Netflix『クジャクのダンス、誰が見た?』キャスト、相関図、全話 あらすじと感想 *ネタバレあり

2025年1月24日から配信の日本ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』、奥が深そうなドラマが始まりました!

タイトルはインド哲学のことわざから来ているそうです。 ”ジャングルの中でクジャクが踊っているのを誰も見ていなければ、それは存在していないのと同じなのか”という深い問い。何の予備知識もなく1話を視聴してワクワクしました。

あらすじを紹介しながら、感想や考察を書いていきたいと思います。

*ネタバレあり

登場人物とキャスト

山下心麦(やました こむぎ):広瀬すず

松風義輝(まつかぜ よしてる):松山ケンイチ


波佐見幸伸(はさみ ゆきのぶ):森崎ウォン

阿南由紀(あなん ゆき):滝内公美

秋貞隆雄(あきさだ たかお):絃瀬聡一

赤沢 守(あかざわ まもる):野村康太

ありさ:           清乃あさ姫

西陣 誠(にしじん まこと):斉藤 優

染田 進(そめだ すすむ):酒井敏哉


遠藤友哉(えんどう ともや):成田 凌


遠藤力郎(えんどう りきろう):坂向 芳

赤沢 正(あかざわ ただし):藤本隆宏

赤沢京子(あかわざ きょうこ):西田尚美

山下静香(やました しずか):仙道敦子

木村夏美(きむら なつみ):原 日出子


山下春生(やました はるお):リリー・フランキー


神井 孝(かみい たかし):磯村勇斗

『クジャクのダンス、誰が見た?』相関図

第1話 最愛の父が遺した秘密ー時代を超えた無上の愛が、今動き出すー

クリスマスイブ、山下心麦こむぎは父の山下春生と屋台のラーメンを食べた。心麦は21歳の大学生。

心麦はその後サークルの飲み会に行った。終わったら父が迎えにくると言ったのに、駅に父の姿はない。

心麦は家に向かって歩きだすと、救急車と消防車が家の方向に向かって行った。心麦は走り出した、我が家が燃えていた。


父 春生はその火事で亡くなり、葬儀が営まれた。伯母の木村夏美が親族として心麦の横に座った。

春生は元警察官だった。葬儀には春生の後輩の赤沢正と妻の京子が来ていた。火事の原因は放火で、犯人(容疑者)はすぐに捕まっていた。容疑者は、春生と赤沢が検挙した東賀山事件の犯人の息子だった。

帰りのタクシーの中で、伯母の夏美は、春生の保険金について、しばらく心麦のお金を自分が管理してあげると言った。

心麦はアパートでひとり暮らしを始めていた。

心麦は、春生の放火殺人の容疑者についてネットで調べた。

遠藤友哉容疑者。22年前、一家6人が殺害された東賀山事件で死刑判決を受けた遠藤力郎 死刑囚の息子”。


心麦はうたた寝し、夜10時過ぎに目覚め、父と通ってた屋台のラーメン屋に行った。

店主は、「心麦ちゃんに渡すものがある、あの夜 山下さんから預かった」と、A4サイズの封筒を心麦に渡した。中には300万円手紙が入っていた。

手紙には、”私が想定する最悪の事態、私が誰かに殺されたとして、以下に挙げる人物が逮捕されたとしたら、三木田辰雄、津寺井幸太、遠藤友哉、、、その人は冤罪です。”と書かれていた。


翌日、心麦は封筒を持って弁護士の松風義輝を訪ねた。父の手紙の続きに、”以下に挙げる人物が逮捕されたら、松風義輝 弁護士に弁護を依頼してくださいとあり、300万円はそのための費用だった。

心麦が松風に、父との関係を聞いたが、彼は、全く春生を知らなかった。松風は、その手紙が、本当に心麦の父が書いた物なのかを疑っていた。心麦は松風に、遠藤友哉の弁護をお願いしたが、松風は依頼を断った。「遠藤が本当に殺していたら?父親を殺したかもしれない人のためにお金を払い、弁護士をつけるなんて異常行為」と。

2人の会話を盗み聞していた波佐見幸伸は、「断ってよかったの?」と松風に聞いた。


心麦は赤沢に呼ばれて警察に行った。赤沢は東賀山事件について話し始めた。

2002年7月7日、被害者の林川さん一家6人は、手足を縛られ らせん階段につるされていた。当時生後半年の次女は、別の部屋にいて奇跡的に助かった。逮捕されたのは遠藤力郎 当時40歳、事件の第一発見者だった。逮捕の決め手は、犯人しか知り得ないことを力郎が供述したから。息子の友哉は身寄りがなく養護施設に入れられた。施設でひどいいじめに遭っていたらしい、そのストレスか、施設に火をつけようとしてボヤ騒ぎを起こした。その後施設を出て二度目の放火、職場の上司の家に火をつけた。つい最近まで服役していて出所した。友哉は、自分が理不尽な目に遭うのは、父親の罪をでっち上げた警察のせいと思い、捜査の中心にいた山下さんに怒りの矛先が向いたんだろうと言った。

心麦は、「遠藤が黙秘しているのはやってないからなのでは?」と聞いたが、赤沢は「間違いなく犯人だ」と断言した。


松風義輝は遠藤友哉の面会に来た。


心麦はどうしていいか分からず、川辺のベンチに座っていた。子供の頃のことを思い出した。

「友だちがお母さんからもらったスカーフを学校に持ってきた。昼休みのあとスカーフが切られてボロボロにされていた。それを私のせいにされた、お母さんがいないから」と泣いて父に話した時、

「心麦のこと信じるよ。今、スカーフを切った子は逃げおおせたって思ってるかもな。その子はスカーフを切っちゃった事実といずれ向き合わなきゃいけない。クジャクのダンス 誰が見た?”って言葉があるんだよ」と父が話してくれたことを。

心麦は父の手紙をくしゃくしゃにして川に投げようとしたが、そこに松風が現れ、止められた。彼は、「遠藤友哉に会ってきた」と言った。

「”クジャクのダンス 誰が見た?“って言葉知ってますか?」と心麦が聞くと、松風は驚いた。

「昔 父に教えてもらった話、ジャングルの中でクジャクが踊っているのを誰も見ていなければ、それは存在していないのと同じなのかという問い本当のことを知ってるのはクジャクだけだと。クジャク自身が自分にウソをついたとしても踊っていたという事実からは逃れられない。あの言葉は父自身にも向けていたのかなって」と心麦は言った。

松風は、「遠藤は何も言わなかった。最後に、沈黙の理由を聞いた時、”理由を知ってるのはクジャクだけです”と彼が言った」と心麦に話した。

松風に、なぜその手紙が信じられるのかと聞かれて、心麦は「父が書いたから、ずっと一緒にいて私のこと信じてくれた父だから、私は信じる」と答えた。

松風は依頼を引き受けた。


心麦は、夜、まだ立ち入り禁止のテープが貼ってある焼け残った自宅に来た。

宝物の缶が残っていた。中には思い出の小物、親子3人の写真などがあった。父の字は同じ字だった。

誰かが入って来た。心麦は隠れたが見つかってしまった。男は、「週刊ジダイ」の記者で神井と名乗ったが、心麦は必死で逃げた。そして赤沢に電話して、男の名前を言った。


翌日、心麦は松風の事務所に行った。松風と同じ弁護士の波佐見幸伸から挨拶を受けた。

心麦は、「”週刊ジダイ”の神井孝をネットで検索したら、東賀山事件の記事書いた人。出版社に電話したら、今日の4時に空いているそうだ」と話した。

波佐見は、心麦にコーヒーとプリンを出した。

松風は、近々もう一度遠藤に面接にいく。本当にこのまま進めるか?と念を押した。「もし遠藤さんがあなたの父親を殺してたとしても、僕は刑事弁護人、彼がやってないと言うのならそう主張する。1人の無実の人が苦しむ可能性があるなら、10人の真犯人を逃す方がはるかにマシ。真犯人を取り逃す不正義と冤罪被害者を処罰する不正義は質が違う」と言った。

冤罪は悲惨だ、一度でも疑いを浴びたら、たとえその罪が晴れたとしてもずっと残る。汚れじゃないどす黒いものが自分の中に染み込むんだよ」と言って、松風はコーヒーをプリンにかけた。プリンの表面を黒いコーヒーが覆った。「こうなっても、これはプリンと呼べるか?あなたがしようとしている行為はもっと残酷だ。自分の父親を殺したかもしれない犯人を野に放とうとしてるのかも」と言った。

波佐見は、「心麦ちゃんがこれから見たくないものを見て、知りたくないことを知ることになるかもしれない、お父さんのことだって、、それを心配しているんだ」と松風を代弁した。

心麦はコーヒーがかけられた黒いプリンを食べた。そして「これは、、プリンです。父も冤罪を恐れていたから、私にこの手紙を残したんだと思う」と言った。

松風も黒いプリンを一気に食べて、「お父さんを信じる君を信じるよ」と言った。


心麦は帰り、週刊ジダイの事務所に来て神井孝に会った。「なんで私の家に?」と聞くと、「あなた、山下さんの本当の娘じゃないですよね?」と神井は言った。

「何 言ってるんですか?」と心麦。

「今の話、詳しく聞かせてもらいましょうか」と松風が現れて言った。

感 想

最初の映像から引き込まれました!脚本もすばらしいと思いました。

奥が深そうなドラマで、一体これから何が起きるのだろうという期待でいっぱいです。

1話目から印象的な場面がたくさんありましたし、俳優さんもすごくいいと思いました。

”クジャクのダンス 誰が見た?”について、心麦が父に聞いた話を松風にする場面、深い話ですね。

また、「真犯人を取り逃す不正義と冤罪被害者を処罰する不正義は質が違う」と言う松風のセリフは重く、心麦がコーヒーがかかったプリンを食べた後で、「これはプリンです」と言った後、秋風がそのブリンを食べたシーンに、秋風の覚悟が現れていると思いました。「これはプリンです」は、「黒いものが染み込んだとしても、無実は変わらない」と言う意味かなと思いました。

