『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』1話~6話までのあらすじと感想 *ネタバレあり

2022年6月29日~8月18日まで配信され、大反響のうちに終了した『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』。

7話~16話(最終回)までは配信に合わせてアップしました。改めて1話から再視聴し、1話~6話までのあらすじも書きたくなりました。ここにアップします。ヨンウの成長がよりよくわかります。

*ネタバレあり

7話から16話(最終回)までは以下でまとめています。

登場人物とキャスト

ウ・ヨンウ役(パク・ウンビン)

ソウル大学法学部を主席で卒業した天才。自閉スペクトラム症を持っている。大きな法律事務所『ハンバダ』のインターンになる。

ウ・グァンホ役(チョン・ベス)

ヨンウのお父さん。ソウル大学法学部、学生時代に恋に落ち、生まれたヨンウを育てた未婚の父

イ・ジュノ役(カン・テオ)

ハンバダの訴訟チーム職員。優しく温かい性格で職務を補助し人気がある。ヨンウを多方面からサポートする。

チョン・ミョンソク役(カン・ギヨン)

ハンバダのシニア弁護士。ヨンウの上司である。

ハン・ソニョン役(ペク・ジウォン)

ハンバダの代表弁護士。ヨンウの父ガンホの大学の後輩

クォン・ミヌ役(チュ・ジョンヒョク)

ハンバダの新任弁護士。1年後、ヨンウとどちらが事務所に残れるかをかけ、彼女に対抗心を燃やす

チェ・スヨン役(ハ・ユンギョン)

ハンバダの新人弁護士。ヨンウと同じロースクールの同期。大学時代から、ヨンウの天才肌に敵わないが、いつもヨンウを助けてくれる。

トン・グラミ役(チュ・ヒョニョン)

ヨンウの唯一の友だち。高校時代、いじめられていたヨンウを救ってくれた。居酒屋のアルバイト。

キム・ミンシク役(イム・ソンジュ)

グラミがバイトしているトルボネ酒店のオーナー

テ・スミ役(ジン・ギョン)

法務法人「テサン」のパートナー弁護士

第1話 おかしな弁護士ウ・ヨンウ

ウ・ヨンウの父が「うちの子が特別かも」と思った日は、2000年11月17日。

ヨンウは5歳でまだ話せなかった。医者からは「自閉傾向があるかと」と言われた。

父とヨンウがアパートに戻ると、大家のご主人が、ヨンウ父と自分の妻の仲を疑い(仕事中、ヨンウを預かってもらっただけだが)、父に暴言を吐き暴力をふるった。それを見たヨンウは突然「傷害罪」と言葉を発し、罰状を暗唱した。 ヨンウは父が勉強していた”刑法”の本を丸暗記していたのだった。

大家の奥さんが薬を持って謝りに来た。父が「ヨンウが刑法の暗記を」と涙を流して言うと、奥さんは「ヨンウは天才ね。将来は弁護士なったらいいわ」と言った。

この日父は、娘が ”自閉スぺクトラム症の天才だ” と知った。


弁護士として初出勤の日、ヨンウは、クローゼットに父からのプレゼントの洋服を見つけた。

壁のボードには、父の”感情の顔”の写真が貼ってある。そこから”喜び”の顔を選んだ!

着替えて、住まいの隣の父の店で朝ごはん、いつもの”ウ・ヨンウのり巻き”を注文。”のり巻き”は材料が一目瞭然で、意外な味に驚かないから。

父は、初出勤のヨンウに注意事項「特にクジラの話をするな」と言った。ランチも”のり巻き”を持たせてくれた。

ヨンウは、”韓国初の自閉スペクトラム症弁護士”で、新聞にも掲載された。


事務所のビルに到着したヨンウだが、回転ドアに入ることが出来ない。その時、ドアを止めてくれた男性がいた。どちらへ?と聞かれて「チョン・ミョンソク弁護士の所へ」と言うと、男性は部屋の前まで案内してくれた。

ノックして、ドアを開けた。ヨンウは、1、2、3と指で3つ数えてから部屋に入り「ハンバダに入りました ウ・ヨンウと申します」と自己紹介。チョン弁護士は引き出しからヨンウの志願書を出した。ヨンウは「2枚あるはずですが」と言ったが2枚目はない。内容を聞かれ「自閉症スペクトラム症」と。他にお話はと聞かれたので「どちらから読んでもウ・ヨンウ。キツツキ、トマト、スイス、子猫、南駅三駅」とあいさつ、、。

チョン弁護士が、ヨンウの志願書を持ってハン代表の部屋に。「新人弁護士が来ましたが、2枚目はご覧になって受け入れたんですか」と聞いた。代表は「1枚目はちゃんと見ました?ソウル大ロースクール首席で卒業、弁護士試験は1500点超え、こんな優秀な人材逃せないでしょ」と。

チョン氏は「では事件を1つ任せて、私の偏見かどうか確かめます」と言った。


チョン氏は、早速ヨンウに事件の資料を見せた。

「被告人は、70代の女性。認知症を患う夫と事件当日ケンカになり、夫の暴言にカッとなり頭を殴った、目の前のアイロンで」と写真を指さした。

夫は脳出血で全治12周。被告人は殺人未遂で起訴されている。

チョン氏は「被告人も気の毒。本人もお年寄りなのに、認知症の夫の介護をしてきた。在宅事件だと実刑になる可能性は低い。ウ弁護士が被告人のためにすることは、執行猶予をとること」と言った。

チョン弁護士は、事務所に来た被告人に「こちらの弁護士が担当します」とヨンウを紹介したが、不安そうな被告人。

2人になった時、ヨンウは「まだあそこにお住まいなんですね。22年前、201号室に父と住んでました」と言うと、被告人は思い出し「ヨンウなの」と感激した。

ヨンウは、ご主人が認知症の診断を受けたのは5年前と聞き出した。区役所を退職してからも働いていたが、認知症と診断されて辞めたと奥さんは言った。

二人の収入源は、夫の年金とヴィラの家賃収入で、ヴィラの名義は夫。

ヨンウは、チョン弁護士に”弁護士意見書”を出した。

殺人未遂の嫌疑に「無罪」を主張する、という意見。チョン氏は「検察は初めから執行猶予をかける気でいる、有罪か無罪かを争う事件なら任せない、今日来た新人に」と言った。

ヨンウは「有罪か無罪かを争うべき事件だと思います。この事件はクジラのクイズのようです。”22トンのマッコウクジラが500のダイオウイカを食べ、6時間後に1.3トンの卵を産んだ時、マッコウクジラの体重は?” 正解は”クジラは卵を産まない”。重さに惑わされて答えを出せない。刑事事件だからと刑法に目を向けがちだが、ポイントは民法にある。殺そうとした相手の財産は相続できない。被告人は夫の年金で暮らしており、賃貸物件も夫の名義。殺人未遂罪が認められたら、被告人は夫の死後、生活に困窮します。ケガをさせたのは事実なので無罪とはならない。”傷害罪”で執行猶予をとります」と言った。

チョン弁護士は、ヨンウの意見に「お見事。争点をよく見つけた」と褒めた。

次にヨンウは、病院に行くように、社員を同行させると言われた。

玄関の回転ドアの前で待つヨンウ、そこに朝、助けてくれた男性、イ・ジュノが来た。しばらく経って、お互いが待っている相手だとわかった。

ジュノは回転ドアを「ワルツのリズム、ズン、チャ チャで」と言って、二人でリズムを取り回転ドアに入って、一緒に出た。


ヨンウとジュノは、医師から、レントゲン写真を見せられ話を聞いた。「深刻な外傷性脳損傷、アイロンで殴られたので、暴行による出血」と医師は断言した。

次は入院中の夫に会いに行った。奥さんは夫を気遣い、ブラインドを調整していた。

夫が起き出し「誰だ」と怒鳴った。奥さんが「昔201号室に住んでいた女の子、ヨンウよ」と言うと、夫は「ソウル大法学部の201号室、俺が留守中に出入りしてたあのクソ野郎、そいつの娘か。二度と現れるな、この虫けらにも劣る野郎め」と暴言を吐き暴れた。

ヨンウたちは病室を出た。奥さんに、事件当時の気持ちを確認した、なぜなら、法は気持ちを重視し、それによって罪名が変わってくるから。

ヨンウは、奥さんが、夫を起こさないようにブラインドを閉めてあげていたのは、殺したい人じゃなく、愛する人にする行動では?と言った。


ヨンウたちは、チョン弁護士に「被害者は大暴れで、暴言を吐いた」と報告した。ソヨンとミヌもいた。

裁判の方針は「国民参与裁判で。証拠で戦えば負ける。だから、被告人が不憫な状況になることを陪審員に訴えかける」と。

「不憫といえば障害。私は障害者です」とヨンウは自分がやると言った。

ジヌは、ソヨンに「ウ・ヨンウは何者?本当に障害が?」と聞いた。「ロースクール時代のあだ名は、”ドイチウ” ”うせ1位は・ヨンウ”、苦い思い出です」とソヨン。

ヨンウは、回転ドアの前で足踏みし帰れない。ソヨンは助けずにはいられない。

ヨンウは「名前の ”英祐ヨンウ” の意味は”花のように美しい福の子”。でも”怜愚ヨンウ”の方が私に合うのでは?読んだ本は全部覚えているけど、回転ドアも通れない、賢く愚かなウ・ヨンウ」と思うのだった。


ヨンウは、友だちのグラミのバイト先に行き「判事と陪審員の前で弁論するので、練習を手伝ってほしい」と頼んだ。グラミの特訓で ”異議あり”をマスターした!


