ記者。IMF金融危機で、父親の事業が倒産して、大学を中退せざるを得ず辛酸を舐めるが、現在はUBSスポーツ記者として出発している
コ・ユリム(キム・ジヨン):高校生、フェンシング韓国代表として金メダルを獲得した実績を持つ
ムン・ジウン(チェ・ヒョンウク):ナ・ヒド、コ・ユリムと同じ高校のイケメン男子高校生
チ・スンワン(イ・ジュミョン):ナ・ヒドたちの同級生で、学年一位の成績、学級委委員長。放送部所属で、ペク・ヘジンを放送部先輩と崇めている
〔周辺の人物〕
シン・ジェギョン(ソ・ジェヒ):ヒドの母。UBS局のニュース番組のキャスター
ヤン・チャンミ(キム・ヒョウン):高校フェンシング部のコーチ、ナ・ヒドの素質を見抜く、ヒドの母親とも昔から知り合い。
ペク・イヒョン(チェ・ミンヨン):ペク・イジンの弟
第7話 あらすじ
1999年、慶州アジア大会の決勝戦は、コ・ユリム と ナ・ヒドとの戦いになった。
両者一歩も譲らず熱戦が繰り広げられ、ユリム14、ヒド14、あと1点取った方が優勝。
際どい戦いーーー審判は、ヒドに手をあげ、14 対 15 でヒドが勝利した!
しかし、ヒドの喜びも束の間、ユリムが「私の方が早かった」と審判に抗議したのである。
優勝したヒドのインタビューが、記者のペク・イジンによって行われたが、敗退し、涙を流すユリムの方にたくさんの記者が集まり、カメラのフラッシュがたかれていた。
記者会見に、金メダルを掛けたヒド、銀メダルのユリム、監督が現れた。
記者たちのヒドへの質問は、
「最後の審判が誤審ではなかったか?」「誤審でないなら、なぜ論争に?」
「審判と知り合いでは?」「誤審ならメダルを返すか?」「コ・ユリムに悪いと思わないか?」
等々、、ひどいものだった。
傷ついたヒドは、金メダルを外して、会見途中で席を立って出て行った。
ユリムもそれに続いた。
控室で、ユリムは「誤審で金メダルを逃した」とヒドを責めたてた。
ヒドは「あなたが結果を認めないから、私の金メダルは名誉を失った」と言ったが、
「私は金メダルを奪われた」と譲らないユリム。
ヒドはその場を去った。
フェンシングの放映権を取ったUBSテレビ局は、『誤審ではと議論を呼んでいる』と大々的に報じて、人々の関心を煽った。
怒りと傷心で、選手村から無断で出たヒドをイジンが見つけ出し、説得して連れ戻した。
翌日、ヒドとユリムは監督に呼び出された。
会見をぶち壊し、全世界が見守る国際大会で、韓国フェンシングに泥を塗った、と選手村追放、処分が出るまで自宅謹慎となった。
ユリムは、迎えに来た父の胸で泣いた。
ヒドには迎えに来てくれる人はいない。彼女にフェンシングを合わせ、心から応援してくれた優しい父は、幼い頃、病気で亡くなっていたのだった。金メダルを一番報告したかった人。
電車で帰るヒドは、駅の新聞の”審判を買収” ”奪われた金メダル”等の大見出しに傷つき、帽子で深く顔を隠した。
イジンはなんとか、審判のアラン・スミスから話を聞こうとしていた。
「無名だからと非難されるのはフェアじゃない。不当だと訴えるためにあなたの協力が必要なんです」と必死で直談判した。
「審判は前日に振り分けられ、選手との国籍は違うのが決まり。買収されたというなら全員を疑うべき」とスミス氏は言った。
傷心のヒドが入った食堂のテレビから、フェンシングのニュースが流れてきた。
「当局は直接、審判のスミス氏に話を聞いた、ペク記者の独占取材」と同時に、スミス氏のビデオ。
「『選手は興奮状態で錯覚しうる。中継映像でも正確な判断が難しい時、目の前で見ていた私の判定が一番確かでは?』と自分の判定の公平性を主張した。加熱した論争の代償を払ったのは、若い選手たちで、最も喜ぶべき瞬間に傷を負った」
とイジンの声が聞こえた。涙を流すヒド。
イジンはこの取材で先輩記者から、今の気持ちを忘れるな、と褒められた。
母に会いたくないヒドは、家に帰れず、学校の屋上の秘密の部屋に入った。しかし、警備員が外から鍵をかけ閉じ込められてしまった。
ヒドは、イジンとジウンとスンワンに助けを求めた。
3人が鍵を開けて入ってきた時、ヒドは、高校の放送部だったイジンの録音を聞いていたが、それは、高校生のイジンと彼女の愛の告白場面だった。
感 想
アジア大会の決勝戦で、接戦を制して勝利したヒド、念願の金メダルの得た喜びどころか、会見での記者の”誤審”前提の質問攻めに深く傷ついた。
テレビや新聞の報道、バッシング、、、怖いですね。
ただ、現実で、選手が審判に『誤審です』と抗議するってあり得るのでしょうか?それも、国際大会の決勝戦で、、あり得ないのでは?と思っいますが。
ユリムのお父さんは「お前が早かったとしても、判定を潔く認めるのがカッコいい」と娘の主張を否定せず、穏やかに説得しようとしました。
イジンは、記者として審判の公正さを報道し、選手(ヒド)の心情に沿ったコメントも出し、世間の人々を納得させ、ヒドを守った、素晴らしかったです。
第8話 あらすじ
ヒドは、スミス審判に取材し、テレビで放映してくれたイジンにお礼を言った。
しかし、高校生のイジンと彼女の愛の告白テープを思い出して、イライラしていた。
そんな時、イジンがまたスンワンの家の隣の貸部屋に引っ越すことになった。
高校生グループ、ヒド、ユリム、ジウン、スンワンの4人が手伝った(頼まれてもいなかったけれど)。
ユリムのお母さんの食堂に、同じ商店街のおばさんが「”餅屋”の保証人に?昨夜、餅屋が夜逃げした」と駆け込んできた。
慌てて行くと、たくさんの商店の人たちが集まって騒ぎ、泣き崩れていた。
みんなで積み立てていた”頼母子講”のお金も持ち逃げされていた。
夜、お母さんは、ユリムのフェンシングの手袋を繕いながら、泣いていた。新しい手袋を買うお金も惜しんで積み立ていたお金だったのだ。
それに気づき、涙ぐむユリム。
ヒドとユリムの処分が発表された。
会見での態度は許されないが、今までの韓国フェンシング界への貢献を考慮して、謹慎3ヶ月となった。すぐに選手村の部屋を片付けてるように指示された。
ユリムは、協会の人から優勝しなかったことについて、非難された。そんな状況で、彼女は「年金の前払いをしてもらえませんか?」と頼んでいた。
それをヒドが聞いていた。
部屋の片付けの途中で抜け出したユリム、プールの飛び込み台の一番上で、音楽を聞いていた。
そして、飛び込み台を後ろ向きに下がって、プールに飛び、上がって来て、プールの縁に両手を置いて号泣した。
ヒドが見ていた。
ヒドとユリムは、協会の処分について、学校のコーチのヤン・チャンミに報告した。
これまで通り練習をするように指示された。
ヒドだけ残され、「パク記者と知り合いか?そうなら、記者とは距離を置くように」と忠告された。
ヒドは、高校生の時から彼女がいて、今は記者として仕事をしているイジンが急に大人に思えてきて、距離を感じていた。いつまでも、自分が子供扱いされることも不満だった。
ヒドには、3年も前からチャット友達がいた。悩みを素直に打ち明けることができる”ソウルメイト”。
但し、お互い、本名はもちろん、性別も年齢も知らない。
ハンドルネームは『インジョルミ』
実はその相手は、”ユリム”なのだ。
ユリムが泣いているのを見た日、ヒドのチャットに返信してきたインジョルミに共感し、辛そうだと察した。
二人は「会おう」と決めた。日曜日11時に公園で、目印に黄色のバラを持って。
朝、ユリムはイジンにカメラを借り来たが、彼が、どんな人物か見極めるとついて来た。
そして、ユリムは黄色いバラをもって、誰かを捜しているヒドに気づいた。
「まさか、、」ユリムはとっさにバラをイジンに渡して、走って去った。
黄色のバラを持ったイジンに気づいたヒドが近寄ってきた。
感 想
ユリムも辛いですね。7話であれほど優勝にこだわったのは、事情があることも分かって来ました。
お金の問題は、いつでも大変です。
ヒド、これまでフェンシング一筋、心を許せ本心で話せるのは『インジョルミ』だった。
そして、現実では、イジンがいつも彼女の味方で、応援して励ましてくれた。
だから、ヒドにとっては『インジョルミ』=イジンは、100%納得というか、理想ですね。
この誤解がどう展開して行くのでしょうか?
