『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』全16話 あらすじと感想【心を揺さぶられるドラマに、また出会いました】*ネタバレあり

『私の解放日誌』のパク・ヘヨン作家が脚本を手がけるドラマだと知り、とても興味を持ちました。解放日誌と同じように、市井の人々のドラマです。主人公の中年の男性と、辛酸な人生を歩んできた若い女性を中心に、二人を取り巻く人々の物語です。

*ネタバレあり

登場人物( )はキャスト

〔パク・ドンフンの家族関係〕

パク・ドンフン(イ・ソンギュン):建設会社部長

ビルの耐久検査を行う専門職、誠実な性格で人望も厚いが、出世や社内政治には興味がない。3人兄弟の真ん中で、定職についていない兄と弟を気遣っている。

パク・サンフン(パク・ホサン)ドンフンの兄

勤めていた会社をクビになり、妻から別居され、母と下の弟と一緒に暮らしている。頼りないが、涙もろく、人情味のある人物。

パク・ギフン(ソン・セビョク):ドンフンの弟

映画監督として生きようと長年がんばってきたが、うまくいかず、諦めた。上の兄と母と一緒に暮らしている。

ピョン・ヨスン(コ・ドゥシム):ドンフンの母

3人の息子を育て、いい大学に入れたが、ドンフンの兄と弟が定職もなく、一緒に暮らしていることに心を痛めている。ドンフンだけを頼りにしていることも申し訳なく思っている。

カン・ユニ(イ・ジア):ドンフンの妻

弁護士。夫の会社の社長のジョニョンと不倫している。不倫相手は、大学の夫の後輩で、自分とは同期。

〔イ・ジアンと関係者〕

イ・ジアン(IU):ドンフンの会社の契約社員

両親はいない。祖母の面倒をみている。幼少の時から厳しい人生を歩まざるを得ず、周囲と関わりを持たずに生きてきた。

ボンエ(ソン・スク):イ・ジアンの祖母 耳が聞こえず、歩くこともできない

ソン・ギボム(アン・スンギュン):ジアンの弟分

イ・グァンイル(チャン・ギヨン):借金取り

ソ・チュンデ:清掃夫、ジアンの生い立ちを知っている

〔パク・ドンフンの会社関係者〕

ト・ジュニョン:ドンフンの会社の社長、ドンフンの大学の後輩、ドンフンの妻と不倫している

チャン会長:建設会社会長

ユン・サンテ:常務。社長派

パク・ドンウン:常務。反社長派

ワン・ヨングン:専務、反社長派

〔ドンフンたちが親しい人〕

チェ・ユラ(ナラ):女優、ギフンが監督した長編のヒロイン

ジョンヒ(オ・ナラ):”ジョンヒの家” 経営

ギョムドク〔ユン・サンウォン〕(パク・ヘジュン):僧侶、ドンフンと同級生で親友

第1話 あらすじ

パク・ドンフンは、建設会社の、建築物の安全診断をする部署の部長、部下たちと忙しく働いている。

ある時、オフィスに1匹の虫が入ってきた。女子社員たちは”ハチ”だと大騒ぎしたが、てんとう虫だった。ドンフンは、生け捕りにしようとしたが、その虫が、契約社員ジアンの腕にとまった。ドンフンの目の前で、彼女はノートで叩き殺し、その虫をゴミ箱に捨てた。

ジアンは、郵便物を配ったが、パク・ドンン(専務)当ての封筒を、パク・ドンンの机に置いた。気づいたドンフンが注意しようとした時、ジアンが会社の給湯室で、会社のコーヒーをポケットに入れるのを見て、何も言えなかった。

社内では、次期社長をめぐり、内部抗争が始まっていた。

ト・ジュニョン現社長派のユン・サンテ常務は、社長再任に向け、社内勢力を取りまとめようとし、反対派のワン専務とパク・ドンウン常務は、再任阻止の策を練っていた。


ドンフンは、兄のサンフンと弟のギフンと紳士服店に来ていた。サンフンの娘の結婚式に、兄にスーツを買ってあげるために。兄は会社をリストラされ今は無職、古いスーツしかない。

ドンフンは、封筒に入れたお金を兄のポケットに入れ、妻からだと言った。妻は出張で結婚式に出席できないからと。


社長、ト・ジュニョンは、着替え、顔を隠して急いでタクシーに乗り、不倫相手が待っている部屋に来た。女は「遠出しましょ、出張と言って出てきたの」と言った。女は、ドンフンの妻のカン・ユニ、義兄の娘の結婚式に出席しない理由は、出張ではなかった。


ジアンは、中華料理店の厨房で皿洗いをしていた。客が残した料理を、誰も見ていない時にビニール袋に入れ、自分のバッグに入れた。


ドンフンは帰り地下鉄で、靴下を履かずにスニーカーを履いている女の子を見た。同じ駅で降りた。

それはジアン、坂道を歩いて家に帰った。

家に入ったが、明かりもつけず、水をポットに入れて沸かし、会社から持ってきたインスタントコーヒーをカップに入れて飲み、ビニール袋に入れた残り物の肉を食べた。

電気がついた、男が部屋にいたのだ。ジアンは驚きもせず、黙って、お金を男の足元に置いた。男はイ・グァンイル、借金取りだった。療養院から彼女に電話が掛かったが、ジアンは出ない。

おばあさんは療養院にいるが、耳が聞こえない。入院費用が未納なので、もうここにはいられない。夜、ジアンは療養院から、おばあさんをベッドごと外に連れ出した。

おばあさんをスーパーのカートに移して、布団を頭から被せた。(ETのようです

ジアンの友だちのギボムが、彼女とおばあさんを迎えにきてくれた。家に連れて帰り、ジアンは彼に、昼間家に来て、12時と6時にトイレに連れて行ってあげて頼んだ。


サンフンの娘の結婚式の日。受付のギフンは、サンフンの合図で、サンフンの招待客のお金を抜いていた。サンフンの妻に見つかり、妻はサンフンを責め立てた。ドンフンたちの母は、恥ずかしくて帰ってしまった。

3人兄弟は家で飲んでいた。サンフンは「お前は会社にしがみついていろ。母さんの葬式を供花で埋め尽くすんだ」とドンフンに涙目で言った。


ドンフンの仕事は危険が伴う。部下たちと高い塔の強度を調べに来ていたが、ドローンで計る予定が、気温が低くで動かず、ドンフンが、高くて長い階段をあがり、亀裂が入った箇所の強度を調べた。誤って機械を地上に落とし、粉々になった。

オフィスに戻ったドンフンは、郵便物を仕分けていたジアンに、「てんとう虫は殺さなくても、、他に殺したものは?」と何気なく聞いた。「人です」とジアンは無表情で低い声で言った、、「話しかけて悪かった」とドンフンは言った。


ユン常務は、社長に「パク常務は何をするわからない。先に動く必要がある」と進言し、裏から手を回した。

母がドンフンの会社に来て「サンフンのために、家を担保に5000万ウォン借りて、店を出してあげたい。あんたが買った家だから相談に来た」と言ったが、ドンフンはいい返事をしなかった。


ジアンの家にグァンイルが来て、鍵を開けようとしていた。ジアンが帰ってきて止めようとして、彼に殴られた。

「お前の人生は終わりだ。死ぬまで俺に利子を払い続けるんだ」と言う彼に、「私に惚れてる?復讐は言い訳で、私の借金を肩代わりしている」とジアンは笑って言った。

ジアンはおばあさんの世話をし、殴られた顔の血を拭いた。


翌日、ジアンは、大きな黒いサングラスをして働いた。顔の傷を隠すために。

バイク便が来て、ドンフン宛に荷物を届けた。差出人のない封筒。

開けると ”5000万ウォンです。どうぞ”というメモと一緒に、商品券が入っていた。ドンフンは驚いたが、咄嗟に、封筒を他の書類にはさみ、デスクの一番下の引き出しに入れた。

振り向くと、サングラスをしたジアンがじっと見ていた、、。

社員たちが退社後、彼女はドンフンの席に来て「おごってください」と低い声で言った。ドンフンは、ジアンを食事に連れて行ったが、落ち着かない。ジアンは無言で、一心不乱に食べた。

「お酒を飲みましょう」終わって帰ろうとしたドンフンに彼女は言った。

二人は飲みに行った。「サングラスを外したら」ドンフンが言うと、ジアンは少しずらしたが、目の周りが傷だらけ、すぐ戻した。「別れろ、男は腐るほどいる」ドンフンは言った。

2人でいるところを、弟と兄に見つかり、ジアンが帰った後、ドンフンは問い詰められた。

落ち着かないドンフンは、会社に戻ったが、監視カメラで全ての部署が見張られていたので、帰った。

ジアンも会社に戻ってきた。掃除係のおじさんに話はつけていた。「賄賂だから消えたとしても、通報もできない」と。おじさんは電源を切り、その間に、ジアンは階段を駆け上がり、ドンフンの引き出しから、封筒を取り出した。


翌日、ドンフンが会社に行くと、封筒が無くなっていた。ジアンは出社していなかった。

その頃、監査室に、”賄賂を告発します”とのメールが届いた。常務のパク・ドンンが監査室に呼ばれたが、もちろん、彼は受け取っていない。バイク便を調べたら、”パク・ドンン”が受け取っていた。

罠を仕組んだユン常務は、賄賂が間違ってドンフンに届けられたことで焦った。しかし、社長に報告すると「では、パク部長を切りましょう」と彼は言った。

ドンフンは、監査室に呼ばれた。その時、ジアンが出社してきた。


エピローグ:

サンフンは、ギフンに「俺はいつか”おじさん村” を作る。おじさんが安心して暮らせる村だ」と話した。

感 想

このドラマ2周目なので、1話で既に、これからのキーとなることが語られ、あらゆる伏線が張られていたことに、改めて気づかされました。

ドラマ初頭で、ドンフンの専門的な仕事(”建物の安全診断をする)、てんとう虫のエピソード、3兄弟の彼の位置、ドンフンがどのような人物なのかが紹介されたと思います。

一方、ジアンは凄みを持って登場しました。ドンフンが逃してあげようとしたてんとう虫を、彼の目の前で殺し捨て、「他に何を殺した?」と聞かれ「人です」と低い声で言いました。1話で既にこんな導入があったとは、、。

明かりもつけない部屋で、会社から持ってきたコーヒーと、皿洗いのバイトの客の残り物を食べるシーン、、衝撃を受けました。

無造作に束ねた髪、細い足に靴下も履かず、くたびれたスニーカーを履き、化粧っ気もなく、抑揚のない、低い声で、最低限のことだけを喋るジアン、サングラスからドンフンに送る視線、凄みです。

しかし、おばあさんには優しいです。おばあさんをベッドごと動かして連れ出すシーンは辛かったけれど、おばあさんは、外の空気を吸って、おおきな月を見て微笑んだのでした。


ドンフンには、無職の兄サンフンと、映画が撮れない映画監督の弟ギフンがいる。このドラマは、この3人の兄弟のドラマであり、そしてその母の物語でもあります。

サンフンが、ギフンに「”中年男のホラー”を撮ったらどうか?」と自分の境遇を自虐するかのように話す場面は、切ないです。リストラされ、社会の居場所を無くしているサンフン、だから、エピローグで「おじさんが安心して暮らせる村を作りたい」と語るのですね。

パク常務に届けられるはずの”賄賂”を、ドンフンが受け取ったことから、彼が巻き込まれるトラブル、ジアンとの関わりが始まり、物語が動き出しました。

第2話 あらすじ

翌日、ジアンは、盗んだ”商品券”を「ヨングァン金融」持って行き借金を返そうとしたが、窃盗品と通報されると捕まるとわかり、取り戻した。

ジアンは、商品券が入った封筒を掃除夫のおじさんのところに持っていき、おじさんが「ゴミ箱に入っていました」とその封筒を監査員に渡した。

ドンフンは、送り主と、商品券がどこにあるかを尋問されていたが、「もう結構です」と言われ、監査室を出た。しかし、調査が終わるまでと携帯と社員証を取り上げられ、家に帰された。商品券が見つかったことは知らされなかった。

ドンフンは、弁護士の妻ユニに相談に行き「誰かが俺をハメたんだ」と言った。

彼が帰った後、ユニは公衆電話からジュニョンに電話し「あなたの仕業?」と聞くと、あっさり認めた。

パク常務は、これが、自分を陥れるために仕組まれた罠と見破り、会議で「送り主を必ず特定する。メールの告発文は”パク・ソンウン常務”と書かれていた」とユン常務に迫った。


ドンフンは、封筒を盗んだのはジアンだと、退社する彼女の後を追い「金は?」と問い詰めるた。「ゴミ箱に捨てました」と彼女は言った。


ドンフンは、ギフンとサンフンを呼び出し、事情を話した。「会社をクビにならないために、金を探さなくては」と焦るギフンたち。駅の出口で、ジアンらしき女を待ち、友達の警察官に”イ・ジアン”の住所を見つけてもらうように依頼した。

ジアンは、ギボムの家に移した祖母の世話をしていた。

グァンイルは、ジアンの家に来たが、誰もいなかった。

ユン常務がドンフンを呼び出し、酒を飲ませて、退職を勧めた。


翌日、ユン常務は、パク常務を呼び出し、ドンフンが全て吐いた、とウソを言ったが、パク常務は、商品券が入った封筒を持ってきた。驚くユン常務、ドンフンンをクビにして、うやむやにしようとしている事を指摘され、狼狽えた。


会社に入院中の会長が来た。会長は、賄賂の商品券がゴミ箱に捨てられていたことをワン専務から聞いた。パク・ドンフンを覚えていて、彼を解雇するな、と言った。ジュニョンは全てが気に入らない。