22年前の一家6人が殺害された事件で、1人奇跡的に助かった生後6ヶ月の次女心麦で、山下春生と奥さんで彼女を育てたのでしょうね。

伯母の木村夏美の冷たい感じも合点がいきました。この伯母さん、信じられません、、。

次回からの展開がすごく楽しみです。

第2話 地獄に堕ちても知りたい秘密ー死刑囚父子が掴んだ光

神井は心麦に「あなた、山下さんの本当の娘じゃないですよね?」と言ったが、理由を聞かれると、「似てない。勘です、でも僕こういう時の勘、外さないんです」と言った。

神井は心麦と取り引きを持ちかけた。彼女がインタビューに応じてくれれば、その対価に山下春生の秘密を渡すと言い、心麦は動揺した。

松風は、心麦が危なっかしいのを心配し、自分の事務所でバイトをオファーし、心麦は引き受けた。彼女は、明日は赤沢に会いに行くが、父の手紙を見せてもいいかと松風に了承を取った。


遠藤友哉は刑務所の中で子供の頃のことを思い出していた。

父は腕のいい植木職人だった。その頃は母と3人で暮らし、一番幸せな時間だった。しかしある日、母は父と幼い友哉を置いて家を出て行ってしまった。それから友哉は父と二人で暮らした。数年後、東賀山の住宅で林川さん一家6人が殺害されるという事件が起きた

友哉はノートに何かを書き、松風弁護士を呼んでほしいと看守に頼んだ。


心麦は赤沢の家に行った。

赤沢に父の手紙を見せたが、赤沢は、「犯人は遠藤友哉で間違いない。事件の数日前、遠藤が山下さんと会っていた、この手紙は遠藤が山下さんを脅して書かせた可能性がある」と言った。心麦は、「それでも私は父を信じる、遠藤友哉は犯人ではないと思う」と言った。赤沢は手紙を預かった。

京子が懐かしい写真を心麦に見せた。子供の頃、心麦の家族と赤沢の家族で月見をした時の写真だった。


松風は遠藤友哉の面接に行った。

遠藤は「私が山下春生を殺した、、、と言っても、弁護士料を払ってくれるかな、山下心麦さんは?」と言った。松風は遠藤が心麦の名前を知ってることに驚いた。「なぜその名前を?」と聞いたが、彼は答えず、「ノートにやってもらいたいことを書いたんで読んでください」と言って面接を終えた。

そのノートには、こう書かれていた。

  • 父親との面接
  • 週刊ジダイの神井さん(信頼できる)と連絡をとって、あなたを弁護人にしていいかどうか聞いてください。
  • 神井さんへ、この人が信頼できそうなら、あの資りょうを渡して下さい。

翌日、心麦は松風の事務所に来て、遠藤と神井が繋がっていたことを知った。

松風は一刻も早く遠藤の弁護を引き受けたいが、そのためには神井に連絡しなくてはならない。しかし、そうなれば、神井が心麦にインタビューをさせろと取引を持ちかけてくるのを懸念していた。が心麦は「平気です。松風が横にいて、クジャクのいるジャングルまで連れて行ってくれるんでしょ」と言った。

松風は神井に連絡、午後9時に彼が事務所に来ることになった。

心麦は松風を誘って屋台のラーメン屋に行き、父の手紙とお金をラーメン屋の店主が預かってくれていたことを話した。松風はラーメンに満足した。


遠藤は刑務所で、東賀山の事件当時のことを思い出した。

友哉がニュースで東賀山のニュースを見た日、父は友哉に、「俺が通報した、林川さんの家に庭の手入れに行ったらひどいありさまで」と話した。

翌朝、遠藤のアパートの前に記者たちがたくさん集まった。

力郎は、「第一発見者として当時の様子を聞きたい」と言う女性の記者を家に入れてインタビューに答えたが、出た記事には、『第一発見者の男性が事故現場で窃盗か?』という見出しの共に、力郎と林家の間に金銭トラブルがあったという内容になっていた。

その後、力郎は”強盗殺人の容疑”で逮捕された。

友哉も記者にインタビューされ、「父をかばう必要はない、同情しているよ、あんな父親のもとに生まれてかわいそうだ」と言われた。

それからすぐ、力郎は自白した。

友哉はいじめにあった。知らない女性が呼び止め、お母さんからよと手紙を出した。そこには、「今は無理だが、必ず迎えに行く」と書いてあった。

その後、友哉のインタビュー記事も出たが、「父はギャンブル狂いで、毎日は地獄でした」と友哉の話とは全く違う記事になっていた。

友哉は母の手紙にあった番号に電話したが、通じなかった。友哉は手紙をライターで燃やした、それが地面に落ちてボヤ騒ぎになった。

遠藤力郎に死刑が言い渡され、友哉は”死刑囚の息子”になった。

大人になり就職したが、会社に、”東賀山事件の犯人の息子”と匿名の電話があり友哉はクビになった。

友哉は、職場の上司の家に火をつけて警察に捕まった。

警察は、「事件の3日前に近くの倉庫を燃やしたのもお前だな」と言った。友哉は「知らない」と否定したが、警察は友哉がやったと決めつけた。「調書にサインさえすれば悪いようにはしない」と。

あの時、わかったんだよ、親父のことが。親父はきっと、、罪を犯してない、ただ、疲れたんだ。親父悔しかったよな

友哉は刑務所の窓から見える満月に手かざした。が、”俺には差し込む光などない”と思った。


同じ頃、心麦はラーメン屋から帰り道で、空に見えた満月に手をかざした。

神井が事務所に来た。松風は、神井と心麦を接触させないようにした。

松風は神井に遠藤友哉から受け取ったノートを見せた。

神井は松風に「依頼して来た人間が誰なのか?」と聞いたが、松風は守秘義務で言えないと。

神井は、「東賀山の件で友哉と数回あっている」と言った。そして心麦に、「プレゼントです。受け取ってくれたら、”あの資りょう”を渡す」と封筒を差し出した。

心麦は受け取った。中には、”私的DNA型叔母姪鑑定書”が入っていた。

鑑定結果、疑叔母「木村夏美」は擬姪「山下心麦」の生物的叔母である可能性は極めて低い。肯定確率:0.054201%” とあった。

心麦は、自分と叔母の血が繋がっていないことを知った。

神井は、「やっぱりあなたはお父様の子供じゃない。東賀山事件で生き残った当時0歳の林川歌さん、この子とあなたが同年代というのは、偶然ですかねぇ?」と言った。

感 想

2話のあらすじ遅くなりました。3話が配信されてますが、その前に書きました。

ぞくぞくするほど面白いです。

東賀山で逮捕された遠藤力郎は冤罪なのでしょうね。山下春生は、遠藤力郎を誤認逮捕したことを分かっていたと思うのですが。だから自分が誰かに殺害されるかもしれないと予想してた。でも、そうだとしたら遠藤友哉が山下春生を殺害している可能性はある気がしますが、、、。

週刊誌、インタビューで聞いたこととは全然違った記事を書くって、酷すぎ。その記事によって、その後のその人の人生がどんなことになろうが、全く責任も取らない。どんな事件も世間の興味本位で読まれて、そして忘れられていく。しかし記事によって損なわれた人たちの人生は元には戻らない、、。

第3話 逆転ー溢れ出す裏切り者の欲望…私の知らない父の顔

心麦が、”私的DNA型叔母姪鑑定書”を受け取ったので、神井は「明日、”あの資りょう”送ります」と言って帰った。


翌日、警察の赤沢が部下の秋貞に、山下春生の手紙を預かっていた染田(ラーメン屋の店主)を見張り、前科がないか洗うように指示した。

心麦は事務所に行ったが心ここに在らず状態。松風は「今日はまっすぐ家に帰って休むように、誰かに会いに行ったりしないように」と念を押して心麦を帰したが、、。

心麦は鑑定書にショックを受け、河辺でぼんやりしていていた。赤沢京子に声をかけられ、二人でカフェに入った。心麦が京子に、自分は母に似ているかと確認すると、京子は「そっくりよ、心配性なところも静香さんにそっくり。芯があってしっかりしてるところは春生さんに似てる」と言った。心麦はほっとした。

しかし彼女の足は、伯母の木村夏美の家に向かった。心麦から電話を受けた夏美は、神井に電話した。

夏美は心麦が来た理由を、「DNA鑑定に協力したから?」と言い、「やっぱりあなたは春生の子じゃないのね」と言った。そして「腑に落ちたわ。静香さんは子供は難しいと言われてたのに急に妊娠し、それから1回も顔を合わせないままあなたが生まれてた。山下家の血が入っていない以上は、春生のお金は私に任せて」と言った。

心麦が外に出ると、神井が近づいてきた。「山下春生さんはあなたにとってはいい父親だったんでしょうね、ただ他の人から見たらいい人ではなかったかも」と言った。心麦は反発したが、「あなたはお父様の何を知ってるんですか?」と神井が言った。

神井は夏美の家に行き、花瓶に仕掛けておいた盗聴器を回収し謝礼を渡した。DNA鑑定の時も謝礼をしていた。


神井から松風に資りょうが送られてきた、それは音声だった。

ごめんなさい、友哉君にはホントに申し訳ないことをしたと思ってます」と男が言った。

何に対しての謝罪なわけ?」その声は、遠藤友哉だった。

林川さんにも力郎さんにも、とんでもないことをしたと思ってる。神井さんの力をお借りしてすべてをお話ししようと思う」と男が言った。

松風たちは、会話の内容から遠藤に謝罪している男は山下春生だと推察した。会話はそこで終わった。

松風は、屋台のラーメン屋に行き、店主の染田に山下春生を手紙について聞いたが、特に目新しい情報はなかった。しかし東賀山事件のあと、奥さんの病気が分かり、心麦がまだ幼かったので、山下は自ら異動願をだし交番勤務になっていた。松風は帰り間際、染田から心麦のことを頼まれた。