第9話 あらすじ
黄色のバラを持ってイジンをみつけたヒドは、彼を”インジョルミ”だと思い込み、
「あなたを手に入れる」とイジンに向かって言った、、、が、
イジンが「人違いだ。インタビューに行くのに手ぶらじゃ失礼なので」と。
ヒドは、すごく恥ずかしくなり、バラをイジンに押し付けその場から走って逃げた。
その夜、インジェルミから「急用で行けなかった、ごめん」とメッセージが。
ユリムは、ヒドが “ライダー37” だったと知り、いつもチャットで励まし応援してくれたのに、ひどいことを言ってしまったと後悔、ヒドを避けていた。
一方、ヒドも、恥ずかしくてイジンを避けていた。
ヤンコーチが、フェンシング部員たちを連れて、ユリムのお母さんの軽食店に行くことに。
ヒドは、気が重かったが、店に入ると、ユリムのお母さんが「あなたが、優勝したヒドね」と言ってヒドを抱きしめ
「大変だったね ヒド、ひどいこと言われて、つらかったでしょ、落ち着いた?美味しいもの作るわ。金メダルおめでとう」とやさしく慰めてくれた。
UBSテレビ局では、アジア大会の特集番組の放送を決め、フェンシングで活躍した、ヒドとユリムのドキュメンタリーを撮ることになった。イジンが「自分がやります」と手を挙げた。
イジンから、ヒドとユリムに、二人を主役にドキュメンターを撮るとの説明があった。
ヒドは「仲のいいフリはできない。また非難の的に?」と言った。
イジンは、ありのままを撮る、放映する前に君たちに見せて、嫌なら放映しないと約束した。
イジンは自分を無視し続けるヒドに
「なぜ避ける?このまま疎遠になっていくのか?」と聞いた。ヒドは
「あなたがインジェルミだと思ったから出た言葉、半分はあなたへの告白。あなたのことで頭が混乱してて、自分でもわからない」と心底、困っていた。
イジンは「悩めよ、俺は解決した」と笑った。
ユリムはお母さんから、”携帯電話”をプレゼントしてもらったが、
「お金で苦労している両親を見ているのに」と喜ばない。お母さんは
「あなたの笑顔が見たかった。元気が出るから。お金じゃなく心を考えて」と言ったが、ユリムは
「心が何をしてくれる?借金は返せない」と言い母を悲しませた。
UBS局では、ドキュメンタリーの方針について、PDとイジンの意見が対立していた。
PDは、視聴率を上げるために、決勝戦で話題になった”同時突き”を撮りたいと主張したが、イジンは危険なことはできない、と拒んだ。
イジンは、局からの急な中継で、電話器が必要になり、ヒドの家で借りた。
その後、二人で「二人の関係を言い表す言葉は?」と話していたら、母が戻ってきた。
驚愕のイジン、UBS局の先輩のキャスターだったから。
二人の関係を問いただす母、イジンに「ヒドと親しいから、空港まで行って審判にインタビューを?スポーツ部に志願しないように」と忠告した。
学校のトイレの個室から、「ユリムの店が保証人になって破滅したらしい」「家が貧しいから、アジア大会で年金欲しさに演技したのかも」という陰口が聞こえてきた。
手を洗っていたユリムは無視して出ようしたが、別の個室から出てきたヒドが、ドアを蹴り、噂している2人を個室から引き摺り出し乱闘になった。ユリムがヒドを応戦した。
そして「なぜ私の味方を?」と言ってユリムは泣いた。
「私がインジョルミよ。ごめんね。あなたがライダー37とも知らず、ひどいことをした。寂しくてつらい時、いつも慰めてくれたのに」と泣きながら謝った。
ヒドは驚いたが、「ユリム、私は大丈夫だから。1つ、飛び込みはしないと約束して」と右手小指を差し出した。
それから、二人は打ち解けた。
お互いの素性が知れても、チャットで今まで通り正直に話そうと言い合い、ユリムは、アジア大会で騒ぎになったことを謝った。
ヒドは、”つらかったけど、この前立ち直れた。あなたのお母さんに抱きしめられて全部吹き飛んだの’と。
ユリムは、その後すぐに、まだお店で働いている母に電話をかけた。
「携帯で掛けてるの。お母さん、心で返せる借りもあると分かったの。携帯すごく嬉しい」と言った。
UBS局で、ヒドとユリム、それぞれの個人インタビューが行われた。
その後、二人がフェンシングのユニフォームを着て、最初の構えを撮影した。
PDが ”同時突き”を二人に求めた。
「試合の時のように真剣に」と、何度もやり直させ、ヒドが足を挫いた。
イジンが顔色を変えて現場に来た。強制したPDに抗議し、彼女を病院に連れいていった。
途中で大きな虹がかかっていた。車を止めて、橋の上から大きな虹を見る二人。
イジンは、「お前は人をいい場所へ導く。アジア大会の時、お前だから審判に会いに空港まで、記者の俺に正しい選択をさせた。お前はいつも正しい道、いい場所へ導く」。
「それが私たちの関係、名付けて?」と言うヒドに、
「愛だ、俺はお前を愛している」とイジンは言った。
感 想
ユリムのお母さんがヒドを抱きしめて、心から慰め、優勝のお祝いをいう場面、本当によかったですね(涙、涙)
ユリムが ”インジョルミ”だと告白して、お互いに仲良くなれたのもよかったです。
ユリムのお母さんの心に、ヒドが救われたことを知ったユリムも、携帯電話を買ってくれたお母さんの気持ちを素直に受け取り、感謝することができました。
「お前は、俺をいい場所に導く」素敵な言葉ですね。
「俺はお前を愛している」の愛は、恋愛というより、人が人を愛する愛なのかなと思います。
第10話 あらすじ
イジンは、ヒドを病院に連れて行った。捻った足は、大事には至らずほっとするイジン。
この件で、先輩PDに意見したイジンは、彼に謝った。PDは、他のスタッフがいるところでは、寛容な態度を見せたが、外で二人になると「高卒を取るからこんなことが。どちらか一人が担当を離れることになる」と脅した。
会社の飲み会が行われた。そこでもイジンは、高卒の初めて記者、昔、家が金持ちだったから優遇される、高卒記者の実力を見せてもらおう等々、嫌味を言われた。
「すぐに結果を出さなくては、今後高卒が採用されない」と酔ったイジンは、信頼できる先輩の前で焦りを口にした。
その夜、父から電話があり、父はイジンが会社で苦労していると察した。
「お前はいつも変わらず、父さんの癒しだ。愛情深い息子で安心した」とイジンを慰めた。
ユリムの父が久々に家に戻ってきて、彼女にCDプレイヤーをプレゼントした。