ジュニョンとパク常務がエレベーターに乗り込もうとすると、ジアンが乗っていた。同じエレベーターに乗り合わせる3人、その時、ジュニョンの私用の携帯が鳴ったが、彼は知らないふりをした。ジアンは、咄嗟に社長のポケットから携帯を取りだし、切り、自分のポケットに入れた。

ジアンは、ジュニョンの携帯に”秘書が帰ったら私に用を言いつけてください”とメールした。

ドンフンは、パク常務に本当のことを話そうしたが、反対に、封筒を出され「清掃員が見つけた。捨てずに、監査室に届ければよかったのに」と言われた。会長の指示で、解雇はないと知らされた

ドンフンは、返してもらった携帯を充電したまま席を外していた。ジアンが、偶然”妻”から掛かった番号を見た。それは、ジュニョンの携帯にかかった番号と同じだった。


全員が退社後、ジアンは社長室に入った。

「必死になって部長を切りたい理由が、番号を見て分かりました。部長の奥さんでしょ?でもなぜおばさんと恋愛を?」とジアンは言った。


ジアンから”おごってください”とメールが来た。ドンフンは、ジアンを日本食の店に連れて行き、ビールも飲んだ。

ジアンは、ジュニョンと取引したのだ。だから、ドンフンにメールした。

「仕事をください。パク常務とパク部長を追い出してあげます。私は機転が利くから。報酬は1人当たり、1000万ウォン」と

ドンフンは、ジアンと同じ電車で帰った。「ありがとう」とドンフンが言った。

感 想

ジアンが盗んだ”商品券”は、清掃夫のおじさんを通じて、監査に届けられ、ドンフンは、解雇を免れました。ドンフンのように高潔な人でも、心が揺らいだ、母にサンフンのことで相談され、兄のことを心配していたから。

ジアンにすれば、知らないうちに、部長をハメる罠に手を貸していたのは不本意だったでしょう。

2話のハイライトは、ジアンが、ジュニョンとパク常務と一緒にエレベーターに乗り合わせた時の彼女の機転!自分の存在感は消し、会社の人間関係、力関係をすごく観察していています。そして社長ジュニョンが何を望んでいるのかを把握しています。

この時点で、ジアンはドンフンの側にはいません。彼女にとって重要なことは、報酬をもらえる側につくことで、ジョニョン側についています。

第3話 あらすじ

ドンフンは「僕が捨てたことにしてほしい」とジアンに言うと、彼女は「ひと月、夕食を」と言った。ドンフンは、噂になると困るので金を渡す、と言ったが、1000万ウォンと言われ黙ってしまった

ジアンは、ドンフンを尾行し、彼の住まいから、郵便物を盗んだ。


カン・ユニは、ジュニョンから「お金はゴミ箱から出てきた、先輩が捨てた」と聞き、「あり得ない、何かある」と言った。ユニは「夫に本当のことを言って離婚したい」と言ったが、ジュニョンは止めた。


ドンフンは、ユニに問い詰められ「ゴミ箱から見つかった」と言うと「あなたが捨てたそうね」と言われ驚いた。「ジュニョンに電話した」妻の一言で、ドンフンは気を悪くし「ジュニョンには電話するな」と言った。


ジアンは、パク常務の部屋に盗聴器を設置しようとしたが、盗聴感知器が設置してありできなかった。

会長が急に来た。明日の中国との大きな仕事の期待していた。ドンフンを夕食に誘ったが、彼は先約があると断った。


ドンフンは、ジアンに食事をおごった。高そうな日本食の店をジアンが選んだ。

「あの賄賂は俺を解雇するために仕組まれたものだ」とドンフンは言い、ト社長を嫌っていると話した。「理由を考えるのも嫌なほど。俺が嫌う人間は出世する」と言うと、ジアンは「私のことも心の底から大嫌いになって。私もおじさんのことを嫌いなるから」と言った。

帰りの電車は非常に混んでいた。ジアンは混雑を利用し、ドンフンのポケットから携帯を出し、盗聴のセットをして戻した。


サンフンは、債務不履行で、警備会社に採用してもらえなかった。母が怒り、ギフンと追い出されて、友達の”夫婦掃除店”でグチった。友達も、掃除店がきついと話した。


ドンフンは、商品券は、法人カードを使えば経費扱いになることに気づいた。法人カードで5000ウォン使った会社を調べれば賄賂を送った業者がわかる、とパク常務は言い、調べようと言った。

ジアンは全てを盗聴していて、ト社長に、パク常務が法人カードを使った業者を調べる、と連絡した。

ドンフンは、封筒を届けてくれた清掃員のおじさんにお礼を言い、気持ちとして商品券を1枚渡した。


いつもの通り、3兄弟が飲んで店を出た時、サンフンの妻が来て、「もう、あなたの尻ぬぐいはイヤ。離婚して」と離婚届を出した。ドンフンは「いっそ離婚したら?」と言ったが、サンフンは「しない、独居老人にはならない」と泣きながら言って歩いた。


ジアンとギボムは、パク常務を追い出す作戦を実行した。パク常務が行ったクラブで、彼の飲み物に大量の睡眠薬を入れた。


パク常務が目覚めたのは、海辺のホテルだった。中国との大事な商談の日、焦って、ホテルから出ようとして、車と衝突したが、そのまま行った。

重要な会談にパク常務は現れず、中国からの顧客は、怒って帰ってしまった。

パク常務は、当て逃げで警察で調べられていた。役員の不祥事だと記者が騒いでいると社内で噂になっていた。ジアンは、トにお金を用意して、と連絡した。


ギフンは、映画監督として声がかかったと喜んでいたが、また助監督をやれと言われた。脚本も不採用。怒りで、スタッフを殴って出て行った。先輩から考え直せと電話があったが「年収500万ウォンで、20年も耐えてきた。別の仕事をする」と電話を切った。

サンフンが、掃除屋の車を運転して戻ってきた。そして掃除店は俺が引き継ぐ、ギフンに一緒にやらないかと誘った。こうして ”兄弟掃除店”がスタートすることに。

母は「やっと2人とも働けるんだら、これでいいわ」とドンフンに話した。


ジアンから「おごってください」とメールがあり、ドンフンはお金を用意して彼女に会いに来た。毎月100万ウォンずつ払う、と言って帰ろうとした。

「なぜ?噂になるのが怖い?」と言われ、ドンフンは、お金をしまい「君が捨てたと言おう。この年で、娘ほどの若い子に脅され、言いなりになるのはご免だ」と店を出た。

ジアンは、ドンフンを追いかけ、背伸びをして、彼に無理矢理キスをした。動揺するドンフン。ギボムが写真を撮っていた。

感 想

ジアンとギボムがすごいです。PC、携帯を自由に操れ、二人ともすごく機転が利くし、能力もあります。

まず、ドンフンの携帯を盗聴できるように操作し、パク常務の飲み物に睡眠薬を入れて、翌日の中国との重要な会議を台無しにしました。約束通り、パク常務を追い出すことに成功し、ジュニョンに報酬を請求。その手際に、ジュニョンは恐怖を覚えたようです。

ドンフンは、ジアンの言いなりになることが嫌なり、強い態度を取ったが、追いかけてきたジアンにキスをされ、動揺してしまった。ジアンはまだ、ジュニョン側なのでしょうか?

サンフンとギフンは、 ”兄弟掃除店” を始めました。この二人の切なさに目が離せません。

第4話 あらすじ 神回!

ジアンに”キス”された翌日、ドンフンは、ジアンを会議室に呼んだ。部屋のブラインドを全て開け、社員たちに中の様子が分かるようにして。

ドンフンは「俺をバカにしてる?」と聞いた。ジアンは「退屈そうだったから。大学の後輩に解雇されかけたことを知ってるくせに、真面目な無期懲役囚みたい。私みたいにつまらない人生」と言ったのだ。

「また同じことをすれば、会社に全てを話し解雇する」とドンフンは言った。


パク常務は、大事な商談を酒の失敗で台無しにしたことで、釜山に左遷された。


トは、ジアンに1000万ウォンを渡したが「これからは指示なしでは何もするな」とクギを刺した。彼は、ジアンの行きすぎた行動に恐れをなし、カン・ユニにジアンについて調べさせた。ジアンは12か13歳の時に人を殺していた。


ジアンが家に戻ると、グァンイルが家から出てきた。ジアンは、1000万ウォンを彼のポケットに押し込み、領収書に”無断で家に入ったら残金は返さなくてもいい”と書くように迫った。書かなければ死ぬ、と。

グァンイルは「お前を簡単に死なせてたまるもんか。この人殺し」とジアンを執拗に殴った。「あんたの父親を苦しめればよかった。ひと想いに殺すなんて私は優しすぎた」と叫ぶジアンを、グァンイルは殴り続けた。


ジアンは、祖母がかくまわれているギボムの家に行った。祖母はジアンの傷だらけの顔を見て心配した。ジアンは、おばあさん世話をして、ドンフンを盗聴した。

ドンフンは部下3人と飲んでいた。部下たちはジアンのこと噂していた。ドンフンが「かわいそうだろ、あの無表情な顔が過去を物語っている。傷を負った子は早く大人になる。あの子の過去を知るのが怖いよ」と。ジアンはその言葉に動揺した。


ジアンは、”キス写真”をドンフンをおとしいれる為に使おうとしたが、噂好きの女子社員に自分からキスを迫ったことを見破られ、写真を削除した。キス写真は失敗、ギボムは、ドンフンを狙う材料がない、とジアンに話した。


サンフンとギフンが清掃店を始めるに際して、母と息子たちは、お供えをして事業の繁栄を祈った。

清掃業を始めた二人だが、、、サンフンに元気がない。何かと涙ぐんでいる。

心配したギフンがドンフン呼び、、仕方なくサンフンは話した。

ギフンと違う場所で掃除してたら、ある男が、俺のせいでホコリがついた、サウナに行った帰りなのにと怒った。マンションのオーナーで町の半分のビルを持っている、清掃業を替える、と言った。酒臭かった。謝れと言われ、、、土下座した。10分ほど説教され帰ろうとしたら、1階の床に弁当が置いてあった。”母さんは見てないよな”と思ったけど、うちに戻ったら、母さんが微笑んでた、、、見てたんだ、、。

サンフンは泣いた。「ぶっ殺してやる!」殴りに行こうとするギフンをドンフンが抑えた。

翌日、ドンフンはビルのオーナーに会いに行った。’兄弟掃除店’の名刺を出し、果物カゴを机に置いた。

「俺の兄弟だ。俺も土下座したことも殴られたこともある。でもは家族は知らない。どんなに侮辱されても家族さえ知らなければ、どうってことない。でも家族の前ではダメだ。もしやったのなら、その時は、殺されても仕方ない。母が見てたんだ。お前は何をされても仕方がない。この果物カゴを持って謝罪にいけ」とドンフンは言った。男は「行くわけないだろ、バカ野郎」と笑った。

ドンフンはカバンからカナヅチを取り出し「内装材」「レンガ」「ここはコンクリート」と言いながら、振り下ろり大きな穴を開けていった。建築は違法改築されていた。

「俺は構造エンジニアだ、何軒所有してる?全部違法改築してるだろ。罰金を食らう上に、復旧命令が下れば、お前は終わりだ、、」と殺気だって迫った。

ジアンは、盗聴しながら、あの男が、祖母を殴り自分を殴ったことを思い出していた、そして、自分が刃物を持った時のことを、、。


男は、大きな果物カゴを持って、サンフンたちの家に来た。

「先日はすみませんでした。最近いろいろあって。酒も飲んでたので、、、許してください」と謝った。母が「食事していって」と言ったが、これで失礼します、と出ていった。

母、サンフン、ギフンは、何も言わずに顔を見合せた、、。


サンフンから「ジョンヒがタイから戻ってきた」と電話。”ジョンヒの店”に、町の常連の男たちが全員集合し、大声で大盛り上がり!