松風はラーメン屋の帰りに心麦を見かけて、どこに行ってたのかと問い詰めた。心麦は、叔母さんに会いに行き、神井と遭遇したと話した。

心麦は、自分が誰のかわからなくなってきた、と混乱していることを打ち明けた。

ネットで東賀山事件の生き残りの林川歌について調べたが、林川歌の生年月日は自分とは違っていた。


赤沢は部下の秋貞から、ラーメン屋の染田と話し込んでいる男がいた、それは遠藤友哉の接見にきていた弁護士だったと報告した。

染田は30年ほど前に野球選手のサインを偽造したユニフォームを販売して逮捕され、シャブも見つかり、2年の実刑判決を受けていた。

秋貞は、’山下春生の手紙は、遠藤友哉が染田に書かせたもの”との見解を述べた。

その時、赤沢は阿南検事から呼び出された。

「遠藤友哉を起訴するために、殺人で再逮捕。弁護人がつく前に割るように(自白を取れ)」と阿南は言った。公判に持ちこたえられる証拠がないから、自白を取れと言うことらしい。

赤沢はしぶしぶ了承した。その後、山下春生が心麦に残した手紙のコピーを検事に渡し、山下が書いたものだとは思わないと見解を述べた。

赤沢は車で待っていた秋貞に、「この仕事長くは務まらん、女には」と阿南検事への不満を漏らした。

一方、阿南検事は、「東賀山の件で山下春生の例の手紙出てきました」と誰かに電話していた。その相手は、染田の屋台でラーメンを食べていた。


翌日、警察官が染田の自宅に来た。染田は警察に行く前に誰かに電話し、警察が来たことを知らせた。


松風たちは事務所でカレーを作っていた。

心麦が役所で、自分の戸籍抄本を取ってきた。一人で見るのが怖いので、松風たちのいるところで見たかったのだ。

父と母の名前の下に、〔続柄〕長女とあった。

心麦は安堵した。もし自分が林川歌なら、”養子”と記載されているはず。あのDNA鑑定書は偽造だと彼女は言ったが、松風は同意しなかった。

彼は、ラーメン屋の染田が前科持ちだったと彼女に話した。お父さんが言ってないことがあると。心麦は、叔母からも神井からも、あなたは父親のことを全て知っているわけじゃないと言われ不安に駆られていた。

3人は屋上で、松風が作ったちくわ入りカレーを食べた。染田が松風に頼んだのだ。

心麦は、母が亡くなった時、何を食べても味がしなくなった。心配したお父さんは、心麦が好きなカレーとちくわを一緒にしたちくわカレーを作ってくれたと、松風たちに話した。

「誰がなんと言おうと、私は父のことも、父が書いた手紙も全部信じる」と涙ぐんで言った。

「それを聞いて安心した。クジャクを見に行くのを付き合うと言ったことを忘れないで」と松風は言った。


染田は警察で、「山下さんの手紙 偽造したな?誰に頼まれたんだ」と赤沢から詰め寄られた。

その時、遠藤友哉が廊下を歩いていた。染田は、取り調べ室の窓から遠藤を見た。2人は視線を交わした。

そして染田は、「山下さんの手紙を偽造したのは俺です」と言った。


男(阿南検事と電話した)が、街頭で「片付いた、ラーメン屋の件は問題ない」と誰かに電話していた。

感 想

3話はすごく難しかったです。いくつかの疑問点を以下に挙げておきます。

  1. 神井から、松風に送られてきた”資りょう”が一番の衝撃でした。山下春生が遠藤友哉に謝罪し、「神井さんの力をお借りしてすべてをお話ししようと思う」と春生が言っているのが。つまり、遠藤力郎は誤認逮捕、冤罪だということなのでしょうか?
  2. 阿南検事、ここで女性の検事登場ですが、女性ということに意味があるのでしょうか?彼女は、赤沢刑事との会話後、誰かに電話して、「山下春生の例の手紙が出てきた」と言ってました。
  3. 彼女が電話していた相手は、初回から度々 後ろ姿が出てきた人物で、3話の最後も電話で話していました。この人物も謎です。
  4. 遠藤友哉と染田が警察で視線を交わして合図していました。2人は面識があるわけですね。

山下春生を殺害したのでは、東賀山事件の真相をマスコミ(神井)にバラされたは困る国家権力が関係しているのかもしれないと思いましたが。

登場人物の関係や事件も複雑で、今後どのように展開していくのかまったく見当がつきません。

第4話 運命が覆う22年間の告白の逆転ー反転する天国と地獄

謎の男が検事の阿南検事に電話していた、「染田は遠藤友哉に頼まれて手紙を偽造したと話してるだろ、もう染田は使えない」と。


1989年、染田は父親から譲り受けた畳屋の社長をしていて、従業員も抱えていた。妻と生まれたばかりの男の子がいた。バブルの頃で、銀行から勧められた設備投資のために多額の金を借りた。しかしバブルが崩壊し二度の不渡りを出し会社は倒産、妻は子供を連れて家を出た。


松風は遠藤友哉と面会し、彼の正式な弁護人になった。松風は遠藤に、録音データを聞いたと言ったが、遠藤は、原本は自分と山下春生が喋っている”映像”だと言った。


赤沢刑事は、松風が遠藤の正式な弁護人になったとの報告を受けた。赤沢は阿南検事に、染田が遠藤友哉に頼まれて、山下の手紙を偽造したと認めたと報告し、山下の手紙に書いてあった松風が遠藤の弁護人になったことを報告した。


松風は神井を喫茶店に呼び出し、録画した映像を渡すように言った。神井は、山下が遠藤に謝っている動画を見せた。「林川さんにも力郎さんにもとんでもないことをした。神井さんの力を借りて全てを話そうと思う。私は当時、東賀山事件の捜査本部の一員で、力郎さんが容疑者として浮上、自ら自白された。しかし力郎さんの死刑判決確定の頃、ある考えが頭から離れなくなった。力郎さんは事件の犯人ではない。今は確証を得ようと、、」とここで録画は終わった。

神井は松風に、「心麦が東賀山事件の重要な鍵で、春生はおそらく真犯人にたどりついていた」と話した。


心麦は親友のありさから話があると呼び出された。

ありさは、法学部の実習で裁判の傍聴に行ってた時、ムギパパ(春生)に何度か会ったと言った。

彼女はムギパパから、スカーフ事件の後も心麦と仲良くしてくれてありがとうとお礼を言われたことを話したが、「実はあのスカーフ事件の犯人は、スカーフを持ってきたエミの自作自演だった。それを知ってしまったが、エミたちの仕返しが怖くて言えなかったことをムギパパに謝った。ムギパパは、”辛かっただろ、心麦は本当にいい友達を持った”と言ってくれた」と話して、心麦に謝った。心麦はありさを抱きしめた。

ありさは心麦に裁判所でムギパパに会った日時を書いたメモを渡した。


お腹が空いた心麦は、染田の屋台に行ったが、まだ開いていなかった。しかし染田が、「約束が違う」と大声を出しているのが聞こえた。心麦は、染田に声をかけた。彼は土下座して「俺、山下さんを裏切った」と泣き、山下との出会いについて語った。

畳が倒産して嫁と子供が出て行った後、染田は死のうとしたが死ねなかった。どん底の時に、初めて会った若者にグチを聞いてもらって、彼から覚醒剤を渡された。一度薬にハマると抜けきれず、染田は薬を買うために、偽ブランドの製造やサインの偽造をして悪に手を染めた。そして警察に捕まった。

取り調べの担当者が、「暑い日に熱いラーメンを食べて、汗をぱあっとかきたいね」と言った、それが山下春生との出会いだった。

春生は「あなたが希望を持って生きていく姿が見たいんだよ」と言った。染田は2年後に出所、ずっと心の中に山下が言った希望って言葉があった。染田は苦しみながらも薬物依存から抜け出し、数年かけて屋台を出した。ある日、山下春生が店に来た。

山下は「これからもしっかり者の弟が、頑張る兄貴を見届けようかな」と言って、二人で笑った。それから山下は妻と幼い心麦を連れて屋台に通った。

俺は山下さんの手紙を遠藤友哉の指示で偽造したってウソついたんだ」と泣いて心麦に謝った。

染田は謎の男から、山下から聞いた話や行動を報告するように指示されていた。男は札束と薬を置いて行った。

心麦は染田に、裏で指示している男のことを聞いたが、染田は「巻き込みたくないから言えない」と言った。しかし彼女は染田に「松風と一緒に警察に行こう、これ以上大事な人を失いたくないの」とと言って、彼を松風の事務所に連れて行った。

しかし染田に電話がかかり、彼は1階で待っていると言った。心麦は事務所に行き、松風と一緒にエレベーターに乗った。

松風は「神井からお父さんが遠藤友哉と話してる動画を見せられた、お父さんは、はっきり言ってた、”遠藤力郎さんは犯人ではない”と。春生さんは真相をつかんでいた。ジャングルへの手がかりは染田さんだ」と言った。しかし、心麦と松風が1階に降りた時、染田の姿は消えていた。


江戸川を流れていた染田は病院に緊急搬送されたが、息を引き取った。

感 想

4話、ほとんどストリーが進んでいない気がします。

染田さんが亡くなったのは気の毒でした。

染田さんも山下春生さんも、警察関係者に殺害されたのでしょうか?