ユリムは、母から携帯電話をもらった時のことを思い出し、
「うれしい。ありがとう、大事に使うわ」と笑顔で言った。喜ぶ父と母。
ユリムは、ジウンを呼び出し、
「家は借金の肩代わりでお金がないのに、父がCDプレイヤー、母は携帯をプレゼントしてくれた。嬉しい演技をした。親は、私が喜ぶ姿を見たいから」
と本音を打ち明けた。
スンワンが、中古のランプと棚を持って歩いてきた。学校のアジトに持っていくつもり。
ユリムとジウンも一緒に夜の学校に行くと、、、他校から3人の生徒が座布団泥棒を。
ユリムのフェンシングの構えで、慌てて逃げた3人。たくさんの座布団は無事だった。
翌日、ジウンが階段で座布団を並べ、生徒たちが自分の座布団をそれぞれ持っていった。
それを見た一人の教師、ジウンを呼び出し
「なぜ夜の学校勉強に?勉強はしないのに」と廊下にうつ伏せにさせ、棒で、ジウンのお尻を何度も打った。ジウンは、成績が最下位で、教師から目をつけられている。
そこにスンワンが走ってきて、「先生、私もいました。問題集を忘れたので、一人で取りに行くのが怖くて一緒に行ってもらった」と言った。
先生は体罰をやめた。成績が1位の彼女の言うことなら、聞くのだ。
スンワンは、自分のラジオ放送、”DJスンワン 海賊放送” で体罰のことを話した。
”友達は悪くないのに、先生にぶたれた。体罰は禁止されているのに、なぜ教師は守らないの?
学校ではたくさんのことを学ぶわ、1つは暴力、人をぶつのが当たり前だと学校で学んでる。
それに学校って変。人々を集めて番号を付与し、壁で隔てる。学校と刑務所だけだそうよ”
と、体罰と学校のシステムへ静かに怒りをぶつけた。
その放送を、ジウンの弟のイヒョンが聞いていた。
ヒドとユリムは、インタビューで、二人とも「フェンシングのために、修学旅行に行けなかったのが残念」と言っていた。
イジンは、二人を撮影という口実で、修学旅行に連れていくことを計画。
ジウンとスンワンも一緒に行けることになった。
夏のファッションで決めた(?)、ヒド、ユリム、スンワン、ジウンが、イジンの派手な赤のオープンカーで海に向かった。
イジンは、おじさんの家のある町にみんなを連れてきた。
おじさん、母、弟を紹介。
スンワンの声から、海賊放送の”DJスンワン’とわかった弟イヒョンは大興奮。
彼は、放送開始から一度も欠かさず聴いていて、ニックネームは”ベクホ”。スンワンもその名前を知っていた。握手をして感激するのイヒョン。
4人はビーチに行き、思い切り弾けた!イジンは、4人をビデオで撮った。
夕食は、自分たちで、バーベキューの準備をしたが、料理をしたことがない高校生たち、、、結局、全てイジンが準備してあげた。
夕食後、”無事に着いた” とそれぞれの家に電話したが、ジウンがスピーカーホーンで電話。
「毎回ガッカリさせられる。学年ビリって。親権を奪うためにどれだけ苦労したと?」お母さんの怒り声がみんなに聞こえてしまった。
みんなでスイカを食べながら、気まずい雰囲気に。
ジウンは「悪かった。子供ころ両親が離婚して、苦労して親権を得たらしい」と話した。
ユリムが「どこの家も事情が、うちは借金の肩代わりを」と言うと、
ヒドは「仲良し家族に見える、うちはお父さんが死んだ」と言ったので、みんなは黙った。
「知らなかった?悲しかったけど、一番悲しいのは、お母さんとお父さんの話をしないこと。なかったことのように話さない」
それを聞き涙ぐむジウン。涙を隠すために、スイカの種を飛ばすジウンに、ヒド、ユリムも参加。
イジンは、スンワンに「なぜ話さない?悩みはないのか?」と聞いた。
「私の悩みは、、、人生がつまらないです。楽しくないから色々やる、ジウンといると楽しい、事件が起きるから」と答えた。
5人は、もうすぐ陽が沈む海に向かった。
夕暮れの茜に染まる大きな空の下、砂浜に並んで座って海を見つめた。
感 想
職場でのいじめ。イジンは、高卒で採用されたことで、会社の他のスタッフから嫌味を言われたり、いじめにあったりしている。
学校の教師の暴力。1990年代は、まだまだ普通に教師の体罰があったのだろう。
子供でも大人でも、学校や職場でつらい目に遭う。今でもそれは変わりませんね。
学年成績1位のスンワン、先生の言いなりの優等生ではなく、問題意識を強く持っている生徒のようで、だからこその生きづらさもあるようです。
イジン、ユリム、ヒド、スンワン、ジウン、みんなそれぞれの悩みを持ちながら、美しい海で思いっきり遊ぶ。
空や海の美しい映像に、癒される10話でした。
第11話 あらすじ
海の修学旅行を終えたヒドたちに日常が戻ってきた。
フェンシングの練習、週末は合宿、とコーチから連絡が。
ジウンのコンサートに行く約束をしていたユリムは、行けなくなったとガッカリしていた。
ヒドは、ユリムとバス停で一緒にバスを待ちながら、
「こんなに優しいのに、なぜ最初は冷たかったの?」とユリムに聞いてみた。
「私のこと覚えていない?ジュニアの試合で8対0であなたに負けた。それから、あなたのことを忘れたことはない。あなたに勝つことを目標にフェンシングをやってきたのに、それからあなたと対戦する機会はなかった。金メダリストになったけど、いつもあなたが怖かった。ある日、私のファンだと行ってあなたが転校してきたの」
というユリムに驚くヒド。
「もう怖くないでしょ?」とヒドは言ったが、ユリムは「まだ怖いわ」と。
ヒドは、私はユリムが怖くないと心の中で思った。
イジンがヒドを食事に誘った。
子供の頃に、家族でよく言ったことがあるレストランを予約していた。
ヒドが、なぜごちそうしてくれるの?と聞くと、「正式にスポーツ記者になったから。ヒドのおかげでここまで来れたから、お礼をしたかった」と、コース料理を注文してくれた。
この瞬間を、記憶に刻んでおこうと、話す二人だった。
その後で、運試しをした。当たりを引けば景品がもらえるゲームで、イジンは、最後に”ピンクの筆箱’をゲットした。
ヒドは、子供の時に、父が作ってくれた木の椅子が傷んでいることに気がつき、母に言った。
母は、一緒に修理に持っていこうと約束してくれた。
しかし、当日、母はなかなか帰ってこなかった。会社での飲み会があったようだ。
もうすぐ帰ると言ってから、連絡が取れなくなり、、、大雨が降ってきた。