ドンフンが来て端に座り飲んだ。”退屈そうだったから。真面目な無期懲役囚みたい”ジウンの言葉を思い出し、「ある人に見透かされてた、俺も。その子が分かる気がする」とジフンに言った。

「分かってしまう彼女が、悲しい」ドンフンは言った。

ジアンは、ドンフンの言葉を聞いていた。

感 想

4話、神回です。

真面目な無期懲役囚みたい」なんという言葉でしょう。しかしドンフンは、何も言い返すことができない、その通りだと自分でも思ったから。彼もまた、ジアンの無表情な顔から、彼女の”悲しみ’を分かっていた、、。

ドラマの初めの言葉が、ドラマの最後に、また巡ってきました。

ドンフンを盗聴することで、ジアンがドンフンに心を動かされてきた気がします。


ジアンの悲しい過去も明らかになりました。祖母と自分に執拗に暴力を振うグァンイルの父を殺したこと、グァンイルはそれを恨み、執拗にジアンを苦しめている、、。


もう1つのエピソード、兄のサンフンが清掃中に、男に絡まれ、土下座して謝ったところを母に見られてしまった、という切ない話でした。

尊厳、誰にも犯されてはならないはずの尊厳、しかし、力がなければ、簡単に犯されてしまう。自分の一人ならなんとか耐えるけれど、家族に知られたら、耐えることはできない、、、。

ドンフンは、兄と母のために行動を取らずにはいられなかった。

温厚に見えるドンフンが、カナヅチを持って壁を叩き穴を開け、建物の違法を見破る、、迫力ある、殺気に満ちた場面でした。ジアンは、そのドンフンに、自分が刃物を出した時を重ねました、、。

ジアンとドンフンが、お互いの共通点(悲しみ?)に気づく回だったと思います。


第5話 あらすじ

”ジョンヒの店”でまだ飲んでいた。

ギフンは、ドンフンに「俺はどんなに金がなくても高いパンツを穿いてる。今日死ぬかもしれないだろ。だから恥じるな。20年間、俺が映画業界でしたのは待つことだけだった。この歳になっても兄貴から小遣いをもらっている自分がゴミに思えた。でも今はカネを稼いだらマグロを奢りたい」と話した。

3人兄弟は、酔っ払って歩いて帰った。サンフンは、ドンフンに、あの会社の女の子とどうなった?と聞きたがった。

ジウンが前から歩いて来た、盗聴しながら。「こんな時間まで?」ドンフンが聞くと「バイトです」と。「頑張ってるんだな」と言ってすれ違った。


ドンフンは、パク常務に会った。「1年ほど前に、ト・ジュニョンが親しげに話しかけて来た、その時、彼が俺に何かやらかしたとピンと来た。それから無視している」と話した。

パク常務は彼に、トの3ヶ月分の通話記録を渡し、何をやらかしたか調べてみろ、と言った。


カン・ユニとト・ジュニョンが密会中、トの私用携帯に電話が鳴った。ユニが「私、専用のはず、誰から?」と聞いたが、彼は出て行った。ジアンと会い、パク常務とドンフンの盗聴会話を聴かせ「不倫がバレますよ」と言った。「そんなヘマはしない。彼女は公衆電話を使う」とトは言った。ジアンは、彼に、”社長失脚の陰謀’でドンフンを追い詰めると言い、ギボムに電話して、録音ファイルを監査にメールするように指示した。


ジアンが帰ると、祖母は窓のそばで寝ていた。「月が見えると思って。でも見えなかった」と祖母は手話で言った。

ジアンはスーパーで買い物をして大きなカートを持ち出し走った。ドンフンが彼女を見かけ追いかけた。見失ったが、急な坂の細い路地からカートを引っ張ってくる彼女を見つけた。おばあさんが乗っていた。ドンフンは驚いたが、一緒にカートを道まで運んだ。

ジアンは、カートを押し、祖母を月がよく見える場所に連れて来た。祖母は穏やかで幸せそうな顔で月を見上げた。手話で「さっきの人は?いい人でしょ」とジアンに話した。

戻ると、路地の入り口にドンフンが待っていた。おばあさんをおぶって坂を登って家に着き、布団に寝かせた。帰ろうとしたらジアンが出てきた。「いい子だな」とドンフンは一言だけ言って帰った。ジアンは、玄関の前にずっと立っていた。


ドンフンは、給湯室でジアンと一緒になり、昼間、誰がおばあさんの面倒を見てるのかと聞いた。友達です、とジアンは答えた。「”ジアン”はどんな字?」と聞かれ、「””ると””らかです」と彼女は答えた。「そうか、いい名前だな」とドンフンは言った。


ギフンたちが掃除をするマンション、1つの部屋の前にいつも吐いている住人がいた。ある日、その住人を見かけた、、ギフンの映画に出たことのある女優だった。ギフンは、吐いたら電話しろと名刺を渡した。

その女は、掃除店にたびたび来た。ある日一緒に飲みませんか言い、ギフンたちは、”ジョンヒの店”に連れて行った。女は「監督ありがとう、落ちぶれてくれて。監督の映画に出ることになって私は3ヶ月でセリフが言えなくなりました。あまりにもいびられて、、。監督は長編映画を1本も撮ってません。監督が成功してたら私は辛くて死んでたかも。ありがとう。落ちぶれた監督は愛らしいです」と言った。???何も言えないサンフンとジョンヒだった(笑)。


会社で合同の”焼肉” 飲み会が開かれ、ドンフンは帰ろうとするジアンを誘った。そこにト社長が来た。ドンフンは、ユン常務から社長がいる席に来るように命令された。全社員が、社長は、ドンフンの大学の後輩で、ドンフンが会社で不遇されていることを知っていた。

社長が帰る時、ドンフンの部下の一人が社長に意見し、暴力沙汰になりそうになった。社長は不機嫌に帰って行った。別の部下が「悪いのは社長か?出世できない部長か?」と言うのを聞き、ジアンは「汚いヤツ」とその部下の頬を叩いて出て行った。

ドンフンは、酔っ払い絶望的な気持ちでの帰り道、踏切の坂に積もった雪に足をすべらせ転んだ。しばらく雪の上に横たわっていたが「今日は死ねない。高級なパンツを穿いていない」と立ち上がった。

盗聴していたジアンは、ドンフンが心配になり彼の元に走った。立ち上がり帰っていく彼を、後ろから見守った。


ト・ジュニョンはジアンと会った。トは、通話記録がドンフンに渡ったことを疑っていた。監査が見つけていないのだ。ジアンが「大事な時期に、なぜ人妻と交際を?」と聞くと「最も安全な相手は人妻だ。自分から言いふらさない。今は別れない、熱が下がらないうちに捨てたら怖いからな」と彼は言った。


ドンフンは、妻のカン・ユニから、ギフンのことを聞かれて「掃除店を引き継いだ」と話した。「あなたも起業したら?どうせ会社を辞めるでしょ?」と妻は言った。


ドンフンと、社長に意見した部下は、始末書を書かされた。

気が晴れず帰宅できないドンフンは、引き出しの奥深くにしまっていた”通話記録”を調べた。

1つ、頻繁に掛かってくる番号があるが、”受信不可能”だった。

翌朝、ドンフンは部下たちに「受信不可能とはどんな電話だ?」と聞いた。ジアンが近くに来て「公衆電話」と言った。

ドンフンは、その番号の公衆電話が設置してある詳しい場所を調べて、そこに行った。

公衆電話は、妻の”カン・ユニ法律事務所”の下にあった。

ドンフンが呆然としていると、そこに妻が現れた。

感 想

5話もとても良かったですね。

ジアンが、ドンフンを盗聴し、表向きはまだト側についているが、気持ちは、ドンフンの方に向かっていることがわかる回でした。

月を見たいというおばあさんのために、ジアンは、スーパーからカートを持ってきて、それに乗せて連れて行ってあげる。ドンフンは、ジアンの落とし物を持って彼女の後を追い、彼女がおばあさんのお世話をしていること知って、助けてあげる。ドンフンは、おばあさんの世話をするをジアンに、心を動かされました。家を見て、彼女の境遇も察したのですね。

帰り際「いい子だな」と一言だけ言って帰ったドンフン。それを聞いたジアン、、、彼女は、これまでの人生で、人からそんな言葉をかけられたのは初めてだったのではないでしょうか?だからじっと家の前で立ち続けていたのかなと思いました。

ジアンの漢字を聞く場面も、とても良かったです。


ギフンが、”大根役者”の元女優と再会するところ、ユーモアがありで面白いです。「監督、落ちぶれてくれてありがとう」って、最高のセリフ!彼女が言うように、自分を苦しめた人間が、すごく成功してたら、死んでしまいたくなるかも、ですよ。

このドラマ、サンフンとギフンの切なさと滑稽さが、いい味です。”人生は、近くから見ると悲劇だけど、遠くから見ると喜劇である”というのはチャップリンの言葉だったかしら?分かる気がします。


ドンフンは、トの通話記録から、公衆電話の設置場所を特定した、、そして、耐え難い事実を知ることになりました、、。

第6話 あらすじ

公衆電話の位置を調べに来たドンフンは、事務所から出てきた妻ユニと会い、ランチを食べた。その後、ドンフンは喫茶店から公衆電話を見張っていた。

ユニが誰かに電話をした。その後で、ドンフンがリダイアルすると、ト・ジュニョンが出た、、。

ドンフンは、車の中でホテルのキーを見つけた。ホテルの前で見張っていると、ユニが運転した車が入った後、トの車が入って行った。

ドンフンがユニに電話すると、仕事中と言われ、明日は?と聞くと、出かける、と彼女は言った。

二人の関係は、疑いようもなかった。妻が、辞職と起業を強く勧める理由も分かった、、。


日曜、地元の”おじさんチーム”と中学生のサッカーの試合が行われ、ドンフンは試合に出たが「パスが回ってこない」と途中で退場し、どこかへ行ってしまった。

ジアンはドンフンを心配し、盗聴器で位置確認し、橋の上にいるドンフンのところに走った。

兄と弟がドンフンを見つけ、いつものように3人で帰って行った。


ユニとトは、キャンプ場で焚き火をしていた。彼女は「この前、会いに行ったのは誰?」と聞いた。トは「先輩の解雇を手伝う子だよ」と。ユニはジアンだと分かり、パク常務の件も彼女の仕業だと知り、動揺するが、、、。

ユニがマンションに入るのを見たドンフンは、急いで同じエレベーターに乗った。妻に「煙の匂いがする」と言ったが、焼肉を食べた、とごまかされた。


ジアンは家で盗聴していた。

イ・グァンイルがノックしたが気づかず、、彼は勝手に鍵を開けて入ってきた。

ジアンとおばあさんは恐怖を感じた。グァンイルは「おばあさん、今日は父の命日、あんたの孫が父を殺した日。法事の料理を食べてください」と持ってきた料理を、無理やりおばあさんの口に入れた。祖母を守ろうとしたジアンは、また彼からひどく殴られた。

ジアンは、玄関先の階段に座り、ドンフンの「いい子だな」の録音を、何回も何回も繰り返し聞いた。


ドンフンは、”社長を探っている”との疑いで監査呼ばれたが、何も言わなかった。

パク常務から呼び出されたが、公衆電話からは何もわからず、監査に調べられたので、通話記録は破棄したとウソをついた。(トと妻の不倫は言えない)


ドンフンは、部下から、ジアンが先日 の飲み会でに課長代理を叩いたと聞き、ジアンに理由を聞いた。「おじさんの悪口を言ったから。辞めるべきだとか、出世できない情けない部長だとか」と彼女は言った。

ドンフンは傷ついた。部下に電話し「”すみませんでした”を10回言え」と言わせた。ジアンには「告げ口は気まずだろ」と言ったが「すまない、聞いておいて」と謝り、「ありがとう、殴ってくれて」と言った。

二人で飲んだ。

「人の悪口を聞いたら、本人に伝えるな。聞いた人は君を避ける、自分の傷を知る人と接したくないから。誰も知らなければ何てことない」とドンフン。

「それだといつ知られるか怖い。そうやって不安になるよりは、いっそ、全ての人が知るように”イ・ジアン人を刺す”街頭ビジョンに出してほしい」とジアンは言った。

君のことは、何を聞いても知らないフリしてやるよ。だから君も約束して、知らないフリすると。怖いんだ、君は何もかも知っていそうで」とドンフンは言ってお酒を飲んだ。


兄弟掃除店に例の女優、チェ・ユラがまた来た。じっとギフンを見つめ「自分が特別な存在に思えてくる。天才の没落を目の当たりにしてる感じ」と上機嫌だったが、ギフンに「お前が女優として成功したなら何を言われても受け入れる。でも違うだろう。俺のせいにするな。帰れ」と怒鳴られ出て行った。

彼女は、映画仲間のつまらない悪口やグチを聞くのが嫌になり、夜遅くにまた掃除店に戻り、寒空、階段に座っていた。

ギフンは外に出た。「早くAIの時代が来てほしい。一番演技がうまいのも、一番勉強ができるのも、弁護士も医者もAI。人間が偉そうにできない、威張る必要もない世界なら、どんなに自由かしら。人間はただ愛し合うだけ。偉ぶる人間であふれる世界はうんざり。私は何も取り柄がないから、死ぬほど苦しい。ここにまた来たいです」とユラは涙ぐみ言った。

ギフンは温かいコーヒーを買ってあげた。


会長が会社に来た。トが「焚き火の準備ができています。明日お迎えに」と話しているのをドンフンは聞いた。

夕方、妻に夕食はどうかと電話したが、もう食べた、と。彼女はまたトと一緒だった。

家に戻ったユニは、「銀行の利子の情報を送ったけど見てない?」とまた起業のことを慌ただしく言った。


翌日、ドンフンは、バスで、トと会長が焚き火をしているキャンプ場に行った。

感 想

6話で、ドンフンは、妻ユニとト・ジュニョンの関係をはっきり知ることになりました。

妻は夫が知っていることを知らず、休みの日まで、トとキャンプ場に行く。トから、ジアンを使ってパク常務を陥れ、夫を解雇しようとしていると聞いても、驚かず、項垂うなだれるだけ。汚い手を使って社長の座にしがみつこうとしている男と結婚しようとしている。離婚し、トと結婚するために、夫に、辞職と起業を勧めている、、ユニさんを大丈夫ですか?