第5話 襲いかかる宿命ー秘められた弁護士の本心

心麦は染田に電話したが、出たのは赤沢だった。心麦と松風は赤沢に会いに行き、染田が死亡したことを聞いた。赤沢は、自殺の可能性があると言ったが、心麦は信じられなかった。松風は「染田が取り調べで、遠藤友哉の指示で山下さんの手紙を偽造したと供述したが、心麦にはその供述はウソであると言った」と話したが、赤沢は「染田の供述調書はれっきとした証拠だ」と強く言った。

心麦は、友達のありさからもらったメモ(ありさが山下春生と裁判所であった日付を書いたもの)を松風に渡した。松風は調べてみると言った。


神井は、山下春生が遠藤友哉とあった時に撮影した動画を見た後で、山下が2人に話したことを思い出していた。

山下は、遠藤力郎が東賀山事件の犯人ではないと言った後、「真犯人の目星はついている、だが確証を得ていない、全部知っているのはクジャクだけです」と言ったのだ。


翌日、心麦は神井が松風に送ってきた動画を見て動揺したが、事件と向き合う姿勢は変えなかった。

松風が心麦から預かったメモをチェックした結果、山下が裁判所に行ったのは、松風が裁判所に行っていた日と数日重なっていた。

松風は心麦をさそって、三木田辰雄に会いに行った。三木田は山下の手紙に書いてあった人物の1人で、東賀山事件の元弁護人だった。

三木田は2人を快く迎えた。

三木田は、山下春生が家に来た時に松風を推薦したと言った。刑事事件の勉強会で初めて松風を見た時、彼が「罪を犯した人間も変われる、相手が立ち直れると信じることが弁護人の職責だと思う」と話したのを聞き、「この先生は人としてまっとう、だから東賀山のことも真摯に向き合ってくれるんじゃないかと思い山下さんに推薦した」と話した。

三木田は、山下春生さんが突然訪れて、遠藤力郎さんは東賀山事件の犯人ではないと考えていると話したことを2人に話し、驚いたが腑に落ちたとも言った。被害者の林川家について春生に話したことを2人にも伝えた。

林川家は地元では有名な資産家だった。創業者夫婦の長男夫婦に男の子が生まれて、順風満帆な家族見えた。だが家族は、その男の子の発達が同年代の子供に比べて遅れてることに悩んでいて、母親はメンタルクリニックに通院していた。その後長女、事件の半年前には次女の歌ちゃんが生まれた。その家族が惨殺され、林川家に出入りしていた人間で、もっともらしい動機を持ち、アリバイがなかったのが遠藤力郎だった。力郎は、友哉が事件のことを熱心に調べているのを知り、息子には自分の人生を生きてほしいと言って、再審請求を取り下げた。歌さんは親戚の津寺井幸太に引き取られた。津寺井は春生の手紙にあった名前の1人だった。

三木田は2人に津寺井の電話番号を渡した。

心麦が三木田に、父はどんな人だったかと尋ねると「すごく正しい人だった、まっとうな目をしていた、似てるな」と松風を見て言った。

しかし松風は心麦と2人になった時、「三木田さんがまっとうっていってたけど、俺は全然ちがう、そう見えるように振る舞ってるだけ」と言った。


警察では、赤沢が遠藤友哉を取り調べ、染田が亡くなったことを話し、「想定内か?」と尋ねていた。


赤沢は阿南検事に、「山下さんの娘が言うには、染田は誰かに指示されてウソの供述をしたと。それらしき通話履歴もある」と話した。阿南は、謎の男が染田を殺害したのでは?と不安に思ったが、「染田の供述が使えなくなると、山下さんの例の手紙が偽造だって立証できなくなる。山下心麦さんは私が直接しらべる。世間には東賀山事件のつながりをもらさないようにして」と赤沢に圧をかけた。


松風は遠藤友哉と面会し、神井との接触を控えるように言った、友哉の発言がこれからの裁判を大きく左右するから。しかし友哉は松風を信じていなかった。

松風自身も自分のことを信じていなかった。彼の両親は、彼が小学生5年の時に離婚し、松風は父の姓の”久世”から母の姓の”松風”になった。父は警官だったが突然いなくなった。母は「ふたりでまっとうに生きていこうね」と言った。松風は”まっとう”と言う言葉を防衛手段だと思った。父の行方はいまだわからない。


赤沢の妻 京子は、夫から頼まれ心麦の家に来て一緒に夕食を作った。心麦は、大学を休学して法律事務所でバイトしていることを京子に話したが、赤沢には内緒にとお願いした。赤沢から「松風に騙される前に彼から離れろ」と忠告されたから。

弁護士さんってどんな人?って京子に聞かれ、心麦は、「私の前から大事な人がいなくなって(父と染田)、松風さんがいてくれたから独りじゃないって思えてる」と話した。京子は心麦を抱きしめて「大丈夫」と慰めた。

京子は心麦に、猫の刺繍が入ったお守りを渡し「お父さんがくれたの、ほらお揃い」と自分のも見せた。京子は夫にメールして、心麦にお守りを渡したことを報告した。


赤沢は部下から松風の追加資料を受け取ったが、それを見て顔色を変えた。松風の父は元警察官の久世赤沢の上司だった。「赤沢、おれはずっと見てるぞ」と言う久世の顔が蘇った。


心麦は阿南検事から突然電話を受け、「お父様について少しお話しを伺いたく」と言われた。

その後、阿南は謎の男に「明日 山下心麦に会うことになった」と報告していた。

感 想

松風と心麦が、東賀山事件の担当弁護士だった三木田に会いに行ったことで、山下春生が東賀山事件を独自で調べていたことがわかり、手紙に書かれていた人物が繋がってきました。

また松風にも過去がありました。彼の父は元警察官で、赤沢と関係があるようです。

赤沢刑事が不気味で心麦の敵に思えてなりません。妻の京子に頼んで、心麦にお守りを渡しましたが、その中に盗聴器が仕組まれているのでしょうか?

阿南検事も不気味だし、彼女がいつも話している謎の男の正体が気になります。

第6話 暴走する危険な正体!退路なき娘の強行

心麦は阿南検事に呼ばれ東京地検に来た。松風は心麦に「任意だから途中で断ってもいい。言ってもいないことが調書に書かれてたら、絶対サインしないこと」と念を押した。

阿南は謎の男から、「心麦に、手紙は染田が偽造したものだと認識させること、そうすれば、東賀山事件の真相にせまる証拠がでてきたとしても、それも偽造だろうと信ぴょう性を失う」と圧をかけられていた。

阿南は心麦に、「私は、あの手紙は染田が遠藤友哉の指示で書いたと考えている。染田には筆跡をまねる技術があった。染田は今も薬物を使用していた。彼はくすり欲しさにお金が必要だった、だから遠藤友哉の依頼で山下春生さんの手紙を偽造した。だがあなたを傷つけたくなかったので、ウソをついたと考えられない?お父さんの手紙についての認識は変わりました?」と聞いた。

心麦は「変わりませんあの手紙は父が私を信じて残したもの、私には分かるから」と答えた。

阿南は父を信じる小麦に、自分とは全く違うと思った。彼女の母との関係は破綻していたから。

母は未婚で由紀を産んだ。彼女の父は検事で、母は彼の愛人だった。母は誰かに依存しないと生きられない人だった。父から連絡が途絶えると娘の由紀に依存しようとした。由紀は母から逃れるように結婚し、仕事に打ち込み出世したが、夫からねたまれ離婚。母のところに戻ったが、母を受け入れることはできなかった。

阿南は謎の男に電話し「山下心麦に、手紙が偽造されたものだと思わせるには時間がかかるかもしれない。すみません」と謝った。男は「彼を使って次へ進もう。遠藤友哉に、”染田に手紙の偽造を依頼した”と証言させる。面白い情報が入った、パソコンに送る」と言った。


心麦は、染田が今もクスリを使用していたことにショックを受けていたが、松風に、「それでもおじさんを信じる、私は全てを知りたい」と言った。

松風と心麦が事務所に戻ると、鳴川徹弁護士が来ていた。彼は、春生が裁判所で傍聴していたもう一人の弁護士だった。

鳴川は終始大声で機嫌がよく、心麦の呼び名を”お嬢”と決めた。

鳴川は元検事で退官して弁護士になったようだ。妻の実家はでっかい会社で彼は婿養子、つまり”金はある”。「君らに力貸すわ。遠藤友哉がやってないと思うからや」と最後は真面目な顔で言った。松風はこれまでのいきさつと現状を鳴川に話した。


神井は赤沢の前に現れて、「遠藤友哉の弁護士の松風は、あなたの上司だった久世の息子でしょ」と彼を挑発し、赤沢に今週発売予定の週刊誌のゲラを渡した。

赤沢は苦い顔をした。 ”ラーメン店主の不審死、東賀山事件の点と線”というセンセーショナルの見出し、そして”取り調べを担当したA刑事は東賀山事件にも関わった敏腕刑事”と書かれていた。

赤沢は、”落とすため”に厳しい取り調べをするので有名だった。彼の上司だった久世から、「見極めろ、犯人にしたてあげるようなことはするな」と注意されたことがあったが、赤沢は態度を変えなかった。久世は「俺はずっとみてるぞ」と赤沢を睨みつけて言った。


赤沢は阿南検事に呼ばれ、同じ週刊誌のゲラを見せられた。「釘を刺したはず、染田の死と東賀山事件の繋がりを漏らすなと。これが出ると、A刑事は特定されるでしょうね」と脅した後、「赤沢さんは優秀、たくさんの容疑者を自白させて有罪にしている、私は強引でも構わない」と、遠藤友哉を自白させるようにまた圧をかけた。