ヒドは、一人で3つの椅子を運ぼうとして、1つの椅子が壊れてしまった。
そこに母が戻ってきた。
母は、飲み会の後、緊急ニュースが入ったため、急遽、生放送でそのニュースを報道していたのだ。
その現場をたまたま見たイジンは、ヒドの母のプロ意識に感動を覚えたのだが、、、。
一人で運ぼうとするなんて ”バカよ” と冷たく言う母に、ヒドは傷ついた。
「私は、大人になりたくない。13歳の時のまま。あの時は、お母さんが、お父さんの葬儀になぜ来なかったの理解できなかった。その後で、理由がわかった時にはもっと傷ついた。お父さんの葬儀のより仕事を優先した」と泣いた。
夫が亡くなった時、ヒドの母は、ニュースキャスターとしてまだ駆け出しで、いつ、キャスターの座を失ってしまうかわからない状態だった。そこに大きなニュースが入ってきた。彼女は、私に実況させてください、と局長にお願いして報道したのだった。彼女にとっては、本当につらい選択だったが。
ヒドの母は、「理解してくれとは言わない。でも忘れようとした私の努力を非難しないで。それで私は耐えてきたから」と言って背を向けた。
その後、椅子がなくなっていることに気づいたヒドは、母がゴミに処分したのだと思い、また母を憎んだ。
そして、貯金箱の全財産を持って木工屋さんに行き、椅子作りを教えてもらうようにと頼み込んだ。
フェンシングの練習が終わった時、イジンがきて、ヒドとユリムを連れ出し、ジウンのコンサートに連れて行ってくれた。
ステージは、ジウンのボーカル、コンサートは大盛り上がりだった。
ギターのピッチヒッターで、イジンも高校の制服を着せられ、急遽、ステージに上がった。
ユリムに気がついたジウンは、予定通り、ステージからユリムに、声を出さずに、口の動きで告白をした。ユリムにはそれがわかった。
その後、イジンは、ヒドに放送室に連れて行かれた。そこには、スンワンがいた。
イジンは、高校生の時のように昔の原稿をマイクの前で読んだ。
スンワンがそれを校内に流した。
その後、花火が上がった!ヒデたちが、屋上で花火を楽しんている時、ユリムとジウンが来て、私たち付き合います、と宣言した。
ヒドは、木工屋さんで、お父さんが作ってくれた3つの椅子が修理されているのを見つけた。
おじさんに聞くと、ニュースキャスターのシン・ジェギョンさんが持ってきた。
「大切な椅子のようで、色々と細かい注文があった。壊れた脚を直すのに苦労したよ」と言った。
うちに帰ると母が「急いで」と。
父の命日、お墓参りに行った。母がお供物を用意して、お墓の前に並べた。
ヒドは、アジア大会の金メダルを出して、置いた。
二人で、お祈りをした。二度目に跪いたまま、母が起きあがらない、、、泣いていた。
「ヒド、まだ13歳のままなの。あなたが大きくなったら話したかった。本当はお父さんにすごく会いたい。ものすごく恋しいの」と母は激しく泣いた。
母が泣くのを見たのは初めて、、。ヒドは、母の手をとって、
「お母さん、私もお父さんに会いたい」と一緒に抱き合って泣いた。
感 想
いつもキリッとして、プロに徹しているニュースキャスターのヒドの母、夫を亡くしてから、ずっと気を張って生きてきたのだった。
1990年代、今よりまだ女性の地位は低かっただろうから、ヒドの母にとっては、究極の選択だったのだろうと想像します。
父の葬儀より仕事を優先する母を理解できなかったヒドの気持ちもわかります。
椅子も大事にしていた母。二人の長年のわだかまりが溶けてよかったです。
ヒドのフェンシングに対するプロ意識は、母譲りですね。
コンサートでの告白、青春してます。
花火、いつ見ても”わぁっと” 心が奪われますね。
第12話 あらすじ
ヒドとユリムは高校卒業後のことを話した。
ユリムはすぐに稼ぐために実業団に入るつもり、ヒドもそうしたかったが、母の反対で、体育大学を受験する予定と言った。
フェンシング部の後輩、イェジはフェンシグを辞めたいがコーチが許してくれない。
練習をサボり、授業に出たことをすごく怒られた。辞めたい部員が辞められないことに抗議して、ユリムとヒドも練習をサボり、授業に出席。
そのことで、今度は3人がコーチに呼ばれて怒られた。
コーチは、イェジに『次の試合でベスト8に残ったら、退部を許す』と条件を出した。
イェジのために、ヒドとユリムは、激しい練習の相手になった。
ジウンが犯罪者が着ていて有名になったTシャツを、制服の下に着て学校に来た。制服をを脱ぎ、他の生徒に見せているところを、例の暴力教師に見つかり、血が出るほど殴られた。
スンワンは、教師の体罰が許せない。「なぜ口で注意しないんですか?体罰は禁止されているのに」と抗議するが受け入れられない。
彼女は、警察に通報。しかしやってきたのは警察ではなく、「生徒が先生を通報するとは、何事だ、大変な時代になったものだ」とスンワンを非難する大人たち。
ニュースを探している記者が、この件を聞きつけ、スンワンにインタビューしようと校門の外で待っていた。
教師の暴力の実態について話してもらって、それを記事にする、と巧みに彼女に話しかけてきた。そこにイジンが現れ、記者を止めた。
イジンから「記者は、スンワンの主張を聞くのではなく、”先生を告発する生徒”と彼女を貶める記事を書くつもりだったのだ」と言われたスンワンは、大人社会の醜さに直面して、
「私は自分が賢いと思っていたけれど、違っていた」とイジンにお礼を言った。
イェジの試合のために、地方に来たヒドたち。
イジンも、別のスポーツニュースの中継で同じ場所に来ていた。
二人は一緒に食事をした。
謹慎中で試合に出ることができないヒドに「緊張しなくていいじゃないか」とイジンが言うと、
「緊張することも体験。ユリムと私はその貴重な体験の機会を失った」と言った。
「いつ、そんなに成長したんだ」とヒドの言葉に感心するイジン。
宿泊先に送ってもらったヒドは、イジンと離れがたい。牛乳を買い忘れた、とコンビニに。雨はもう止んでいたが、ふたりで相合い傘をして。
フェンシングの試合。
イェジは接戦の末、ベスト8に残った。
コーチは「もう1試合、ベスト4に残って優秀の美を飾ろう」と提案したが、
「他の選手のチャンスを奪いたくない、ここで棄権します」とイェジ。
フェンシングをやめた後は、パン職人になりたいと言う彼女に、コーチは