ジアンは、完璧にドンフン側になりました。

ドンフンの「いい子だな」の録音を、何回も何回も聞く、、その場面に泣けます。

ドンフンは「悪口を本人に伝えるな。自分の傷を知る人と接したくないから」とジアンに言います。「誰も知らなければなんてことない」と。この言葉は、5話で、サンフンが土下座したことに通じます。誰も知らなければどってことなかったけど、母親が見てしまった、それほど辛く耐え難いことはない。そして「君のことは、何を聞いても知らないフリしてやるよ。だから君も約束して、知らないフリすると」とジアンに言う。

ドンフンは、妻のユニが不倫をしていることを、決して、誰にも知られたくないのです。それは二重の屈辱になるから、多分。

ドンフンとジアンの会話の場面、深いです。


売れていない女優、チェ・ユラ、彼女は、世の生きづらい人たちや、弱者の思いを代弁しているように思います。芸能界という華やかな世界は、特に偉ぶる人間であふれているでしょう。でも程度の差はあれ、どの世界も同じようなもの。

”人間が偉そうにできない、威張る必要もない世界なら、どんなに自由かしら” そういう世界が、自由なのか?とハッとさせられる、すごいセリフです。

このドラマでスポットが当たっている世の中の弱者(ジアンやおばあさん)や”落ちぶれた人たち”(おじさんたち)、みんな愛すべき人たちですね。


第7話 あらすじ

キャンプ場を訪れたドンフンに、ト・ジュニョンと会長は驚いた。ドンフンは、テントの中で妻の手袋の片方を見つけて、彼女がトと一緒にキャンプ場に来ていたことを確信した。

妻のユニに連絡しようとするジュニョンに「やめろ、電話したら殺す。ユニとは去年の春からだな。俺と離婚しても、お前は子連れの平凡な女と結婚するやつではない。賄賂はお前の仕業か?」と問い詰めた。

「ユニと別れろ。俺が知っていると言うな。もし言ったらお前は終わりだ」と。

盗聴を続けるジアン。おばあさんに湯たんぽを作り、電気ストーブをおばあさんに向けた。

ドンフンは、キャンプ場で拾った妻の手袋を車の運転席の足元に置いた。

アメリカに留学中の息子から、パパの特技を1分以内の動画で送って、と電話が掛かった聞き、息子に電話した。

ドンフンは、兄サンフンと弟ギフンとジョンヒの店でまたお酒を飲み、「酒を飲みことだけが特技だ」と笑い合った、ちょっと悲しくなりながら。

3人が帰る時「私も帰るわ」とジョンヒも店を出た。引っ越したと聞いてない、という3兄弟に、「帰ろう」と一緒に歩き、途中で別れた、、、そして家に戻った。「待ち人は現れなかった」と独り言を言って。、シャワーを浴びてきます、と階段を降りると、そこは自分の店だった。


翌朝、出勤したト・ジュニョンは、ジアンに「当分パクに何もするな」とメールした。

ユニから電話が掛かったが出なかった。

部下が、無愛想なジアンをクビにしてほしいと言うと「無愛想で生意気でも家族の面倒を見ている、祖母を養っている。頑張ってる子をイジメるな」とドンフンは言った。

帰りの電車でジアンと一緒になった彼は、家庭の事情を聞いた、おばあさんが心配だからと。両親は亡くなり、おじやおばもいない。なぜ施設に入れない?と聞くとお金が払えなくて追い出されたとジアン。ドンフンは「孫に扶養義務はない、子供がいなくて障害があるなら無料のはずだ。住民票を分け、介護認定の申請を、誰も教えてくれなかったのか」と言った。

ドンフンは、ジアンを先輩の店に連れてきた。

ジアンは「噂になっても同情したと言えばいい。今まで助けてくれた人はたくさんいました。4回くらいしたらみんな逃げていきます」言った。

「俺も他人を哀れむほどいい人生は送ってないし、これはお礼の食事だ。賄賂を送ったのはトの仕業だ。君が捨ててくれなければ、俺は訳もわからず解雇された」とドンフン。

なんのために?と聞かれ、俺が嫌いんだろう、とドンフンは言い、誰にも言うな、と口止めした。

汚名を着せた人と同じ職場なんて地獄だ、というジアンに、「現実が地獄なんだ、天国だと思った?地獄に来たのは理由がある、罰を受けるためだ」とドンフン。「罰を受けるのは悪いことをした人では?殺してあげましょうか?」とジアン。

帰り、ドンフンはおばあさんにと食べ物を持たせた。

おばあさんは ”あまりに美味しくて恐縮するわ”と(手話で言って)喜んで食べた。


ユニはイと会っていたが、イはキャンプ場に行かないと言い出て行き、ジアンと会った。

ジアンは、盗聴したドンフンとパク常務の会話と、ドンフンが公衆電話の撤去依頼をした内容を聞かせた。イは、監視を続けえろ、とジアンにお金の入った封筒を渡し命令した。


ジョンヒの店では、チュ・ナラがきて、おじさんたちに「ギフンのどこがいい」と聞かれた。「落ちぶれたところです。愛してます」と答え、、シーンとなるおじさんたち、、。

ナラは「ここにいるみなさんを尊敬してます。最初は今の監督を見て嬉しかった。めげずに元気だったから。”落ちぶれてもいいんだ、どってことない、それでも幸せになれるんだ”と思い、安心できたんです」と言うと、おじさんたちの顔に笑顔が広がった。ギフンだけは難しい顔をしていたが(笑)。


ジアンのバイト先に、イ・グァンイルがきた。ジアンは、イからもらったカネの入った封筒を渡した。「金ズルを捕まえたのか」と気になるグァンイル、、


ジアンは、ドンフンに教えてもらった通り、おばあさんの介護認定の申請をした。介護認定を受ければ無料かと確認すると、無料と言われた。


妻のユニはドンフンに、また起業を急かせる電話をしてきた。

エレベーターでイに会ったドンフンは彼を屋上に連れてきた。イは「バラせばいい、失うのはそちらの方が大きい」と怒鳴った。「分かった、やってみよう。どこまでやれるのか俺も気になる」とドンフンは言った。

ユニはまたイに電話したが彼は出ない。待ってるとメッセージを残すと、キャンプ場だ、帰れと返信メールがあった。


ジアンは、ユニがいるホテルに走った。

ユニが車で出てきたところで、車にぶつかった、、ユニはジアンを見て、履歴書の写真を思い出した。

ジアンは、自分とイの会話の録音をユニに聴かせた。

男にとって最も安全な相手は人妻だ。自分から言いふらさないから」とイは言っていた。

ユニはキャンプ場に車を走らせたが、イは来ていなかった、、。


ドンフンが友だちの店に来た。盗聴しながら、ジアンはその店に向かった。彼女をグァンイルが追っていた。

「あの子は?」とドンフンが店のマスターに聞いた。そこにジアンは走って店に着き、「もう一杯飲んで」と言って座った。

「なぜ私を採用に?」ジアンはドンフンが延長してくれたことを契約会社から聞いたのだ。ドンフンは「”かけっこ”、内力が強そうで」と言った。

「走ってる時は私がいなくなります。それが本当の私かも」とジアンは言った。

ドンフンはビールのグラスを持って、ジアンとグラスを合わせ「幸せになろう」と乾杯した。

二人で笑った、、、それをグァンイルが見ていた。

感 想

7話もいい話でした。

このドラマは、やはり、セリフがいいですね。

ジョンヒさんは、家に帰るとドンフンたちと店を出て歩いて、帰ってきたのはお店、、、でも、一度外に出てから、今度は家に帰りたい、その気持ちがわかる気がします。

*ジョンヒ役のオ・ナラさん、色々なドラマに出演されてますね。以下でもすごくチャーミングな役を演じておられます。


ドンフンのアドバイスで、ジアンのおばあさんが施設に入れそうで、本当によかったです。こういう制度って知らないと損をしますよね。これまで、ジアンには教えてくれる人がいなかった、、。

ユニは、イの本性を知ることになり、、失恋のショックというより、こんな男に夢中になっていたと言う事実がつらいのではないか、と思います。

天然のチュ・ナラさんのセリフ、いつも面白いです。作家さんが言いたいことなのかなとも思います。


第8話 あらすじ

打ち解けた様子で話すドンフンとジアンを、グァンイルは外から怒りの目をして見ていた。

風が激しくなった、店長が心配したので、ドンフンはビルの安全診断をした。問題なし、いつもしてあげているようだ。

ドンフンはジアンを送って歩いた。

ジアンがドンフンを”建築士”だと思っていたので「違う、”構造エンジニア”だ、建物のデザインそのものを安全に建てるために計算して構造を作る者、建築は外力と内力の戦い。常に外力よりに内力が強いように設計する人生もある意味同じだ、内力が強いと何事にも耐えられる」と説明した。

ドンフンは「優秀だった友達が突然出家した、”何も持たない人になる”と。人は何かを手に入れようと、さんざんもがく。手に入れて万全だと思ってたのに、ヒビが入り始め崩れ落ちる、今まで礎と思ってたものが、本当の内力じゃなかった。全て偽物な気がする。だから自慢を並べ立てた履歴書より”かけっこ”が強く見えたのかもな」と話した。自分の礎がユニの不倫を知り、壊れてしまったことを思いながら、、。

ジアンは「冬も春も夏も秋も嫌い、同じことの繰り返し。何度転生したんだろう。60歳まで生きて500回生まれ変わったら、」「3万歳」とドンフンが言った。

また明日、と別れたが、ジアンが戻ってきて「ファイト!」と声をかけた。ドンフンは驚いて振り返った。

ドンフンをグァンイルが尾行し、住まいを突き止めた。

家に戻るとユニがうなだれていたが「裁判のことで」とごまかし「勝つわ」と言った。


会社では、反社長派の専務・常務たちの推薦で、ドンフンは ”常務候補” に立候補した。


今度は、イが、連絡が取れないユニに気を揉み、すぐに会おうとメールした。

ユニは、ドンフンの母の誕生日のお祝いに行った。もちろんドンフンも、サンフンの別居中の妻も来ていた。

サンフンの奥さんは、「今日来たのはお義母さんのため。もしやり直すとしても、この人を連れて山奥で暮らす。3人兄弟がつるんでるのを見たくない」と言った。

ケーキのろうそくを消す前に、母は長い間手を合わせて、願い事を心の中で言った。

ドンフンたちは家に着いたが、ユニは「仕事がある、事務所に行く」と。「明日にしろ」と言うドンフンに従わず、行ってしまった。

ユニはイが待っているホテルに来た。

イは「終わりにしよう」と言った。ユニは「少し悩んだわ。でもあなたを少し傷つけて別れるわ。自分が余計惨めるになるけど。あなたは哀れな人なの、大学の頃からずっと。虚勢を張っていることをみんな知ってた。本気で離婚しようとした、こんな人を好きだったなんて、死ぬほど恥ずかしいわ」と言って部屋を出た。

またドンフンたちは、ジョンヒの店で飲んだ。彼女の家が店だと知った兄弟たちも、知らないフリをして、彼女と一緒に歩いて帰った。

ジアンは今日も、家でおばあさんのお世話をしていた、いつもいつも。グァンイルが家の外にいた。

ドンフンは、家に続く坂道でうずくまった、、、その小さなうめき声を、ジアンはイヤホーンで聞いた。


チェ・ユラは、また演技ができずに行き詰まっていた。

ジョンヒの店のカウンターで大きな声で話し始めた。おじさんたちはテーブル席で静かに飲んでいる。

「私は子供の時から物おじしない明るい子で、よく天真爛漫だと言われた。10年前までは気後れというものを知らなかった」。立ち上がりギフンに向かって「監督のせいだから、私を元どおりにして。演技がしたいのに、いびられた日を思い出して息がつまる、死にそうになる。昔の明るかった自分に戻りたい」と涙を流し訴えた。何も言わず飲み続けるギフン、固まるおじさんたち、、、。

ドンフンは、具合が悪いユニのためにお粥を買って帰った。男がぶつかった、ジウンは声からグァンイルだと分かった。

翌朝、ドンフンは財布がないことに気づいた。

グァンイルはドンフンの財布から名刺を出し、会社に電話、ジアンが働いていることを確認した。

ジアンがグァンイルの事務所に来た。「スリを目撃したと通報した」とジアンは言いパトカーの音が。「その財布」と言うと、彼はドンフンの財布を窓の下に投げた。「好きなのか?」と聞くグァンイルに「ええ」と答え、ジアンは財布を取りに降りた。

ドンフンは「落とし物を預かった」と近くの喫茶店から電話をもらった。その時、ジアンが遅刻して出勤してきた。おばあさんに何か?とドンフンは心配した。


会社では上層部が、常務候補の最終調整を行っていた。実績からも、職務評価の平均点を見てもドンフンが1位、外す理由がない。彼は、2名の最終候補の1人に選ばれた。

面白くないイ・ジュニョンは、携帯でジアンをバーに呼んだ。

ジアンは、ドンフンとのキスの写真を使わなかった理由を聞かれ、女から迫ったとある女に気づかれたと答えた。

イはジアンに「しばらく彼と付き合え、上司に不適切な関係を強要されたと言えばいい」と1000万入った封筒を渡し「一緒に食事して酒を飲むだけでいい」と。

「食事してお酒飲んだら好きってこと?」と聞くジアンに、「そうだ、パクは絶対言い逃れもしない」とイは言った。

感 想

8話もいい話でした。

最初の、ドンフンがジアンを家に送って歩きながら、”建築は外力と内力の戦いで、人生もある意味同じだ” と話す場面がすごく良かったです。彼が、ジアンの履歴書に「内力が強そうだ」と感じた理由が語られ、遠回しに自分の人生の礎が崩れ去った苦悩も話していました。

ドンフンがジアンを信頼している、二人が通じ合っていると思わされる場面でした。ジアンが自分の歳を「3万歳」と言う重要な場面でもありました。

グァンイルは、ジアンへの歪んだ愛があるようです。

ジアンは、グァンイルにすられたドンフンの財布をすぐに取り戻して、目立たないように返す、、頭のいい子です。

お母さんの誕生日や、おじさんたちが飲んでいる場面、そういうシーンに日々生きている人々が丁寧に描かれていて、とても好きなところです。


第9話 あらすじ

ドンフンは、兄と弟に、マグロの豪華刺身をご馳走になった。ギフンは「俺がこんな高級店で兄さんにマグロをおごる日が来るとは」と感動ひとしきり。

兄サンフンは「母さんが今死んだら弔問客が少ない」と心配して涙ぐみ「ドンフンお前だけが頼りだ」と言った。ドンフンは「俺、常務候補になった」と静かに言うと、兄と弟は大興奮!一番高い酒を頼み、ギフンはお母さんに「兄貴が常務になった」と電話した。