赤沢は部下たちに、「遠藤友哉を殺人容疑で再逮捕する、必ず落とす」と言った。


翌日、心麦は鳴川弁護士と一緒に、林川歌を引き取った津寺井幸太の家に来た。

鳴川がインターホーンで、山下春生と林川歌について話が聞きたいと言ったが、津寺井は、取り付く島もなくインターホンを切った。

心麦は、ノートにマジックで、”私は林川歌さんと間違われて困ってます”と書いて、「話をさせてほしい」とインターホーン越しに叫んだ。津寺井がドアを開けて出てきた。

心麦は「林川歌さんは私ですか?似てますか?」と聞いた。津寺井は、「似てないよ。歌は今シンガポールの大学に留学している」と歌の写真を見せた。心麦は、自分は林川歌ではなかったと安堵したが、、。


松風は遠藤の面接に行った。遠藤は「親父に会ってくんない?」と言ったが、松風は躊躇した。遠藤は、「その目が嫌いだ。俺のことかわいそうって思ってんだろう、犯罪者の息子で頭も悪くて。恵まれて生きてきたんだろうな、先生は。くれよ、あんたの人生」と言った。

松風は友哉に、「父は小学生の時、行方をくらました。(TVでは、窃盗の疑いで30代の警官逮捕のニュースが流れていた。)生きているのか死んでいるのかもわからない、私はあなたがうらやましい、力郎さんは生きている。あなたはお父さんの無実を証明しようとして山下春生さんに接触した。私はそこまでできない。お父さんと友哉さんを再会させるためにできることはやります」と言った。


赤沢は部下から、遠藤友哉の逮捕状が取れたと報告を受けた。その後、面接を終えた松風を見かけた赤沢は、松風を追って「久世さん、どこにいる?」と問い詰めた。

感 想

阿南検事は、状況から”遠藤友哉が染田に手紙を偽造させた”と心麦に認めさせようとしたが、心麦の父を信じる気持ちは揺るがない、阿南はそのことに苛立っていましたね。彼女には、親に対する複雑な感情があるようです。

記者の神井は、染田の死と東賀山事件の接点を見つけて、記事のゲラを赤沢に見せて彼を揺さぶりました。阿南もその記事のゲラを手にし、赤沢に圧をかけていました。

松風が遠藤に面会に行き、自分の過去や父が失踪していることを遠藤に話す場面が良かったです。遠藤は正直に話してくれた松風を信じる気持ちになるのでしょうか?

赤沢が悪なのか、そうでないのかが分かりません、、。

第7話 決着!父が託した愛の始まりー私が掴んだ希望

松風は、「久世さんはどこにいる?」と追い詰められた顔で自分に聞いた赤沢のことを思い出していた。

そこに、鳴川から「津寺井が林川歌を育てたことは確かで、歌は現在はシンガポールに留学中、心麦と歌は別人だった」と電話があり、「今からお嬢(心麦)にまとわりついてる記者に会いに行く」と一方的に言った。


鳴川と心麦は神井に会いに行った。鳴川は神井に、なぜ心麦を林川歌と思ってるんだと聞いた。

神井は証拠を見せると言って、携帯の写真を心麦に見せた。それは心麦の出生児の状態が書かれた母子手帳の写真で、出産場所は”阿波山婦人科医院”、医師”阿波山京一郎、助産婦 ”高畑まのか”と書かれていた。

心麦は、阿波山京一郎、高畑まのかの名前が、山下春生の手紙にあったことを思い出した。

神井は、阿波山医院の住所を心麦に教えた。そして「全て知ったとしても楽なったりしないから」と不気味に忠告した。


翌日、心麦は松風の車で、阿波山京一郎と高畑まのかに会いに来た。途中の外観が黄色の喫茶店を見て、心麦は知ってるような気がした。

その頃、津寺井は「話が違う、歌のことは大丈夫ってあんたが言ったから」と謎の男に電話していた。男は「染田がどうなったか知ってるだろ」と津寺井を脅した。

松風と心麦は、阿波山婦人科医院の看板の前にきた。古い建物でもう営業されていないようだ。白い犬を連れて熟年夫婦の奥さんが、「うちに用ですか?」と声をかけた。

「私 山下心麦といいます。父の春生が以前にこちらに伺ったかと」と心麦が言うと、2人の顔色が変わり、奥さんは息を荒くして、走って引き返した。

阿波山京一郎が、「見違えたなぁ、もしかして赤沢さんに聞いてここにきたのかい?」と聞いた。2人は驚いた。

京一郎は2人を家の中に入れた。彼は「どうしてここに?」と聞いた。心麦は「父の手紙に2人の名前が残されていた、私の母子手帳にお二人の名前があったと聞いて」と言った。

京一郎は、自分が赤沢の名前を出したが、そのことは話せないと言った。

心麦は、「私、本当のことを知りたいだけなんです。何もしてないのに、教えてくれる人がいなくなる。でも進まなくてはならない、だからお願いします」と深く頭を下げた。

京一郎は心麦に、「赤沢さんとは、あなたと同じ時期に出会った。赤沢さんは津寺井から歌ちゃんを守った」と言った。

2002年、赤沢と山下が林川一家が殺害された現場に行った時、2階にいた赤ちゃんだけ生存していた。生後半年の”林川歌”だった。

赤沢と山下は、林川安成のいとこの津寺井を任意で引っ張ってくるように命令された。津寺井は遺産関係で得をしている。津寺井は「これから”歌の育ての親”としての人生で忙しくなる、取材やドキュメンタリーの依頼が来てる、結構金も、もらえる」と得意げに言った。

別の日、津寺井は、取材陣を呼び、託児所に預けられていた歌を許可なく連れて帰ろうとしていた。その時に山下と赤沢が来て阻止することができたが、、。

赤沢はある日深刻な顔をして阿波山医院に来て、歌の出生証明書を偽造するように依頼、京一郎はそれを承諾した。

「そしてあなたは山下家の家族になりました」と京一郎は心麦に言った。京一郎はビデオカメラを持って来た。それはその時の映像だった。

山下春生が家でビデオを回していた。春生と静香が待っているとチャイムが鳴り、赤沢と妻の京子が赤ちゃん(歌)を連れて来た。静香が赤ちゃんを受け取り、「ママですよ、初めまして」と言った。赤沢が山下と撮影を代わり、春生と静香と赤ちゃんの姿をビデオに収めた。「今日からあなたは心麦ちゃん、よろしくね」と静香が言った。春生がおそるおそる抱っこした、、。

心麦はビデオを見ながら涙をおさえられなかった。

「山下さんが、いつか心麦ちゃんに家族なった日のビデオを見せたいけど、うちには置いておけないからってカメラを私たちに託した。心麦ちゃんがここに来ることはないと思ってたけど、来てくれたから、見せることができた、山下さんが本当は見せたかったものを渡すことができた」と京一郎も涙を流した。

心麦は耐えられなくなり外にでて、海岸に座った。松風が追いかけて来て横に座った。

心麦が落ち着き、2人が家に戻ろうとした時、高畑まのかが走って来て、「お願い、うちの人を警察につれていかないでください」と頭を下げた。2人は家に入り、阿波山夫婦と向かいあった。

京一郎は「私と赤沢さんは子供が幸せに生きるのが第一優先という点で一致していた。でも春生さんは最後まで悩んでいた、君のこれからの人生を誰よりも大切に考えていたから。でも、今日、心麦ちゃんをひと目みて確信した、私のしたことは間違ってなかったと」と言った。

帰り、心麦は、行きたい場所があるから付き合ってほしいと松風に頼んだ。

来た時に見た黄色い喫茶店だった。「ここで注射のごほうびに、クリームソーダを飲んだ気がする」と言った。

そこに親子連れが入って来た。赤ちゃんが泣き出し、、心麦も大きな声で泣いた。

心麦は松風に、「今日、ついて来てくださってありがとうございました」と感謝した。その夜、心麦は親友のありさの家に送ってもらった。


赤沢は電話を受けた後、妻の京子に、”今日はおそくなる”とラインした。京子は息子の守の誕生日の準備をしていたが。


松風は事務所に戻り、鳴川と波佐見に、心麦が林川歌だったことを報告し、「今日見せてもらったビデオは、また会いに行くからその時受け取るつもりだ」と言った。鳴川は、「赤沢がまだ何か隠しているだろう。ツテをたどって情報を集める」と言った。


その夜、赤沢は阿波山京一郎に呼ばれて会いに行った。「心麦ちゃんに全てを話しました、あのビデオも」と京一郎は言った。赤沢はため息をつき、「山下さんもあなたも人がよすぎるのがあだになる」と言って睨んだ。


神井が封筒を受け取って、ニヤリと笑った。


その夜、阿波山京一郎の家が炎に包まれた

感 想

7話はすごく進展し、見応えがありました。

心麦はやはり、林川歌でしたね。神井は、山下春生さんが殺害され放火された家に侵入した時に、歌(心麦)の母子手帳を見つけたようです。

阿波山京一郎が心麦に秘密を話す場面に、赤沢が部下に”林川歌”がどうなったかを話す場面がうまく組み込まれていました。

林川歌ちゃんが初めて山下さんの家に行く場面のビデオに心が揺さぶられ、心麦ちゃんの気持ちになって私も泣けました。この時の赤沢さん、とても柔和で優しい顔をしていますね。現在の赤沢さんは1話目からずっと苦虫をつぶしたような怖い顔ですが、20年前は違っていたのですね。

赤沢さんが阿波山さんに「人がよすぎるのがあだになる」と怖い顔で言った後で、阿波山さんの家が燃えたので、赤沢さんが火をつけたのかと一瞬思ったけど、ちがいますよね、時差がありますよね。阿波山さんの家に火をつけた犯人は、山下さんを殺害して家に火をつけた犯人と同一人物ですよね。