ヨンウ初めての法廷:

チェ・ヨンナンさんの公判が始まった。

裁判長から出席確認の名前を呼ばれたが、ヨンウは緊張のあまり、返事ができなかった。

検察は ”殺人未遂罪”で起訴した。

弁護人の冒頭陳述、ヨンウは決心して立ち上がった。

「冒頭陳述に先立ち申し上げます。私は自閉スペクトラム症で、皆さんからすると言動がぎこちないからもしれません。しかし法を愛し、被告人を尊重する心は他の弁護士と変わりません」と述べた。

検察は、被告人に厳しく尋問。証拠品のアイロンを出してこれでどこを殴ったかと尋問、被告人は頭と答えたが、検察の尋問に怯えていた。


次の法廷:

チョン弁護士の提案で、被告人の夫が証人と呼ばれた。夫の本性を陪審員に見せるために、ヨンウに尋問させた。

ヨンウが始めようとすると、証人は「おい、お前、現れるなと言っただろ、俺が怒りのあまり死ぬのを見たいのか、虫けらにも劣る奴め」と暴言を吐き大暴れ、、、休廷となった。

法廷が再開された。「ご覧になった通り一緒には暮らしにくい夫、それでも被告人はパクさんを献身的に介護してきた、、」とヨンウが弁護している時、パクさんが搬送中に死亡したとの知らせが入った、、検察は、被告人の嫌疑を殺人罪に変更したいと、、


パクさんの葬儀が営まれ、ヨンウたちは弔問に訪れた。

ヨンウは、私がこの事件に関わっていなかったら、パクさんは生きていたでしょうか、と自責した。

チェさんに「私が初めて口にした言葉は”傷害罪”、そして弁護士になれと初めて言ったのはチェさんです。初めて担当したのがチェさんの事件で、うまくやりたいと思うあまり欲張りました。こんなことになりすみません」と謝った。

チェさんは「あなたは悪くない。再会を喜ぼうともせず悪態をつく夫の荒い気性のせいよ。こんなに早く逝くとも知らずに、夫ににアイロンを振り回した私のせいよ、、”いつも頭が痛い”と言ってたのに、私は、、」と泣いた。


ヨンウは、事務所に戻って再度事件を検証していた。そこにジュノが、パクさんの解剖鑑定書を持ってきた。死因はやはり”脳出血”。

ジュノはアイロンの写真を見て「白鯨」に出てくるマッコウクジラに似てません?と言った。

写真を見たヨンウは閃いた!「刑法だけを見ては本質を見逃すように、アイロンだけを見てはダメ。警察での供述、”激しい頭痛がして横になった” 、 殴られる前から頭痛、脳出血はアイロンのせいではないかも」と。


法廷:証人として医師が出廷

ヨンウの尋問。

硬膜下血腫には、外傷による外傷性と、疾病による非外傷性がある。今回、外傷性だと判断した理由は「アイロンで殴られ、気絶までしたから」と医師は答えた。

しかし、頭蓋骨 骨折はなく、アイロンによる切り傷やあざはもなく、手でかばったとしても、腕の傷もひどくはなかった。

ヨンウは、質問を変えた。

「パクさんは81歳で、認知症を患っていた。脳出血の代表的な前兆症状はひどい頭痛ですね?パクさんは事件当日、殴られる前から頭痛が、ご存知ですか?」「それは知りませんでした」と医師。

「81歳という高齢に認知症、事件前に訴えていた頭痛、これでも証人は、外傷性の硬膜下血腫だと確信を?非外傷性である可能性は?」「非外傷性である可能性はありそうです」と医師は答えた

チョン弁護士は、裁判長に ”非外傷性、硬膜下血腫”と診断した専門家3名の診断書を提出した。

ヨンウは「裁判長、パクさんの脳出血は、被告人の暴行ではなく、持病が原因の可能性があります。被告人の傷害と被害者の死亡には因果関係はありません。被告人の罪名を殺人罪から傷害罪に変えてください」と申請した。


殺人罪は無罪、傷害罪は執行猶予付き”との判決が下った。

チェさんがお礼に来て、ヨンウを抱きしめ「先生、ありがとうございました」と涙を流した。

感 想

第1話から、見事な展開ですね。

ヨンウが ”自閉スぺクトラム症の天才” で、”韓国初の自閉スペクトラム症弁護士”であることも、無理なく語られます。

きちんと整頓された部屋、装飾や持ち物は”クジラ”で溢れ、”感情表現”を理解するための父写真がボードに貼られている。

ハンバダに初出勤した日に、任された事件は、”傷害罪”と初めて口にした言葉に関係する人たちと罪状。うまく作ってありますね。主な人物も、自然に登場しました。

ヨンウという名前の漢字があったんですね。

ドラマを1回見るだけでは見過ごしてしまうのが、”裁判ワード”の難しさ、法律に対する知識や専門用語、今回なら病名や医学用語も入っています。しっかりした脚本という土台があり、その上に、優しくて、面白いドラマが展開していることに尊敬を感じます。

ヨンウの最初の冒頭陳述、胸を打ちますね。

第1話目からチョン弁護士が素敵だなぁと改めて思いました。


第2話 脱げたウエディングドレス

ハンバダに、キム会長と秘書がやって来て、ハン代表とチョン弁護士が迎えた。

相談内容

47歳で授かった娘が、デヒョン建設の社長子息とデヒョンホテルで挙式をしたが、アクシデントが。退場する時に、花嫁のオフショルダーのドレスがずり落ちた。

式に掛かった費用は、最高クラウだったので2億3000万ウォン。招待客はVIPだけで1000人。

大金を払って親戚、友人、取引先の前で大恥をかいた。ホテルに損害賠償をしたい。

ハン代表が「慰謝料を請求するのは難しい、ホテル側の提案、費用を全額返済と新郎新婦に1000万相当のクーポンを贈る、は合理的」と説得しようとすると、

結局”テサン”と変わらないな。膨大な土地の裁判沙汰は全てテサンに任せてきた、韓国一の法律事務所だからな。しかし大きな問題になると逃げ出した。あきれてここに来た、ハンバダに期待して」と言った。

ハン代表、これに反応「うちは違いますよ。いくらお望みで?」と聞いた。「最低10億ウォン」と会長、「引き受けます」と代表は答えた。


チョン弁護士チームは、むちゃなことを言う依頼人に、何か方法を探さなくてならない。

ソヌとヨンウは、新郎新婦の所へ話を聞きに行った。

まず、新婦を訪問。以下が新婦の話。

私は、彼の祖父にかわいがられた。教会の長老で聖歌隊の指揮者で私は伴奏。結婚もお祖父様の紹介だったが、私にがっかりしたようで ”結婚を白紙にしたい”と。背中に観音菩薩の入れ墨があるのがわかったから。

ドレスの異変に気づいたのは、結婚当日の朝。しっかり合わせたはずがその日はゆるかった。着せてくれた人に言ったが、痩せたからだろうとピンで詰めてくれた。でも痩せてはいない。招待客は父が管理し、知り合いは誰もいなかったので、証言してくれる人はいない。

ヨンウは「ファヨンさん、ご主人を愛してますか?自分の家族や友だちの写真はいっぱいあるのに、ご主人の写真はあの角に。指輪は薬指ではなくドレッサーの上に」と聞いたが、新婦は答えなかった。