早速、ジョンヒの店でも大騒ぎ。テーブルが並べられ、おじさんたちがドンフンを”パク常務”と言って迎えた。「まだ候補」だと言っても誰も聞いていない(笑)。

ユニは、ドンフンの母からの電話で、彼が常務候補になったことを知った。


ジアンは、2月23日までに入所してください、とのメールをおばあさんに見せた。

「とてもいい施設で無料なの。この前おぶってくれたおじさんが教えてくれた」とおばあさんに言った。

「なんてありがたいの。恩を返しきれないわ」とおばあさんは涙を流し、ジアンの頭を抱いた。


社長派のユン・サンテ常務が、ドンフンの部下たちが食事をしている席に来て、彼のことを探った。一人の女子社員が「部長は素晴らしい人だが、10点減点、正社員より派遣をかばうから」とジアンのことを言った。2人が同じ町に住んでいるという情報も仕入れた。


ドンフンに、見知らぬ男から、賄賂の商品券のことで電話が掛かってきた。金融業だと名乗り、債権者のジアンが返済に持ってきたが、封筒におたくの名前があった、通報しようとしたら逃げられた、と言った。ドンフンは気になった。

ドンフンは、ユニから「私にはいつ話すつもり? 常務候補のこと。夫の話を姑から聞くなんて、いつも知らないのは私だけ」と言われた。

「ごめん」と言うドンフンに、その言葉は聞き飽きた、と彼女は冷たく言った。

ジアンはドンフンの態度がいつもと違ったことを気にしていた。グァンイルに電話して、彼が会社に電話したことを知った。


ドンフンの母が朝早く、お寺に来た。ドンフンが常務になれるようにとお祈りに。そこの僧侶は、ドンフンの親友である。

帰りジョンヒの店に寄った。線香の匂いで、ジョンヒは、お母さんがお寺に行ってたと分かった。「なぜあいつのところへ」と彼女は泣き、部屋に入った。僧侶は彼女が愛していた人のようである、、。


ユラが清掃店にやってきた。「これからオーディション。逃げ出したい、なんとしてください」とギフンに訴えた。

「きれいだ、成功してほしい、お前ならできる。”ノティングヒルの恋人”のようにお前がトップスターになってこの町に来たらどうだろう。お前を引き止めるべきか、いや見送ってあげよう。こんな生き方でも俺の人生が映画のように思えるから」とギフンは言った。

その言葉を聞き、ユラは落ち着いて、終わったら電話する、と出て行った。


ユン常務は、ジアンの履歴書をイに見せ、パク部長が選んだのは中卒認定の子、怪しいので身辺調査を依頼したと報告したが、イはまた余計なことを、すぐにやめさせるようにと怒った後、「2人が怪しいと噂に?様子を見ましょう」と言った。

部下たちがドンフンに、ユン常務が偵察に来て、ジアンと仲を疑っているかもしれないと話した。


ユニは、ジアンの履歴書を探し出し、彼女を呼び出した。

パク常務に何をしたと聞かれ、ジアンは、お酒に薬を混ぜたと答えた。

夫にはどんな手を?と聞かれ、スキャンダル、私と。

ユニは「お金は私が払うから会社を辞めて。常務候補になったから、どのみち泥沼の争いになる、夫は起業すればいいだけ。黙って消えなさい。不愉快なの、私の恥を知っている人間が、夫の近くにいることが」と言った。

「無意味よ、彼は全部知ってる」とジアン、、、言葉を失うユニ、、、


ドンフンは、清掃夫のソ・チュンデを訪ね、ジアンの生い立ちを聞いた。

母親はあちこちから借金し、逃げてしまった。債権者たちは母親を追うため、耳と体の不自由な老人と幼いジアンを毎日問い詰めた。薄情な母親でも娘の卒業式には現れると思い、他の債権者たちと卒業式に行ったが、来なかった。置いて帰れなかった。

母親が死にジアンが借金を負った。相続放棄を知らなかったし、教えてくれる人もいなかった。

返してもキリがなかった。中でも一番多く借金してた高利貸しの男に、執拗なまでにいたぶられた。毎日おばあさんを殴るから、ジアンは彼に言われるままに悪事を。それを知ったおばあさんが倒れた日を境に、あの小さな子が、身を粉にして働いた。

その高利貸しの死後、息子のグァンイルに苦しめられてる。それで商品券に手を出したが、見抜かれ戻すことにした。盗んだのは確かですが、それが重要でしょうか?私があの子を気にかけるのも不条理です。心は論理通りにはいきません。

黙って聞いていたドンフンは立ち上がり「尊敬します」と深く礼をした。そして、そいつはどこに?と聞いた。

チュンデはジアンに、パク部長が来たと電話した。


ドンフンは、ヨングァン金融に来た。

階段の踊り場に、グァンイルを呼び出し、借金はいくらだ、と聞いた。

「俺は3人兄弟だ、子供の時からケンカにはなれている、だが20歳の時に殴り合いはやめた、パンチが強すぎて殺しかねないと悟ったからだ]とドンフンは言い、、、2人の殴り合いが始まった、、。

ジアンは、その場に向かって走った、、。

「なぜ殴るんだ、かわいそうな子をなぜだ」とドンフンは叫びながら殴った。「親父を殺したからだ」とグァンイルは言った。驚くドンフン、、、

止まるジアン、、、

俺でも殺す」とドンフンは言い、「俺の家族を殴るヤツはぶっ殺す」とグァンイルに襲いかかった、、激しい殴り合いがまた始まった、、

ジアンは2人の殴り合いを聞きながら、道端でうずくまって、、、泣いた、、、

感 想

緊張感のある9話でした。

ドンフンが”常務候補”になったことで、喜ぶ兄弟、お母さん、酒場の仲間達、、しかし妻のユニはそのことを夫ではなく、姑から聞き、待っても待っても夫は話さない。

そんなユニは、ジアンから、自分の浮気を夫のドンフンが全て知っていると聞かされた。二人ともきつい状況、、。


清掃夫のおじさんの語る、ジアンの生い立ちがかわいそうすぎて、涙が止まらなくなりました。

グァンイルを呼び出し、彼を殴るドンフン。「俺の親父を殺したから」、ジウンはドンフンに知られたくなかったでしょう、、そして「俺でも殺す」と彼が言った時、どんな気持ちだっただろう、、安堵、私の味方がこの世の中にいたと言う、、そんな言葉にできるような簡単な感情ではないでしょうが、、道端で泣くジアンに全てが現れていました。


第10話 あらすじ

激しい殴り合いの後、階段から転げ落ちたドンフンとグァンイル、、、グァンイルは敗者のように去った。

ドンフンに何かあったと知ったが兄弟とサッカークラブの仲間たちが走って駆けつけた。ひどい顔をしたドンフンに「相手は?」「何があった?」と口々に聞いた。

ジョンヒの店に戻り、ドンフンは適当なウソを言い「久しぶりに体中の細胞が飛び起きた感じだ」と笑った。奥さんを心配させないように、ケガの原因はサッカー中にギフンとケンカした、ということになった。

ユニは殴られた夫を見て泣いた。

翌日、ジウンは1030万をグァンイルの金融業に送金、全額を返金した。

ドンフンの部下がジウンを飲みに誘った。他の社員も誘えば、彼女とドンフンがと噂にならないと思ったから、、しかし即答で断られた。ドンフンは、何度も誘ってやれ、と部下たちに言った。

ジウンは紙袋を持って、ドンフンの帰り道で待っていた。ドンフンが気づいた。ジアンは紙袋を差し出し「祖母が施設に入ることになりました」と言って礼をして帰ろうとした。

「借金はいくらだ」とドンフンが聞いた。「今日完済しました」とジウン。紙袋の中には事務所で履くサンダルが入っていた。


おばあさんが施設に行く日、ドンフンがおばあさんをおぶって坂を降り、ジウンと一緒にタクシーに乗って施設まで来た。郊外の静かな場所にあった。

ドンフンは、近くのコンビニでおやつをたくさん買って、おばあさんのベッドの横の棚に入れた。

おばあさんは彼の肩を叩き、画用紙にマジックで ”これで安心して、あの世へ行けます。ジアンの横にあなたのような優しい人がいてくれるから” と書いた。そして彼の手を両手で取って頭を添えてお礼した。ジアンはそれを隠れて見ていた。

おばあさんとジアンは、しばらく頭をくっつけてにいた。

帰り道、ドンフンは「またヤツが現れたらすぐ電話しろ、100人だって集められる。これからはやりたいことをやって、会社の人とも仲良くしろ」と言った。

「人殺しだと知っても仲良くしてくれるかな」とジアン。

「君が気にしなければみんな気にしない。何事も本人次第。過ぎたことはどうってことない。名前どおりに生きろ」と。

そして早足で歩き始め、二人は走って、バスに間に合った。


ユニはトと会い「なぜ夫にバレたことを黙ってたの、夫を殴ったのもあなたね」と怒った。トは「俺が殴るわけない。自分が知ってることを君に言わずに別れろと先輩に頼まれた。知られたら結婚生活が終わるからと」と。ユニは「ラッキーと思ったでしょ。あなたを潰してやるわ」と言って去った。

車の中で泣いているとドンフンから電話があったが、、、出ることができない。

ドンフンは、掃除をして洗濯物を干して、、ベランダに座り込んでぼんやりしていた。


会長の病院に行った後、社に戻ったトは、ジウンを呼び出した。

ドンフンは、反社長派の常務たちと会食中、トはリアルタイムの盗聴を聞かせろと言った。彼らの会話が聞こえてきた。

常務が「ところで派遣社員の件、噂になってるぞ。ほらな、慌てたら終わりだ、数日ホテルで面接の練習をする」

専務が「君の決意が聞きたい」と言った。

ドンフンが「必ず常務になります。家族が心待ちにしている」と言うと、「1つ抜けてるぞ、理由が。ト・ジュニョンのこと」と専務。

「彼とは関わりたくない。相手にもしたくない。標的にするほど価値のある人間ではないので」とドンフンは言った。常務たちは同意し、その後、彼らのトを軽蔑する会話が聞こえた。

トは怒りに震えながら、彼らの会話を聞いていた。

そしてジウンに、彼とはどうなっている?と問い詰め、2日で成果を出せ、と命令した。


元刑事(トに雇われている)がグァンイルに、ドンフンと殴り合っている写真を見せ、何があったのか聞いた。

元刑事はトに、ジアンの借金をパクが肩代わりすると言い、殴り合いになったと説明した。そしてドンフンが、ジアンのおばあさんを背負って坂道を降りている写真も見せた。

トはジアンを呼び出し、その写真を見せた。

「不遇な環境を話して接近した」とジアンは言った。「なぜ黙っていた、パクに害が及ぶと思ったからだろう」とト。

「同じ町内に住む足の不自由な老人に親切にしただけ、むしろ褒められること。向こうはこの件を作戦に加えるはず。私とはメールさえしたことがない、どんな手で私と怪しい関係すれば?」とジアン。

そして「尾行されてる。写真を撮られてる」と言い、外に出て盗撮犯を追いかけた、、彼はカメラを落として逃げた。カメラを調べると、トとジアンが映っていた。そして、トとユニの写真も入っていた。

「向こうの仕業ね、帰って対策を考えたら」とジアンは言われ、トは怒りに震えながら帰った。

ジアンは、カメラをギボム(ジアンの弟分)に返した。彼は、なぜパクをかばうんだ、と聞いたが、彼女は無視して行った。


ドンフンは、マンションに戻ったが、部屋に入れず、また外に出た。

「なんとか暮らせると思ったが、俺に気を使う妻が憎かった。経験しないとわからないという意味を妻の浮気で知った。そのことが頭から離れない」ドンフンは、そう話した友だちの店に行った。彼は離婚届を出した。

「こんな俺もなんとか生きてるのに、順風満帆なお前がなぜ暗い顔を?」と彼は聞いた。ジアンは外からドンフンを見て、彼を見張っている車に気づいた。

ジアンは帰るドンフンの後をつけた。車にいた男もカメラを持ってドンフンをつけていた。

ジアンが追い抜き、通り過ぎようとすると「また無視するのか」とドンフンが怒った。

「殴ってください。会いたい気持ちは殴られれば治るんでしょ。惨めだわ、なぜサンダルを履かないか気にするのも、夜歩き回るのもバカらしい」

ドンフンは驚き「帰れ、歩き回るな」と帰ろうとしたが、、、ジアンが追いかけてきて「終わらせるから1発殴って、殴らなかったら噂を流してやる、パク・ドンフンは私が好きだと」ドンフンは、ジアンを殴った、、、、

ジアンは起き上がり、さっさと歩いて帰った、、。

感 想

ジアンのおばあさんが施設に入れてよかったです。ドンフンが一緒について行ってあげて、ジアンは心強かったでしょう。おばあさんは、彼に感謝の言葉を書いて見せた後、彼の手を両手をとって祈るような仕草をしました、いい場面でした。

ト社長は、なぜ社長になれたのかなと思うほど、人望がない人物のようです。ドンフンと常務や専務の会話を盗聴していたけれど、あんな屈辱的なこと、それもジアンのいる前で聞いて、、ある種、気の毒なほどでした。ジアンといるところの盗撮も、彼女の仕業で、、ジアンの方が何もかも上手。策略を練るのには、脇が甘い人のようです。

ドンフン、妻の浮気を知り、、家に帰りたくない、、最後はそんな場面でした。そして、ジアンからは告白され、彼女を殴って、、平穏とは程遠い心境だろうと想像します。


第11話 あらすじ

翌日、ドンフンが会議で席を離れた時、ジアンは、彼のデスクの引き出しから、自分が贈ったサンダルを取り出し、帰り際にゴミ箱に捨てた。

ドンフンは面接の練習。常務たちにジアンとの関係を細かく聞かれた。「優秀な子がいるのになぜこの子を?」と聞かれ、「自慢ばかり書きな並べる人より、’かけっこ’と書いた彼女が強く見えた」と言い、「勘弁してくれ、共感できない」と呆れられた。