松風さんと心麦ちゃんの深刻な話を、ちょっとずらして流す会話のセンスと演じる二人の俳優さんがとても上手だなと思って見ています。

第8話 揺るぎない親子愛の果てー信念が導く場所

心麦はありさの家で目覚めた。

テレビから、千葉県富津市の住宅で火災があり、焼け跡から2人の遺体が見つかったと言うニュースが流れ、”阿波山産婦人科医院”の看板が映った。心麦は大きなショックを受けた。

赤沢もニュースを見て驚いていた。部下の秋貞から、亡くなったのは阿波山京一郎とまのか夫妻で間違いないとの報告を受けた。

秋貞は、赤沢のスーツに犬の毛がついているのに気づいて、それを取った。


阿南検事が赤沢に、「あんな記事が出た後、これ以上東賀山事件の関係者の不審死が世に出たら困る、仕事をしろ」と赤沢にきつく言った。赤沢は「ご自身で少し汗をかいては?。自分はきっちり仕事をしている」と反論した。


心麦はありさに自分の生い立ちやこれまでのことを話した。

自分は両親と血がつながっていない、生まれて半年ぐらいの時に引き取られた。血がつながってる家族はみんな亡くなっている。私のせいで、その人の人生を変えてしまったんじゃないかと言うことばかり起きて、、でも私はお父さんがなぜ殺されたのか、お父さんが私に託したこと知りたいと。

ありさは話を聞いてすすり泣きながら「私、何があってもムギの味方だから」と言った。


心麦は赤沢に会い来た。

「父も、染田のおじさんも、阿波山先生たちが亡くなったことも、林川歌、私が関係しているのではないか?全ての事件と東賀山事件のことも見直してもらえませんか?」と深々と頭を下げて頼んだ。しかし赤沢は「偶然だ。染田と阿波山夫妻の件は心麦には関係ない」と取り合わなかった。


鳴川は心麦がひとりで赤沢に会いに行ったと聞き、「こちらの情報が赤沢に筒抜けになるかも、一連の事件に赤沢が関連してたらお嬢の身が危険」と異常に心配したが、松風はそれは飛躍しすぎと言った。

鳴川は松風に、赤沢につながるツテは全滅だったと言った。松風は、心当たりがあると。


そして松風は福岡の母に会いに行くことに。心麦が空港で待っていて、今日は自分が付きそうと言ったが、松風は断り、一人で実家に行った。

家の前には”松風書道教室”の看板があった。家では数人の生徒たちが母に書道を習っていた。

稽古が終わり、母は「用は何?」と聞いた。松風は「父さんの連絡先知ってる?仕事で連絡取りたくて」と言った。母は「よかった捨てんで」と言って、一度だけ夫から掛かって来た時の番号を書いて残していたメモを息子に渡した。

松風はすぐに家を出て、中洲で待ち合わせをしていた心麦と会った。母のことを聞かれ、松風は「昔とちっとも変わってなかった、自分に正直にまっすぐに生きてた、すごいなあの人は。それに比べて、俺はぐらぐらしてる」と。心麦は、「人としてぐらぐらするのはまっとうです」と言った。

二人は屋台のラーメンを食べた。博多名物とんこつラーメン。2人とも過去一だと言ったが、「染田のおじさんも一番」と心麦。

心麦は「初めてです、ラーメン食べながらラーメン食べたいと思ったの」と言った。


神井は遠藤の面会に来た。面白いものを手に入れたと言って、”ダイヤモンドクラブ”という雑誌を開いて見せ、「ようやく見つけた、東賀山事件の鍵を握る最後の人物を」と言った。


松風は少年野球のグランドで父と会った。小学5年生の時以来だった。父は息子が弁護士になったことを喜び、自分は今、知り合いの会社で警備と経理をしていると話した。

松風は、「赤沢のことを知りたくて来た、警察官OBが殺害され、逮捕された人を弁護してる。担当しているのが赤沢だ」と話した。父はすぐに、山下の事件だと分かり、「赤沢には気をつけろ。あいつは捜査を進めるためならどんな危ない橋もわたる男だった。俺は本人にも上層部にも何度も忠告した。赤沢は恨んだろうな」と話した。

そして父は、「先日、山下さんが訪ねて来た。東賀山事件で洗い直していることがあり、赤沢のことで知りたいと。逃げた俺と違って、山下さんは自分の間違いを正そうと闘っている、俺も闘うべきだった」と言い、息子に謝った。松風は「あの事件、、ごめん、信じてやれなくて」と涙を流して謝った。「義輝、俺はようやく救われたよ」と父も涙を流した。


心麦は山下の妻、京子を訪ねた。先日、福岡の相島で買った猫のキーホルダーをおみやげだと渡した。

「もう一つ」と言おうとすると、京子は「あなたには山下心麦として幸せになってほしい。林川歌だった過去はなかったことにしていいと思う」と言ったが、小麦は「それは無理、私が林川歌であることは無くせない」と言った。

京子は、「守(息子)はこれから警察官として大切な時期、お父さんがこの件に関わっていることが明るみに出たら、、」と言い、貯金通帳を出し、「お願い、このことはなかったことにして」と心麦に見せた。通帳には、1億以上の金額が印字されていた。「口止め料?」と聞く心麦に、「私からの謝罪の気持ち、受け取って、赤沢にも誰にも黙ってて」と無理やり渡そうとした。心麦は「止められません、必ずたどり着いてみせます、父がなぜ殺されたのか、父が私に何を託そうとしたのか」と言って京子の家を後にした。

京子の携帯にメッセージが、、廣島育美からだった。


松風と別れる時、父は思い出したように、「山下さん、妙なことを言ってた。事件当時、赤沢と奥さんが別居していたことがあるのはご存知だったか?と」と言った。


警察では、同僚が秋貞に、「鑑定結果が出た、あの白い毛、阿波山家から保護した犬の毛と一致した」と報告していた。


阿南は謎の男を事務所に呼び出した。

「あの元産婦人科の火災の件、まさか関係してないでしょうね、お父さん」と言って、男の肩を掴んで振りむかせた、、、。その男は、”鳴川”だった!(エーーーッ、でした)。

感 想

8話は、すごく進展あり、いい場面もありで、またいろんな人たちが怪しくなって来ました。

一番驚いたのは、”怪しい男”、初回からバッグだけが写り、阿南検事がいつも話していた人物が ”鳴川”だったこと。彼は阿南の父親でした。そういえば、未婚の母が、父のことを検事と言ってましたっけ。

男の正体が鳴川だと分かると、彼が、心麦がひとりで赤沢に会いに行ったのを異常に心配し、「こちらの情報が漏れるかも」とか「赤沢が一連の犯人かも」と秋風たちに思わせようとしていたこともうなずけます。


8話はまた、秋風が母と父に会う場面があり、ふたりともまっとうな人たちでした。登場場面は少なかったですが、この両親から生まれたから、秋風さん、いい人なんだと分かる良い場面でした。

松風の父の久世刑事は、赤沢の策略で”窃盗犯”の容疑をかけられたようですね。罪には問われなかったのかもしれませんが、一度ニュースに流れてしまうと、もう刑事として生きていくことができなかったのでしょうか?秋風が父に「ごめん、信じてやれなくて」と謝り、父が「救われた」と言った場面、よかったです。

また、「初めてです、ラーメンを食べながら、ラーメンを食べたいと思うの」と言う心麦のセリフもすごく良かったです。 ”染田のおじさんのラーメンを食べたい、父と一緒に”と言う思いが伝わりました。


もう1つすごく驚いたのは、赤沢の妻の”京子”さんです。いくら息子を守るためとはいえ、1億もの貯金が入った通帳を心麦に渡そうとするなんて、、へそくりで1億?あり得ない!非現実すぎ、と思ったんです。

しかし京子さんに、”廣島育美”からメッセージが来ていました。

神井が、”ダイヤモンドクラブ”という雑誌を遠藤に見せ、「ようやく見つけた、東賀山事件の鍵を握る最後の人物を」と言ってた人物は、廣島育美です。

”廣島育美”は誰なのか? 鳴川が最初に秋風の事務所に来た時に、「妻の実家はでっかい会社で、そこの婿養子になった」と言ったことが気になり始めました。廣島育美は、鳴川の妻?もしくは妻の実家と関係があるのでは?

そして廣島育美と京子はつながっている。 ”ダイヤモンドクラブ”という会社が廣島の会社なら、廣島はお金がありそうだし、そのつながりなら、京子さんが1億もっていてもおかしくないのかも?

東賀山事件当時、京子さんは赤沢と別居していた、、急に、京子さんが怪しい人物になって来ました。

廣島育美、まだ一度もドラマに登場していない人物なのでしょうか?

山下春生さん、染田さん、阿波山夫婦を殺害した犯人は、鳴川のような気がします。鳴川は前回、秋風から、阿波山夫妻が林川歌が山下心麦だという証拠のビデオを持っていることを聞いたので、それを消したかったのだと思う。

東賀山事件の犯人は誰なのか?津寺井なら弱すぎる気がするので、これも鳴川?林川という資産家の財産を奪うことが目的だったなら、廣島育美?