「ステキね。今日を忘れないで。新しいチャンスをどう得たのか覚えてて。辛い時に思い出すのよ」と彼女を労った。
スンワンは、例の暴力教師に呼ばれ、”DJスンワンの海賊放送”の録音を聞かされた。
暴力が日常的に行われていること、警察に通報してくれたが何もしてくれなかったこと、しかしここで言うべきだと思ったと学校名とその教師名を告発したのだ。
教師は、校則を出し「停学、退学」と脅しながら「しかし、教育とは生徒が犯した過ちを正しい方向に導くことだ」と言い、以下を要求した。
「海賊放送はしないと反省文を書き、朝礼の時間に皆の前で朗読。それから、私に謝罪しろ」と。
スンワンが「ジウンに謝罪は?血が出るほど頬を殴るのは、暴力」と言うと
「内申書に響くぞ。大学に行かないつもりか」とまた脅した。
「大学、行きます。でもこんな学校を卒業しては行くのは恥。謝罪もしないし、反省文も書きません。自主退学します」と部屋を出て行った。
家で母に事情を話した。母は「努力した1年を捨てるほど大切なことなのね」と。スンワンは「ごめんなさい」と、二人で泣きながら抱き合った。
学校の屋上の秘密の基地で、スンワンの退学を聞いたヒドたちは驚いた。
ジウンは「俺のせいだ、考え直せ」と泣いたが、スンワンは、ジウンのせいじゃないと。
キリッと決めたスンワンの母が学校にやってきて、暴力教師に
「謝罪すべき人間が謝らずに、娘に謝罪しろと。ジウンに謝罪を。そうしなければ、PTAの総会で告発します」と啖呵を切った。
スンワンは、クラスのみんなに惜しまれて学校を去った。
ヒドとユリムは、イェジとスンワンのために、ケーキで二人が勝ち取った新しい人生を祝福した。
大学の入試試験を、ヒドとジウンの二人だけが受けた。
1999年12月31日。
ヒド、ユリム、スンワン、ジウンがイジンの家に集まった。
”地球が滅亡するかもしれない”とみんな話していた。
11:55pm、最後の瞬間は家族といなきゃ、とみんなは家に帰った。
ヒドの家には誰もいない。
イジンとヒドの二人が残り、テレビを見ながら、カウントダウンが始まった。
ヒドはイジンにキスをした。
感 想
スンワンが学校を退学しました。
彼女は、反省文を書くことも教師に謝罪することもできなかった、そんなことをすれば、彼女がこれまでやってきたことを自分で否定することになるから。すごく厳しい選択だったけど、よくやりました。
お母さんがスンワンに掛ける言葉がすごくよかったです。娘を尊重していて。そして、キリっとして学校に乗り込んでいく姿は本当にかっこよかったです。
2000年、21世紀が始まり、ヒド達にも新しい扉が開いたようです。
第13話 あらすじ
ミレリアム(2000年)のカウントダウンが始まった時、ヒドはイジンにキスをした。
ぎこちなく離れると、イジンはヒドの足の爪を見て「内出血はほとんど治ったね」と言ってキスのことには触れない。ヒドを家の前まで送った。
「こんな愛はだめなの?」ヒドが勇気を出して聞いても何も答えないイジン。
部屋に入ったヒドは「地球なんて滅亡すればよかったんだ」と泣いた。
それから、ヒドを避けているようなイジンの態度に、不安でたまらず、傷つくヒド。
キャスターのシン・ジェギョンが、コーチのチャンミを職場に呼んで、ヒドの進学する大学を決めた。
イジンを見かけたチャンミは「とくダネがある」と彼を呼び止め、一緒にお酒を。
「10年ぶりに、ナショナルチームのコーチに返り咲く」とイジンに言ったが、彼の反応は薄い。
チャンミは、自分が既に過去の選手で、その動向がニュースになることはないと思い知らされる。
イジンは、チャンミと、シン・ジェギョンの関係を聞いた。
チャンミがまだ若く選手として活躍を始めた頃、ジェギョンは駆け出しの記者で、同い年の二人は意気投合した。チャンミが選手として頭角を現し始めると、ジェギョンに最初にニュースを伝え、彼女がとくダネを扱うことができるようにした。
しかし、チャンミがコーチになり、選手の親から安く車を譲ってもらったことを、ジェギョンが”賄賂”と報道し、チャンミはコーチを退くことになり、二人の間の友情も消滅した。
「記者と選手は、近寄りすぎてはならない」とチャンミはイジンに忠告した。それは、彼が、ジェギョンからも先輩記者からも言われた言葉だった。
イジンと会えないヒドは、彼の家の前で帰りを待っていた。ヒドとの距離をどう取ればいいのか分からず悩むイジンは、曖昧な態度を取り、お互いに苦しんでいた。
イジンのことが気になり、フェンシングの練習に集中できないヒド。
スンワンは、高校卒業資格を取り、大学受験に向けて勉強を始めていた。
ヒドたちにとって、高校最後の試合が行われた。
しばらく試合に出ていなかったユリムとヒドは、二人ともベスト36で負けて、個人戦は散々だった。
ヒドに勝ったの選手から「やっぱり大したことない。まぐれて取った金メダルだったのね。ユリムが気の毒」と散々嫌味を言われたが、ヒドは「その通りね。でもユリムは大丈夫」と平然としていた。
その会話を聞いていたイジンは、安堵した。
その後行われた団体戦では、ヒドとユリムが率いる高校が見事優勝を果たした。
試合後、ユリムはジウンとデートを楽しんだ。
ヒドは、家のテレビで、団体優勝のインタビュー受けたユリムと自分の映像を見た。
その後「結果は輝かしく、過程は美しかった。コ・ユリムとナ・ヒドが同じチームで戦った最後の団体戦」とイジンの現場からの中継が放映された。
イジンは、スポーツ局の局長から 「”結果は輝かしく過程は美しかった” これは詩か?視聴者が共感できない。愛情を注ぐのはいいが、君は記者だ、忘れるな」と注意を受けた。
「記者としての距離の取り方を間違えました」とイジンは、担当種目を変更してもらえないかとお願いしたが、局長は「自分で収拾しろ。収拾できるぐらい小さなミスならいいが」と彼の要望を却下した。
イジンが家に戻ると、ヒドが門の前で待っていて「私たちの最後を美しく表現してくれてありがとう」とお礼を言ったが、イジンは、
「そのせいで局長に叱られた、記者はくだらない感情を込めてはならない。お前に会って愛したことに悔いはない。お前に揺れていることが俺の失敗だ。少し距離をおこう」と言った。
ヒドは「キスしなければ違ってた?」と聞いたが、イジンは何も答えず門の中に入った。