次は、新郎のジヌクに会いに行った。以下が彼の話。

早く忘れたいのに、ホテルを訴えるなんて。式を壊されて不愉快だが、うちとデヒョンホテルは同じグループ、身内を訴えることになる、と義父に憤慨。

祖父がファヨンを気に入り結婚を進めたが、背中に入れ墨が、祖父は裏切られたと感じて、結婚を取りやめろと、敬虔なクリスチャンなので。

ファヨンとはずっと会ってない、彼女は神経質になり精神科に通っている。

ミヌは「新郎新婦は子供のまま、精神的に独立していない。2人とも食事の支度すらしたことないはず」と呆れていたが、食事の支度をしたことのないヨンウはハッとした。


こちら、ソヨンとジュノ。

まず、ホテルに非があるという帰責事由が必要。新郎新婦になりすまして、ドレスを準備する過程で、過失があったかどうかを調べるため、ホテルに潜入捜査に出かけた。

ところが、ソヨンのお腹の調子が悪くなり、ホテルのトイレに駆け込んだが間に合わず、着替えを持ってきたヨンウが代わりを。

チーム長が、ジュノとヨンウの相手を。ヨンウは、オフショルダーのウエディングドレスを選んだ。ジュノが「君は細いからずり落ちたら大変、そんなハプニングも?」と探りを入れると「絶対にありません」とチーム長は高笑い、、。

その頃、チーム長の命令で、焼き上がりのパンを買ってきたジヘさんが、トイレで誰かに電話。「ジュヒさんが首にされた」と話しているのをソヨンが聞き、すぐにジュノに電話した。

ジュノは戻ったジヘさんに「ジュヒさんの連絡先を知りたい」と言ったが、個人情報は教えられないと断られた。

ヨンウがウエディングドレスを着て出てきた。その美しさに見惚れるジュノ。


ソヨンとミヌは、ファヨンが通っている精神科医に会った。病名は”外傷後ストレス障害”だが、結婚の破綻と危機が原因と考えられるかの質問には、守秘義務があり回答はなく、裁判での証言も断られた。


ジュノとヨンウは、パン屋でジヘさんを待っていた。現れた彼女に、再度ジュヒさんの連絡先を聞いた。ファヨンさんが精神科で治療中で、結婚も白紙になりかけていると話して。しかし、ジュヒさんは海外にいるとのことだった。


法廷:証人としてホテルのジへさんが現れた。

結婚式で、チームの一員として着付けの手伝いをした。ドレスが緩いみたいとファヨンさんが言ったが、痩せたからだと思いますと言った。しかし式当日の朝に、ドレスが破れてしまい、同じデザインのサイズ大きいのに替えられていた。ジュヒさんが解雇された後、チーム長から”口外すればクビ”と言われた。今日は辞める覚悟で来ている、新婦さんがすごく苦しんでたなんて、話すのが遅くなりすみません、と言った。

次は証人席にファヨンが座った。ホテル側の弁護士から尋問。

ファヨンは、”Wagle”というSNSに、式の1週間後に投稿していた。”結婚を白紙にする話が出ている。むしろよかった。心の傷に隠れて少しだけ辛抱しよう。偽りの結婚をせずにすむ”と。

「原告は、結婚式のことが原因で精神科の治療を受け、結婚を白紙にされそうだと10億ウォンの慰謝料をホテル側に請求しているが、この投稿と矛盾する、原告の本心はどちらか」と聞かれたが、答えられない。


ハンバダの事務所で、弁護士たちがファヨンに話を聞いた。

「父がこの結婚をすごく喜んでいた。財閥と親戚になり贈り物ももらえる。彼のお祖父様が、土地を私にくれると言った。父の方がはしゃいでいた。でもこんな結婚はありですか?彼も私もお互いに無関心。愛だけで結婚できるとは思わないけど、私の人生です」と泣いた。

ヨンウに突然閃いた!(クジラさんが出てきました!)

賠償は、”通常損害” と ”特別損害”に分られる。ファヨンさんには土地を贈られるという特別な事情があり、ドレスが脱げなければ、新郎のお祖父さんは土地を贈与したはず。ホテルのせいで得られなかった土地の価格を特別損害として主張すれば多額の賠償を請求できる、と。


キム会長、ファヨンさん、秘書がハンバダに来た。

ハン代表は、もらうはずだった土地の価格は332億ウォンと聞き「その金額を請求できます。もちろん全額は認められないでしょう。332億の賠償を請求すれば、示談の連絡が来るでしょう。適切な金額で合意を、332億ウォンの10%で、どうでしょう」と。

ヨンウは、用意した意見書を3人に渡した。

会長は呵呵大笑、笑いが止まらない!ファヨンさんはやめてほしいと訴えたが、父は彼女の言うことを聞かなかった。


法廷:テヒョンホテルの社長が証人席に。

チョン弁護士は、新郎の祖父が、結婚祝いに数百億ウォンの土地を原告に贈ると約束したことを知っていたかと聞くと、証人は知っていたと答えた。弁護士は「原告は本来得られるはずだった土地の価格、332億ウォンの賠償金を請求しますと」と言った。

裁判長が「他に言うべきことは?」と言った時、原告のファヨンが手を挙げ、「訴えを取り下げます」と言った。動揺する原告席、、。

実はハンバダでの会談が終わった後、ファヨンはウヨンに「止める方法は?」と相談したのだ。そして、”訴えを取り下げます”と裁判長に言えばいいです、とアドバイスを受けてたのだった。

「訴え取り下げにより終了します」と裁判長が宣言し、裁判は終了した。

キム会長は、娘に「父親に恥をかかせるのか」と怒ったが、、、

そこに、ファヨンの恋人の女性がきて、彼女の横に立っていた。

「私の背中の入れ墨はノリで掘ったんじゃない。私は仏教徒。これは私の結婚と人生。私たちは10年も一緒にいる、結婚するなら彼女とする。愛する人と」と二人は手を繋いで出て行った、、。


テサンのテ・スミが、代表を退く件で、記者のインタビューを受けた。

その後、スタッフが来て「キム会長が全ての案件を取り消して、ハンバダに依頼しました。10億ウォンの損害賠償をハンバダが受けて、332億ウォン請求したそうです」と意見書を見せた。「ウ・ヨンウって誰?」とテ・スミは聞き「新人弁護士です」とスタッフ。中身を見たテ・スミは、「面白い、新人らしい考えね。惜しい人材を逃した」と言った。

感 想

2話も面白かったですね。

まず、新郎新婦は、自分たちの結婚なのにまるで他人事ですね。”精神的に自立してない”というミヌさんの意見に全く同感です。

この盛大な結婚を一番望んでいたのは、新婦の父、キム会長のようです。彼の職業は分からないが、大金持ちなはず、、でも、もっともっとお金がほしいようでした。

むちゃな要求をする依頼人にも応えるハンバダ、テサンと同じだなんて言わせない、対抗意識に燃えるハン代表の立ち位置が、ここで既に明かされます。

ヨンウは、ここでも能力を発揮して、依頼人(キム会長)のむちゃな要求に応える方法を見つけました。すごいです!同時に、ファヨンさんの気持ちにも寄り添っています。

ファヨンさんが、勇気を持って、自分の愛する人と歩むと、父親に宣言できたのがハイライトでした。親から自立したということですね。

同じジェンダーの結婚について、韓国では正式に承認されているのか知りませんが、そういう問題にも踏み込んでいく脚本ですね。

最後にテ・スミが登場し、”ウ・ヨンウ”を認識しますが、この登場も仕方も自然で、カッコイイです。


第3話 ペンスでいきます

”法律事務所ハンバダ 弁護士 ウ・ヨンウ”のネームプレートができ、ヨンウは、部屋の外の指定の場所にはめ込んだ。

チェン弁護士から新しい案件について話があった。資料を見ながら話を聞いた。

サンジョン薬品の会長は、古くからのハンバダの顧客。不幸があり、次男が長男を殴って死なせてしまったようだ、会長と奥様が目撃。

  • 死因は胸部損傷、肋骨が22カ所
  • 首にも何かの痕があるようだが、死因と見るほどではない
  • 正面の骨折は、心拍蘇生時のものだとしても、他の11カ所の骨折は暴行によるものだろう
  • 死亡時、被害者は泥酔状態
  • 傷害致死罪で起訴されたジョンフンさんが次男。被告人は”自閉症”、診断名 ”自閉スペクトラム(ADS)症”。診断書によると、彼は精神年齢6-10歳、重度の自閉症