次回は最終章らしいですが、2回に分けて放映されるのでしょうか?ドラマの着地点がどこになるのか、待ちきれませんね。

第9話 最終章 前編~真犯人の告白!サヨナラ私が走った旅路の最果て

鳴川は、阿南由紀(娘から)、「あの元産婦人科の火災の件、まさか関わっていないでしょうね、お父さん」と問い詰められ、”どこから俺は道を誤った?俺はただお前に見せたかったんだ、父親らしい背中を”と思っていた。

2004年、東賀山事件で遠藤力郎に死刑の判決が下った。鳴川が検事として起訴し、勝利を勝ち取った瞬間だった。

由紀は検事になった時、父鳴川に「あなたの背中を追うと決めた」と言い、彼女は、17年後、女性初の東京地検本部係検事に就任した。

そのニュースを知った日に鳴川は、「山下春生という刑事が東賀山事件を再び調べてる。遠藤力郎は”冤罪”」との電話を受けたのだった。


心麦は、津寺井からもらった”林川家の財産目録”を松風に見せた。松風はそこから、”廣島育美”の名前を見つけた。彼はすでに、廣島の現在の居場所を調べていた。


神井は赤沢を待ち伏せし、”ダイヤモンドクラブ”の会員誌に付箋をつけて彼に見せた。赤沢はそのページを見て驚愕し、何も言わず走って行った。


警察では秋貞たちが管理官に、「阿波山夫婦の事件の翌日、赤沢のスーツについていた犬の毛が阿波山夫婦が飼っていた犬の毛と一致することが判明した」と報告。管理官はすぐに赤沢を呼ぶように指示したが。


検察では、阿南検事が上司から遠藤の起訴についてプッシュされ、「遠藤友哉を起訴する」と言った。


心麦、松風、鳴川の3人は、廣島育美が入っている施設に来た。

育美は車椅子に乗せられて現れた。職員が、育美は数年前に脳梗塞で倒れ、その時に認知の症状が出てここに来たと話した。男性の面会は覚えていないが、友人の女性はちょくちょく来ると言った。

育美が心麦に、「オカちゃん、歌ちゃんは元気?」と話しかけた。

松風は波佐見から、「遠藤友哉が起訴された」と電話を受けた。それを聞いた鳴川は、調べたいことがあると一人で帰って行った。


鳴川は、遠藤力郎を冤罪に導いた検事が自分と世間に知れたら、娘の由紀のキャリアに傷がつくかもしれない、だから山下春生を止めようとした

それで染田に近づき、山下春生のスパイをするように言った。染田は鳴川が残した札束とクスリに抵抗できず、鳴川のスパイになった。

山下春生は火事で誰かに殺害されたが、彼は手紙を残していた。鳴川は染田に「手紙は自分が偽造した」と警察で証言させた。しかし染田は心麦に問い詰められ、ウソの証言をしたと心麦に告白、松風と一緒に警察に行こうとした。それを察して鳴川は染田の口を封じるために、クスリの売人に彼を殺害させ、自殺に見せかけた。

そして阿南由紀に山下心麦を取り調べさせ、心麦に「手紙は偽造された」と証言させようとしたが、心麦は「手紙は父が自分に残したもの」と譲らなかった。

だから鳴川は、力を貸すフリをして心麦・松風に近づき、彼らがどこまで真実に近づいているのかを探ったのだ。

そして鳴川は、赤沢が元阿波山婦人科医院を訪問し、彼が帰った後、医院に火をつけて阿波山夫妻を殺害したのだった


鳴川は、阿南由紀を訪ねた。「遠藤友哉を起訴した」と彼女は言った。

「もし遠藤が山下春生を殺していないと知ったら?」と鳴川が聞くと、阿南は、「起訴を取り下げるしかない。本部係というキャリアを失うとしても」と言った。

鳴川は自分が道を間違えたのはずっとずっと前だったと知った。

彼は由紀に、「どうして、俺の背中を追いかけたいと言ってくれたんだ」と聞いた。彼女は「憎いから、最後まで見届けようと決めた。あなたが私のたった一人の父親だから」と言った。


秋風は遠藤友哉の面会に行き、友哉が起訴されたことを報告した。彼は知っていた。

秋風が、遠藤力郎の件について、「いろんな方から話を聞くたびに、確信を帯びて来た、あなた方親子は被害者なのではという確信。真実に辿り着いてみせる」と約束した。遠藤は、神井にも同じことを言ってもらったと。


面会の帰り、秋風は神井に呼び止められ2人で事務所に戻った。

神井は心麦たちに「遠藤友哉とは幼なじみで、力郎さんにカーブの投げ方を教えてもらった。あの人根っこはいい人、、で、あの日(力郎が逮捕された)。俺は真実が知りたいだけ。僕と手を組みませんか?」と言った。

心麦は、「神井を許さないが、知りたいのは一緒、だからあなたを受け入れる」と言った。

4人は、廣島育美について整理した。

「育美は、”オカちゃん、歌ちゃんは元気?”と言った。彼女は林川歌のことを知っていた」と話すと、神井は「力郎さんと文通してた。力郎さんが犯人だとしたら、なぜ林川歌さんだけ手にかけなかったのかと気になっていた。しかしヒントはここにあった」と力郎からの手紙を出した。

”取り調べ当初、あることを黙っていた。あの事件の日、生活費の足しになにか盗もうと林川家に忍び込んだ。留守のはずが家の中から物音がして、しばらくすると、タクシーで、安成さんと赤ちゃんを抱いた奥様ではない女性が現れた。すると1階から赤ちゃんの鳴き声がして、それがずいぶん続いた”

力郎が家の中に入ると、林川家一家が殺害され吊り下げられていた。彼はすぐに警察に通報し、取り調べで、「安成さんと奥さんでない女性が赤ちゃんを抱いていて、赤ちゃんは1階にいた」と話したが、刑事から「赤ちゃんは2階にいた。安成さんが奥さんでない女性と戻って来たというのは、虚偽の発言」と決めつけれらた。

「赤ちゃんは”林川歌”で、赤ちゃんを抱いていた女性は”オカちゃん”ですよ」と神井は言った。「もしかしてオカちゃんが、心麦ちゃんのお母さん?」と伊佐美。

神井は、「力郎の手紙は信じてる。命懸けで信じてるんだよ。だから俺はその先が地獄だとしても進む。あなたは違うのか?」と心麦に凄んだ。「私はとっくに覚悟してます」と言った。

神井は、ダイヤモンドクラブの会員誌を出し、付箋のついているページを見るように言った。

心麦はそのページを開き、驚きで声を失った。

廣島育美と赤沢京子の写真”が大きく掲載されていた。”廣島育美の長年の友人”とキャプションがつけられていた。

神井は「赤沢に見せたが、同じ顔をしていた」と言い、廣島育美赤沢京子は昔からつながっていると言った。

松風は父から、「赤沢さんと奥さんは一時期別居していたと聞いた」と3人に話した。

赤沢京子の旧姓に”オカ”がついていたら、京子が林川歌(心麦)の実母かもしれない。心麦は、京子の旧姓を調べるために、彼女の息子の守に電話した。「よしおか、だよ」と彼は言った。心麦は一筋涙を流した。そして「松風さん、進みましょう、クジャク、見つけにいきましょう」と。

心麦は京子に電話したが通じない。神井が赤沢と会った時に彼のポケットにGSPを入れた。それを頼りに3人は赤沢を追った。


京子は赤ちゃんのビデオを見ていた。「歌ちゃん」と赤ちゃんに話しかけているのは、安成と京子の声だった。ドアが開いた、、。


鳴川は阿南の事務所を出た。「こんな背中を追いかけさせちゃダメだ」と。

彼は警察に出頭した。阿南が取り調べ室に入って来た。「染田進と阿波山京一郎さん、奥さんのまどかさんを殺害したのは私です」と鳴川は言った。


心麦、松風、神井がGPSで辿り着いたのは、荒れ果てた”林川家”跡だった。

玄関のドアが開いていて、3人が部屋に入っていくと、、、

血まみれの赤沢が倒れていた、、、その横に、血にそまった包丁をもった京子が座っていて、心麦に振り返って立ち上がった。


鳴川は「山下春生さんも殺害もお前か?」と尋問された。彼は山下春生の家が炎に包まれるのを見ていた、、その時、赤沢京子と目があったことを思い出した。「山下春生さんを殺害したのは私でありません」と彼は答えた。

感 想

鳴川は、東賀山事件で、遠藤力郎を起訴し、死刑判決に導いた検事だったのですね。

彼は、婚姻外の娘 阿南由紀が自分と同じ検事の道に進み検事になってくれて、「あなたの背中を追いかけたい」と言ってくれたことが嬉しかった。しかし、山下春生が東賀山事件を再調査し、遠藤力郎の”冤罪”を証明しようとしていることを知り、自分が起訴した事件だったことが世間に知れ、娘のキャリアが失われることを恐れた、、、。

でもだからと言って、染田さんと阿波山夫妻を殺害するなんて、、、短絡すぎではないでしょうか?

鳴川が秋風さんの事務所に来た時、誰も彼を疑わなかったのはなぜなのか?山下春生さんが鳴川氏が弁護している事件を傍聴していたから?そうだとしたら、山下さんが傍聴していたのは、秋風さんとは全く別の理由だったのでしょう。遠藤力郎さんを起訴した検事が弁護士になり、どんな弁護をするのか見たかったのではないでしょうか?


京子さん、赤沢さんとどれぐらいの期間別居していたのでしょう?別居中に、林川安成さんと不倫して、歌ちゃんが生まれたということ?その辺の時間軸がよく分かりませんが。

じゃあ、写真で安成さんの奥さんが抱いていた赤ちゃんは、いったい誰でどうなったのでしょうか?


京子さん、ご主人の赤沢さんを包丁で刺し殺したのでしょうか?女一人で、頑強な刑事の夫を殺害できるのか?