残されたヒド、「私は泣いてるの。どんな”愛”だろうと私は失いたくない。失うことができない。一歩たりとも離れないで」と門に向かって言った。
門が開き出てきたイジン、ヒドの帽子を取り、彼女にキスをした。
「よし、こういう”愛”もしてみよう、ヒド。お前とできることは全てやる」とイジンは言った。
感 想
2000年、新しい世紀が始まり、ヒドとイジンの”愛”が、”友情”から”男女の愛”に発展していく過程が描かれたと思います。
時間を掛け、人としてお互いを理解、尊重する関係を築いた二人だけれど、男女としての愛になると、お互いに ”失うかもしれない怖さ”と感じる、でも前に進むしかない、そういう葛藤が描かれた13話だったと思います。
どんな人の関係も、愛の形も、ずっと同じではなく、常に変わっていくものですね。
第14話 あらすじ
2000年、ヒドたちは成人になり、お酒が飲めるようになった。
イジンとヒドは、手を繋いで、ユリム、ジウン、スンワンが集まっている居酒屋に合流し、2人の中を公にした。
そんな時、長距離運送トラックの運転手をしているユリムの父が、交通事故を起こした。
幸い、父親は軽傷ですんだが、相手側の男性が重症となり、長期の入院が必要となった。このことで、ユリムの家庭は、経済的に窮地に陥った。
借金の肩代わり、町内で積み立ていたお金を盗まれた上に、交通事故の相手への補償、父は仕事ができない、という最悪の状況。
優しかった父が毎晩お酒を飲み、母と激しい喧嘩をするようになった。
ユリムはこの窮地をなんとかしなければと思った、お金が必要。
既に実業団入りが決定していたが、それでは一家が抱える借金を補いきれない。
ただ1つ、ユリムにできることは、フェンシングで外国に”帰化”すること。
彼女は、条件の一番いい”ロシア”に帰化すると決めた。
両親は反対したが、膨大な負債の前では、これしか方法がないと彼らにもわかっていた。
ユリムの”帰化”について情報を聞きつけたイジンは、記者として彼女に話を聞くために会いに行ったが、切り出すことができない。
ユリムは、記者ならインタビューしてください、とイジンと話した。
ユリムは、ヒド、ジウン、スンワンに”帰化”することを話した。
ジウンは「よく決心した、かっこいい」と彼女を激励、ユリムは彼の言葉に勇気づけれらた。
3人は、スンワンの家で、お母さんの手料理で、ユリムの送別会をした。
ロシア語の辞書と、みんなで考えた”ユリムの自己紹介” (ロシア語で書かれて、下に韓国語の意味が書いてある紙)を彼女にプレゼントした。
イジンはテレビに出ているかも、とテレビをつけると、
「衝撃的なニュース。フェンシング金メダリスト、コ・ユリム選手がロシアに帰化することが明らかになった」の後、「2週間前から帰化する国家を選び、最終的に条件のいいロシアを選択しました。多くの国民からスターとして愛されたコ選手は、今後、ロシア代表として試合に臨みます」とイジンが独占レポートした。
みんなは、ショックで無言になった。
ヒドは怒りに震え、イジンの家に行くが居ない、電話にも出ない。
帰り道、路地でうなだれているイジンを見つけ、「ユリムのことを報道する必要が?悲劇を利用するのも人を選んでやってよ。一番に報道する必要はなかった」と。
「これが俺の仕事だ。二番目ならいいと?俺とやっていけるか?お前の悲劇を利用するかも」と暗い声でイジンは言った。
ヒドは何も言わずその場を去った。
ユリムはジウンと帰りながら「私と何も約束しないで。私を待たないで。あなたを私の不幸に巻き込みたくない」と言った。
翌日イジンは、見事な独占取材だった、おめでとう、と会社で褒められたが、、、
それから、他社のユリムへのバッシング合戦になっていった。
ユリムは荷物を整理するために学校の体育館に来た。
その時「ここにいるぞ」の声と共に、多くの記者が体育館の周りに集まってきた。ユリムは怖くなりカーテンを閉め、ヒドに電話して助けを求めた。
ヒドは体育館に入り、フェンシングのマスクをつけた人形を作り、記者会見すると騙して、ユリムとその場から逃げた。
プリクラの写真ボックスに逃げ、二人で写真を撮った。
その後、2人でジャージャー麺を食べに行った。「ユリムじゃない?」と他の客からヒソヒソ言われ、店主から「売国奴には売らん」とお金を返された。
ユリムは「私は韓国を売っていない。私はお金のために自分自身を売ったんです。生きるために、そのお金で家族を不幸から守れるから。私の売国奴ではなく客です、ジャージャー麺をください」と冷静に話した。店主はお金を受け取り、注文を彼女に持ってきた。
ヒドは、ユリムの家で待っている記者を避けるため、彼女を家に連れてきた。
「我慢せずに戦えとあなたから学んだの」とユリムはお店での出来事について言った。そして
「明日発つ。こうなること(バッシング)がわかっていたのね、母が出発を早めた。本当は行きたくない。韓国選手として戦いたい」と初めて本音を言って、二人は泣いた。
翌日、空港に見送りに行った両親、ヒドとスンワン。
ヒドは「来年、マドリードの決勝で会おう」と約束した。
スンワンから「今日出発」と聞いたジウンは車で空港に飛ばした。ユリムに「僕は待つ、必ず会いに行く」と約束してキスをした。
巷は、ユリムへのバッシング記事で溢れていた。それを横目で見ながら、帰途に着くイジン。
ヒドとよく通ったトンネルに、赤いペンキで大きく”コ・ユリムは売国奴”の落書が。
その前でイジンは泣き崩れた。
頭を上げると、落書きを消すための道具を持ったヒドが立っていた。
感 想
ドラマの最初に、2001年、マドリードでの国際試合の決勝で、韓国代表ヒドと、ロシア代表のユリムが戦い、ヒドが優勝したことがわかる場面がありました。
14話は、本当に切ないストリーでした。
ユリムが、お金のために、国籍を変えるという選択をしましたが、どれほどつらかったでしょう。でも家族を救うためには他の選択肢はなかった、だからユリム本人に、迷いは無かったのでしょう。
ヒドとユリムの揺るがない信頼、友情も描かれて感動の14話でした。
一方イジン、”記者は人の悲劇を利用する職業”と言っていたけれど、それは本当?
ユリムがお金のために国籍を変えたように、イジンも記者としてお金をもらっているなら報道しなくてはならなかったのか?
違うのでは?と私は思いました。
大切な人を裏切り、傷つけてもしなければならない報道だったのか?