家に戻り、ドンフンは、ユニの電話を聞いてしまった、「今更 構わない。あなたとのことはもう夫に知られてるんだから」と。

翌日、ドンフンは、会社に行かずに、僧侶になった親友のギョムドクに会いお寺に行った。肉体労働を手伝い、一緒にお昼を食べた。

「今世は完全に失敗した、自分を犠牲にすれば無難に生きていけるかと」と苦しい胸の内を話すと、「誰も犠牲なんか頼んでいない、息子に言ったら怒るぞ、自分のことだけ考えろ」とサンウォンは言い「ドンフン幸せになろう、どってことない、なんてことないぞ」とドンフンの肩を後ろから抱いた。


トはジアンを呼び進展を聞いた。「好きだと言って迫った」という彼女に、盗聴を聞かせろと。ジアンは再生した。

「不思議だ、なぜ女はパクが好きなんだ?」それを聞いた後でトは言った。

「壊したい、いい人を見ると踏みつけたくなる。私と同類にしたいのかも。彼と寝ましょうか?お酒に薬を混ぜる」「やってみろ」とトは言った。


ジョンヒの店では、いつものメンバーにたくさんのサザエが無料で振る舞割れていた。

ギフンは、ユラから返信メールが来ないので、イライラしてサンフンに当たり散らしていた。

”疲れたので、もう寝ます”とやっと返信が、ギフンはタクシーで駆けつけた。ユラは「監督は毎日ため息をつきイライラする。朝が来るのが怖い、もう昔の私に戻れない、、」「愛してる」とギフンが言ったが、「ちっとも効かない」とユラ。

ドンフンはお寺に泊まるつもりだったが、ジョンヒから「おばさんが苦労して用意したサザエがある」と言われ、サンウォンが店まで送った。彼のトラックはしばらく店の前に止まっていた。


翌日、会社でドンフンは社長室に入り鍵を閉めた。

「俺が知ってるのをユニに黙ってることが難しいことか。お前は最初から聞く気などなかった。もういい、俺がお前を踏み潰してやる、覚悟しろ」と、トを殴った。

ドンフンの怒りの声が外まで聞こえ、常務たちが入ってきた。トは、ユニとの写真を盗撮したのは反社長派だと思い、彼女は大学の同期で偶然会っただけ、と言い訳した。

帰り、ドンフンはジアンを追ってきた。「サンダルはどこだ」と聞くと「捨てた」と、そして

「明日の朝、みんなの前で私をクビに。境遇を知り同情したら勘違いされ、つきまとわれて迷惑してると言ってください、事実です。私との噂で迷惑してるのも知ってます、クビにして」と言った。

「しないよ」とドンフンは大きな声で言った。

「そんな理由で解雇なんて幼稚だし、偶然会った時 気まずくなるのも心苦しい。そんな相手を増やしたくない。それに耐えて生きてる俺が哀れだからな。俺は君の祖母の葬式に行くし、君も母の葬式に来い。全て忘れろ。君には契約期間満了まで働いてもらう。10年後で20年後で偶然会ったら笑顔で挨拶する。頼むから、そうさせてくれ」と言い、最後に「サンダルを戻せ」と言って去った。

ドンフンは、夕食後、ユニが何か言おうとするのを避けた、、。


休日、ドンフンとユニは買い物に行ったが、、車のフロントのケースから、ユニがトとの密会に使っていたホテルの鍵が落ちた、、。

何もなかったように装うドンフンだが、家に戻りユニがひざまずいて「ごめんなさい、本当にごめんなさい」と。

ドンフンは、別の部屋に行こうとして、、、そのドアを拳で叩いた、、何度も。

「なぜだ、よりによってなぜあいつと?よくもあいつとそんなことができたな、、ジソクの母親だろ、ヤツと浮気した瞬間、君は俺に死亡宣言をした、お前はこんな目に遭っても当然な、価値のない人間だ、死んでしまえと、、」

ドンフンがサッカーをしている映像に、彼の苦悩の叫びが重なった、、、

ジアは、おばあさんに会いに施設に行った。

「あの人は元気なんでしょ?」と手話で聞くおばあさんに、ジアは涙を流した、ドンフンの怒りと悲しみの声を思い出して。心配するおばあさんに「元気よ、おばあちゃんのことを気にかけて、会社で私を助けてくれる、近々昇進しそうなの、、うれしくて、私と親しい人の中にもそんな人がいるんだって」と言って涙を流した。

感 想

ドンフンは、ユニの浮気は耐え難いが、自分をそれを知っていることを彼女に知られてしまうことはどうしても避けたかった、、、しかし、自分が知っていることをユニが知ってしまった、そこから、また彼の苦悩が始まりました。

11話はいいセリフがいっぱいありました。

お寺に親友のサンウォンに会いに行き、サンウォンが言う「どってことない、なんてことないぞ」、これってこのドラマで脚本家が、視聴者を励まして、慰めてくれているのかなと思ったり、、

ドンフンが、ジアンに「これ以上気まずい相手を増やしたくない。10年後でも20年後でも偶然あったら笑顔で挨拶する」、ジアンの胸に響く言葉でしたね。

あらすじに入れませんでした、映像だけで表されたジョンヒさんの孤独、お寺のギョムドクさんの思いも、胸に迫りました。

謝るユニに、ドンフンがドアを叩き「なぜだ」と叫ぶ声、、、それをサッカーをする場面に重ね、ジアンがおばあさんに会いに行った場面と重ねた、その演出も見事だと思いました。


第12話 あらすじ (神回)

サッカーの休憩の時、ドンフンはギフンから、その手はどうした?と聞かれた。

ドンフンは、ユニとの会話を思い出した。

「俺が至らなくて離婚したかったとしても、あいつと浮気するか?ヤツと組んで俺をクビにすれば離婚でき、ヤツと幸せになれると思った?、、なぜだ?」

「私はあなたを一番にしてきた。でもあなたは一度も私を優先しなかった」と、ドンフンが、いつも義母、兄弟や町の仲間たちを優先させて、それでどんなに寂しい思いをしてきたか誰も知らない、司法試験合格でこの町を出ようと決心したが、引っ越しの話になる黙り込み、何をしても無駄だった、とユニは話した。

「どんな言い訳も許されないと分かってる、あなたが知ったと分かり死にたくなった。お義母さんとジソクのためにこの生活を続けたいならそうする。一緒に暮らせないと言うなら従う」と彼女は言った。

「自分のために、君を苦しめることはしない。ただ、出会ってからの20年をどう終わらせるかわからない」とドンフンは言った。


ドンフンは、ホテルでの面接の練習を終えた後、残業している部下たちを手伝いに行った。部下たちは嬉しそうだった、ジアンも手伝っていた。

終電に間に合うようにみんなでダッシュ、、ドンフンとジアンが乗り込んだ。

2人で歩いてジョンヒの店の前に来ると、店は閉店の時間で、いつものメンバーが外でジョンヒを待っていた。

「会社の部下、残業だったから送ろうと」とドンフンが言うと、みんなが一緒についてきた。冗談を言って楽しく歩く。

「私たちにも20代があったのよ、年は取りたくないでしょ」とジョンヒがジアンに言うと「私は早くその年になりたいです、今よりは楽になりそう」とジアン、その言葉におじさんたちは衝撃を受けたように止まってジアンを見た。ジョンヒがジアンの腕を取って歩いた。

ジアンの家の前まで送ると、向かいにサッカー仲間の後輩が住んでいた。「ドンフンの部下に、変なヤツが来ないか見ててくれよ」とサンフンが彼に言った。

「おやすみ」と言って戻るドンフンたちに、「ありがとうございます」とジアンが言った。

「思い返してみると若い頃も人生は楽じゃなかった、、」とジョンヒが言った。


翌日、ジアンが家に戻ると、グァンイルが家の前で待っていた。「会いたいから待っていたが、会う理由がない、だから殴る」とジアンが彼に言った。

「この坂は昔の坂に似てる、父さんに殴られたお前をおぶって歩いた坂。いっそ、殺してしまおうか、俺が死のうか、、、」とグァンイル、、ジアンは黙って聞いていた。


ユラは、また演技ができず、監督にいびられて死にそうになっていた、、。

ギフンはユラの部屋に来て、10年前の真相を話した。

「10年前、お前を主演した映画を撮りながら、100%失敗、俺は再起できない、まぐれで天才と言われただけと分かった。だからお前のせいにした、いびればいびるほど、お前は壊れていった、俺じゃなく女優が無能、、半分撮ったところで、製作会社が中断を決めて、俺はホッとした。

弱いヤツはすぐわかる、お前は目をつけられた。対抗して言い返して噛み付いてやれ、10年前、お前が対抗してくれていたら、ここまで落ちぶれなかった、、、」

ユラは「信じられないわ、また私のせいにする?」と泣きながら言った。「これからお前をいびるやつは全員殺す」と言い、ギフンは出て行った。

ジョンヒの店で飲んでいると、ユラが来て、ギフンを殴ったと思うと、彼を壁に押しつけ泣きだした、、、どこを見てていいのか分からないおじさんたち、、(笑)

店の外で話す2人、、付き合うことになったようだ、お互いに振ったら殺すと。

ドンフンが置き忘れた携帯がカウンターに。ギョムドクからメールが入った。ジョンヒは、ドンフンを装って「飲んでる、ジョンヒと。彼女のこと思い出さないのか」と返信した。「別に。見たんだ、お前を送った日に。昔のままだった」と返信が、、、ジョンヒは、夜中に一人で泣いた。


常務選抜の同僚面接の日。

ユン・サンテ常務は、面接の人員を変更し、ジアンが呼ばれた。

「境遇で判断し、人を見下す職場でばかり働くうちに、存在感を消し生きるようになりました。会食に来いという単純な厚意の言葉を、初めてかけられました。パク部長は私が派遣社員だからと差別しませんでした。」

「それで好きになったのか」とユン常務に聞かれて

「はい、好きです、尊敬してます。無視されることに慣れて、認められたいとも好かれたいとも考えませんでした。でも今は、頑張ってみたいです。」

そこに会長が入ってきた、、椅子を2つ空けて、ジアンの横に座った。

「私が好きだと言えば、非難されるかもしれません、解雇されても結構です。私を人間扱いしてくれた会社ですから。私も価値のある人間だと思わせてくれたパク・ドンフン部長に心から感謝します。ここでの3ヶ月が、21年間で一番温かかったです。このビルを見るだけで力が出ます。生涯、サムアンE&Cの発展をお祈りします

ジアンが席に戻ってきた。

パク側の常務が満面の笑みで出てきて、ドンフンを会議室に呼び「イ・ジアンは話し上手で賢い子だな、成功だ」と言った。

ドンフンは、ジアンを食事に誘った、いつもの友だちの店。

「度胸があるな、でも俺はいい人間ではない」と言うと、「いい人です、とても。優しい人です、すごく」とジアンがドンフンを見て言った。

ドンフンは、フッと微笑んだ、、、。

感 想

12話はまた神回だったと思います。

ユニさんが、いつも実家の家族を優先させてきたドンフンに寂しさを感じてきたことを話す場面、電話すれば「家族と食事中」と言われる、そこに自分がいないのに、、彼女の気持ちも分かる気がします。もちろん、それが浮気の言い訳にはなりませんが、、。

残業の後、ドンフンと一緒に、ジョンヒや常連のおじさんたちがジアンを家まで送っていく場面がとても好きです。会社の上司は部下に嫌われているというような世間話をしながら、ゆるゆると歩く、温かい空気にあふれていて、、でもスパイスも入っている「早くその年になりたい」と言うジアンにドキっとするおじさんたち、、脚本も俳優さんたちも最高ですね。

グァンイルがジアンの家の前で待っていた短い場面も、印象的でした。酷い人間だけれど、彼にも彼の寂しさがある、、

ジョンヒさんのギョムドクさんへの思いも切ない、、

こういうエピソードの一つ一つが物語に厚みを与えてくれます。

そしてハイライトは、ジアンが、常務選抜の同僚面接に選ばれて、会社の役員たちの前で堂々と話す場面、、そのセリフを書いていたら、自然と涙がこぼれてきました。

そして、最後の「いい人です、とても。優しい人です、すごく」とジアンが言って、ドンフンがちょっと微笑んだ場面、”あぁ〜、ドンフンさんは、イアンのこの言葉に救われたんだ、ユニの浮気を知って、自分は価値のない人間だと宣言させたと思っていた心が、ふわっと温かくなったんだ” と思いました。

脚本と俳優さんたちが作り出した世界に、心を動かされました、神回でした。


第13話 あらすじ

ギフンとサンフンは、母から使いで、ドンフンの家にオカズを届けた。マンションの前に、真ん中の辺りが凹んだドアが立てかけてあった。ギフンは”拳で叩いたのか?” 思った。家にはユニがいた。

ギフンが「ドアの取り替えを?殴った後ですよね、ケンカでも?原因は? 浮気でもしました?」冗談のつもりだったが、ユニが無言になり、、変な空気、、、ギフンとサンフンに浮気のことが知られてしまった。

2人の兄弟は打ちのめされ、家に戻らず、掃除店に戻った。


ドンフンは、パク常務から「俺を罠にかけた奴が捕まりそうだ」と聞いた。盗聴していたジアンはすぐにソン・ギボムと会った。ギボムは「すぐに逃げよう、トに始末される」と言ったが、ジアンは「1日待って、そして逃げる」と。

ネットカフェにいたギボムは警察に見つかった。イ・グァンイルと手下は、ギボムの家から、全ての盗聴の記録を盗み出していた。その後すぐに警察が来たが、もぬけの殻だった。