ヨンウは、自分も”自閉スペクトラム症” だが、その特徴は人によって千差万別と言った。


チョン弁護士とヨンウは、まず会長夫妻に会った。夫妻はヨンウを見て複雑な表情に。

夫妻の話。

  • あの夜のことを聞いても、ジョンフンは”死ぬ、やめろ”とばかり。体が大きいので誤解されるが、優しい子で、人を脅かした攻撃したりしない。
  • 兄弟仲は良く、弟が兄を慕っていた。
  • 兄サンフンは完璧な息子だった。入試で満点でソウル大の医学部へ。それなのに謙虚で温かくて、弟思いだった。
  • 次男が長男を殴った理由に心当たりはない。

奥さんが、次男のジョンフンと事務所にやって来た。

背が高く大柄、赤い帽子を被り、サングラスとヘッドホンをして、”ペンス”のキャラのトレーナーを着て、ペンスのバッグを持っていた。

チョン弁護士は一生懸命話しかけたが、コミュニケーションが取れない。

ヨンウは単刀直入に、サンフンさんが死亡をした日のことを聞くと、ジョンフンは自分の頭を叩いて興奮し、何も聞けなかった。


ヨンウは、自閉症の人と話す方法を父に聞いた。「子供の頃のヨンウと暮らすのは非常に寂しかった、父に無関心だったから。今は法の話で一緒に楽しめる。きっとその人にも好きなことがあるはず、それを掘り下げろ。ありきたりでも実践は大変、努力しろ」と助言した。


ジョンフンは、前と同じ格好で現れた。

ヨンウ、スヨンとチョン弁護士は、ジョンフンのために”ペンスで行こう”を歌って踊った。ジョンフンも反応して「もっと歌おう」と。ヨンウは「答えてから、殴った理由は?」と聞くと、ジョンフンはまた前と同じように興奮してしまった。再度聞くと「死ぬ、やめろ」と自分の頭を叩き始めた、、。

ヨンウは閃いた、、

お兄さんは死のうとしていたのでは?泥酔状態で、解剖鑑定書に、首に薄い痕に関する記録があった、、。


ヨンウはジュノと一緒に、長男が自殺を試みた証拠を探しに、家を訪問することに。途中、ジュノの後輩の女性に会った。彼女はヨンウを見て、ジュノが”ナヌリ”でボランティアをしていると思い込み、ヨンウに「ファイト」と言って去った。ジュノはヨンウに、後輩が失礼なことをと謝った。


2人は、長男のサンフン部屋で首を吊った跡を探した。本棚の上に何かを見つけ、本棚を動かすと、輪の形をしたビニールの紐が引きちぎられた跡があった。ヨンウはサンフンの日記帳を見つけた。


会長夫妻がハンバダを訪れた。

ひもは首の痕と照合するため科捜研に送られた。長男の日記から、夫婦に見せたい部分をまとめたコピーを出した。そこには、一番得だった勉強ができなくなり、苦悩する心情が吐露されていた。

”生きている意味が分からない、死ねばいい。

もはや習慣だ、弟に見られてもいい、首を吊る僕を見て以来、弟は夜眠らなくなった。毎晩僕を見張ってる。死が何かも分からないくせに、僕の死を恐れてる。それが慰めになる”

「事件当日もご次男がご長男を助けようとした可能性が」とチョン弁護士が言うと、「全国でも有名だった秀才が勉強のストレスで何度も自殺未遂を?これが世に知れたら、ソンフンは恥をさらすだけだ」と会長は言った。

「死んだ兄の名誉より、生きている弟の減刑が大事では?訳もなく兄を殺した訳ではなく、怒りが爆発するだけの理由があり、それが取り除かれた今は、暴力をふるわないことを証明すべきです」とヨンウが言うと、

「黙ってろ!何様のつもりだ、お前も自閉症だろ」と会長は怒鳴り「息子を侮辱しない弁護士に依頼します」と出て行った。


”兄を死なせた男性が傷害致死罪で起訴された。自閉スペクラム症の21歳A氏は、泥酔状態だった兄B氏を暴行、B氏は死亡。B氏は2018年入試で満点を取りソウル大に進学した秀才だった”とニュースが伝えた。

ネットには、”障害者じゃなく医大生が死んだ” ”国家的損失” ”自閉症は無罪だな” ”刑務所に入れろ” ”怖い” “隔離すべき” などのコメントが溢れ、それに対してたくさんの”いいね”が。


ジョンフンが、一人でタクシーに乗りハンバダに来た。ジョンフンは、ヨンウたちとまた歌いたくて来たのだ。奥さんが迎えに来て「私は先生方にお願いしたいです、心から息子と向き合おうとしてたので」と言った。

ヨンウは思う。

自閉症を研究した医師ハンス・アスペルガーは、自閉症の肯定的な面を見た。”独創的な思考と経験で驚くべき成果を上げうる”と。でも彼はナチスの協力者で、障害者、不治の病の患者、精神疾患者などを生きる価値のない人として選別していた。わずか80年前、自閉症は生きる価値のない病気だった。今も数百人の人々が’障害者じゃなく医大生が死んだのは国家的損失”のコメントに”いいね”を押します。それが私たちが背負うこの障害の重さです、と。


法廷:

ヨンウが証人の医師に尋問を。

医師は「被告人が兄を殴ったのは”メルトダウン”を起こしたのでしょう。自閉症の人によく見られる、ストレスが蓄積して限界に達した時、爆発することです。わざとではなく、極度の無力感に襲われ、どうしようもなくなる障害の症状」と。

検事の尋問。

「先程の弁護士は自閉症患者ですか?」「ADSであることは知っていますが、そう聞いたから知っているだけです」と医師は答えた。

「ウ弁護士は自閉症ですか?証人は被告人が自閉症だから心神耗弱者だと?では弁護人も心神耗弱者ですか? 弁護人は被告人が自閉症だから減刑すべきと主張。被告人が心神耗弱者なら、弁護人も心神耗弱者なのでは?自閉症の被告人は他の犯罪者とは違うが、自閉症の弁護人は他の法曹と同等だ?弁護人の主張には矛盾があります」と主張した。


法廷で傍聴していたジュノはヨンウを心配していた。ヨンウの部屋を開けると彼女は首を吊ろうと、、ジュノはヨンウを助けようとして、、ヨンウは背中から床に落ちた。

またヨンウは閃いた、、、

チョン弁護士の部屋に行くと、会長が来ていた。ヨンウは興奮して

「首をつろうしてジュノさんに助けられた、ジュノさんが私のお尻を持ち体が傾き背中から床に落ちた。解剖鑑定書によると被害者の肋骨は22箇所折れてた。正面の骨折は心肺蘇生時に生じた可能性が高い。問題は背面、右背面の肋骨2番から12番まで直線上に骨折、他に骨折はない。被告人が被害者の背中をまっすぐ攻撃しない限りこのようには折れない。でも被告人が被害者を助けようとしたらなら可能です」と言った。

「そうなら、ご次男は傷害致死罪では無罪になります。しかしこの内容で無罪を主張するなら、ご長男が自殺を試みたことを隠せなくなります、ご決断を」とチョン弁護士は会長に言った。

会長は「ご提案どおりにしてください。私からの1つお話が。これからはウ弁護士を外してください。ジョンフンにとって最善の方法を取ってください」と言った。

チョン弁護士は「心神耗弱を強調するのではなく、科学的根拠で無罪を主張できるんです」と会長を説得しようとしたが、ヨンウが「私は会長に従うべきかと。私と被告人がどう違うか私には分かりますが、検事にはわかりません、判事も同じでしょう。私は被告人の力になれる弁護士ではありません」と言った。


チョン弁護士はハン代表に、会長を説得してくださいと頼みに行った。ヨンウ採用について代表に文句を言ったチョン氏の変わりように、どうして?と聞く代表、チョン氏は「今はチームだから」と。

「代表としては、クライアントには逆らえない。だからチョン弁護士も外れて、チームなんでしょ?この案件はチャン弁護士(チョン氏のライバル)に引き継いで、ペナルティよ、会長がよく思わないでしょ」と。


法廷:ヨンウとチョン弁護士は傍聴席で裁判を見守った。

証人席は監察医。

医師は「背面の肋骨は、やや斜めに連続骨折している。おそらくこの骨折は、一度の連続的な衝撃によるもの。被告人の暴行によって折れた可能性はあるが、不自然。被告人は極度に興奮し被害者を乱打しました。そんな状態で肋骨が直線上に折れるように殴るのは困難です」と。