記者と個人との葛藤を描いたのかもしれませんが、私は、最後にイジンが流す涙に感情移入できませんでした。
第15話 あらすじ
イジンは、ユリムがロシアに帰化することを知り、インタビューするためにユリムに会いに行った。
「私はフェンシングが仕事、イジンさんは記事を書くのが仕事。いずれ知られることだから、他の記者ではなく、イジンさんに書いてほしい。親の借金のためとは書かないで。両親が非難されるから。あくまでもお金のためとだけ書いてほしい」と言った。
イジンの独占レポートの後、ひどいバッシングを受けるユリム。その状況に耐えきれなくなったイジン。ヒドからの連絡にも答えず、姿を消していた。
トンネルで泣き崩れていたイジンを見つけたヒド、「苦しかったでしょう」と慰めた。
一緒に ”ユリムは売国奴” の落書きを消しながら、彼女は、
「これだけは覚えておいて。私たちは、楽しいことだけじゃなく、苦しみも悲しみも挫折も分け合う関係。一人で苦しまないで」とイジンに言った。
ロシアに行ったユリムとヒドは、お互いの近況をメールで報告しあった。
しかし、しばらくすると、ユリムはヒドのメールを読まず、メールも来なくなった。
イジンは、ユリムを世間のバッシングに晒してしまった苦痛から、「同じことがヒドにおきたら報道できない」と、シン・ジェギョンに話し、部署替えを希望した。”社会部”に移動になったが、そこは寝る間もないほどの忙しさだった。
ヒドもフェンシングで忙しいが、なんとかイジンと会えるように工夫した。
2000年の大晦日、生中継を終えたイジンは、ヒドと市内が見渡せる丘に上がり、二人でカウントダウンを見守った。
2001年、年明け、大きな花火が上がった。二人は「来年も、再来年も、永遠にここで新年を迎えよう」と約束した。
2001年:
ジウンは、興味のあるファッションの写真をネットにあげていた。
スンワンは、大学に合格して、早速、学部のリーダーになった。
イジンは、仕事がますます忙しくなった。
事件や事故はいつ起きるかわからない。悲惨な事故の報道、亡くなる人と家族、その現場に行く度に、イジンは同じような事故が絶えない現状に、心が打ちひしがれてしまうのだった。
ヒドはそんなイジンの現場中継に出くわし、遠くから彼を応援した。
ヒドは、マドリードでの国際大会に焦点を当てていた。決勝で、ユリムと戦うという目標を掲げて。
ある時、”ヒド選手は恐るに足りない”というユリムのインタビュー記事が掲載された。これが韓国民を刺激し、”ユリムは売国奴。ヒドがんばれ!”と言うコメントがネットに溢れた。
実はユリムは、”ヒド選手は素晴らしい選手。決勝戦で戦えるように全力を尽くします”と答えていたのに、記者がわざと”刺激的”な内容に変えたのだ。
インタビューの記事と、ネットのコメントに心を痛めるヒド。
マドリードでの国際大会。
フェンシング決勝戦は、韓国代表 ヒドとロシア代表 コ・ユリの戦いとなった。
激しい緊迫した試合、両者一歩も譲らず。
14対14で、最後の一突きは、ヒド、、、ヒドの勝利。しかしヒドは勝利の雄叫びは上げなかった。
マスクを取ったヒドとユリム。二人とも死闘を尽くした汗だくの顔、二人は涙を流して抱き合い、お互いの健闘を称えあった。
韓国に戻ったヒド。
金メダルのお祝いに、母ジェギョンが、イジンも呼んでレストランでのお祝いの席を設けた。
しかし、レストランで待つヒドに「行けなくなった」とイジンからの連絡が入った。
母は、自分も記者の仕事で、子供のヒドとの約束を守れなかった。だから、ヒドがイジンとの関係で同じように、待って すれ違って ガッカリする。一人がいつも謝り、一人がいつも諦める関係で、大丈夫かと心配した。
ある夜、イジンが、夜遅くにヒド家に来た。母は仕事でいなかった。
イジンは旅行を提案して、2人同じ赤のスーツケースを買った。
当日、ヒドがバスターミナルで待っていると
”ニューヨーク、貿易センタービルに飛行機が激突” との臨時ニュースが。
イジンから「緊急実態だ。家にいろ」と慌ただしい電話があり、すぐに切れた。
ヒドは家に帰らず、一人でバスに乗り、旅行先の宿泊施設に到着した。そこには、イジンから、ワイン、ケーキ、花とカードが用意されていた。
イジンから、「明日の朝、ニューヨークに行く、ごめん」とメールが入った。
イジンは、ニューヨークの支社に到着して、早速、韓国人生存者へのインタビューを指示された。
現場は、予想を遥かに超える悲惨で混乱な状況だった。精神的に傷を負った生存者からはインタビューを拒否され、イジンは病院にも行った。そして、現場からの中継レポートを行った。
イジンは毎日、現場から新しい中継レポートを行った。ヒドはそんなイジンをテレビで見ていた。
ヒドは、やっとイジンと電話で話すことができた。
しかし日々、悲惨な状況を目にするイジンは、疲れ果て、お酒と睡眠薬でやっと眠り、悪夢にうなされるようになっていた。ヒドの励ましにも、心が動かされない。その反応からヒドは「もう私の応援は彼届かない」と思うのだった。
そんな頃、「イジンがニューヨーク特派員を志願した」と母から聞かされた。
ヒドは、”イジン、あなたはまた私に謝るのね” と心で言った。
イジンは年末になっても韓国に戻らず、ヒドは一人で丘に登り、カウントダウンを聞き、2002年を迎えた。
感 想
イジンが、ユリムのロシアへの帰化を特報することはなかったのでは?と14話の感想で書いたけれど、イジンが最初に報道することを、ユリムは望んでいたのですね。それが良かったのだと私も思いました。
大切な人をこれ以上傷つけたくないイジンは、部署替えを申し出て、社会部へ移動したが、ここは、悲惨や事件や事故と向き合わなければならない厳しい部署だった。
仕事の厳しさに直面するイジンと、ヒドの間に、徐々に距離ができ始めます。
ヒドとユリムのマドリードでのフェンシング決勝場面は感動でした。
二人だけが、今までの苦しさを理解できる。死闘を尽くした後、お互いの健闘を讃え、労うことができました。
『2001、911』 が描かれました。衝撃の事件でしたが、もう20年以上も前になるのですね。現実に起きた大きな事件をこの物語に組み入れた勇気を感じます。
現場の混乱、悲惨、まるで戦場のよう、というイジンの言葉。その現場に身を置かれた時、イジンとヒド間は、ニューヨークと韓国という現実的な距離と共に、二人の精神と関係に、計り知れない距離感をもたらすことになったのでしょう。
第16話 (最終回)あらすじ
イジンは ”海外特派員 志願” に受かり、”ニューヨーク特派員”の辞令がおりた。
彼はヒドに電話をし、ニューヨーク特派員に志願し、受かったことを伝えた。ヒドは、おめでとう、と。
「来月、生活を整理しに韓国に戻る。約束を守れなくてごめん」と謝るイジンに、ヒドは、
「イジン、もう私に謝らないで」と言って電話を切った。
ーー2ヶ月後ーー
ジウンは、”ムンストリート”というホームページに、服の写真を掲載し、有名人になっていた。
公園でモデルの写真を撮っていると「私も撮ってください」という声、ユリムが立っていた。
彼女は、ジウンを家に夕食に招き、両親に紹介した。
イジンが韓国に戻ってきた。
早速、必要なファイルを出そうと赤いスーツケースを開けたが、日本代表のユニフォームが入っていた。ヒドも同日に帰国していたようで、彼はヒドのトランクを持ってきてしまったのだった。