ドンフンは、ユニからの電話で、彼女の浮気が兄弟に知れたことを知り、掃除店に寄った。

サンフンは泣き、ギフンは相手の名前を書け、とすごい剣幕、ドンフンは帰ろうとしたが、興奮するギフン、、3人は町を離れ、誰も知人が来ない店に入った。

サンフンは「ユニさんが許してほしいと言うならお前も目をつぶれ」と言ったが、ギフンは「俺たちにもバレたら無理だろ、別れろ」と。

「何もかも自分のせいに思える」と泣くサンフンをドンフンが慰めた、そして癇癪を起こすギフンに「十分つらいのに、お前が騒ぎすぎだ、俺よりつらいか?俺が暴れたら満足か?」と。ギフンは「ああ、兄貴に思いっきり泣いてほしい。兄さんが壊れそうで怖いんだよ」と、、

「親父が ”なんてことない、どおってことない” とよく言ってくれたが、今は自分で言い聞かせる」とドンフンは言った。

帰りの車で、ドンフンはジアンから「面接頑張ってください」「どおってことない」とメールを受け取った。彼は返信せずに、”ありがとう”と言った、、ジアンは盗聴していた。

3人は夜明けに町に戻ってきた。

「”死にたいと思う時に、死ぬな、君は価値のある人間だ、頑張れ、そう応援してくれると息ができる” こんなこと言えるか、誤解される」とドンフンは言った。「絶望から救ってくれたんだ、それぐらいは言っても良いんだぞ」とギフンは答えた。

「ありがとう、隣にいてくれて」とドンフンは言い、それを盗聴しながらジアンは涙を流した。

その朝、ジアンは町を出た。


ジョンヒはある決心をして、朝早くに家を出た、ライターを持って。お寺に行き、ギョムドクの法話を聞いた。

”内なる心” ”外の境”、自分の内なるものを外から見つめる。

人はみんな熱望するものを見ます。心が見たいものを外から求め見るのです。

心が穏やかなら、外に嫌なものなどない。

私は以前、とても心が苦しく、寺の洞窟に入り3日間祈りました。

経験したことがないほど、心が楽になりました。

嫌なものがない、ヤギがかわいくてしばらく眺めていたり、雑草さえも全てがいとおしい。

精進しましょう。

法話の後、ギョムドク(サンウォン)はジョンヒに食事をしようと言ったが、彼女は、

「私は身体中が痛い、ボロボロよ。朝、目を開けると涙が溢れる、あんたが戻れば治る、だから戻って、お願い。ヤギも草も愛せるのに、私は愛せないの。私と暮らした方が修行になる、戻ってきて、ここを燃やす前に、、」

と涙を流し、帰って行った。


ドンフンは、ジアンが出社していないのを心配していた。部下に電話をかけさせたが出ない。

面接が始まった。

ユン・サンテ常務は、ジアンの履歴書を写して、「優秀な人材も多いのになぜこの子を採用した?彼女について調べた、殺人の前科がある、知らなかっただろ?」と言ったが、ドンフンは

「殺人ではありません。正当防衛で無罪判決です。殺すしかない状況でした。だから法が無罪と判決を下したのに、なぜこの場でまた裁かれるのでしょうか。こんな目に遭うかと、前科照会もできないように法が保護してるのに、なぜわざわざ探し出すのか分かりません」と常務に意見した。

ジアンは、盗聴しながら、歩いていた。

面接が終わったが、ジアンはやはり出社していなかった。ドンフンは、サンダルが戻してあるのを見つけた。

感 想

13話は、ユニの浮気が、ドンフンの兄弟にバレてしまう、と言う展開でした。ドンフンのことを心配しすぎるあまり、興奮し癇癪を起こすギフン、、ドンフンにしてみれば、兄弟に知られたことでもっとつらくなっただろうと思うし、いくら仲のいい兄弟でも、夫婦のことには立ち入らないのが礼儀だと思うけれど、、、このアツすぎる弟も、このドラマの1つ肝なのかとも思います。

ドンフンは、ジアンからの「面接頑張ってください」「どおってことない」のメールで絶望から救われたのかと、夜明けの町に戻ってきた時の、ドンフンとギフンの会話を書いていて、気づきました。彼女の応援で、死にたいと思っていたドンフンが、息ができたのかと。

ドンフンの面接で、ジアンの過去を晒し者にしたユン常務、それに対して、ドンフンは毅然と、それが間違った行為だと意見しました。彼の公平さ、人間性がすごく現れた場面だったと思います。


もう1つのハイライトは、ジュンヒが、お寺に、ギョムドク(サンウォン)に会いに行ったところ。ギョムドクが法名で、サンウォンが俗名なのでしょう。

「ヤギも草も愛せるのに、私は愛せないの。私と暮らした方が修行になる」ジュンヒさんの叫びでした、、、戻ってこない人をずっと思い続ける、、苦しすぎるけど、、それも人生かなと思います。


第14話 あらすじ

ジアンに連絡が取れない。ドンフンは、彼女のおばあさんがいる施設に電話し、おばあさんに変わりがないか確認し、ジアンのことも聞いたが、来ていなかった。

”ジアンが人を殺した”と社内ですぐに噂になった。


ドンフンの母は、ジョンヒの様子を見に行った。ギョムドクが、泣いて帰った彼女を心配し、ドンフンに連絡したのだ。

「客の中で1人選んで片思いしなさい。あんたもバカね、別れて20年なら何度も結婚できた。会えもしないヤツを思い続けるなんて。ご飯を食べに来なさい」と母はご飯の用意をした。

ドンフンは帰り、ジョンヒの店に行った。まだ誰もいない。

ジョンヒは「今朝、あの子に会った、あなたの部下。会社を辞めたそうね、引っ越すそうよ。この町が好きだったと、あなたを好きだったと聞こえた」と言った。

ジアンからドンフンに電話が、公衆電話からだった。「別のところで働く。4回以上助けてくれた人は初めてでした。私と似てる人、私が好きになった人。私は来世も生きていける、もう平気です。偶然あったら、笑顔で挨拶を?」と言うと

「うん。おばあさんが亡くなったら、必ず電話しろ」とドンフンが言うと、「もう切らなきゃ」と電話は切れた。


ジョンイルは一人で、ジアンの盗聴を聞いていた、ジアンとドンフンの会話を。


お寺では、ギョムドクが、スマホや書物の全てを出し、外界を遮断して籠った。小僧さんが扉に外から鍵を掛けた。


会長が会社に来て、ジアンを退社に追い込んだのか?と役員たちを問い詰めた。

「役員に身辺調査され後ろ指までさされる、そんな会社、誰だって働きたくない。その子を連れて来い。せめて謝罪して働き口を紹介しないと、心苦しくて夜も眠れない」と会長は命令した。

その日のうちに、パク・ドンフンが常務に選出された。社員全員にメールで知らされ、部下たちは喜びであふれた。

ドンフンの母、兄弟たちも抱き合って喜んだ。

ドンフンは、ジアンにメールしたが、返信はなく、電話したが、通じなかった。


ジョンヒの店でお祝い会が開かれた。母、サンフンの奥さんのエリョンも手伝いに来ていた。いつもの常連たちとサッカーの仲間たち全員が集まって、大賑わい。ユニは花束を持ってきて「おめでとうございます」と義母に渡した。

みんなが幸せそうだった。ジウンは、倉庫で働きながら聞いていた。

エリョンは今日は、ドンフンの同級生とここにいると言って、「ドンフンはいい男、でもサンウォン(ギョムドク)が一番モテモテだった、その女たちを追い払ったのが、そこのチョン・ジョンヒ女子。”サンウォン”は禁句ではない。27年も共にした友達の名前を禁句にするなんて。ドンフンは大親友との思い出話もできない」と言った。

ジョンヒは、みんなが自分を気遣って禁句にしていたことを知った。彼女は「わかった、サンウォンの話を解禁する」と言い、みんなは「サンウォンは我々の思い出だ」と言って乾杯した。


翌日から、パク・ドンフンは常務の個室に移った。

パク常務は、ソン・ギボムが捕まったと聞き、警察に見に行った。そして、ジアンが関係していることがわかり、ドンフンを呼び出した。

ドンフンの携帯を専門家にチェックさせ、盗聴されていることを突き止めたが、そのまま盗聴器はつけておくことに。パク常務は「ジアンはトの手先だった、盗聴は彼女が仕組んだ。盗聴に気づいていないふりをするように」とドンフンに言った。

ドンフンは映画館に入り、携帯を前の席の下に隠した。外に出て電話を借り、トを呼び出し、ジアンに何をさせたか問い詰めた。

「あの子が始めたんだ。ユニとの不倫がバレ、黙っている代わりに、邪魔者を追い払うからカネをくれと。勝手に常務を陥れた。俺もあの子にやられた。どこにいるか知らない。死ぬ気で逃げるそうだ。もし捕まっても不倫の話はしないと俺に言った。あいつはカネをやった俺を裏切り、お前を助けた」

ドンフンは、トを殴った、、。

映画館に戻り、携帯を取り出し、「イ・ジアン、電話をくれ」と携帯に向かって言った。驚くジアン、、、。

感 想

ドンフンのお母さんが、ジョンヒさんに言った「あんたもバカね、別れて20年なら何度も結婚できた。会えもしないヤツを思い続けるなんて」、、、なぜか沁みました。

会長は、情の厚い方ですね。ドンフンが常務になって、本当に良かったです。

ジョンヒの店でも、お祝いの様子もとても良かったです。ユニさんが、花束を義母に渡してお互いを労った、ドンフンが一番喜ぶことを知っていますね。

そして、サンフンの奥さんのエリョンさんが、「”サンウォン”は禁句ではない」とスカッと言ったのが、すごーくカッコよかった!みんなが、ジョンヒさんに気を遣って、サンウォンの思い出話もできなかった、その窮屈さに風穴を通した、、これで、ジョンヒさんの思いも変わる気がします。サンウォンさんは思い出になるかも。会えない人を思い続けるのはつらいけれど、思い出としてならまた別かも、、良い思い出は、自分を励ましてくれるから。


第15話 あらすじ (神回)

「イ・ジアン、電話をくれ、君は今も聞いてるだろう」とドンフンの呼びかけに驚き、ジアンは走って外に出た。公衆電話からギボムに連絡したが、友だちが、彼は昨日捕まったと言った。

ドンフンは、ジアンが掛けてきた公衆電話の位置を確認し、そこへ急いだが、彼女の姿はなかった。ジアンはすぐに荷物を持って宿泊場所から離れていた。

家に戻ったドンフンが、ユニに 「イ・ジアン」と言うと、彼女は

「トが、調べてくれと彼女の履歴書を送ってきた。彼女がトの本性を教えてくれ、私をあなたの元に戻そうとした。彼女を辞めさせようとしたが、自分が辞めてもイは別の人を雇うだけと。あなたを全力で守ってたわ。クビにされたの?」と聞いた。

「逃げ回っている、パク常務のことで警察に追われてる。トに死ぬ気で逃げると言ったらしい。捕まると警察に君とヤツのことを話すことになるから。あの子は、俺の一番つらいことを知ってる」とドンフン。

「逃げ回させ続けるわけにはいかない、全部、公にしましょう、ごめんなさい」とユニは言った、そして、ドンフンの携帯からジアンに呼びかけた。

「カン・ユニです。話は聞いた、一緒に警察に行きましょう。何があっても、私と夫であなたを助ける、私たちは全部話すことにしたの。すぐに電話して」と。

ジアンは、盗聴せずに街を急いで歩いていた、、、車にぶつけられたが、起き上がり、そのまま歩いて行った。


ドンフンは警察に行き、ソン・ギボムに面会し、「ここを出たらジアンに”電話しろ、大丈夫だ、なんてことない”と伝えろ」と言った。


釈放されたギボムは、ジアンに電話した。ジアンは清掃夫のソ・チュンデの所にいた。事故のせいで熱があるようだ。

ギボムはドンフンからの伝言を伝えると「盗聴に気づかれた」とジアンが言ったが、ギボムは「なぜ警察は何も知らない、パソコンを押収してないはず、録音も盗聴のことも一切聞かれなかった」といぶかしんだ。

グァンイルは、録音を聴いていた。ジアンが「昔はいい子で優しかった。いつも私をかばい代わりに殴られてた。あいつは私を好きだった記憶に苦しみ、私はあいつや優しかった記憶に苦しんでいる」とドンフンに話していた。「大人1人のせいで、2人とも苦労したな」とドンフンが言っていた、、。彼の目に涙が光った。


ドンフンは、携帯で何度かジアンに話しかけたが、、、ジアンはもう盗聴していなかった。

清掃夫のソさんからの電話で、ドンフンは彼の家に急いだ。

ドンフンを見たジアンは驚き、悪態をついた、、、が、ドンフンは

「ありがとう、感謝してる、、、情けない俺の人生を聞いても、味方してくれて、、。幸せになるよ。俺のせいで胸を痛めるな。まだ子供なのに、大人の俺を憐んでいる、それがつらくてたまらない。俺が幸せにならないと、君は胸を痛め続ける。そんな君を思うと俺も耐えられない。だから俺が幸せになる姿を見届けてくれ。どってことない。恥をかくことも、後ろ指をさされることも何てことない。幸せになれる。俺は大丈夫だ。幸せになる、絶対に」と言い、、、

「おじさんに幸せになってほしかった」とジアンは号泣した、、、

ドンフンはジアンを病院に連れて行き、ユニに、見つけたと電話した。

「主犯じゃないから、パク常務が処罰を求めなければ執行猶予よ。心配しなくていいと伝えて」とユニは言った。

ドンフンは、今後のことをジアンに話した。「会社に報告して、施設でおばあさんに会ってから、妻と警察に行く、事実を話せばいい、トと妻の話も。俺も妻も話すことにした。聞いてないか?携帯に妻が話したのを」