裁判長が被告人に質問した。

  • 「被告人が兄を床に下ろしたんですか?」「はい」
  • 「助けようとしたんですか?」「はい」
  • 「再度聞きます、お兄さんを下ろしたのは被告人ですか?違いますか?」「はい」
  • 「助けようとしたんですか?違いますか?」「はい」

裁判長は「質問を理解し答える能力があるのか、当時の状況を証言できるのか確かめました。今、被告人が心神耗弱なのは確かです」と言った。


「良い結果が出そうだ。傷害致死は無罪の可能性が高い、暴行罪も執行猶予がつくだろう」とチョン弁護士はヨンウに言ったが、、。

会長たちが出てきた。奥さんがヨンウに「お二人も頑張ってくださったのに、特にウ弁護士は無念だったでしょう」と。「平気です」とヨンウは答えた。

ヨンウは「退職願」を書き、ネームプレートを外し、箱に入れて持ち帰った。

感 想

3話、とても深い内容でした。

自閉スペクラム症の次男が、兄に暴行を加えて、兄が亡くなった、という事件だと思われたが、実は、兄が自殺を図ろうとしたのを、弟が助けようとしたのでは?とヨンウたちは、肋骨の骨折から推理した。監察医も、背中の肋骨が直線上に折れるように暴行を加えるのは不自然で困難と証言したが、、。

裁判の当初、ヨンウは「被告人は”心神耗弱なので減刑を”」と主張し、検事に「弁護人も自閉症で、心神耗弱なのでは」と突っ込まれた。

ヨンウは、被告人の無罪を心神耗弱ではなく、化学的な根拠で立証するための根拠を見つけた。しかし、裁判の最後、裁判長の質問に、被告人は理解し答える能力がなく、当時の状況を証言することができない為に、兄を助けようとしたかどうかを確認することができない、、裁判長は「被告人は心神耗弱なのは確かです」と結論づけた。

傍聴席で聞いていた会長夫妻、ヨンウたちも残念なため息をついた。だから奥さんがヨンウに「特にウ弁護士は無念だったでしょ」と言ったのですね。これは2回見ないと理解できませんでした。

ヨンウは、被告人のために最善を尽くしたが「”自閉症”の自分が弁護することで、検事や判事に、被告人に不利な印象を与えるかもしれない、私は被告人を助ける弁護士になれない」と思ってしまい、絶望し”退職願”をチョン弁護士に出して、ハンバダを去ると決断をしたようでした。

とても見やすく作られていますが、自閉症の研究をしたアスペルガー博士について語られる箇所、ネットのコメントとそれにつく”いいね”についてヨンウが心の中で告白する場面も含め、メッセージ性のある骨太のドラマだなぁと改めて思いました。


第4話 3兄弟の対立

退職願を出したヨンウは、父の店でのんびり朝食中、そこに、グラミが血相を変えて駆け込んできた。「お父さんが伯父さんたちにだまされて覚書に判を押し、うちは破滅です」と。

グラミの話:

祖父が持っていた約5000坪の土地、今は父名義になっている。そこが開発地域になり補償金を100億ウォンをもらうことになった。

長兄 : ドンイルが5割、次兄:ドンイが3割、父:ドンサムが2割の配分。

父の分前は20億だが、すべての税金:22億6000万ウォンを払うと約束してしまい、伯父たちは50億と30億受け取れるのに、父は2億6000万の借金が残る。

お父さんは、いつも伯父さんの言いなりで、こんな不利な覚書に判を押してしまった。こちらにも弁護士の知り合いはいる、とヨンウに相談に来たのだ。

ヨンウは弁護士は辞めたと言ったが、父が、すぐにグラミの実家に”覚書”を取りに行こう、と江華島に出かけた。

ヨンウとグラミは、光華島の高校で出会った。

ヨンウは、学校でのいじめが原因で光華島に引っ越した。地方の子たちは素直で優しいと父は言ったが同じだった。ヨンウは、”のろま”と呼ばれ、いたずらをされいじめられた。安全を求めて職員室、昼休みは守衛室へ逃げ込んだ。

しかし授業中は逃げられない、、露骨にヨンウへのいじめを目撃した”グラミ”が立ち上がり、いじめた子を殴った。彼女のあだ名は”サイコ”だった。グラミは授業中にカラオケに行き、好きな時間に登校する自由人だった。

ヨンウは、グラミと一緒にいることにした、安全だから。二人は友達になった。


実家で、”贈与契約書” を確認するヨンウ。

「ドンサムさんに不利な内容、すべて税金を負担すると言う部分が致命的、法的効力が十分。なぜ同意を?」と聞くと、

「長兄いわく、法律で決まっていると。長男は次男より、次男は三男より多くの財産を取れる決まりだとか」と。

ヨンウは「1991年に相続法が改正され、財産は平等に分与される。ドンイルさんのウソは、欺瞞行為(詐欺)に該当するので、覚書を取り消すことは可能」と言った。

グラミ家族はヨンウに弁護を頼んだが、ヨンウは、もう弁護士でないので、他の弁護士を紹介すると言った。

グラミは、早速、ハンバダにチョン弁護士を訪ねたが、「勝つ可能性が低い」と言い、ヨンウに事務所に来るように電話した。

ヨンウが「親友の父がだまされて、一文なしになるのを見過ごせません」と訴えると、チョン弁護士は「負ける裁判なら自分が引き受けるべきだ。退職願はまだ処理していない。君が受けるんだ」と言った。


法廷:

ヨンウは、長兄ドンイルに尋問。

「被告は原告に長男は5割、次男は3割、三男は2割で、補償金を分けよう。相続法で、長男は次男より、次男は三男よりもらえる、弁護士に確認したと言いましたか?」

被告は「いいえ、おぼえていません」と。

裁判長が同じ質問をしたが「いいえ」と長兄は答え、次兄のドンイも「相続法の話は出ていません」と答えた。

裁判長は「原告が詐欺や脅迫による意思表示を証明するには、証拠を提出するように」と言った。


グラミの両親は、もしかして、屋根の修理に来ていた村長が話を聞いていたかもしれない、と思い当たった。

ヨンウとジュノとグラミは、両親と共に村長の家に行った。村長は「あの日、靴ひもを直してたら話し声が聞こえた、相続法の話が聞こえ倒れそうになった、お前はすぐだまされる」と。ドンサムは村長をだきしめ、みんな手を叩いて喜んだ。


帰り際、グラミはジュノに小声で「車で30分のところに夕日の名所がある」と教えた。

ヨンウとジュノは、夕日が美しい海岸線を歩いた。ヨンウは久しぶりに思い切りクジラの話をした。でも実際にクジラを見たことがない。「済州島の海で見られるので、いつか必ず見に行きます」と言った。

ジュノは思い切って、なぜ弁護士をやめようと思ったのかを聞いた。

「弁護士のウ・ヨンウとして働いていても、自閉症のウ・ヨンウとしてみんなに見られ、役立たずです。味方すると負けます。いない方がいいんです」とヨンウ。

ジュノは「僕は味方でいたいです。あなたのようは弁護士に味方になって欲しいです」と。


ミヌは、チョン弁護士に「ウ弁護士に罰則はあるんですか?無断欠勤が続き、やりたいことだけをするのは同じ新人として納得できない。障害があるので特別扱いするのもわかりますが」と聞くと、

「そうじゃない。私はウ弁護士を買ってる。粘り強く案件に取り組み、発想が独創的だ。君も彼女から学ぶことがあるはずだ」とチョン弁護士は答えた。


法廷:

証人席に村長が座っていた。

ヨンウが「修理を中断し靴ひもを結んでいた時、原告と被告たちの会話を聞きましたか?」と訊いたが「いいえ、聞いてません」と彼は答えた。

ドンサムたちはショックで唖然、、村長と兄たちは顔を見合わせ頷き合っていた。


ヨンウは証拠を見つけるべきだったと謝った。グラミが「証拠?作れたらいいのに!」と言い、ヨンウは閃いた。


長兄の家で、長兄と次兄の家族が集まり、祖父の法事が営まれていた。そこに、酔っ払ったグラミと両親が訪れた。

グラミは酔ったフリをして、伯父たちのウソを面白おかしく話した。

「伯父さんたち、お父さんをだましましたね。米しか知らない農家だとさんざんバカにしてきたでしょ。2人は補償金を受け取るのに、お父さんだけ借金が残る。そんな法律があるわけない、この欲張りが、、、」