すぐに空港に戻ると、自分の赤いスーツケースが置いてあった。
イジンは、ヒドのスーツケースを彼女の家に持って行ったが、チャイムだけ鳴らし、玄関に置いて帰った。
ヒドが追いかけて「イジン、会わないで帰るつもり」と呼んだ。
「俺のせいなのか?」というイジンに、
「誰も悪くない。これ以上、この愛は私の力にならない」とヒド。
「俺と別れられるか?」と問うイジンに「もう私たちは別れた」とヒド。
「出会ったこの場所で別れるんだな」とイジン。
「そうかも、バイバイ」とヒドは家に入った。
二人は、それぞれ一人になってから、涙を流した。
スンワン、ジウン、ユリム、ヒドの4人が集まって飲んでいた。
ヒドはみんなに「イジンと別れたの。私も試合で忙しいし、イジンはニューヨーク特派員に。未来が見えなくなった。別れを自然に想像するようになって、現実になっちゃった」と言った。驚くみんな。
携帯を鍋に入れてダメにしてしまったヒドは、新しく契約をしに行った。
”カップルプラン(イジンとの)”を解約しようとしたが、相手の同意が必要、イジンを呼び出し解約書にサインをした。
二人で歩きトンネルに来た時、「これでいいのか?」とイジンは訊いた。
「これでいい。私は半年考えた。半年間あなたは何を?心が離れていく間、あなたは知らないフリを」と言うヒド。
「そうじゃない、話せなかったんだ。お前に苦しい思いをさせたくなくて。毎日死人が運ばれ、死と向き合う地獄のような日々、またテロが起きるかとパニックにもなった。お前に会いたいのに会えない、でもそんな感情は、死にゆく人の前では贅沢に思えた。
お前の応援では支えにならないほど、キツかったんだ。でも応援に応えて、やり遂げる姿を見せたくて弱音は我慢した」と苦しかった思いを吐き出すイジン。
「だから、私たちは別れるの。分からない?ここで約束したよね。”全てを分けてもらう”と、悲しみ、挫折、幸せも分け合うと。でも、私たちはいい時だけ”愛”で、つらいときはお荷物よ。待って失望して諦めるのはこれまでずっとしてきた。そんなふうに生きていくのは嫌なの」と言うヒド。
二人は、だんだんと口調がキツくなり、お互いを傷つけるような言葉を発してしまう。
とうとうイジンが「ヒド、やめてくれ」と言い、「そうね、最後なのに。さようなら」
ヒドは、彼女の名前を呼ぶイジンをトンネルに置いて、その場から去ってしまった。
ヒドは、フェンシングの練習に打ち込み、気を紛らわしたがストレスで倒れてしまった。
あんなふうに別れたことをひどく後悔していた。
あんなことを言うつもりはなかった、言ってあげたい言葉がほかにあったのに、と日記に書いた。
ヒドは、その日記帳をバスの中に落としてしまった。
イジンは、家の片付けをしていた。
家の前に、箱が置いてあり、中にヒドの日記が入っていた。イジンのIDカードが貼ってあったので、イジンに届けられたようだ。
そこには変わらない彼への想い、いつも理解しようとして、いつも応援していることが書いてあった。
そして、別れの時の言葉を後悔していること、ヒドが言ってあげたかった言葉が書かれていた。
それを読み涙を流すイジン。
ヒドにスンワンから、イジンが今日、ニューヨークに発つとのメールが入った。
練習場から走ってイジンの家に言ったが、彼はもう出発した後だった。
イジンも、ヒドに最後に言った言葉を後悔し、赤のトランクをバス停に置いたまま、ヒドの家に走ったが、彼女はいなかった。
バス停で赤のトランクを見つけたヒドが待っていると、イジンが戻ってきた。
二人は、静かに近づき、穏やかにそれぞれの体を気遣う会話を交わした後、抱き合って号泣した。
ーー月日が流れーー
シン・ジェギョンはキャスターを引退することになり、後任に”ペク・イジン”を推薦した。
イジンは韓国に戻ってきた。
彼はコンドを購入して、父と母、弟を呼び寄せ、また4人で暮らすという約束を果たした。
ヒドは「サンフランシスコの後、引退するか」チャンミコーチに相談した。自分の意志で決めなさいとコーチはヒドにアドバイスした。
仲間たちにもそれぞれ変化が。
ジウンは実業家になっていた。最初、ホームページに服の写真を載せ、服も売るようになった。サイトは有名ブランドだらけで、自社製品の開発も行なっている。
ユリムは引退し、”コ・ユリムフェンシングクラブ” を設立し成功。そして、ユリムはジウンからプロポーズを受けた。
ヒドは、公言通り、サンフランシスコの国際大会で金メダルを獲得した。
UBS局の生中継で、キャスターのイジンからインタビューを受けた。
その時、見つめ合う二人には、青春の記憶が蘇っていた。
その後、ヒドは、引退を決意して会見を行った。
「何よりも光栄だったのは、私が、コ・ユリム選手のライバルだったことです」と答えると、
「私もだよ、ヒド。あなたと選手でいられて光栄だった」会場に来ていたユリムが近寄り、お互いに抱き合った。
ーーまたまた月日が流れーーー
閉店する古本屋さんが、『ナ・ヒド』宛の封筒を持って、家に来た。
そこには、ヒドがバスの中で無くした日記帳が入っていた。それを開ける、現在41歳のヒド。
イジンとの別れの時、トンネルにイジンを置き去りにした後悔が蘇った。
でも、日記にはお互いがそれぞれ言ってあげたかった言葉が書かれていた。別れの場面は更新された。
「本当にいいたことを言うね、イジン、あなたは存在だけで私を癒してくれた。独りで成長して 孤独だった私を 温かく抱きしめてくれた」
「お前は俺が一番つらい時に 立ち直らせてくれたお前なしじゃ、ここまで来られなかった」
「自分を信じられない時、私を信じるあなたを信じた。だからやり遂げたの」
「俺を笑顔にさせた。2人だと何もなくても全てを手に入れた気分に。」
「あなたに愛を教わり、別れとは何かを学ぶ」
「お前の愛のおかげで俺の人生があり得ないほど輝いたよ。本当にありがとう」
「ありがとう。全身全霊で愛した。バイバイ、ペク・イジン」
「バイバイ、ナ・ヒド」
「今日は、先に行って。」
「うん」イジンは去った。
ーーあの年の夏は私たちのものだったーーー。
感 想
美しい物語の終わりでした。
お互いが大切な存在で、愛していても、二人の歯車がかみ合わなくなってくる。
ヒドは、”幸せだけなく、悲しみも挫折も全てもらう”と思っていたけれど、イジンは、ニューヨークで日々見聞きする地獄のような有様を話すことはできなかった。それを口にしても、ヒドを苦しめるだけで、自分も救われないと分かっていたから。
お互いに愛しているのに「なぜ、別れなくてはならないの?」という苦しみで、酷いことを言ってお互いに傷つけてしまう。
何もかもが移ろい変わっていく、同じところにとどまることはできないから、どちらも悪くないのに、別れがきてしまう。時間というのは残酷であり、でも、別れのつらさを徐々に和らげてくれる救いでもあります。
ヒドの日記がイジンに渡り、長い年月を経て、ヒドに戻って良かった。
二人に輝く時間があったこと、お互いの応援で生きてきたこと、二人の愛が消えることはありません。最後、お互いに言ってあげたかった言葉に全てが詰まっていました。
それらの記憶は、これからも二人を励まし続けることだろうと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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