「聞けるわけない。盗聴がバレたのに。私を恨んでいませんか?」とジアン。

「その人のことを知ってしまえば、何をされても関係ない。俺は君を知ってる」

「おじさんの声、好きでした。言葉、考え方、足音、全部。人とは何か、初めて見た気分でした」

ドンフンは、ジアンをジョンヒの店に連れて来て「数日だけ頼む」と言った。「ずっとでもいいわ、同居人ができた」とジョンヒは喜んだ。

二人は布団を敷いて、向かい合わせで横になった。ジアンは、盗聴を削除し、涙を流した、、。


お寺: ギョムドクは、まだ籠っていた、、食事も摂らずに、、。


ドンフンは会長と会食をして、事情を話した。

会長は、「話しにくいことをよく話してくれた。しかし君の妻と社長のことは知っていた、君がキャンプ場に来たので調べた、尊重して口出ししなかったが、よく耐えていると思っていた。しかし、辞職のことはもっと慎重に考えよう」とドンフンを引き留めた。そして「イ・ジアンのことも善処する、解放されたら電話するよう伝えてくれ」と言った。


ジョンヒの店でジアンが手伝っていた。常連のおじさんたちがジアンを見て喜んだ。ユラもギフンの隣で、ジアンも座って、みんなと飲んだ。

ユラがジアンに「自分がかわいいと気づいてないタイプね。私の妹になる?私は31歳よ、あなたは?」と聞いた。

「3万歳」とジアンは低い声で言った。みんなが驚いた顔をした。ジョンヒは「あなたが3万歳の子なの、私は4万歳、よろしく」と乾杯した。

ドンフンが店に来た。おじさんたちがジアンに「常務になった」と教えると、ドンフンは「この子が常務にしてくれた」と言った。おじさんたちは??今日は暗号を使う日かと。

外で、ドンフンが「明日、おばあさんい会いに行ってから、警察署に行こう。心配するな、うまく行く」と言った。みんなが出てきて一緒に歩いて帰った。途中でジョンヒはジアンを連れて、、、二人は店に戻った。

「生まれ変わるなら、この町に生まれたいです」ジアンはジョンヒに言った。

感 想

15話も神回でした。

ソさんから連絡を受けて、ジアンの元に駆けつけたドンフンは、率直に「ありがとう、感謝してる、、」と言いました。その後、彼が言ったことを書いていて、、やっとわかったのです、このドラマは、”ジアンがドンフンを救う物語” だったんだと。書きながら、涙が溢れてたまりませんでした。

もちろん、ドンフンが不幸な境遇のジアンに優しくし、そんなドンフンにジアンが救われる話だと思います。しかし、ドンフンのつらさを、本当の意味でジアンだけが分かっていた、そのことにドンフンが救われた、、そういうことだったんだと。

ドンフンを守るために、ジアンが必死で逃げ回っていると知ったユニとドンフンは、彼女を助けなくてはと同じ思いになり、二人のことを公にすると決めました。ジアンに助けられた二人が、ジアンを助ける、と言えるのではと思います。そして、それが二人にとっての前進でもあると、、元通りになると言うことではなく、、

ジョンヒさんは、ジアンを預かるのが嬉しくてたまらず、、おじさんたちもジアンのことが大好きで、、、

「生まれ変わるなら、この町に生まれたいです」ジアンの最後のセリフにも納得させられました。


第16話 最終回 あらすじ (神回)

ジアンは施設におばあさんを訪ねた。花びらが舞っている。ドンフンは離れて立っていた。

おばあさんは「心が穏やかでとてもいい気分だわ、生まれて初めてかもね」と手話で言い、ドンフンを見て微笑んだ後、またジアンに何か言った。


警察に着くと、ユニが待っていた。彼女がジアンを中に連れて入った。

ドンフンは、町角に立っているサンウォンを見て、一緒にお花屋さんに行き、花を買った。ジョンヒの店の前で、花束をサンウォンに渡して帰った。

サンウォンは店に入った。「幻が見える」とジョンヒが言った。彼は花束をテーブルに置いた。

「1時間半の距離に20年近くもかかってしまった、、心に引っかかっていたから」とサンウォンが口を開いた。

「もう引っかかってない?私はあんたの心に引っかかることだけを願い生きてきた、、これからは何を生きがいにすれば、、」

「、、幸せに、穏やかに、、」とサンウォンは言った。

ジョンヒは、何も言わず彼を見ていた。


ジアンは取調べを受け、不倫に気づいたこと、盗聴していたことを話した。トも別に取調べを受けていたが、全てはジアンが単独でやったことだと言った。カネを渡した痕跡も録音ファイルもないので、ジアンに不利だった。

ユニがジアンに、携帯の盗聴を削除した理由を聞いた。おじさんが苦しむから、と彼女は答えた。

実はトは、録音ファイルを持っているグァンイルの手下から脅され、焦っていた。

ユニが車からドンフンに電話した。「パソコンが盗まれて証拠がない。携帯のメールを復旧させれば大丈夫」と。「パク常務は処罰を求めない」とドンフンは言った。

ジアンは「おじさんの言葉の中で、一番 温かかった言葉、”何か要るか?”、いつも帰りにおばさんに言ってた」とユニに言った。

ユニはジアンをジョンヒの店の前で下ろした。

グァンイルは、パソコンに入っている膨大な録音ファイルをUBSにコピーしていた。


翌朝、ジアンは、おばあさんが入居している施設から電話を受け取った。

ドンフンにジアンから電話、「、、おばあさんが、亡くなりました、、」

ドンフンは彼女を施設に連れていった。ドンフンが対面してから、ジアンがおばあさんと対面した、、。

おばあさんの祭壇が作られ、ジアンの側には、ドンフン、サンフン、ギフンが立ち合い、ジョンヒも弔問に来た。

サンフンは貯めていたお金で、葬儀用の花、祭壇にお供えする食べ物、弔問客への食事とお酒を用意した。祭壇の前の廊下には、サッカー会のメンバーたちの名札がついた花が所狭しと立てかけられた。

そして、ジョンヒの店の常連のおじさんたち、サッカー会の若いメンバーたちが次々に弔問に、ドンフンの部下たち、ユラもも弔問に来て、その後でみんなで食事をしていた。

ユニがソン・ギボムを連れて来た、彼はこの後警察に行くと言い、ジアンは「ごめんね」と謝った。帰り際、彼は「ありがとうございます」とドンフンにお礼を言った。

ドンフンが兄に「費用は後で返す」と言ったが、「ノー、やめてくれ、この感動を壊すな。こんな誇らしい日は50年間で初めてだ」とサンフンは言った。

ソ・チュンデさんも弔問に来た。彼は祭壇を見た後、たくさんの人たちが飲み食いしているのを見渡した、そして「幸せな方だ、おばあさんは幸せだな」とジアンに言った。

サッカー会の連中が外でサッカーを始めた。

ジョンヒはジアンに「年に2回、お正月とお盆に会いましょう」と言った。

ドンフンは、お礼を言うジアンに「今回は兄貴がやった。いいんだ、今までいいことしたことないからな」と。

「祖母が死んだら連絡しろと言われ、とても心強かったです」とジアンは言った。

ドンフンはサッカーに参加した。

ジアンはサッカーをするおじさんたち、ジョンヒやユラを見ながら、おばあさんの最後の言葉を思い出していた。

良い縁だわ。とても尊い縁よ、よく見てみるとどんな縁も全て不思議で尊いものよ。お返ししなきゃ。幸せに生きることが恩返しになるのよ


トの指示で、元警官と手下が、グァンイルの事務所に押し寄せてきた。グァンイルは、録音をコピーしたUSBをセカンドバッグに入れ、パソコンを持って表に出た。パソコンを地面には投げて壊し、USBを持って逃げた。途中で配達店を見つけ、それをどこかに送った。

ドンフンが会社に行くと、差出人名のない封筒が届いていた。開けると、セカンドバッグの中にたくさんのUSBと”ヨングァン金融”の名刺が入っていた。

それらのUSBは警察に渡された。そこには、イがジアンに盗聴やスキャンダルを指示した録音があった。

会社ではすぐに、社長とドンフンの妻の不倫、ドンフンを解雇のために賄賂が仕組まれたことなどが噂になっていた。


ドンフンは、ジアンからメール受け取り、友だちの店でおごった。

「会長と昼食をした。釜山に行く、会長が職場を紹介してくれた、裁判のことも承知で雇ってくれる、会長の親友の会社で、寮に入リます」と彼女は話した。

「私の過去を何も知らない人の中で別の人間になりたい。偶然会っても笑顔で挨拶できるから、良かったです。感謝しています、避けなくてすむから。そして、よくしてくれて」とジアンは言った。

君は俺を救うためにこの町に来たんだな。死にかけている俺を君が生き返らせた」

私はおじさんに会い、初めて生きた気がします

二人は、俺たち幸せになろう、と乾杯した。


ジョンヒの店の閉店後、常連のおじさんたちは、ジアンが明日遠くに行くと聞いて寂しがった。

ジアンとジョンヒ、ドンフンの3人が歩いて帰った。

ジアンはドンフンとの別れ際に「一度抱きしめても」と言い、ドンフンが彼女を抱きしめ、ジアンも彼を抱きしめた。

ドンフンが歩き始めた、その後ろ姿に「ファイト」とジアンは言い、振り返ったドンフンも「ファイト」と言って笑った。

ユニから電話、ドンフンは「今帰ってる、何か要るか」と聞いた、ユニは少し考えて「ビールを」と言った。


ドンフンは、ユニを空港に送って母の家に来た。息子のいるアメリカに行ったようだ。「2週間後に戻る、ついでにユニも学校を探すそうだ」と母に言った。兄のサンフンはエリョンとよりを戻しそうだ。

ギフンが「あの子はどうしてる」と聞いたが、ドンフンは知らないと。

ギフンは『誰も知らない』という映画の話を始めた。「母親に置き去りにされ、子供だけで暮らす話で、5分も見られなかった、胸が痛くて、、でも映画人として見ておくべきだ思い、次の日に見たんだ。見て良かったと思った。子供たちは意外と力があった。人間はみんな自然治癒力があるんだ」

ドンフンはスーパーで買い物をして、家で一人で食事を取った、、、食事を途中で終えて、、号泣した、、。


ギフンとチェ・ユラの別れ話が夏頃から始まり、二人は冬、別れたようだ。ユラはギフンにもう一度、映画界に戻って来てほしかったようだが、ギフンは頑なに拒否した。ユラはトップスターになっていた。


ドンフンは起業して、「ドンフン構造事務所」の社長になり、3チームの部下たちが彼について来ていた。

ジアンは会社でバリバリ働き、コミュニティーセンター(?)で手話も教えていた。


『なぜ毎日つらいと思う?嫌いな人が多すぎるからよ。つらくない時はいつかって考えてみたの、愛してた時だわ、だから私は今日からあんたを愛することにした、このクソ野郎。(いじめる上司を)愛するのよ、今よりもっと愛してみせます。愛があふれています、、』

映画館のスクリーンで、ユラが演じていた。観客は笑い、ギフンはそれを観ていた。

ジョンヒの店で飲んで、家に戻ったギフンは、ノートを出してシナリオを書き始めた。

『ノッティングヒルじゃなくて後渓ヒル』 シーン1 変な女がやってきた


ジアンは会社の同僚とコーヒーを買いにきた。

聞いたことのある声がした。「14歳、悩んでるんだ、母親もアメリカにいるから、大学まで考えてる」ジアンは声の方に歩いた。振り返ったのは、ドンフンだった。

2人は少しだけ立ち話をした。「すっかり見違えたな。君は優秀だと会長の親友が褒めてると聞いた」ドンフンは笑顔で言った。

ジアンは「3月にソウルに、本社に配属されました」と。ドンフンは「今は社長なんだ、遊びにおいで、3チームのみんなも一緒だ。握手しようか」二人は握手した。

「今度、おごります。一度はごちそうしたいんです」とジアンは言った。ドンフンは嬉しそうに笑った。

「電話します」とジアン、そして別れた。

それぞれの方向に歩きながら、”『至安(ジアン)』安らぎに至ったのか?” ”はい” 2人は心で会話した。

ーー完ーー

感 想

完璧すぎるほどの最終回だったと思います。

人のやさしさとそれを行動にする、感動です。

それぞれが、前に進んでいったと思います。

ジョンヒさんとサンウォンさんは、話せてよかった。20年も会えない人を思っていたジョンヒさん、切なくて、尊いと思うけど、、一歩進む時が来たのでしょうか。あのグァンイルでさえも、前に進みました。ギフンもシナリオを書き始めたし。

ユニさんは息子がいるアメリカで勉強中、サンフンさんは奥さんとよりを戻したようです。

ドンフンさんが号泣する場面で、『私の解放日誌』の15話でチャンヒが号泣する場面を思い出しました。

この号泣に理由はない、もしくは、言葉で説明できるようなものではないと思います。ドンフンさんは、泣くことで、長年の胸のつかえのようなものが洗い流されたのなら、、よかったと思います。

映画に出演中のユラの「 (いじめる上司を)愛するのよ」のセリフは、『私の解放日誌』でミジョンがクさんに言う「(朝から罵りたくなる人たちを)歓待するの」と同じだと思いました。

心に残るセリフがいっぱいありました。

素晴らしい脚本と、素晴らしい俳優さんたちのすごいドラマを見せていただきました。ドラマの最後に、視聴者への温かいメッセージもありました。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

Drama
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