ずっと赤沢さんを怪しいと思ってましたが、奥さんの秘密も知らず、林川家のただ一人生き残った赤ちゃんを必死で助けようとして、そして22年後に奥さんに殺害されたのだとしたら、赤沢さんも気の毒すぎです。

心麦さんの身になると、実母が”赤沢京子”さんだったとしたら、そのショックは測りしれないですね。そのことを、山下春生さんと静香さんは知らなかった訳ですよね、、。

またこの流れだと、山下春生さんを殺害して、家に火をつけたのも京子さんだと思えます。実母が、大好きな父(血のつながりはないが)を殺害したことになります、心麦さん、キツすぎです。

もしかして、東賀山事件の犯人も京子さん?あの現場の映像を見る限りは、女ひとりでできるとは思えませんが、、。

非常に厳しい結末に向かっているように思われますが、どんな終着点が待っているのでしょうか。

第10話 最終話 辿り着いた真実~父を信じた娘が起こす愛の奇跡

林川家に着いた心麦、松風、神井は、血まみれで倒れている赤沢と、包丁を持った京子を見た。京子がその包丁を自分に向けた時、心麦は「卑怯です」と京子を止め、「あなたですよね、私を産んだのは」と言った。


心麦と松風は、警察に捕まった京子の面接に行った。京子の話はこうだった。

弟は5歳の時、貧乏のためゴミの中で餓死した。あの日からきっと始まってしまった。

2000年、赤沢と結婚して守が生まれた。 ”この子は私が守る、お金さえあれば弟のようなことは起きないはず”、働きに出たいと言ったが、夫は反対した。だから夫には秘密で、幼なじみの廣島育美と会社を立ち上げた。その時、出資してくれたのが林川安成だった。そして彼と特別な関係になった。

赤沢と別居し、守をつれて離婚するつもりだった。その頃、安成の子を妊娠していることが分かり産むことを決心した。安成は、「妻とは別れるが、その子が生まれたら一度 林川家の子として迎えさせてくれ。林川家の体裁上、妻が産んだと思わせるため」と言った。

しばらくして離婚が成立したと聞き、京子は赤ちゃん(歌)を抱き、安成と林川家に行った。

でもその日、安成の元妻 里子が2人の子供を殺害していた。そして里子は安成も殺害しようとしたが、揉み合いになり安成が里子を殺害した。安成は「林川家の名誉を守るために全員殺されたことにする」と京子に協力を頼み、最後に自分の死の手助けを頼んだ。

京子は、歌をつれて戻れる場所はなかった、、、歌を林家に置き去りにした。

その後、京子は赤沢から、赤ちゃんは山下さんに引き取ってもらうことにすると聞かされた。

全てを忘れようと決めて生きて来たのに、遠藤友哉と山下が東賀山の事件を調べている。自分と赤沢、守のために決して知られてはならない、彼女には協力者が必要だった。それが鳴川だった。

心麦は「父の最後を教えてください」と言った。しかしそこで面接は時間切れになった。


赤沢京子と鳴川徹の裁判が始まった。染田進さんと阿波山夫婦の殺害は2人が共謀したものだった。

次に、赤沢京子が証言した。

全てを狂わせたあの場所で死のうとしていた時、赤沢がやって来た。彼は京子から包丁を奪おうとして揉み合い、包丁が彼の脇腹に刺さった。

クリスマスイブの日、山下春生から、「少し会えないか?東賀山事件のことで大事な話がある」と電話があった。京子は覚悟を決めて山下の家に行った。

遠藤力郎さんは冤罪だと思っている。あなたは林川安成さんと関係がありましたよね?あなたが隠してたように、私もずっと隠してた」と彼は言い、事件当日のことを話した。

無線で連絡があった時、偶然近くにいた彼は、林川家に一番に着いた。赤ちゃんの鳴き声が聞こえた。ドアは開いていた。

凄惨な現場だった、そこで赤ちゃんが泣いていた。山下は赤ちゃんを抱き2階に上がり、ベイビーベッドに寝かせた。

その直後 赤沢たちが現場に来た。部下の1人が2階の赤ちゃんに気づいたが、山下は何も言わなかった。

遠藤力郎は取り調べで、「赤ちゃんは1階にいた」と答えたが、刑事から「2階にいた、この目で見た」と言われて、偽証したと決めつけられた。

警察もマスコミも遠藤力郎が犯人で疑いはないと思っていた。そして死刑の判決が下された。

山下は自分が力郎さんの事実を捻じ曲げたと悔やんでいた。

山下は話が終わった時、京子に尋ねた、「あなたの口から真実が聞きたい。もう心麦にウソをつくのはやめよう。私もあなたもあの子の親だから」と。

京子は、「お願いです、このことは誰にも言わないで。全部めちゃくちゃになるんですよ、山下さんだって心麦ちゃんだって守だって」と訴えたが、

めちゃくちゃになったのは力郎さんなんです!」と山下は大きな声を出した。そして「これからの人生、間違いを正すために使いたい、誇らしい父親でありたい」と言った。

「あなたも私の邪魔するんですね」と京子が言った時、山下は椅子から転げ落ちた。京子が山下の飲み物に睡眠薬を入れていたのだ。

「心麦は必ずたどりつきますよ、あなたを、クジャクを」と山下が朦朧として言った。

その時、山下の携帯に心麦からメッセージが入った。京子はその携帯をバッグに入れた。

そして家に火をつけた。現場近くに呼び出していた遠藤友哉に、捜査の目が行くように仕向けていた。

「それが全てです」と京子は涙を流し、「ごめんなさい、ごめんなさい」と傍聴席に向かって土下座した。


京子の証言で、事件の真相も父の最後も明らかになった。心麦は最後に松風と波佐見と事務所の屋上でカレーを食べた。松風は、赤沢からだと封筒を渡した。「まあ、お元気で」と松風、「お世話になりました」と心麦もあっさり挨拶した。


赤沢は命を取り留め入院していた。見舞いに来た部下たちに、「刑事が家のことすら知らなかったなんて、全部失格だ」と意気消沈して言った。


阿南由紀は鳴川の面会に来たが、話もしようとしない父に、「逃げるな!あなたの背中を見届ける」と言った。


遠藤力郎は、神井の車で、団地に戻って来た。息子の遠藤友哉が待っていた。力郎は「遅くなっちまったけど、用意してたんだべ、クリスマスプレゼント」と言って、息子に渡した。グローブだったが、子供サイズだった、、、。


心麦はいつもの河辺に来て、赤沢からの封筒を開けた。そこには、クリスマスイブの日に京子が隠し持っていた父の携帯が入っていた。赤沢の手紙には、心麦への謝罪と”私たち夫婦は一生をかけ償っていきます”と書かれていた。

父の携帯にクリスマスイブに父が撮った動画があった、今いる場所、夜の19時。

「心麦、もしこの動画を見つけてしまったら見るのをやめて、これは心麦に直接伝えるための練習だから」で始まる自撮りの動画だった。

え~小麦、さっきも約束したし、クリスマスのプレゼント、、感謝の言葉、、。

お父さんの苦手なピーマンを細かく刻んでおかずの中にしのばしてくれててありがとう。

お父さんが背中にクリーム塗るのを、あの、、届かないのをできるようになるように、ストレッチをしてくれてありがとう。

これはあの、、お父さんが教えたことになってるけど、こすったら割れやすくなるの、、あれ教えてくれてありがとう小麦なんだよ。

ありがとう、お父さんをお父さんにしてくれて。

心麦、生まれてきてくれてありがとう、、、

心麦はジャングルの中で待っていた父と抱擁した。そして涙を流した。


「お腹がなるのは生きてる証拠、初めて見たよ、泣きながらおなか鳴らす人。ミシュラン級のラーメン見つけちゃってさ、今日ならおごるよ」、いつの間にか来ていた松風が言った。

ーー完ーー

感 想

感動です。

9話が終わった時点で、心麦は、自分を産んだ母親が京子で、自分の最愛の父親を殺害したのも彼女だわかったはず。心麦に非常に厳しい現実が待っているのではないか、彼女が救われる道はないんじゃないかと、、、私は恐れていたんです。

でも、それは杞憂でした。

父の娘への愛はほんとに深くて、心麦はこれからも自分を信じて、まっとうに生きていけると確信できる最後でした。


遠藤力郎さんが神井の車で団地に戻って来て、息子に会う場面も秀逸でしたね。3人の男たちの押さえた感情表現、子供サイズのグローブの年月、、、心を揺さぶられました。

しかし、冤罪で22年の刑務所に入れられた力郎さんと息子の友哉さんの人生、ほんとに、彼らが一番の被害者で、それはだれがどうやって償ってくれるのでしょうか?年月は戻ってこないわけですから。現実にこういうことがあった場合、国が弁償(お金で)するしかないのかなと思いますが、、、あってはならないことですが、、、。


東賀山事件の真相については、京子さん、夫と別居中に不倫してその人の子供を産むとか、その子を一旦林川家に迎えるとか、一家心中を体裁のために殺人事件にするとか、、あまりにも短絡的すぎると興醒めでもあったのですが、ドラマのテーマはそこではなかったようです。


このドラマは、父と娘の愛の物語でした。

父は苦悩していました。冤罪で遠藤力郎さんを逮捕してしまい、彼と息子の人生をめちゃくちゃにしてしまったことを。真犯人を見つけて過ちを正さなくてはならない。しかしそれは、最愛の娘の心麦を巻き込むことになる。しかし、彼は娘を信じて手紙を託したのでした。

心麦がたどり着いたジャングルは厳しいものだったかもしれませんが、クジャクのダンスを踊っていたのは父、過ちを正すために闘い、心麦にいっぱいの愛を注いで育ててくれた父がそこで待っていてくれたのだと思います。あの場面は涙なしでは見られませんでした。

リリー・フランキーさんの父親が凄すぎましたね、これ以上の父はいません。広瀬すずさんの心麦も芯の強い女性で、最高の父と娘でした。

そして松風弁護士、松山ケンイチさんもすごく良かったです。粋でした!

ツッコミどころ満載でもあったのですが、見終えた後に爽快感がありました。心麦、遠藤友哉さんに、希望が見えたので救われました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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