怒ったドンイルがグラミを殴り、、ドンサムが兄を殴り、ドンイも参戦、、、乱闘騒ぎになった。

ドンサムの奥さんが警察に、義理の兄たちが夫と娘を殴っていると通報した。


法廷:

裁判長が、原告を見て「ケガを?娘さんもですか?」と聞いた。ヨンウが

「裁判長、2人のケガについて、書面と証拠を提出します。被告は先日、原告とその娘に暴行して、全治2週と1週のケガを負わせました。民法には、受贈者が贈与者や家族に犯罪を行なった時、贈与の取り消しが可能です。よって原告は、被告との贈与契約を解除します」と。

被告側の弁護士が「被告が暴行をは働くように仕向けたのでは?」と反論したが、ヨンウは「証拠はありますか?」と述べた。

被告側弁護士は「やられました、、」と兄たちに言った。


ジュノは、ヨンウにぜひ見せたいものがある、と大会議室に案内した。

壁一面に大きなクジラの写真が、、ヨンウは、感激で声が出ず、涙ぐむ。そんな彼女を優しく見つめるジュノ。


ハンバダで、グラミと父、ヨンウが待っていた。そこに長兄と次兄が入ってきた。

二人は床に膝をつき「ドンサム、悪かった」と謝った。「俺は事業で借金を抱えていて、ドンイはしがない月給取り、そんな時、補償金が出ると聞き、兄弟で分け合うのも税金を払うのも惜しいと、、バカのことをした」と。

ドンサムは「座ってください。法律的に100億ウォンは俺の物だと。でも俺は2人とは違う。税金を差し引いたあと、3兄弟でぴったり3等分する。どうです?」と聞いた。

2人の兄は、ドンサムにお礼を言った。

ヨンウは税金について説明し「差し引くと残りは60億400万ウォン、お三方それぞれ約20億受け取れます」と合意書を渡し、よく読んでサインしてくださいと言った。


ヨンウは、チョン弁護士に会いにいき「今日から出社してもいいですか?」と言うと「どうぞ」と。

ヨンウは、自分の部屋の前にネームプレートを入れ、部屋に入って喜びを表した。


数ヶ月前の雨の夜、ハンバダのハン代表が、ヨンウの父を訪問していた。

父は、代表の大学の先輩だった。「お嬢さんがうちに志願したでしょ。ハンバダへよこして」と彼女は言った。一度不採用になっていると躊躇する父に「人事のミス。ロースクールを主席で卒業して、司法試験をほぼ満点で合格した人材よ、ハンバダ以外のどこが採用するの」と。父は娘の自閉のことを言い、それでどこにも採用されないと。彼女は「知ってるわ、他の事務所もミスしてるってことよ」と言った。

代表は帰りの車で、ネットのヨンウの記事を見ながら「母親そっくりね」と独り言を言った。

感 想

4話もとても良くできた話でした。

3話で ”自分は依頼人の役に立てない弁護士” と思い、退職願を出したヨンウは、親友のグラミから、兄二人にだまされた父親のことで相談を受け、チョン弁護士から、ヨンウが担当すべきと言われて、親友とその家族のために奮闘しました。

ヨンウとグラミの出会いも描かれました。いじめから逃れるために地方の高校へ転校、しかしそこでも”のろま”といじめられたが、”サイコ’というあだ名を持つグラミが助けてくれた。それ以来の親友の二人です。

祖父の法事で、伯父たち二人に酔っ払ったフリをして、言いたいことを言うドラミの演技、最高でしたね。兄二人の暴行で、贈与契約を解除できました。あっぱれ、ヨンウ!!でした。

ジュノは、ヨンウを尊重して見守っています。初出勤の日からジュノはヨンウに優しく、、回を追うごとに二人が親しくなっていく様子がうまく描かれていますね。

その反面、ミヌは、ヨンウが特別扱いされると不満を持っていることも描かれています。


今回再視聴して、雨の夜、ハンバダ代表が父に言った「他の事務所もミスしてるってこと」が、実に正解だったと知ることになりました。なぜなら、ヨンウがいかに優秀な弁護士かを、全話見終わった私は知っているから。例えハン代表がヨンウを採用したのには、何か別の理由があったにせよ、結果的に、ハン代表は大正解だったと言うことですね。

本当に面白いよくできた脚本だと唸ってしまいました。


第5話 ドタバタVS腹黒策

ヨンウは、クォン・ミヌと一緒に”ATM会社の事件を”を担当することになったが、ミヌは事前にヨンウに資料を見せなかった。

ミヌのロースクール時代のあだ名は”腹黒策士”とスヨンが教えてくれた。

ヨンウがミヌの部屋に行くと、5分後に依頼人が来ると、膨大な資料をヨンウに渡した。

依頼人は、イファATMのファン・ドゥヨン部長。チョン弁護士、ミヌ、ヨンウが挨拶したが、彼はヨンウを無視した。

依頼内容はこうだった。

クムガン製品の販売禁止を求めたい。イファATMとクムガンATMは宿命のライバル。リーダースATMもあったが、昨年潰れた。イファが開発した技術を何度もクムガンが盗んだ、カセット(紙幣を入れる箱)も。我々が開発し実用新案も出願した』

ヨンウは話についていけなかった。彼女は「資料は事前に共有してほしい」とミヌに言ったが、彼は「イヤだな、競争相手だから。お互い1年契約だから契約更新を目指さないと」と対抗心を丸出しにした。


法廷:

債務者代理人のクムガン弁護士の主張:

2020年10月、イファATMは現金自動入出金機のカセットについて実用新案を出願したが、技術は盗用。その技術は、2019年アメリカの会社が国際エンジニア展示会で発表したもので無償で公開し、誰でも自由に修正できるようにした。イファATMはこの技術をそのまま用いて、独占すべく実用新案の出願をした。

イファのファン部長は「社員は誰も展示会に行っていない、展示会の存在も知らなかった」と言った。

クムガンの社長は「製造年で言うなら、リーダーズが一番先、2019年に製造した」と言ったが、リーダーズは昨年倒産し、リコールで全商品を回収した為、市場に残っていない。

資料が不十分だと言うことで、判定は次回に持ち越された。

ヨンウはファン部長に、クムガン社長が言ったことは本当かと聞いたが、彼は無視して出て行った。ミヌが「依頼人を問い詰めないように。ドタバタ ウ・ヨンウだな」と言い、怒ったヨンウは「この腹黒策士 クォン・ミヌめ」と。

廊下で、クムガンの社長とファン部長が言い争っていたが、誰にも、どちらががウソを言ってるのかわらない。


ヨンウは、イファに行く途中で、ジュノからウソを言う人の典型的な態度を聞いた。

脚が震えたり、手汗をかいたり。落ち着かない座り方や、腕を体につけたり、太ももをしきりになでる など”

その頃、ミヌはリーダーズの元社員と会っていた。「リーダーズが2019年に公開された技術で、その年の10月にカセットを作った、イファと同じもの。会社が倒産し全部廃棄されたので、もう市場には出回っていない」。


ヨンウとジュノは、ファン部長から、開発を担当した研究開発部のぺ・チーム長を紹介された。

しかし、開発の中核と紹介されたチーム長は、ヨンウの質問に明確に答えられず、落ち着かない様子で、ウソをつく人の特徴を全て態度に表し、おまけにしきりに鼻を触った。

彼の前職は”舞台俳優”だったらしいが。

その時、ファン部長にミヌから電話があり「製品は全て廃棄された、だから心配無用。クムガンが反対しても提示できる証拠がない」と。

ヨンウはミヌの電話内容を理解した上で「ぺ・チーム長が、開発過程を話せばより効果的。今回は仮処分事件なので用語が独特。証人はなく参考人、参考人は宣誓をしない、偽証しても罪に問われません」と。

そしてヨンウは、チーム長に、ウソだと疑われないように、質問を受けた時の態度を厳しくコーチした。


法廷:

ヨンウが、ぺ・チーム長の参考人尋問をした。

ピシッとスーツを着たチーム長は、ヨンウが会社であった時とは別人のように、落ち着いて答えた、まるで演劇の舞台のように。そして最後には感極まって涙まで流した。

クムガンの社長は耐えきれず「こんな猿芝居、こいつらのウソを暴く。リーダーズのカセットが見つかれば」と言ったが、、。


後日、”仮処分が認められた”とファン部長が上機嫌で事務所に来て、ヨンウの部屋の壁に、”金運アップのヒマワリの写真”を勝手に掛けた。

郵便物が届き、クムガンの社長からの手紙が、、大急ぎで、ミヌの部屋に行った。

弁護士さんへ

何度も言いましたが、あの技術は展示会で公開されたもの、クムガンのインファもそれを用いました。インファはこれを独占しようとしたのです。真実をお分かりのはず。

製造と販売の禁止が長引けば、イファより零細な我が社は潰れます。

勝つだけの有能な弁護士になりたいですか。

真実を求める立派な弁護士になりたいですか。

ミヌには、手紙は届いてなかった。

ヨンウは「これが真実なら、何かしなくては」と言ったが、ミヌに

「依頼人の望み通り仮処分が決定した。依頼人を疑うならなぜ引き受けた?策士はウ弁護士でしょ。参考人のコーチを?相当練習させたでしょ。真実が何だろうとやると決めたら信じることが、依頼人に対する礼儀だ」と言われた。

ヨンウは何も言えずに自分の部屋に戻り、手紙を引き出しに入れた。

クムガンは仮処分で製造も販売も禁止され、会社には投資家たちが乗り込んできていた。


ヨンウは、スヨンと食堂でランチを。今日は、のり巻きの日。スヨンが、私にもあだ名をつけてと言うとヨンウは、

「あなたは、春の日差しみたい。ロースクール時代から、講義室の場所や試験範囲を教えてくれ、私がからかわれないようにしてくれた。今もフタを開けてくれて、のり巻きの日は教えると言ってくれる。明るくて温かくて思いやりにあふれた人。春の日差し チェ・スヨン」と。


クムガンがリーダーズのカセットを見つけ、『仮処分異議申し立て』の現場検証が行われた。

現場には、裁判長、クムガン社長と弁護士、イファの部長とチョン弁護士、ミヌ、ヨンウが立ち会った。

リーダーズの現金自動入出金機イファが開発したと主張するカセットを比べると、外見も、内部設計も似ていた。リーダーズの製造日は2019年10月23日、イファが新案登録を出願した2020年10月より1年も前に作っていた。

クムガンの弁護士は「イファは新案登録を取る資格がない。クムガンの販売禁止仮処分の取り消し」を求めた。


チョン弁護士がイファの部長に「仮処分は取り消しになりそうで、新案登録も通らない可能性が高い」と話すと、部長は上機嫌で「銀行との契約を終えたので影響ない。クムガン社長は契約を取られたことを知ってるはず、今回は大打撃だろう、リーダーズみたいに倒産するかも」と言った。

ヨンウは、彼女を見ているクムガンの社長と目が合った。

事務所に戻ったヨンウは、ジュノに

「結局私はイファに法を利用させた、全て契約を独占するため。私は真実を知りながらも目を背け、自分をだましました、勝ちたくて、恥ずかしいです」と言った。

ヨンウはヒマワリの写真を壁から外し、クムガン社長の手紙を壁に貼った。

弁護士さんへ、真実をお分かりのはず。真実を求める立派な弁護士になりたいですか”

感 想

第5話は、ヨンウには中々苦い経験になりました。

裁判に勝つ為に、真実を知りながらも目を背け、自分をだましたことを恥じるヨンウ。ヨンウはこの事件と、彼女に厳しい手紙を書いてくれた”クムガンの社長”のことを一生忘れないでしょうね。

腹黒策士のミヌですが、彼の言うことも一理ありました。この時の彼は「勝つだけの有能が弁護士になりたい」と思っているのでしょう、、彼も変わっていきますが。

春の日差し チェ・スヨン” ほんとに素敵なあだ名、その通りの人なのでしょう。ヨンウはちゃんと人を見ていますね。ヨンウにそう思われていることを知ったスヨン、、とても感激してました。

5話も良い話でした。


第6話 私がクジラだったら、、、

ヨンウは、チョン弁護士から、スヨンが担当する”公益案件:強盗傷害罪の脱北者”を手伝うように頼まれた。但し、スヨンが被告人に感情移入しすぎて熱くなっているので、”どうどう”と落ち着かせるようにと言われた。

ヨンウは、スヨンと一緒に拘置所の被告人”ケ・ヒャンシム”さんに会いに行った。

ヒャンシムは、拘置所の生活を、寝食を提供してくれるホテルのよう、でも娘のハユンに会えないことだけが少しつらいと言った。

事件の概要

被告ケ・ヒャンシムは、5年前、脱北者ブローカのチェ・ヨンヒに1000万ウォンの返済を求めた。

チェは直接返済するのではなく、お金を持ってるイ・スニョン(脱北者ではない)の所に行くよう言った。

ヒャンシムキム・ジョンヒ(脱北者で同い年、チェの紹介)は、イ・スニョンの家にお金を受け取りに行った。スニョンには会ったことはない。

問題は、チェにも返済しないスニョンが、素直に2人にお金を渡すかだった。2人は強気で行くと、家の前にあった棒とレンガを持った。

家に入るなり、ジュンヒは棒で物を割り脅した。逃げようとするスニョンをヒャンシムが「お金を返しなさい」と素手で叩き、乱闘騒ぎ。

階下に住んでいる大家さんの通報で、2人は現場で逮捕された。

「キムさんは懲役4年の判決を受けたが、ケさんはなぜ裁判前に逃亡を?」とヨンウは聞いた。

「私には娘がいるから。ハユンはまだ3歳だった。脱北者だから頼れる人がいない。夫は、娘が生まれてすぐ事故で死んだ。母親も友達もいなくて、娘の面倒を見てくれる人はいなかった。施設に預けたら私のこと忘れちゃうでしょ、8歳になったから、預けて出頭した。迎えに行った時、覚えててくれるはず。小学生になるから逃げていられない、罪を償って出てこないと」とヒャンシムは言い、

「逃亡後は、モーテルの掃除をして、そこの空き部屋を借りてた。ハユンには申し訳なかった、幼稚園にも遊び場にも行けず、部屋に閉じこもってた」と涙を流した。「でもお母さんと一緒で幸せです」とヨンウは言った。

「懲役4年の判決を受けたら、弁護士さん、ハユンと一緒に1回だけでも面会に来てくれない?」頼むヒャンシムに、ヨンウは立ち上がり「弱気にならないでください!」と。

事務所に戻って、ヨンウは、チョン弁護士の机をバンと叩き「執行猶予付きでなければいけません!」と言い、スヨンと一緒に拳をあげた。

「熱い!被告人には、魔性の魅力があるんだな」とチェ弁護士はあきれ、「強盗傷害罪の法定刑は、最低7年以上の懲役刑。判事の裁量で減刑できる上限は刑期の半分3年6ヶ月。でも3年以下でないと執行猶予は付かないから、刑の軽減の理由を見つけなくてはならない」と言った。


ヨンウとスヨンは、5年前にキム・ジュンヒを担当した弁護士に話を聞いた。

イ・スニョンが暴行を受けた写真を見せ「顔の傷が、小柄な女性が短期間でくわえた割には、ひどいのでは?」と聞いた。弁護士は「刑事事件で一番力を持つのは医師の診断書。ほとんどは患者の発言に基づいて書かれる、客観的なテスト結果を伴っていないから覆すのは難しい」と言った後、「ああ、診断書を作成した医者のコラム、脱北者に関する内容に偏見が感じられる。コラムのタイトルは”脱北者に暴行された女性が訪ねて来た”」とスマホ見せた。


ヨンウ、スヨン、ジュノの3人は、被害者のイ・スニョンの家の近くに来た。

男が大声で部屋から出てきた。「お金を返して」と追いかけてきたスニョンに殴る蹴るの暴行を加えた。下の大家さんが通報していた。

ジュノが大家さんに話を聞くと「上のご主人が毎日物を壊すから怖くて寿命が縮まる。追い出したいが、殴られてる奥さんが不憫で、我慢してたら5年も経った。騒ぎがあるたび通報する」と言った。

スヨンはスニョンに声をかけたが出てこなかった。大家さんが事件前も通報したかもしれないと記録を調べることにした。


法廷:最初の裁判長、検察、弁護士の顔合わせ。

スヨンが「被害者のイさんを証人として申請します」と言うと、検察は「反対尋問は5年前に終えている」と反発。ヨンウは「公平な裁判を受けるのは国民の権利です」と。

突然、裁判長が「弁護人の本貫はどこですか?」と聞き、ヨンウはなぜそんな質問?と言う顔をして答えた。検察官が「裁判長の本貫は豊山のリュ氏では?由緒正しき姓でしょ。私も広い意味で同郷です」と言うと裁判長は気分を良くした。

スヨンが「私は、原州のチェ氏です。チェ・ボヨン判事も原州チェ氏で、私の父です」と言った。裁判長は「チェ部長判事は私が目をかけてる後輩だ」と機嫌を良くして、被害者の召喚を承認した。スヨンの作戦勝ち!


法廷:

被害者、イ・スニョンが証人に呼ばれた。顔にひどい傷がある。スヨンが尋問した。

「2017年、事件の2日前にご主人の暴行で警察が出動した、覚えていますか?イさんの傷が、被告人の暴行によるものか、夫によるものか見極めたい」と聞いたが、証人は「5年前のこと、覚えていません」と答えた。

被告人のヒャンシムが立ち上がり「あんな風に殴っていない。私に罪をなすりつけようと、ウソつき!」と興奮して口走ってしまい、悪い印象を与えてしまった。10分休廷となり、証人は帰された。

ヨンウたち弁護士チームは、「裁判は減刑を得るためのもの。娘さんに早く会いたいのなら、私たちに協力を、どうどう」と彼女の気を鎮めた。

公判再開。

次の証人は医師、まず検察側から尋問。

医師は作成した診断書、”頚椎の捻挫と緊張により14日間の治療が必要” 読み上げ、「これらの原因は、あの被告人と共犯者による暴行でしょう」と言った。

ヨンウによる弁護人反対尋問。

「事件の2日前、被害者の夫が暴行を働き、警察が出動した。被害人のケガが、夫の暴行の可能性があると思いますか?」との質問に、医師は「いいえ、被告人のせいだと思う。傷を見ればわかる、私は医師です」と答えた。

ヨンウは、彼が書いたコラムを出して来た。タイトルは 『脱北者に暴行された女性が訪ねて来た』

犯罪集団と化している脱北者たち” から始まり、証人は ”脱北者は重大な社会問題、政府が脱北者に支援金を出すのは、犯罪者に犯罪激励金を与えるのと同じ”と述べていた。

証人は「私の偏見ではなく統計が物語っている。平凡な韓国人男性をDV男に仕立ててまで、脱北者を助けるのは正しいことですか?この裁判も国民の税金で行われているんだから、韓国人を助けるべきです」と言った。

陪審員たちが不愉快な表情をした。裁判長は「脱北者も韓国国民です、だから裁判もしてる」と言った。


ヨンウたち3人が社員食堂で食事をしているところに、チャン弁護士がすごい剣幕やってきた。

チェン弁護士に向かって、「この大バカ!医師団を顧客にするためにどれだけ苦労したか。お前のせいで”正義なる医師団”を逃した”。医師団の幹部と知らずに証言させたのか?」

”医師団幹部が問題発言”とネット記事のコピーがテーブルに。

「新人の公益案件だったんだろ。たかが公益案件のせいで、数十億の顧客を失ったんだぞ。助けるどころか、迷惑をかけやがって、会社の心配もしろ」と大声で怒鳴って出て行った。

スヨンとヨンウがチェン弁護士に謝ると、「新人が謝るな、悪いのは私だ。でも”たかが公益案件” とか ”たかが脱北者” とか考えるのはよそう。数十億が入る案件ではないけど、頑張ろう」とチェン氏は二人を励ました。スヨンとヨンウは感動した。


スヨンは、減刑になる法律はないかとヨンウに聞いたが、ヨンウの頭の中のコンピューターにはなかった。

しかし最後の公判で、ヨンウたちは、北朝鮮の法律を根拠に、被告人はそちらの法律に慣れていたと減刑を試みたが、強引すぎて失敗した。

あとは、判決宣言を待つだけとなった。

しかし、ヨンウは「まだ試していないことがある、”違憲法律審判” 、裁判長に会う」と。

裁判長に会うのには許可証がいる。スヨンが気転をきかせ「8階のチェ・ボヨン判事に会いたいです。娘です、個人的な用事で」と言って許可証をもらい、担当のリュ判事に会いに行った、、判事!!!

ヨンウが手を挙げ「裁判長、弁論の再開を申請します」と言ったが、判事は「陪審員が評議に入ってる、認めません」と。

ヨンウたちは部屋まで押しかけ、「強盗傷害罪で裁くのは違憲」と訴え、「勢いだけで裁判をしているのか」と判事を怒らせてしまった。

ヨンウは最後に、「ケさんが偉大な母だから、母クジラのように(小さな声で)。子供を見捨てないために5年も逃げていました。母性は減刑の理由にならない。でも母親を忘れない年齢まで娘を育てれば、また娘に会えると信じ耐えてきた。偉大な母親の気持ちがあります。どうかお察しください」と言い、スヨンと一緒に深く頭を下げた。

リュ判事は「今のは法定外での議論、これ以上聞かないし判決にも影響しない。弁論の再会も認めません」と言い、2人は出て行った。

「捕鯨では子クジラを先に殺す方法が有名。子クジラにモリが刺さって苦しそうにするそばを母クジラは絶対離れない。痛がる子供を見捨てられないの。そこに母クジラに向かって二本目のモリを投げる。もし私がクジラだったら、母親に捨てられなかった?

ヨンウは言った。スヨンは驚いた顔をした。


判決宣言:

まず、陪審員の評議の結果が、伝えられた。

『陪審員7名、満場一致で有罪。量刑に関して、満場一致で懲役4年』

次に裁判長による判決が言い渡された。

主文、被告人を懲役1年9ヶ月に処する。ただし判決日から3年間は、刑の執行を猶予する。被告人には、保護観察に付することと80時間の社会奉仕を命じる。

被告人は、被害者に暴行脅迫し財物を奪おうとした、犯行後に逃亡したことを考慮すると厳罰に処するべきである。

しかし被告人は脱北者として、韓国の法律や規則に不慣れであること、初犯であること、何より5年は経過したものの自分の罪を忘れず償うために出頭したこと、これらを考慮して減刑とする。

ヨンウとスヨンの顔に、驚きと喜びが広がった。2人は”出頭”が減刑になることを忘れていたのだ。裁判長の”ベテランの妙手”、と二人は感嘆した。ヒャンシムは「ありがとうございました」と涙を流し何度も何度も頭を下げた。


ヨンウは、スヨンの買い物にデパートについて行き、テ・スミとすれ違ったが、、、2人とも気づかなかった。

感 想

6話、またまたいい話で、よくできていました。それぞれのエピソードに、色々な要素が含まれていることに驚きます。

今回の被告人、ケ・ヒャンシムさんの娘を思う気持ちに、スヨンとヨンウは心を動かされて、弁護をしました。ありとあらゆる方法や手を使って、執行猶予を勝ち取ろうと最後まで奮闘しました。

そして、最後のリュ裁判長の判決に泣けました。

ヨンウたちは、”出頭という減刑の基礎中の基礎” を見落としてました。しかし、裁判長はさすがベテラン、肝心なところは押さえています。

リュ裁判長、12話でも裁判長として再登場して、ここでも”豊山のリュ氏”が話題になり面白いです。

脱北者に偏見を持っている医師の登場。その医師が所属する医師団が、弁護士事務所ハンバダにとっては、VIPの顧客だった、しかしこの裁判で顧客を逃した。この話が入っていることで、大手弁護士事務所のリアルが表現されたと思います。

すごい剣幕で怒ってたチャン弁護士チェン弁護士と同期でライバルで正反対の性格。このチャン弁護士が、最後の15話と16話でヨンウに絡んできて、お互いに苦労します(笑)。彼のキャラもドラマを面白くしてると思います。

6話、”私がクジラだったら、、、” 意味深なタイトルでした。ヨンウは母に捨てられた傷を持っています。

最後にデパートですれ違いますが、お互いに気付きませんし、その前に、お互いの存在を知りません。

7話以降で、2人は出会います。その過程も、とてもいい話になっています。

最後までお読みいただきありがとうございました。


Drama
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コメント

  1. torisugari より:

    脱げたウェディングドレスで精神科行ってた理由って結局同性愛だったからって解釈でいいんですか?

    • yknetworks より:

      torisugari様

      コメントをありがとうございます。
      花嫁が精神科に行っていた理由が、同性愛だったからかどうか私にはわかりません。でも、ドラマを視聴した各自が、それぞれ自由に想像、解釈すればいいのではと思います。

      これからもよろしくお願いします。